JIS R 1655:2003 ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布試験方法

JIS R 1655:2003 規格概要

この規格 R1655は、ファインセラミックスの成形体及び造粒体の気孔径分布を水銀圧入法によって測定する方法について規定。

JISR1655 規格全文情報

規格番号
JIS R1655 
規格名称
ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布試験方法
規格名称英語訳
Test methods for pore size distribution of fine ceramic green body by mercury porosimetry
制定年月日
2003年5月20日
最新改正日
2017年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

81.060.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
ファインセラミックス 2018
改訂:履歴
2003-05-20 制定日, 2008-03-20 確認日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS R 1655:2003 PDF [15]
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まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ファインセラミックス協会(JFCA)
/財団法人日本規格協会(JSA)から工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS R 1655 pdf 1] ―――――

R 1655 : 2003

pdf 目 次

ページ

  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  4. 測定の原理・・・・[2]
  •  5. 装置・器具・・・・[2]
  •  6. 試料・・・・[3]
  •  6.1 試料量・・・・[3]
  •  6.2 試料の前処理・・・・[3]
  •  7. 試験方法・・・・[3]
  •  7.1 試料のひょう量・・・・[3]
  •  7.2 試料の充てん・・・・[3]
  •  7.3 真空排気・・・・[3]
  •  7.4 水銀注入・・・・[3]
  •  7.5 低圧測定・・・・[4]
  •  7.6 高圧測定の準備・・・・[4]
  •  7.7 温度平衡のための待機・・・・[4]
  •  7.8 高圧測定・・・・[4]
  •  7.9 測定モード・・・・[4]
  •  7.10 安全上の留意点・・・・[4]
  •  8. ブランク試験・・・・[5]
  •  8.1 水銀注入・・・・[5]
  •  8.2 水銀加圧・・・・[5]
  •  8.3 水銀圧入量補正・・・・[5]
  •  9. 計算・・・・[5]
  •  9.1 表面張力・・・・[5]
  •  9.2 接触角・・・・[5]
  •  9.3 気孔径・・・・[5]
  •  9.4 水銀圧入量補正・・・・[5]
  •  9.5 単位質量当たりの水銀圧入量・・・・[5]
  •  10. 報告・・・・[5]

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS R 1655 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 1655 : 2003

ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布試験方法

Test methods for pore size distribution of fine ceramic green body by mercury porosimetry

1. 適用範囲

 この規格は,ファインセラミックスの成形体及び造粒体の気孔径分布を水銀圧入法によっ
て測定する方法について規定する。この試験方法で測定できる開気孔の入り口部分の見掛けの直径の範囲
は,使用装置の作動圧力範囲によって決まる。一般的には,見掛けの直径が数nm数百μmの開気孔を測
定することができる。この試験方法で測定することのできる成形体及び造粒体は水銀と反応せず,ぬれ難
いものに限られる。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8572 水銀(試薬)
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS Z 8401 数値の丸め方

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600によるほか,次による。
a) 気孔 成形体及び造粒体中の粉体粒子間の空げき及び粉体粒子内部に含まれている空げき。
b) 開気孔 外表面とつながっている気孔。
c) 閉気孔 外表面とつながっていない独立した気孔。
d) インクボトル型気孔 入り口の径が内部の径より小さい開気孔。
e) 水銀圧入 圧力をかけて試料の開気孔内に水銀を浸入させること。
備考 この規格で用いる圧力値は,全て絶対圧力値とする。
f) 水銀圧入量 圧入によって試料に浸入した水銀の体積。
g) 気孔径 開気孔を円筒形と仮定し,ウォッシュバーン式で計算した気孔の直径。
h) 累積気孔体積 初期値からある圧力までの水銀圧入量の総和。
i) 微分気孔体積 単位圧力変化又は単位気孔径変化に対応した水銀圧入量。
j) 気孔径分布 気孔径に対して気孔の体積を累積気孔体積又は微分気孔体積で表した図又は表。
k) 水銀圧入法 試料の開気孔に水銀を圧入し,圧力と水銀圧入量から気孔径分布を求める方法。
l) 水銀ポロシメータ 水銀圧入法によって気孔径分布を測定する装置。

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4. 測定の原理

 水銀は表面張力が大きく,ほとんどすべての固体に対して90°以上の接触角を示す。こ
のため,気孔を含む固体試料と水銀が接しても,接触部分で水銀を排出しようとする力が働き,水銀は気
孔に入らない。水銀は,外部から圧力をかけることによって,気孔の中に圧入される。気孔の形状を直径
d(m)の円筒状と仮定し,水銀の表面張力をσ(N/m),水銀と試料との接触角をθ(°)とすると,気
孔が水銀を排出する力は−πdσ(cosθ)(N)になる(付図1参照)。一方,水銀に圧力P(Pa)をかけ
ると,気孔断面に加わる力はπd2P/4(N)となり,平衡状態では次式が成立する。
−πdσ(cosθ)=πd 2P/4 ············ (1)
式(1)から,圧力Pと気孔径dの関係は次のウォッシュバーン式で表される。
d =−4σ(cosθ)/P ····················· (2)
式(2)から,水銀が浸入しうる最小の気孔径dは水銀に加わる圧力Pに反比例する。水銀圧入量は気孔の
体積に相当するため,圧力を変化させながら水銀圧入量を測定すれば気孔径分布を測定することができる。

5. 装置・器具

 装置・器具は,次による。
a) 水銀 JIS K 8572に規定する水銀,又は再生水銀を使用する。
b) 質量計 1 mgまで測定できる質量計,又は試料質量を有効数字3けたまで測定できる質量計。
c) 水銀ポロシメータ 水銀の圧入のために真空数百MPaの圧力範囲で加圧できる装置を利用する。こ
れらの圧力に対応して,見掛けの直径が数nm数百μmの気孔が測定対象となる。低圧測定と高圧測
定に別個の測定室を用いる装置,又は低圧測定から高圧測定まで同一の測定室を用いる装置が利用で
きる。さらに,試料容器設置方法として,横置き型と縦置き型がある(付図2付図5参照)。低圧測
定では,真空から大気圧,又は大気圧をある程度越えた所定圧力まで加圧する。大気圧において水銀
は直径約15 μmまでの気孔に入る。高圧測定では,約15 μmより小さい気孔を測定するために,大
気圧から所定の最高圧力までの加圧を行う。
d) 試料容器 試料容器は,測定装置専用のものを用いる。一般的には,ガラス製やステンレス製のもの
が用いられる。試料容器には,試料室と水銀圧入量を測定するためのキャピラリ部が一体になったも
の,又はキャピラリ部が試料室とは独立したものが使用できる。
e) 低圧測定部 低圧測定部には,試料の入った試料容器内部及び測定系内を脱気し,脱泡処理した水銀
を試料容器へ完全に充てんする機構とそのための真空排気装置,直径約15 μmよりも大きな気孔を
測定するために,真空から数百kPaまでの圧力を正確に測定できる圧力計,及び圧入された水銀体積
を正確に読み取る水銀圧入量測定器を備えていることが必要であり,次による。
1) 真空ポンプ 試料容器と水銀充てん装置内を完全に排気するため,10 Pa以下までの減圧が可能な真
空ポンプ。
2) 真空度計 試料容器と水銀充てん装置内の真空度を10 Pa以下まで測定できる真空度計。
備考 真空度計を備えていない装置の場合は,圧力計を代用して真空度を読み取る。
3) 加圧装置 試料容器を真空から数百kPaまで加圧することができる加圧装置。
備考1. 加圧のためにはガス圧が利用できる。
2. 加圧装置としては,加圧ボンベ,加圧ポンプが利用できる。
4) 水銀注入装置 試料容器内を真空排気した後,水銀を試料容器内へ注入することができる水銀注入
装置。
5) 圧力計 数kPaから数百kPaまでの圧力範囲を少なくとも有効数字3けたまで読み取れる圧力計。

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6) 水銀圧入量測定器 最低0.1 mm3の容量まで読み取れる水銀圧入量測定器。水銀圧入量の検出方法
は主に静電容量法であり,キャピラリの静電容量を測定して体積に換算する。この場合,キャピラ
リの内径精度は1%以内でなければならない。キャピラリの水銀表面にマグネットを浮かべ,水銀
の高さをマグネットの位置で検出することによって水銀圧入量を測定する方法もある。この場合も,
キャピラリの内径精度は1%以内でなければならない。
f) 高圧測定部 約15 μmよりも小さな気孔の測定を目的とする。測定試料は水銀だけと接触し,水銀
表面がオイル又はアルコールによって加圧される。高圧測定部には,加圧のための高圧測定室と加圧
ポンプを備え,圧力と水銀圧入量を正確に読み取る機構が必要であり,次による。
1) 高圧測定室 水銀を充てんした試料容器を簡単に挿入することができる開閉機構を有し,また,最
高圧力までの加圧に長期間耐えうる高圧測定室。
2) 加圧ポンプ 大気圧から数百MPaまで加圧し,かつ,減圧できる加圧ポンプ。
3) 圧力計 大気圧から数百MPaまでの圧力を少なくとも有効数字3けたまで読み取れる圧力計。
4) 水銀圧入量測定器 最低0.1 mm3の容量まで読み取れる水銀圧入量測定器(5.e)6)参照)。

6. 試料

6.1 試料量

 試料量は,試料全体の開気孔量がキャピラリ部の容積の20-90%程度となるように採取する。
測定試料には,一つ又は複数個の成形体及び造粒体を用いることができる。
備考 成形体については,試料の表面はできるだけ平滑にし,また,試料表面に粉体が付着している
場合は,きれいに粉体を取り除くことが望ましい。

6.2 試料の前処理

 成形体及び造粒体は,一般的に有機成形助剤を含む。有機成形助剤が測定結果に影
響を及ぼす恐れがある場合は,前処理として脱脂を行う。また,試料の気孔と気孔壁面から吸着異物が取
り除かれるように,脱気処理する。脱脂及び脱気に際して,試料の気孔構造を破壊しないように注意する
必要がある。脱脂及び脱気の条件は実験的に決定しておく。

7. 試験方法

7.1 試料のひょう量

 試料の質量を1 mg又は有効数字3けたまで測定する。

7.2 試料の充てん

 試料を試料容器に充てんする。

7.3 真空排気

 低圧測定と高圧測定に別個の測定室を用いる場合には,試料容器を低圧測定室へ設置し,
10 Pa以下まで排気する。低圧測定室に設置した際に,試料容器を横置きにする装置では,水銀を注入する
前に10 Pa以下の真空度まで排気する。試料容器を縦置きにする装置では真空排気を行いながら水銀を注
入することができる。低圧から高圧まで同一の測定室を用いる装置では,容器を測定室内に設置した後,
水銀注入前に10 Pa以下の真空度まで排気する。

7.4 水銀注入

 水銀を容器内に注入する。試料容器を水銀で満たすために圧力をかけると,試料間の空
隙や試料中の粗大気孔に水銀が圧入される。この操作で満たされた気孔の体積は,その後に測定する気孔
体積分布には含まれない。いったん圧入された水銀は,圧力を下げても完全に排出されないヒステリシス
特性をもつので,水銀圧入後に圧力を下げてはならない。このことを考慮して,測定しようとする気孔に
水銀が圧入されないような低い圧力で水銀を注入する。

――――― [JIS R 1655 pdf 5] ―――――

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JIS R 1655:2003の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 1655:2003の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK8572:1992
水銀(試薬)
JISR1600:2011
ファインセラミックス関連用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方