JIS Q 14031:2000 環境マネジメント―環境パフォーマンス評価―指針 | ページ 2

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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
図2 環境状態における,組織のマネジメント及び操業の相互関係
3.1.3 EPEのマネジメント用途 EPEの実施に対する経営層の約束が重要である。EPEは,組織の規模,
所在地及び種類並びに組織のニーズ及び優先度に適合したものであることが望ましい。EPEは,経済的で
あり,組織の通常の事業機能及び活動の一部であることが望ましい。EPEによって作成した情報は,次の
点で組織を支援できる。
・ 環境パフォーマンス基準を達成するために必要な行動の決定
・ 著しい環境側面の特定
・ 環境側面のマネジメントを,より改善する機会の特定(例 汚染予防)
・ 環境パフォーマンスの傾向の確認
・ 組織の効率及び有効性の向上
・ 戦略的機会の特定
組織の環境パフォーマンスを述べた情報の内部報告及びコミュニケーションすることは,従業員の責任
遂行を支援し,組織の環境パフォーマンス基準の達成を可能にするためには重要である。経営層は,当該
情報を他の利害関係者にも報告し又はコミュニケーションするのもよい。
組織のEPEは,定期的に見直しを行い,改善することが望ましい。
3.2 EPEの計画(計画)
3.2.1 一般指針 組織は,次に基づきEPEを計画(EPE指標の選択を含む。)をすることが望ましい
・ 管理可能で,かつ,影響力をもつと期待し得る著しい環境側面
・ 環境パフォーマンス基準
・ 利害関係者の見解
備考 この規格のA.2には,EPEについての利害関係者の見解を特定するための指針を示している。
EPEの計画では,組織は次の点も考慮するとよい。

――――― [JIS Q 14031 pdf 6] ―――――

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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
− すべての範囲の活動,製品及びサービス
− 組織体制
− 包括的事業戦略
− 環境方針
− 法律及びその他の要求事項を満たすために必要な情報
− 関連する国際的な環境協定
− 環境コスト及び便益
− 環境パフォーマンスに関する財務効果の分析に必要な情報
− 環境パフォーマンスに関する毎年の一貫した情報の必要性
− 局地的,地域的,国家的又は地球規模な環境状態についての情報
− 文化的及び社会的要因
EPEの実施のための財務的,物的及び人的な資源は,経営層が特定し,用意することが望ましい。
組織のEPEで初期の適用範囲は,能力及び資源に応じて,経営層が最優先とする活動並びに製品,サー
ビスなどの要素に限定するとよい。時間経過に応じて,当初のEPEの適用範囲を拡大し,それまで取り扱
わなかった組織の活動,製品,サービスなどの要素に取り組むことができる。
組織の環境側面を特定することは,EPEの計画での重要な入力となる。通常,この情報は環境マネジメ
ントシステムの中で展開される。著しい環境側面を環境マネジメントシステムの中で特定するための指針
は,JIS Q 14001及びJIS Q 14004に説明されている(参考文献参照)。環境マネジメントシステムをもっ
ている組織は,環境方針,目的,目標及びその他環境パフォーマンス基準に対して環境パフォーマンスを
評価することが望ましい。
環境マネジメントシステムをもたない組織では,著しいと扱う環境側面を特定すること,及び環境パフ
ォーマンス基準を設定することの一助として,EPEを使ってもよい。著しい環境側面を決めるため,組織
は次の点を考慮することが望ましい。
・ 材料並びにエネルギーの使用量及び種類
・ 放出
・ リスク
・ 環境状態
・ 発生事象の可能性
・ 組織が準拠する法規,規制,その他の要求事項
ほとんどの組織では,図A.1に示されているように,環境側面の見直しは組織の操業に焦点を合わせる
ことになる。

――――― [JIS Q 14031 pdf 7] ―――――

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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
実践の手引 #1
環境マネジメントシステムをもたない組織の場合における,環境側面の特定及びEPEでの相対的重要性
を特定するための方法の例
・ 組織の活動並びに製品及びサービス,すなわち,具体的環境側面及びそれらと関連した相対的重要
性,並びに著しい環境側面にかかわる潜在的影響の特定。
・ 特定の状態に影響を与える得る組織の活動並びに製品及びサービスを特定するための,環境状態に
ついての情報の使用。
・ 材料,エネルギーの入力,排出,廃棄物及び放出に関する組織の既存データの分析並びにこれらの
データのリスク面での評価。
・ 利害関係者の見解の確認及びその確認事項に関する組織の著しい環境側面の特定への使用。
・ 環境規制,その他の要求事項に従っている組織活動の特定。ただし,必要なデータは,既に組織に
よって収集されている。
・ 組織の製品に関する設計・開発・製造・物流・サービス・使用・再使用,リサイクル及び処分,並
びにこれらに関する環境影響の検討。
・ 最も顕著な環境コスト又は便益を伴う組織活動の特定。
組織は,環境マネジメントシステムをもっているか否かにかかわらず,環境パフォーマンス基準の設定
と連動して,EPEを計画することが望ましい。そうすれば,選択されたEPE指標は,組織の環境パフォー
マンスを,その基準に対して表現するのに適切なものになる。
環境パフォーマンス基準を得るための情報源の例を,次に挙げる。
− 現状及び過去のパフォーマンス
− 法的要求事項
− 認識している規範,規格及び最善の実例
− 産業界及びその他の組織によって開発されたパフォーマンスデータ及び情報
− 経営層による見直し及び監査
− 利害関係者の見解
− 科学的な研究。
3.2.2 EPEの指標の選択
3.2.2.1 一般指針 EPE指標は,定性的又は定量的なデータ又は情報をより理解しやすく,かつ,有用な
形で表現する手段として,組織が選択する。これらの指標は,組織の環境パフォーマンス,操業の環境パ
フォーマンス,又は環境状態に影響を与えるマネージメント努力について,関連データを簡便な情報に変
換する一助となるものである。組織は,その環境パフォーマンス評価に,理解可能な,関連する指標を十
分な個数,選択することが望ましい。EPEに選択した指標の数は,組織の操業の特徴と規模を反映してい
ることが望ましい。これらの指標によって,どのようなデータが使用されるかが決まる。この作業を容易
にするため,組織は自分又は他組織が収集し,使用可能となっているデータを活用しても差し支えない。
EPEの指標を通じて伝達される情報は,直接的又は相対的な尺度若しくは指標化の情報として表現でき
る。これらの指標は,情報の性質及び使用意図に合わせて合算したり重み付けをしてよい。重み付けは,
検証能力,整合性,比較可能性及び理解容易性を保証できるように配慮して,実行することが望ましい。
データの取扱い並びに情報及びEPEの指標へのデータ変換に際しての仮定は,十分理解していることが必
要である。

――――― [JIS Q 14031 pdf 8] ―――――

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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
実践の手引 #2
EPEの指標に用いるデータの特性の例
・ 直接の測定値又は計算値 : 基本データ又は情報。例えば,排出汚染物トン数。
・ 相対測定値又は計算値 : 別のパラメータ(例,生産レベル,時間,場所,又はバックグラウンドの
状態)と対比又は関連付けたデータ又は情報。
例 製品1トン当たりの排出汚染物のトン数。単位販売高当たりの排出汚染物のトン数。
・ 指標化 : 例えば,基準年度の排出量に対する比率として表した当該年度排出汚染量のように,特定
基準と,情報を関連づける単位又は様式に,変換してデータ又は情報を記述する。
・ 合算 : 同一種類のデータ又は情報の記述であるが,異なる情報源から収集し,合計値として表現し
たもの。所与の年度に,製品の生産から排出された特定汚染物の総トン数合計値で,当該製品を生
産する複数施設からの排出量を合計して求めたもの。
・ 重み付け : 重要性に関する係数の適用によって修正したデータ又は情報の記載。
EPEの指標の選択に当たって考慮すべき事項が多くあり,EPI(OPI及びMPI)及びECIの選択に当た
って組織がとる方法も幾つかある。EPE指標の選択の際考慮する事項を,幾つかA.3.1に示す。A.3.2には,
EPEの指標の選択方法の例を幾つか示す。
環境側面には複雑なものもあるが,こうした側面について包括的なパフォーマンス評価には,EPIとECI
とを組み合わせて選択するとよい。
ある環境パフォーマンス基準を達成する活動が環境パフォーマンスの他の要素に影響するか,管理者が
理解できる十分な情報をもてるように,EPEの指標を選択することが望ましい。
組織にとって,共通データから各指標ごとに意図する対象者に応じて導き出したEPEの指標を幾つか選
択すると,有益であることが分かる。
実践の手引 #3
共通データから意図する対象者に応じて,導かれたEPEの指標を幾つか選択し,組織を説明する例
廃水を処理して湖に放出する組織は,EPEに次の指標を選択するとよい。
・ 年当たりの特定汚染物の排出総合計量(想定される対象者 : 地域社会)
・ 廃水中の汚染物濃度(想定される対象者 : 法規制当局)
・ 製品当たりの放出汚染物量(想定される対象者 : 管理者及び消費者)
・ よりクリーンな技術又はプロセス改善への投資に対する年当たりの放出汚染物量の変化(想定され
る対象者 : 経営層及び投資家)
環境パフォーマンス又は持続可能な開発に関する,地域的,国家的及び地球規模の指標を,政府機関,
非政府組織及び科学・研究機関が開発している。EPEの指標を選択し,データを収集する場合,組織は,
こうした団体が開発した指標と,その組織に提供される情報との整合性を考慮するとよい。
3.2.2.2 MPIの選択 EPEに関する組織のマネジメントには,組織のあらゆるレベルでの方針,人員,計
画活動,実践及び手順が含まれる。組織の経営層が実行する取組み及び決定は,組織操業のパフォーマン
スに影響を与え,それによって組織の環境パフォーマンス全体に寄与する場合がある(図2参照)。
マネジメントパフォーマンス指標(以下,MPIという。)は,管理事項についての組織の管理能力及び
取組みに関しての情報を提供することが望ましい。すなわち,環境パフォーマンスに影響を与えるか又は
与える可能性のある,教育訓練,法的要求事項,資源の配分及び効率的使用,環境コスト管理,購入,製
品開発,文書化,是正処置などの事項である。MPIは,環境パフォーマンスを向上させる経営層の取組み,

――――― [JIS Q 14031 pdf 9] ―――――

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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
決定及び処置の評価を助けることが望ましい。
MPIは,例えば,次の事項を追跡するために使用するとよい。
− 種々のマネジメントプログラムの実施及び有効性
− 組織の操業の環境パフォーマンス及び環境状態にも影響を及ぼす経営層の処置
− 組織の環境マネジメントの成功にとって特に重要な取組み
− 状況変化に対応する柔軟性,特定の目的の達成,有効な調整又は問題解決能力を含む,組織の環境マ
ネジメントの能力
− 法律及び条令への適合性並びに組織が同意している他の要求事項との一致
− 財務上のコスト及び利益。
さらに,効果的なMPIは,次の事項を支援することができる。
・ パフォーマンスの変化の予測
・ 実際のパフォーマンスのどこが,関連する環境パフォーマンス基準を超えるか,又は満たさないかの,
根本的原因の特定
・ 予防活動の機会の特定
MPIの例は,A.4.2.2に示す。
3.2.2.3 OPIの選択 OPIは,経営層に組織の操業についての,環境パフォーマンス情報を提供すること
が望ましい。OPIは,次のとおりである。
・ 入力 : 材料(すなわち,処理材,リサイクル材,再使用材,若しくは原材料又は天然資源),エネルギ
ー及びサービス・組織の操業への供給
・ 組織の設備及び装置の設計,設置,運用(緊急事態及び非通常運用を含む。)及び保全
・ 出力 : 組織の操業の結果としての,製品(例えば,主製品,副産物,並びにリサイクル及び再使用の
材料),サービス,廃棄物(例えば,固体,液体,有害物,非有害物,リサイクル可能なもの,再使用
可能なもの)及び排出(例えば,大気への排出,水域又は土壌への流出,騒音,振動,熱,放射線,
光)
・ 引き渡し : 組織の操業からの結果としての出力
図3は,組織の操業を示し,図A.1に詳細を示す。環境パフォーマンスの値を付けるとき,多数の活動
又は施設が,どこで特定の製品又はサービスを生み出すか,組織はそれらを考慮に入れることが望ましい。
OPIの例は,A4.3.1に示す。
図3 組織の操業(一般的概観)

――――― [JIS Q 14031 pdf 10] ―――――

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JIS Q 14005:2012の国際規格 ICS 分類一覧