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S 0021-1 : 2020 (ISO 11156 : 2011)
使用者(User),包装(Package),タスク(Task),使用状況(Context of use)及び
使用者及び包装の相互作用(User-package interaction)
図B.1−成功·失敗に影響を与える四つの要因
市場細分化とは,ニーズ及び好みを共有する同質のグループに,最大のインパクトをもつ製品を提供す
る戦略である。
市場細分化は,1950年代からマーケティングにおいて主流であり,試験を行う企業は,一般的に,製品
の属性及び購買行動に基づき,地理的,人口学的,心理学的見地などから特定の市場に的を絞る。しかし,
アクセシビリティの評価を目的とする場合,この市場細分化は正しい戦略ではないと考えられる。
アクセシビリティの評価は,設計及び評価の期間中に多様な使用状況を検討し,対象を狭めずに,幅広
い使用者を含めて設計されることが望ましい。
このような評価プロセスによって得られた洞察は,努力を要する使用状況下での障害がある消費者(障
害者,妊婦,子供,ギプスをはめた人たちなど)だけでなく,通常の使用状況下にいる一般人にとっても
使いやすい製品及び包装の創造に役立つことになる。
さらに,使用者及び使用状況が多様であるということは,設計に失敗した経緯を理解する助けとなり,
不十分な設計に対する修正措置に向け,より効果的な戦略を立てられるようになる。
例えば,多くの消費者が開けられなかった新規性のある開封口がついた包装について,次の5段階で考
察する。
− 消費者が開封指示(説明書)に気づかなかった結果かもしれない。
− 開封機構に気づかなかったのかもしれない。
− 開封指示(説明書)に気づいていたかもしれないが,コントラスト及び文字のサイズが不十分だった
ために,指示文を判読することができなかったのかもしれない。
− 消費者は指示文を理解はできたものの,それを見ても開封機構を理解できなかったのかもしれない。
− 身体的制約によってその作業を行うことができなかったのかもしれない。
それぞれの失敗に対する設計上の解決手段は異なるので,この5段階のどこで設計が失敗したかを理解
することが重要である[12]。
――――― [JIS S 0021-1 pdf 11] ―――――
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S 0021-1 : 2020 (ISO 11156 : 2011)
附属書C
(参考)
アクセシブルデザイン包装事例
この附属書に示した事例は,ISO 11156:2011の附属書Cを元に,日本の実情に合わせて修正·追加した
ものである。事例は,製品の特性に応じて,単独又は組み合わせて適用することが望ましい。
C.1 同一又は類似形状の包装·容器の内容物を識別しやすくした事例
C.1.1 切欠きの付加
飲料用紙パック容器の場合は,開け口と反対側上部の一部を切り欠くなどで,内容物の識別を容易にす
る。同一又は似た形状の包装に切欠きを入れることで,近接して使用し,又は保管する場合でも切欠きの
有無によって,使用者は,牛乳又はジュースとその他の製品との識別がしやすくなる(図C.1参照)。
単位 mm
a) 牛乳パック
注a) ただし,切欠きの半径は2か所とも同じとする。
b) ジュースパック
図C.1−上部に切欠きを付加する場合
――――― [JIS S 0021-1 pdf 12] ―――――
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S 0021-1 : 2020 (ISO 11156 : 2011)
C.1.2 触覚記号の付加
同一又は似た形状の包装に触覚記号を入れることで,近接して使用し又は保管する場合でも上部及び外
側に施された触覚記号によって,使用者は,洗髪料又は身体用洗浄料とその他の製品との識別がしやすく
なる。洗髪料の容器には,ぎざぎざ状の触覚記号,身体用(顔面及び頭髪を除く。)洗浄料の容器には,一
直線状の触覚記号を付加することで識別がしやすくなる(図C.2及び図C.3参照)。
(洗髪料の場合) [身体用(顔面及び頭髪を除く。)洗浄料の場合]
図C.2−容器に触覚記号を付加する場合 図C.3−容器に触覚記号を付加する場合
C.2 開封位置を明確に表示した例
切欠き又は開封位置を示す明確な表示をすることで,開封位置が明確となり,開封がしやすくなる(図
C.4参照)。
(開封位置を示すための切欠きを付加する場合)
図C.4−開封位置を示すための明確な表示をする場合
――――― [JIS S 0021-1 pdf 13] ―――――
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C.3 持ちやすくした例
容器にくびれ若しくはくぼみを設ける又は容器の側面に取っ手を付加することで容器が持ちやすくなる
(図C.5及び図C.6参照)。
図C.5−容器にくびれ又はくぼみを設ける場合
図C.6−容器側面に取っ手を付加する場合
C.4 開けやすく,又は再封しやすくした例
上部の開封のため又は再封を確認するための特別な設計を施したもの,開封用タブ及び開封用リングを
開封しやすく設計したもの,押し破ることで簡単に開封できるように設計したものなどがある。(図C.7
図C.12参照)。
――――― [JIS S 0021-1 pdf 14] ―――――
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S 0021-1 : 2020 (ISO 11156 : 2011)
注記 上部を押すだけで蓋が開く。 注記 キャップを閉じたときカチッという音がして
閉めたことが分かりやすい。
a) 開封のために特別な設計が施されている例 b) 再封を確認するための特別な設計が施されている例
図C.7−容器に特別な設計が施されている場合
注記 開封用タブをつまみやすい大きさにする又は滑りにくい加工を施す。
図C.8−開封用タブをつまみやすく加工した場合
図C.9−開封用リングを引き上げやすくした場合
――――― [JIS S 0021-1 pdf 15] ―――――
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JIS S 0021-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11156:2011(IDT)
JIS S 0021-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.99 : 身体障害者用介護用具に関するその他の規格
JIS S 0021-1:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISX0500:2002
- データキャリア用語
- JISX0500:2020
- 自動認識及びデータ取得技術―用語
- JISZ0108:2012
- 包装―用語