JIS R 1689:2018 ファインセラミックス薄膜の熱拡散率の測定方法―パルス光加熱サーモリフレクタンス法

JIS R 1689:2018 規格概要

この規格 R1689は、基板上に成膜された厚さが100nm~数μmの均質なファインセラミックス薄膜の室温付近の膜厚方向の熱拡散率の測定方法のうち,パルス光加熱サーモリフレクタンス法について規定。

JISR1689 規格全文情報

規格番号
JIS R1689 
規格名称
ファインセラミックス薄膜の熱拡散率の測定方法―パルス光加熱サーモリフレクタンス法
規格名称英語訳
Determination of thermal diffusivity of fine ceramic films by pulsed light heating thermoreflectance method
制定年月日
2011年12月20日
最新改正日
2018年12月20日
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

81.060.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2011-12-20 制定日, 2016-10-20 確認日, 2018-12-20 改正
ページ
JIS R 1689:2018 PDF [25]
                                                                                   R 1689 : 2018

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 原理・・・・[3]
  •  5 測定装置・・・・[3]
  •  6 試料・・・・[5]
  •  6.1 形状・・・・[5]
  •  6.2 反射膜の成膜・・・・[5]
  •  7 測定手順・・・・[6]
  •  7.1 薄膜の膜厚・・・・[6]
  •  7.2 環境温度・・・・[6]
  •  7.3 温度履歴曲線・・・・[6]
  •  8 熱拡散率の算出・・・・[6]
  •  9 報告書・・・・[7]
  •  附属書A(参考)測温用レーザ発光装置に連続光を用いる装置の構成例・・・・[9]
附属書B(参考)加熱用パルス光を2分割し,一方を加熱用もう一方を測温用のパルス光として用いる装
置の構成例 10
  •  附属書C(参考)測温用レーザ発光装置にパルス光を用いる装置の構成例・・・・[12]
  •  附属書D(参考)加熱用パルス光のパルス幅選択の目安・・・・[13]
  •  附属書E(参考)加熱用パルス光の照射による試料の温度上昇の目安・・・・[15]
  •  附属書F(参考)最小二乗法に用いる単層膜の温度応答の理論式・・・・[16]
  •  附属書G(参考)加熱用パルス光の照射時刻原点t0の決定手順・・・・[18]
  •  附属書H(参考)標準物質・・・・[19]
  •  附属書I(規定)温度履歴曲線の負の傾きの補正法・・・・[20]
  •  附属書J(規定)金属反射膜を施した場合の面積熱拡散時間法による熱拡散率の算出方法・・・・[22]
  •  附属書K(参考)界面熱抵抗の影響・・・・[23]

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R 1689 : 2018

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
ファインセラミックス協会(JFCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して
日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した
日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS R 1689:2011は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
− 氏名 : 国立研究開発法人産業技術総合研究所
− 住所 : 東京都千代田区霞が関1丁目3番1号
1) 特許 第3252155号“サーモリフレクタンス法による熱拡散率測定方法”
2) 特許 第4817328号“熱物性値測定方法”
上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施
の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。

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                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 1689 : 2018

ファインセラミックス薄膜の熱拡散率の測定方法−パルス光加熱サーモリフレクタンス法

Determination of thermal diffusivity of fine ceramic films by pulsed light heating thermoreflectance method

1 適用範囲

  この規格は,基板上に成膜された厚さが100 nm数μmの均質なファインセラミックス薄膜の室温付近
の膜厚方向の熱拡散率の測定方法のうち,パルス光加熱サーモリフレクタンス法について規定する。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状 : 輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
JIS B 0651 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状 : 輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性
JIS C 1602 熱電対
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS R 1611 ファインセラミックスのフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率の測定方法
JIS R 1636 ファインセラミックス薄膜の膜厚試験方法−触針式表面粗さ計による測定方法

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0601及びJIS R 1600によるほか,次による。
3.1
試料
基板及びその基板上に成膜された薄膜で構成される測定対象。
3.2
薄膜の裏面
加熱用パルス光の波長に対し透明な基板上に作製された薄膜が基板と接する面。
3.3
薄膜の表面
薄膜が空気と接する面。
3.4
温度履歴曲線
パルス加熱によるファインセラミックス薄膜の表面温度の時間変化を表示した曲線(図1参照)。サーモ

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R 1689 : 2018
リフレクタンスの効果による温度に依存した光の反射率変化は物質によって異なるため,図1の縦軸の温
度は任意単位として用いる。
3.5
環境温度
ファインセラミックス薄膜又はその近傍の温度。
3.6
最高温度上昇(ΔTmax)
図1の温度履歴曲線における最大値。
3.7
パルス幅(τp)
レーザパルス光の出力の時間変化曲線において,最大値の半値以上の出力が保持される時間。
3.8
照射直径
ファインセラミックス薄膜へ照射する加熱用パルス光及び測温用レーザ光の直径。光強度がガウス分布
をもつ場合,最大強度の1/e2となる位置の包絡線で表される円の直径。
3.9
トリガ信号
温度応答測定回路に加熱用パルス光の発光を伝える信号。
3.10
パルス照射時刻原点(t0)
温度履歴曲線において時刻が0の点(t0=0)であり,加熱用パルス光が薄膜に照射された時刻に対応さ
せる。
3.11
ハーフタイム(t1/2)(s)
温度履歴曲線においてパルス照射時刻原点から最高温度上昇ΔTmaxの二分の一に達するまでの時間。
3.12
熱拡散の特性時間(τ)(s)
厚さdで熱拡散率αのファインセラミックス薄膜の裏面から表面まで熱が拡散するときτ=d 2/αによっ
て定義される時間。
3.13
単位体積当たりの熱容量(C)(Jm−3K−1)
1 m3の体積をもつ物体の温度を1 K上昇させるのに必要な熱量。
3.14
サーモリフレクタンス
物質の反射率が温度とともに変化する効果。対象物に照射した光の反射強度を基に対象物の温度変化を
観察するために利用することができる。特に,熱電対,放射温度計などの通常の温度測定装置では測定す
ることができない高速な温度変化を測定するために有効である。
3.15
標準薄膜
パルス光加熱サーモリフレクタンス法の原理を用いた装置の校正又は測定値の補正を行うことを目的と

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R 1689 : 2018
して,熱拡散の特性時間が値付けられた薄膜。

4 原理

  薄膜の裏面に,薄膜の膜厚に比べて十分に広い面積の加熱用パルス光を照射することで,薄膜の裏面は
パルス加熱され瞬間的に裏面が昇温し温度が低い表面に向かって一次元的に熱が拡散し,最終的に薄膜の
厚さ方向の温度分布は均一となる。薄膜の表面の反射率は,サーモリフレクタンスと呼ばれる現象によっ
て温度の変化に伴い僅かに変化する。したがって,薄膜の表面に照射された測温用レーザ光の反射後の光
強度を測定し,パルス加熱が行われた時刻を基準にして記録することによって,薄膜の表面の温度履歴曲
線を得る(図1参照)。パルス加熱が行われてから表面温度が十分上昇するまでの時間は,試料の膜厚及
び熱物性値に依存するため,温度履歴曲線を解析しファインセラミックス薄膜の膜厚方向の熱拡散率を算
出することができる。また,薄膜の表面側を加熱し,裏面側を測温してもよい。
注記 横軸においてt0=0であることに注意する。
図1−パルス光加熱サーモリフレクタンス法によって測定する温度履歴曲線の例

5 測定装置

5.1   装置の構成例 パルス光加熱サーモリフレクタンス法の原理を用いた装置の構成例を図2に示す。
この図で示した構成は最も基本的なものであり,使用する光源又は記録装置の種類によって複数の構成を
とることができる。構成の例を附属書A附属書Cに示す。

――――― [JIS R 1689 pdf 5] ―――――

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JIS R 1689:2018の関連規格と引用規格一覧