JIS R 1761:2016 固体酸化物形燃料電池用多孔質セラミックスのガス透過率測定方法 | ページ 3

                                                                                              9
R 1761 : 2016
図A.2−装置概要模式図
A.2.2 試験片ホルダーの詳細
試験片を固定し,ガス流路を試験片膜面に限定するためのジグであり,代表的な試験片ホルダーの模式
図及び図面は,図A.3及び図A.4のとおりである。
図A.3−代表的な試験片ホルダーの模式図

――――― [JIS R 1761 pdf 11] ―――――

10
R 1761 : 2016
単位 mm
図A.4−代表的な試験片ホルダーの図面
A.2.3 ブランクテスト
測定装置系のリーク等を確認するために,ガス透過率測定試験に先立ってブランクテストを行う。ブラ
ンクテストには,図A.5に示したような孔なしシリコンゴムシート(厚さ0.5 mm)と緻密板(多孔体なし)
とを試験片保持部にセットして行う。
図A.5−ブランクテスト用シリコンゴムシート及び緻密板

――――― [JIS R 1761 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
R 1761 : 2016
ブランクテストの実施方法は,次のとおりである。
まず,ブランクテスト用シリコンゴムシートと緻密板とを試験片保持部にセットした後,排気ポンプを
ONにし,V2バルブを開いてチャンバーを減圧する。チャンバーを減圧後,V2バルブを閉めて,差圧変
化をデータロガーで記録する。一例として行ったブランクテストの結果を図A.6に示す。図A.6では,室
温の変動によってチャンバー内の圧力が若干変化しているが,試験前後における圧力の変化はほとんどな
く,試験機系のリークは無視できることが分かった。
図A.6−ブランク測定例
A.2.4 チャンバー体積測定
このガス透過率測定方法では,ガス透過率を測定するために試験機系のチャンバー体積を求める必要が
ある。試験機系のチャンバー体積を求める方法の一例を次に示す。
図A.7に示したように,体積(V0),圧力(P0=大気圧)が既知な容器と体積(V1)が未知,圧力(P1
=P0−ΔP)が既知の容器がバルブを介して接続されている状態を考える。バルブを開いた場合の全容器の
圧力(P=P0−ΔP)は,
V1
P P (A.9)
V0 V1
で表される。したがって,種々のΔPについてΔPをプロットすることで直線関係が得られる。得られ
た直線の勾配とV0から未知の体積V1を見積もることが可能である。

――――― [JIS R 1761 pdf 13] ―――――

12
R 1761 : 2016
図A.7−体積測定原理図
そこで次の手順にて試験機系のチャンバー体積を求めることが可能である。
まず,あらかじめ体積が分かっているチャンバーを試験機系に接続する。ここで,接続したチャンバー
体積は,チャンバー内にイオン交換水を充し,充前後の質量変化と水の密度から体積を見積もること
が可能である。図A.8はチャンバー体積を求める際に用いた体積既知のチャンバーを示したものである。
次に,既知の体積をもつチャンバーを接続した状態で,ブランクテストと同様にブランクテスト用シリ
コンゴムシートと緻密板とを試験片保持部にセットする。その後,大気圧の状態でV1バルブを開いて,
接続チャンバーを含めた試験機系内部を大気圧とする。その後,V1バルブを閉め,排気ポンプをONにし
てV2バルブを開いて,接続したチャンバーを除いた試験機系を目的の差圧まで減圧する。種々の差圧を
与えた状態で,V2バルブを閉めた後,V1バルブを開いた際の差圧変化を測定する。図A.9はチャンバー
体積を求める際に行った試験結果の一例で,V1を閉めたときとV1を開いたときの圧力変化を,種々の差
圧条件で行った結果を示したものである。また,図A.10は,図A.9に示したような試験を異なる体積をも
つ接続チャンバーを用いて行った結果得られた種々のΔPとΔPをプロットしたものである。両者の間に
は非常によい直線関係が成り立っており,直線の勾配と,接続したチャンバー体積を用いて試験機系のチ
ャンバー体積を求めることが可能である。その結果を表A.1に示す。
図A.8−体積が異なる接続チャンバーの例

――――― [JIS R 1761 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
R 1761 : 2016
図A.9−体積測定のための差圧変化測定例
図A.10−体積測定結果
表A.1−体積測定結果から得られた体積
項目 体積V/cm3
接続チャンバー1 25.4
接続チャンバー2 25.3
接続チャンバー3 25.1
A.2.5 ガス透過率測定試験 試験片(多孔質セラミックス)を用いて,ガス透過率測定試験を行う。評価
試験に先立って行ったチャンバー体積測定に用いた接続チャンバーを外し,V1バルブを閉める。試験片の
セット方法は次のとおりである。
まず,試験片保持ジグに中心を合わせて孔あきシリコンゴムシートをセットする。その後,試験片(多

――――― [JIS R 1761 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS R 1761:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 1761:2016の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISR1600:2011
ファインセラミックス関連用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方