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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
附属書A(参考)
環境パフォーマンス評価に関する補足指針
A.1 序文 この附属書は,例及び図を通じて,この規格の本体に示した概念を補足することを目指してい
る。表A.1に,本体の事項と附属書Aの事項との関係を示す。
表A.1 本体の事項と附属書Aの事項との関係
本体の事項 附属書Aの事項
3.2 EPEの計画(計画) A.2 EPEを背景とする
利害関係者の見解の明確化に関する指針
3.2.2 EPEの指標の選択 A.3 EPEの指標の選択に関する補足指針
A3.1 EPE指標の選択における考慮事項
A3.2 EPEの指標の選択へのアプローチの例
A.4 EPEの指標の例
3.2.2.2 MPIの選択 A4.2 マネジメントパフォーマンス指標
3.2.2.3 OPIの選択 A4.3 操業パフォーマンス指標
3.2.2.4 ECIの選択 A4.4 環境状態指標
A.2 環境パフォーマンス評価に関係する,利害関係者の見解の明確化に関する指針 環境パフォーマンス
評価の計画には,組織が関連する利害関係者からの,情報の特定及び入手の手段の確立を含めることが望
ましい。
A.2.1 潜在的な利害関係者 利害関係者は,組織との関連において幅広く異なり,組織との利害関係,EPE
計画への潜在的な貢献,並びに彼らの関心をどのように表現したり伝達するかによって異なる。
利害関係者の例
・ 経営者
・ 従業員
・ 投資家及び潜在的な投資家
・ 顧客及び納入業者
・ 契約者
・ 貸付機関及び保険業者
・ 規制機関及び法的機関
・ 近隣及び地域の社会
・ コミュニケーションメディア
・ 事業体,行政機関,学術機関及び研究機関
・ 環境グループ,消費者の利益団体,その他の非政府組織
・ 公共の人々
これらの利害関係者のリストは参考にすぎない。利害関係者が,すべての組織に関連するとは限らない。
組織の性格,所在地及び状況に応じて,他に関係者がいるかもしれない。
A.2.2 利害関係者の関心事項及び見解 主として経済的利害をもつ者の関心事項には,次の事項を含み得
る。
・ 環境コストのマネジメント及び金額
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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
・ 過去又は現在の環境債務に関する財務的影響
・ 建設的な環境のイニシアチブ
・ 環境パフォーマンスを改善する投資
・ 環境の関心事項から得られる取引上の利点
・ 環境法又は環境規制に対する,遵守のコスト
環境又は公共の政策開発に関係する者の関心事項には,次の事項があり得る。
・ 健康及び安全
・ 時間経過による傾向を含め,組織の活動から生じる,実際の若しくは想定される環境へのリスク
・ 生活の質への影響(例えば,騒音,臭気,視覚的影響)
・ 環境に関する発生事象及び苦情
・ 組織がその環境の約束を果たしている旨の証拠
・ 環境影響
・ 環境上の負荷(すなわち,排出物,放出物,廃棄物処分)で,時間経過による傾向を含む
・ 生物多様性
・ 持続可能性
・ 越境汚染及び他の地球規模の環境問題
・ 環境に及ぼす貿易の影響
・ 規制制度の整合性
・ 製品及びサービスの環境特性
・ 法的及び規制の要求項目に伴う環境上の遵守状況
・ 資源消費
A.2.3 利害関係者の見解を明確化する方法
利害関係者の見解を明確化する方法の例
・ 調査及びアンケート
・ 従業員の提案
・ 会議及びワークショップ
・ 市民諮問グループ及び公開会議
・ インタビュー
・ 公共の声明書,内部プログラム及び利害関係者の意見書のレビュー
・ 市場調査
・ 規制の追跡及び傾向注視
・ 自主的指針及び規格
・ 電子的な情報交換
・ 産業及び公共の関心者グループへの参加
・ 近隣,公的団体及び消費者と,供給者との直接的なコミュニケーション
・ メディア及び他の公開情報源からの情報
組織は,直接的及び間接的に利害関係者からの見解及び入力を得る方法の選択及び実施に当たって,彼
らの状況及び特質を考慮することが望ましい。
A.3 EPE指標の選択に関する補足指針
――――― [JIS Q 14031 pdf 17] ―――――
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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
A.3.1 EPE指標の選択における考慮事項 EPEの指標を選択する際,組織はこれらの指標について次の事
項を考慮することが望ましい。
・ 組織の宣言した環境方針と整合性がとれているか。
・ 組織のマネジメントへの取組み,操業パフォーマンス,又は環境状態に対して適切か。
・ 組織の環境パフォーマンス基準に対してのパフォーマンスの測定に役に立つか。
・ 内部及び外部の利害関係者に関連し,かつ,理解できるものであるか。
・ 費用対効果がよく,かつ,タイムリーな方法で入手できるか。
・ データのタイプ,品質及び量に基づいて意図した用い方に使用するのに適しているか。
・ 組織の環境パフォーマンスを代表するものであるか。
・ 環境パフォーマンスに適する単位で測定できるか。
・ 組織の環境パフォーマンスの変化に敏感で,かつ,感度がよいか。
・ 現在又は将来の環境パフォーマンス動向について情報を提供できるか。
EPEの指標は,組織にとって有用なこれら考慮事項を,必ずしもすべてを満たす必要はない。
A.3.2 EPE指標の選択へのアプローチ例
A.3.2.1 因果関係からのアプローチ 組織は,著しい環境側面の基本的又は根本的な原因を対象とする指標
を開発しようと望むであろう。こうした原因を特定する分析を行い,この分析に基づいて指標を選択する
とよい。
例えば,組織は,粒子状物質の多量の排出が,不適正で,かつ,まれにしか実施しない予防保全に原因
があると決定するかも知れない。そこでは,組織は,適切なOPI指標として,例えば,1日当たりの粒子
状物質の排出量や,適切なMPI指標,例えば,予防保全に配分する総金額及び予防保全回数を選択するこ
とができる。予防保全をより適切,かつ,頻繁に実施することで,組織の粒子状物質排出量が減る場合が
あると予想される。
A.3.2.2 リスクに基づくアプローチ
A.3.2.2.1 一般事項 EPEの指標は,特定の活動,製品又はサービスにかかわると,組織の経営層が判断し
たリスクを考慮して選択することができる。次の事項は,リスク準拠の各種アプローチの例である。
A.3.2.2.2 確率的なリスクに基づくアプローチ 自社の操業によって問題化する重大な環境被害のリスク
に関心をもつ組織は,どの特定プロセスが最も爆発又は汚染物の環境中への放出を引き起こしそうかを明
確にするのに,確率的なリスク準拠のアプローチをとってよい。
想定されるMPI : 特定されたプロセスに従事する作業員に実施された,プロセスの安全教育訓練の時間。
A.3.2.2.3 人間の健康に対するリスクに基づくアプローチ 長期的な健康への影響に関心のある組織は,作
業員の健康に対して著しく脅威を与える,最大のリスクをもつ特別な物質を特定するとよい。
想定されるOPI : 組織の操業から排出された特定物質の量。
A.3.2.2.4 財務的リスクに基づくアプローチ 組織は,環境パフォーマンスにかかわる要素で著しいコスト
をもつものを特定し,EPEに適する指標を選択するとよい。
想定されるEPEの指標。
・ 組織の操業で使用するもっとも高価な材料のコスト
・ 同一材料の,組織の操業での消費量
・ 同一材料を,廃棄物から再生し,再使用するコスト
・ 同一材料が,廃棄物の特定量に占める比率
――――― [JIS Q 14031 pdf 18] ―――――
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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
A.3.2.2.5 持続可能リスクに基づくアプローチ 組織は,環境又は組織の競争力を脅かす環境側面に関心を
寄せる場合がある。
想定されるMPI : クロロフルオロカーボン (CFC) の代替化に対する組織の投資配分。
A.3.2.3 ライフサイクルアプローチ 組織は,特定の製品に関わる入力及び出力,並びに製品のライフサイ
クルのすべての段階の著しい環境側面及び環境影響を考慮して,指標を選択するのがよい。
例1. 組織は,使用中の製品の燃料効率を向上できることを確認したとする。環境パフォーマンス評
価の指標としては,製品使用時における消費エネルギーの原単位量があり,燃料効率向上のた
めの製品設計の変更回数が考えられる。
例2. 組織は,製品製造時における再生不可能な材料の製品製造時の使用が,当該製品の最も著しい
環境側面であることを確認したとする。EPEの指標としては,製品単位当たりの再生不可能な
材料の使用量,及び再生不可能な材料に代わり得る代替品を研究するための資源配分などが考
えられる。
例3. 組織は,製品輸送に用いる包装を,顧客から回収し,かつ,製造業者に返却して再使用できる
ことを確認したとする。操業パフォーマンス指標としては,顧客から回収して再処理せずに再
使用できる,包装材の比率が考えられる。
例4. 組織は,製品が再使用又はリサイクル用に簡単に分解できないことを確認したとする。このた
め,EPE指標としては,次の事項が考えられる。
・ リサイクル又は再使用できる,製品の部品の比率
・ リサイクル又は再使用できない,製品の部品の比率
・ 分解を容易にするための製品設計の変更回数
A.3.2.4 規制又は自主的アプローチ 組織は,EPEの指標選択に当たって,規制又は自主的パフォーマンス
要求事項を確認した分野に重点を置いてもよい。パフォーマンス尺度又は関連するパフォーマンス尺度を
創出するために必要なデータは,多くの場合,組織が創出済み又は収集済みである。したがって,特定汚
染物の環境への定期的又は偶発的な排出量の報告を要する組織は,この尺度をEPE指標として使ってもよ
い。
想定されるOPI : 年間の規制対象汚染物の流出量及び年当たりの規制対象汚染物の排出量。
自主的イニシアティブ(例 レスポンスブルケア (Responsible CarR),持続可能な森林イニシアティブ
R),国際商業会議所
(the Sustainable Forestry Initiative (ICC) の持続可能な開発のビジネス憲章 (Business
Charter for Sustainable Development),環境に責任をもつ経済性のための連合によるセリーズ原則 [Coalition
of Environmentally Responsible Economies (CERES) rinciples] に賛成した組織は,このような自発的イニシ
アティブに関係するEPEの指標を選択するとよい。例えば,汚染防止のための特定のプログラムを実行す
ることが,自発的イニシアティブの一部として要求されている組織は,ある年度中に組織が実施した関連
活動数の追跡を考えても差し支えない。
A.4 EPEの指標の例
A.4.1 概要 経営層は,適切なEPEの指標の選択を助けるため,問題又は機能別の論理的グループ分けを
確立することが有用である。
次に示すEPEの指標の例は,説明を目的とした単なる参考である。次に示すグループ分け,リスト及び
例は,完全でも,包括的でもなく,必す(須)なものと判断してはならないし,必ずしもすべての組織に
とって適切であると必ずしも解釈するべきではない。組織,方針,目的及び構造は,大きく変化する。各
――――― [JIS Q 14031 pdf 19] ―――――
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Q 14031 : 2000 (ISO 14031 : 1999)
組織は,環境パフォーマンス基準を満足するうえで,重要と判断したEPEの指標を選択することが望まし
い。
次に示す例のほとんどは,直接的な尺度,事象又は数値の形で表現し,監視に使用できる要素の種類を
示したにすぎない。EPEの指標は,比率若しくは百分率,単位時間当たり,従業員当たり,販売単位当た
り,生産単位当たりの数値又はその他相対的用語で表現すると,経営層の情報ニーズ及び意図した用途に
とって,幾つかは一層有用であることが分かる。
A.4.2 マネジメントパフォーマンス指標
A.4.2.1 概要 環境パフォーマンスを改善する経営取組みには,方針及びプログラムの実施,要求事項又は
期待値との適合性,財務的パフォーマンス並びに地域社会との関係が含まれる。組織の著しい環境側面及
び組織の環境パフォーマンス基準に応じて,MPIの使用に次のいずれかを選択するか,又はしないかは自
由である。
ここでは,組織の経営取組みを測定するのに選択され得るMPIの例を示す。
A.4.2.2 MPIの例
A.4.2.2.1 方針及びプログラムの実施 マネジメントを実施する利点が,組織全体を通した環境方針及びプ
ログラムの実施の評価にある場合,考えられるMPIには,次の事項が含まれる。
・ 達成された目的及び目標の数
・ 環境目的及び目標を達成する組織単位の数
・ マネジメント遵守規定又は操業遵守規定の実施の度合い
・ 実施された汚染防止行動提案の数
・ 環境について特定の責任権限をもつ責任者層の数
・ 職務規定の中に環境要求事項が入っている従業員数
・ 環境プログラムに参加している従業員数(例えば,提案,リサイクル,クリーンアップ提案発議,そ
の他)
・ そのプログラムに参加している総従業員数に対して,褒賞及び表彰を受けた従業員の数
(例えば,提案,リサイクル,クリーンアップ提案発議,その他)
・ 環境教育訓練を必要とする人数と,教育訓練済の人数比率
・ 請負業者中の教育訓練を受けた人数
・ 教育訓練参加者の得点
・ 従業員からの環境改善提案の数
・ 組織の環境問題の知識について,従業員調査の結果
・ 環境問題について質問した納入業者及び請負業者の数
・ 請負でのサービス提供業者で,環境マネジメントシステムを導入又は認証を受けている数
・ 明示的な“製品スチュワードシップ” (stewardship) 計画をもつ製品数
・ 解体,リサイクル,又は再使用に配慮した設計がされた製品数
・ 環境的に安全な使用及び廃棄についての説明書をもつ製品の数
A.4.2.2.2 適合性 マネジメントを実施する利点が,要求事項又は期待事項へのマネジメントシステムの適
合の評価にある場合,考えられるMPIには,次のものを含む。
・ 規制遵守の程度
・ 組織の委託契約に示されている要求及び期待に対する,サービス供給者の適合程度
・ 環境事故への対応又は是正までの時間
――――― [JIS Q 14031 pdf 20] ―――――
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JIS Q 14005:2012の国際規格 ICS 分類一覧
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