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Q 10001 : 2019 (ISO 10001 : 2018)
作成することが望ましい。また,組織は,規範の効果的な活用に対する障害を特定し,対処すると同時に,
規範の実施,維持及び改善につながり得るインセンティブはどのようなものであれ,明確にすることが望
ましい。手順は,規範及びそれを実施する組織によって異なってくる。
注記 手順の対象となり得る活動の例には,次の事項が含まれる。
− 顧客への規範の伝達
− 関係する要員への規範についての教育・訓練
− 規範の約束事項が達成されない場合の解決
− 規範に関する問合せ及び苦情の記録作成
− 規範のパフォーマンスの記録作成及び評価
− 記録の活用及び管理
− 規範の達成に関する情報開示(附属書I参照)
6.7 内部及び外部コミュニケーション計画の作成
組織は,規範の適用に関与する要員及びその他の関係者が,規範及び支援情報(例えば,フィードバッ
ク書式)を入手できるようにする計画を開発することが望ましい(附属書I参照)。
6.8 必要な経営資源の決定
組織は,規範の約束事項を達成するために,また,規範が達成されていない場合の適切な救済(例えば,
顧客への補償)を提供するに当たって,必要とされる経営資源を決定することが望ましい。経営資源には,
要員,教育・訓練,手順,文書,専門家による支援,材料・設備,施設,コンピュータハードウェア及び
ソフトウェア並びに財源が含まれる。
7 実施
組織は,規範のための活動が計画どおりに実施されるように,時宜を得た方法でそれらの活動を運営管
理することが望ましい。
組織は,組織内の適切な階層で,次の事項を行うことが望ましい。
a) 関連手順並びに内部及び外部コミュニケーション計画を適用する。
b) 顧客に対する適切な救済(例えば,補償)を提供する。
c) 規範の規定を達成できない場合に,速やかに対処するために必要な活動を行う。これらの活動は,規
範に関する苦情を受けて,又は規範のパフォーマンスについての組織の情報収集の結果によって開始
され得る。
組織は,次の事項について記録することが望ましい。
− 規範の適用における経営資源の使用状況
− 要員が受けた規範に関する教育・訓練及び指示の内容
− 内部及び外部コミュニケーション計画の実施状況
− 規範に関する問合せ又は苦情への対応内容,及び組織が行った救済のための活動
8 維持及び改善
8.1 情報の収集
組織は,箇条6及び箇条7に記載した情報,インプット及び記録を含む,規範のパフォーマンスの効果
的かつ効率的な評価に必要な情報を,定期的かつ体系的に収集することが望ましい。収集した情報は,関
連していて,正しく,完全で,有意義かつ有用であることが望ましい。
――――― [JIS Q 10001 pdf 11] ―――――
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Q 10001 : 2019 (ISO 10001 : 2018)
8.2 規範のパフォーマンスの評価
組織は,規範のパフォーマンスを定期的かつ体系的に評価することが望ましい。この評価には,規範の
目標及び規範の約束事項の全体について,その達成状況の検証及び分析を含めることが望ましい。
規範又は規範の使用に関する問合せ及び苦情について,組織全体に関わる問題及び傾向なのか,繰り返
し発生する問題及び傾向なのか,又は単発的な問題及び傾向なのかを特定し,かつ,規範に関する苦情の
根底にある原因を取り除くために,分類及び分析することが望ましい。
注記 組織は,製品及びサービス,又はプロセスに関する問合せ及び苦情のうち,規範とは無関係に
見えるものについても,規範の規定に関連するかどうかを判断するためのステップを踏むこと
が望ましい。これらの問合せ及び苦情によって,組織における規範の規定の誤った適用が明ら
かになることがある。
規範の影響を評価するためには,規範の実施前の状況及び実施後の適切な間隔での状況に関する情報が
必要である。この情報は,規範の設計及び実施における問題点を明確にするためだけではなく,規範の実
施を通じて達成された結果(もしあれば)及び進展を実証するためにも使用できる。
8.3 規範に対する顧客満足度の評価
規範及び規範の活用に関して,顧客満足度を判定するために,定期的かつ体系的な処置をとることが望
ましい。このためには,顧客のランダム調査及びその他の技法を用いることができる。
注記1 規範が扱う事項について,顧客からの接触に対する組織の対応を法令で許される範囲でシミ
ュレートすることは,顧客満足度を評価するための一つの方法である。
注記2 対応国際規格には,ISO 10004に関する記載があるが,JISとしては不要であり削除した。
8.4 規範及び規範の枠組みのレビュー
組織は,次の事項のために,定期的かつ体系的に,規範及び規範の枠組みをレビューすることが望まし
い。
a) 規範及び規範の枠組みの適切性,妥当性,有効性及び効率の維持
b) 規範の約束事項が達成されていない重要な事例への取組み
c) 規範の改善に関する必要性及び機会の評価
d) リスク及び機会に関する取組みの有効性の評価
e) 適切な意思決定及び活動
組織は,レビューを実施するに当たり,次の事項に関する適切な情報を取り入れることが望ましい。
− 規範及びその枠組みに影響する変更
− 法令・規制要求事項の改正
− 競合他社の活動方針の変更及び技術革新
− 社会からの期待の変化
− 規範の約束事項の達成状況
− 関連する取組みを含む,リスク及び機会
− 是正処置の現状
− 規範に関するフィードバック
− 提供される製品及びサービス
− これまでのレビューで決定した活動
8.5 継続的改善
組織は,顧客満足を高めるために,是正処置,リスク及び機会に関する取組みなどの手段,並びに革新
――――― [JIS Q 10001 pdf 12] ―――――
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Q 10001 : 2019 (ISO 10001 : 2018)
的方法によって,規範及び規範の枠組みを継続的に改善することが望ましい。
組織は,苦情の再発及び発生を防止するために,現存する問題及び将来起こり得る問題の根底にある原
因を取り除くための処置をとることが望ましい。
他の組織が開発した規範を実施する組織は,実施によって発生した問題を,規範を作成した組織に伝え
ることが望ましい。
組織は,次の事項を実施することが望ましい。
− 規範の構造,内容及び実施に関する最善の実施例を調査し,特定し,適用する。
− 組織内部で顧客重視の志向を促進する。
− 規範の革新を奨励する。
− 規範に関連する,優れたパフォーマンスの事例及び手法の事例を推奨する。
――――― [JIS Q 10001 pdf 13] ―――――
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Q 10001 : 2019 (ISO 10001 : 2018)
附属書A
(参考)
様々な組織における規範構成要素の単純化した例
表A.1−様々な組織における規範構成要素の単純化した例
規範構成要素 組織のタイプ
の例 ピザ宅配会社 診療所 小売店協会 ホテル 鉄道会社
約束事項 “もし熱々のピ “予約された診 “もしレジでス “もしお客様が当 “もし列車が遅
ザが30分以内に 療の開始が遅れ キャンした品目 方のサービスにご 延した,手洗所が
配達できない場 る場合は,すぐにの価格が表示価 満足いただけない 汚れていた,又は
合は,ピザは無料患者様にお知ら 格よりも高い場 場合は,当ホテル サービスがぞん
です。” せします。その場合は,個人のお客はその改善に向け ざいであった場
合,別の時間への様でも事業者様 てできる限りの努 合は,乗車券の料
予約変更も可能 でも,その商品を力を致します。そ 金を返金しま
です。” 無料とします。”れでも改善できな す。”
いときは,料金の
割引をさせていた
だきます。”
顧客に伝えら 地理的,天候上又規則正しく組み 対面販売の化粧 ホテルの管理能力 厳しい天候条件
れる約束事項 は交通条件の制 立てた診療スケ 品及び個別に値 を超える状況
に関する限定 限 ジュールを中断 札を付けた商品
条件 させる緊急事態 には適用しない。
規範のその他 配達の遅れたピ 通常の診療時間 規範の目標であ 規範の目標であ 規範の目標であ
の条項 ザの費用を,ピザ帯以外での,医師る,“スキャナでる,“顧客の完全 る,“清潔で正確
配達人の賃金か の対応可能な時 の正確な価格表 な満足”の記述 な列車の運行及
ら差し引かない 間帯についての 示を維持するた び丁寧なサービ
という記述 記述 め”の記述 ス”の記述
支援情報 苦情を訴える方 問合せを行う方 問合せを行う又 割引を受ける方法 返金をどこで受
法 法 は苦情を訴える けられるか
方法
規範の計画, 試行の計画 顧客サービスの 協会メンバーへ 最適な救済を決定 一般利用者への
設計,開発及 教育・訓練 の相談 するための,フォ 対応に関する要
び実施のため ーカスグループの 員の教育
の活動 活用
維持及び改善 調査を実施し,結苦情データを評 データのレビュ 販売促進活動を修 手洗所の清掃手
のための活動 果として規範の 価する。 ーに消費者団体 正する。 順を変更する。
文言に変更を加 が関与する。
える。
パフォーマン 時間どおりに配 連絡を受けた患 誤って価格を付 満足していない顧 乗客からの苦情
ス指標 達した比率 者の比率 けた品目の比率 客の比率 の比率
――――― [JIS Q 10001 pdf 14] ―――――
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Q 10001 : 2019 (ISO 10001 : 2018)
附属書B
(参考)
JIS Q 10001,JIS Q 10002及びJIS Q 10003の相互関係
行動規範,苦情対応及び外部における紛争解決に関する組織のプロセスを図B.1に示す。
注記1 苦情は,顧客又はその他の苦情申出者によって始まる。
注記2 対応国際規格には,ISO 10004に関する記載があるが,JISとしては不要であり削除した。
顧客の製品又はサービスに対する関心
相互関係 JIS Q 10001に基づく
顧客−組織 行動規範
フィードバック
いいえ
相互関係の終了 苦情が申し立て
られたか?
はい
フィードバック
行動規範の確認 JIS Q 10002に基づく
苦情対応
はい
苦情の解決(紛争対応の終了) 苦情は解決され
たか?
いいえ
フィードバック
行動規範の確認 JIS Q 10003に基づく
フィードバック
紛争解決
紛争対応の終了
図B.1−JIS Q 10001,JIS Q 10002及びJIS Q 10003の相互関係
――――― [JIS Q 10001 pdf 15] ―――――
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JIS Q 10001:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10001:2018(IDT)
JIS Q 10001:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.10 : 品質管理及び品質保証
JIS Q 10001:2019の関連規格と引用規格一覧
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