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Q 14005 : 2012 (ISO 14005 : 2010)
由があるかどうかを検討することが望ましい。適用範囲が決まれば,その範囲内の全ての活動,製品及び
サービスが,環境マネジメントシステムによって網羅されることが望ましい。
3.5 環境マネジメントシステムの段階的実施プロセス
どのアプローチが最良かについて明確になっていない組織にとっては,箇条4に示す,単独のプロジェ
クトから着手することが,環境マネジメントへの体系的なアプローチを理解及び適用するための開始点と
して,有益であり得る。
環境マネジメントシステムの段階的な実施への次の二つの異なるアプローチが,この規格において提案
されている。
a) 要素の順番に合わせた規定のステップを進める(箇条5及び箇条6を参照)。このアプローチは,最初
の環境プロジェクトを実施した後に(箇条4を参照),環境側面を管理するための構造化されたアプロ
ーチを採用することを決定した組織に適切である(附属書Bの例を参照)。
b) IS Q 14001の特定の要求事項を満たすために,連続,又は同時に実施し得るステップを選択して使用
する。このステップの選定は,例えば,法令順守を実証すること,利害関係者のニーズ(顧客要求事
項など)を満たすこと,環境パフォーマンスを改善することのような,特定の環境課題に取り組むた
めに選択され得る。このアプローチは,その組織のペースで,かつ,その組織に利用可能な資源の範
囲内で,環境マネジメントシステムをより効果的なものにするように進めることを望む組織に適切で
あり得る(附属書Cの例を参照)。
実施計画は,次の事項を明確にして策定されることが望ましい。
− 採用されたアプローチ
− 達成までの期間
− 必要な資源
− 計画の実施における役割及び責任
− 必要な記録
− 進捗を一貫して監視及び測定できるような方法
進捗は,段階ごとに実施した成果の達成度合い,及び実施計画に沿っているかの観点から測定すること
ができる。また,段階的実施プロセスによって,組織は,JIS Q 14001の実施と対比した評価もできる。環
境マネジメントシステム実施に向けた進捗の評価は,資源の有効な利用を確実にし,かつ,組織の目的を
達成するために有益である。
4 環境マネジメントシステムの段階的実施を開始するに当たり,経営層の支援及びコミットメントを確
立するための,環境関連プロジェクトの取組み
4.1 目的
環境マネジメントシステムの実施を始める前に,かつ,新規のコミットメントの確立,又は既存のコミ
ットメントを強化するために,限られた範囲のプロジェクトを実行することが有用であることを,組織は
理解し得る。プロジェクトの実行によって,環境マネジメントシステムの構築の基本を習得し,体系的に
環境側面を管理することの利点を経験することができ,実際に環境パフォーマンスを改善することにも役
立つ。
このことは,特定の,かつ,組織の当面の関心事項である,一つ又は限られた数の環境側面に焦点を当
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てた小規模プロジェクトを検討することによって,実施し得る。例えば,次のようなものである。
− 高額又は困難な,特定の廃棄物処分のフロー
− 取り扱う必要のある法的要求事項
− 削減が必要な,高額の原材料コスト又はエネルギーコスト
− 近隣の地域社会又は顧客との関係を強化する可能性のある,汚染管理方法の改善
検討される環境側面の数,及び,取り上げられ,解決される範囲は,効果が明確になり,資源の追加が
可能になるに従って,増加し得る。
4.2 方法
4.2.1 一般
ここで説明されるステップは,環境マネジメントシステムの基本的構成を表している。それらは,
“Plan-Do-Check-Act”(PDCA)モデルに従っている。
− Plan : プロジェクトを特定し,選択し,初期環境活動計画を準備する。
− Do : 役割及び責任の割当てを含む,活動計画を実行する。
− Check : 達成度を監視し,測定し,評価する。
− Act : プロセスをレビューし,マネジメントレビューにおいて更なる処置を決定する。
PDCAモデルは,他の多くのマネジメントシステム規格の基礎としても使用されている。
4.2.2 トップマネジメントの参画
活動を確実に実施することに権限をもつ人々,及び環境マネジメントシステムを成功裏に実施すること
を支援するために必要となる資源を管理する組織内の人々の参画,コミットメント及び支援を得ることは
不可欠である。“トップマネジメント”という用語は,しばしばこれらの人々のことを表すために使用され
る。これらの人々は,自分自身のコミットメント及び支援の重要性を理解することが望ましく,さらに,
そのコミットメント及び支援は,組織内の他の人々にも伝達されることが望ましい。
トップマネジメントは,環境プロジェクトの中心として活動するプロジェクトリーダーを任命すること
が望ましい。JIS Q 14001の要求事項を満たす環境マネジメントシステムを実施するとき,この人物は,管
理責任者となる。この規格にある手引では,“管理責任者”という用語は,JIS Q 14001に完全に準拠した
環境マネジメントシステムを実施するか,又はより小規模な環境プロジェクトを実施するかによって,“プ
ロジェクトリーダー”という意味で使われることもある。
4.2.3 プロジェクトの特定及び選定
どの環境プロジェクトが,コミットメント及び支援を奨励する環境改善及びビジネス上の利点をもたら
すかを決定するために,組織が直面している広範囲の環境問題に関する情報を集めることが有用である。
これらの情報は,規制の順守,環境関連の苦情(例えば,煙,騒音,悪臭),環境への明らかなマイナスの
影響(例えば,大気汚染,水質汚濁),エネルギー,廃棄物,水及び原材料の使用に関するコスト,顧客か
らの要請,スタッフからの提案,又は他の利害関係者の見解を含み得る。
選定されたプロジェクトは,制約された資源のもとでも管理できるように,その範囲を十分に限定する
だけでなく,更なる環境プロジェクト又は環境マネジメントシステムの完全な実施のための支援を確保す
るために,妥当な期間の中で,組織に対して実証可能な価値をもたらすものでもあることが望ましい。
潜在的な利点及び機会を含めて,必要な取組み,資源,及び投資収益率に注意を払うことが望ましい。
選定されたプロジェクトの範囲,期待される利点,必要な予算,及び損失の可能性は,承認を得るために,
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トップマネジメントに提出することが望ましい。
4.2.4 選定されたプロジェクトの計画及び実施
選定されたプロジェクトの作業を始める前に,活動計画を準備するとよい。活動計画は,特に小規模組
織にとっては,短い内容となり得るが,少なくともその中に,プロジェクト実施の意図,組織に価値をも
たらす理由,及びその達成の方法を簡潔に記述することが望ましい。この計画には,想定されるコストも
含んでよい。
活動計画を準備するに当たり,次の事項を特定し,分析するために,レビューの実施から始めてもよい。
a) プロジェクトの範囲に含まれる,組織の活動,製品及びサービスに適用される主な法的要求事項。そ
の他の要求事項(例えば,契約に関する要求事項)についても,考慮され得る。
b) 組織の活動,製品及びサービスの環境への主な影響。これらを特定するときに,組織は,規制当局か
らの許可証,並びに大気,水及び土壌への排出,廃棄物の取扱い及び処理,有害物質の使用及び生産
に関する業界団体から入手できる情報を調査し,かつ,利害関係者の見解を考慮してもよい。
労力をかけてレビューすることはないが,レビューは,環境マネジメントシステムが組織にもたらす価
値を正しく評価するために,重要な要素に焦点を当てて十分に行うことが望ましい。
環境側面及びそれに関連するコストの定量的評価に関する情報(例えば,廃棄物量,液体排出物の量,
潜在的に修復可能な製品を放置又は廃棄することで発生する損失コスト,苦情件数,排出物の成分)がな
い場合,その評価を行う必要がある。これらの値は,環境パフォーマンス指標と呼ばれ,活動単位(例え
ば,最終製品の量)ごとに示すことが実用的である。
注記 環境パフォーマンス指標の使用方法については,6.8を参照。
環境パフォーマンス指標を特定した後,改善のための目的及び目標を特定することが望ましい。例えば,
エネルギー使用の削減,有害な排出の低減などがある。目的及び目標は,可能な限り定量化し,上記の適
切な指標に関連することが望ましい。目的及び目標は,事業運用,利用可能な資源,経営上の到達点及び
組織に関するその他の問題を考慮に入れて優先順位を決める必要がある。
関連する活動計画では,最終的に次の事項を定めることが望ましい。
− これらの目的及び目標に到達するために必要な活動
− 対応する資源(人的及び財務的)
− プロジェクトを完了する上で,期間,特に正確な達成期限を確立することが望ましい。
− 計画実施のための責任
プロジェクトの活動計画は,承認のためにトップマネジメントに提出することが望ましい。
関連する責任を組織内の特定の人々に割り当て,活動計画の内容に見合った適切な資源を準備すること
が望ましい。計画に含まれる全ての活動を,実行することが望ましい。一部の活動を効果的に達成するた
めに,新たな教育訓練が必要となり得る。
4.2.5 選定されたプロジェクトの点検
選択された指標に対する進捗は,次の事項を決定するために,プロジェクトに含まれる運用活動に関わ
る要員によって,定期的に評価してもよい。
− 環境パフォーマンス指標ごとの進捗
− 資源及び費用
− 想定される遅延
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− 上記以外の,活動計画からの逸脱
必要があれば,プロジェクトが計画どおりに進むように,適切な処置をとることが望ましい。
4.2.6 選定されたプロジェクトのレビュー
活動計画が完全に実施された場合,トップマネジメントは,次の事項を調査及び評価するために,プロ
セス及び結果をレビューすることが望ましい。
− 全ての計画された活動が適切に実施されたか
− 環境パフォーマンスの改善が達成されたか
− 計画された到達点に対する達成度合い
− 財務的な成果
− 組織構造に与え得る影響
− 利害関係者の予想される反応を含む,プロジェクトのその他のコスト及び利点
プロジェクトを統括している管理責任者は,上記の項目を考慮に入れて,レビューのための概要報告書
を用意することが望ましい。
レビューの終了時に,トップマネジメントは,自らの理解を深めた上で,完全な環境マネジメントシス
テムの実施を進めるかどうかを決定する立場にいることが望ましい。又は,現在のプロジェクトを拡大す
るか(例えば,活動計画の修正,より良いコミュニケーション,より一層の資源の配分,新たな責任の割
当て及び範囲の変更),若しくは,別の環境側面に焦点を当てた追加のプロジェクトについて開始するかを
決定してもよい。
組織が,JIS Q 14001の全ての要求事項を満たす環境マネジメントシステムの実施の継続を決定した場合,
トップマネジメントは,正式にコミットメント及び支援を表明し,管理責任者の指名並びに十分な時間及
び資源の配分を含む,箇条5以降に記述されている活動の実施のために,必要な全ての対応を行うことが
望ましい。いかなる場合においても,トップマネジメントは,その決定について,組織内の全ての要員に
明確に伝達し,説明することが望ましい。
環境マネジメントシステムプロジェクトの例は,附属書Dを参照。
5 環境マネジメントシステムの実施及び維持を支援する要素
5.1 環境コミュニケーション
5.1.1 一般
環境改善活動又は環境マネジメントシステムの実施に関わる人々が,それに責任を負い,支援すること
によって,環境マネジメントシステムの実施が効果的になる。さらに,その人々が支援を提供することが
望ましい理由をよく理解し,達成された内容に関するフィードバックをより早くするほど,その人々の意
欲をより促すことになる。そのためには,経営層とスタッフとの間で,方向性だけでなく,最新の進捗状
況についても,効果的かつ定期的なコミュニケーションが必要である。さらに,組織内の部門間での,良
好なコミュニケーションが望ましい。これによって,ある部門の活動が他の部門に与える環境的意味合い
を,各人が理解できるようになる。
顧客,地域社会及びその他の外部の利害関係者との良好な双方向のコミュニケーションを構築し,維持
することも重要である。組織外のそうした人々の関心事,考え及び意見を聞くことによって,組織は,信
頼関係を構築でき,ビジネスの改善及び市場への参入に結びつけることもできる。環境目的及び目標を策
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定し,マネジメントシステムが成熟するにつれて,利害関係者の参画を通じて,組織は,問題化する前に
外部の考えを理解し,それに取り組み,かつ,応えることができる。
何を,誰に,どのような方法で伝達するかについての決定は,計画したとおりに行われることが望まし
い。
ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 ステップ5
環境課題についてコ 何を,誰に伝達する 利害関係者に情報を コミュニケーション コミュニケーション
ミュニケーションを かを明確にする。 伝達する方法を計画 プロセスを実施す が効果的であったか
行う必要性及び価値 する。 る。 を決定するために,
を認識する。 コミュニケーション
の結果を監視する。
5.1.2 ステップ1
組織は,環境マネジメントシステムの効果的な実施を確実にするために,環境問題に関するコミュニケ
ーションの重要性を認識することが望ましい。これは,組織内部のコミュニケーション及び外部の利害関
係者とのコミュニケーションを含む。不十分なコミュニケーションの例(それがどのような場面で組織の
困難をもたらしたか),又は,良好なコミュニケーションの例(どのような場面で利点をもたらしたか)を
明確にすることは,コミュニケーション戦略の構築に着手するのに良い方法である。環境コミュニケーシ
ョンに関する更なる情報は,JIS Q 14063を参照。
5.1.3 ステップ2
組織は,どの情報を誰に対して伝達する必要があるかを特定し,決定することが望ましい。この情報に
は,次の情報を含んでもよい。
− 組織の環境方針,著しい環境側面の程度及び範囲,環境パフォーマンスの改善のための目的及び目標,
現在の環境パフォーマンスレベル,並びに法的要求事項の順守
− 内部及び外部の利害関係者からのあらゆる意見(苦情,法規制順守状況の監査及び顧客アンケートを
含む。)
− 環境マネジメントシステムの効果的な実施を確実にするために必要なその他の関連情報
組織は,内部及び外部の利害関係者を含めた,コミュニケーションをとる対象者を決めることが望まし
い。内部では経営層とスタッフとの間,外部では顧客,地域社会,行政機関といった利害関係者との,双
方向のコミュニケーションの仕組みがあることを確実にすることが望ましい。組織は,それぞれの対象者
にとって重要となるコミュニケーションを決定することが望ましい(すなわち,メッセージの伝達,イン
プット及び支援の要求,又は規制認可)。
5.1.4 ステップ3
多くの組織は,既に,スタッフ,地域社会,顧客,供給者及びその他の利害関係者とのコミュニケーシ
ョンの方法をもっている。それがない場合には,新しいコミュニケーションの計画を作る必要があり得る。
しかし,実行可能な場合,既存の方法を基にして進めるのが通常最も費用対効果がある。これは,既存の
計画の有効性を評価し,より効果的なコミュニケーションの方法又は様式を明確にすることによって,そ
の有効性を改善する良い機会でもある。
一貫性を維持するため,組織は,コミュニケーションの手順を策定し,実施することが望ましい。この
手順は,必ずしも複雑である必要はないが,何を,誰に,どのように,かつ,いかなる目的をもって伝達
するのかという概要を示すことが望ましい。コミュニケーションの手順は,次のとおりであることが望ま
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JIS Q 14005:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14005:2010(IDT)
JIS Q 14005:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.10 : 環境マネジメント