JIS R 1694:2012 ファインセラミックス薄膜の湿度環境下における分光透過率の測定方法 | ページ 2

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d)の環境で一連の測定を行う。試料の湿度環境履歴の測定値への影響を最小とするために,必ず真空環境
下における吸着水分の脱離を行う必要がある。測定条件は,次による。
a) 測定部位 試料の中心部を測定する。試料寸法がミニチャンバーの窓直径より大きい場合は,光学絞
りは不要である。
b) 真空環境 ミニチャンバーの排気口だけを開栓して,真空排気する。排気時間は30分以上とする。
c) 高湿度環境 温度23±2 ℃かつ高湿度に保った恒温恒湿槽中に,ミニチャンバーの吸気口及び排気口
を開栓したまま放置する。望ましい湿度環境は,相対湿度(80±2)%である。保持時間は,20分とす
る。
d) 低湿度環境 温度23±2 ℃かつ低湿度に保った恒温恒湿槽中に,ミニチャンバーの吸気口及び排気口
を開栓したまま放置する。望ましい湿度環境は,相対湿度(40±2)%である。保持時間は,20分とす
る。
e) 分光透過率の測定 測定波長範囲300850 nmを測定する場合は,測定波長間隔0.2 nm,波長走査速
度120 nm/min以下,レスポンスは高速,試料への光入射角度は0°とする。測定波長範囲8502 500
nmを測定する場合は,測定波長間隔0.2 nm,波長走査速度150 nm/min以下,レスポンスは高速,試
料への光入射角度は0°とする。

9 測定手順

9.1 ベースライン補正

  測定波長範囲における分光透過率を装置のベースライン補正機能を用いて100 %に設定する。分光透過
率を100 %に設定する方法は,次に示すA法及びB法の二つがある。それぞれ目的に応じて使い分ける。
a) 法 試料及びミニチャンバーを設置しない状態で分光透過率を100 %に設定する。この方法は,試
料の波長シフトを厳密に測定する場合に使用する。
b) 法 試料を取り付けていないミニチャンバーを設置した状態で分光透過率を100 %に設定する。こ
の方法は,ミニチャンバーの影響を受けない試料単独の分光透過率が必要な場合に使用する。

9.2 ミニチャンバーの光軸合わせ

  試料光の光軸の中心とミニチャンバーの窓の中心とを一致させる。積分球を用いない場合は,最大透過
率が得られているかをそのとき確認する。

9.3 分光透過率の測定

  分光透過率の測定は,それぞれ次のように行う。
なお,高湿度測定及び低湿度測定では,測定の再現性を得るため,必ず真空排気した後に,所定の湿度
環境で保持する。
a) 真空測定 試料を圧力が40 Pa以下である真空環境に保持した後,排気口を閉栓して測定する。
b) 高湿度測定 試料を真空環境に保持した後,排気口を閉栓して高湿度環境の恒温恒湿槽に移し,吸気
口及び排気口を開栓して高湿度環境中で試料を保持した後に,吸気口及び排気口を閉栓して恒温恒湿
槽から取り出し,測定する。測定までの時間は10分以内を目安とする。
c) 低湿度測定 試料を真空環境に保持した後,排気口を閉栓して低湿度環境の恒温恒湿槽に移し,吸気
口及び排気口を開栓して低湿度環境中で試料を保持した後に,吸気口及び排気口を閉栓して恒温恒湿
槽から取り出し,測定する。測定までの時間は10分以内を目安とする。

――――― [JIS R 1694 pdf 6] ―――――

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10 測定結果の表し方

  薄膜の種類に特徴的な変化を,次に示す方法によって算出する。
a) 波長シフト量 測定した分光透過率曲線から,真空測定,低湿度測定及び高湿度測定での1/2透過率
波長[λT1/2]を算出する。図2に単層膜での算出法を,また,図3に多層膜での算出法を示す。高湿
度での波長シフト量は,真空環境の測定値と高湿度環境での測定値との差分とする。さらに,低湿度
での波長シフト量は,真空環境の測定値と低湿度環境での測定値との差分とする。
図2−単層膜フィルタでの1/2透過率波長[λT1/2]
図3−多層膜フィルタでの1/2透過率波長[λT1/2]
b) 最大透過率変化量 測定した光透過率スペクトルから,真空測定,低湿度測定及び高湿度測定での最
大透過率値を算出する。高湿度での透過率変化量は,真空環境の測定値と高湿度環境での測定値との
差分とする。また,低湿度での透過率変化量は,真空環境の測定値と低湿度環境での測定値との差分
とする。
c) 色度変化量 測定した分光透過スペクトルからJIS Z 8701の5.2(物体色の三刺激値)に規定する三
刺激値X,Y,Z又はX10,Y10,Z10及びJIS Z 8701の7.1(色度座標の求め方)に規定するx,y又はx10,
y10を求める。色差を求める場合には,JIS Z 8730の箇条7(色差の計算方法)に規定する方法を用い

――――― [JIS R 1694 pdf 7] ―――――

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る。

11 測定結果の報告

  測定の結果は,次の項目について報告する。
a) この規格の番号
b) 測定年月日,測定担当者及び気温・相対湿度
c) 試料の種類,材質及び形状
d) 測定装置の形式及び仕様
e) 測定条件(真空排気時間,高湿度環境・低湿度環境での設定湿度と保持時間。また,湿度計を使用し
た場合は,試料近傍の湿度を記載。高湿度測定及び低湿度測定では,栓を閉めてから測定までに要し
た時間。)
f) 測定データ(波長校正にガラス製光学フィルタを使用した場合は,フィルタの品名及び仕様,分光透
過率の分布曲線及び透過率値。真空測定,高湿度測定及び低湿度測定での分光透過率の分布曲線及び
透過率値。高湿度及び低湿度での波長シフト量,透過率変化量又は色度変化量。)
g) その他必要な事項(測定状況に関し特記する事項など)

――――― [JIS R 1694 pdf 8] ―――――

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附属書A
(参考)
ミニチャンバーの構造及び機能
A.1 構造
図A.1にミニチャンバーの一例について,見取り図を示す。
A.2 機能
試料はウェーブワッシャによって固定する。2個のボールバルブを開閉することで,真空排気及び湿度
調整した空気の導入を行う。
A.3 要求性能
要求性能は,次による。
a) ボールバルブを閉めたときに真空環境及び湿度環境の変化がない。
b) チャンバー内は吸湿しない。
c) 窓は透明で,湿気による曇りが発生しない。
d) 光学的干渉の起きないよう,窓は試料に対してそれぞれ5°傾けて固定する。
e) それぞれの窓は光軸が変化しないよう,対称の角度で固定する。

――――― [JIS R 1694 pdf 9] ―――――

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単位 mm
1試料,2チャンバー(SUS303),3窓枠(SUS303),4窓押さえ(黒POM),5窓(石英ガラス)
6,7Oリング,8ボールバルブ,9カラー(PTFE),10ウェーブワッシャ
11M4ボルト(窓押さえ固定用),12M5ボルト(窓枠固定用)
図A.1−ミニチャンバー

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