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S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)
に包装設計する。
4.2.4.3 品質保証
使用及び保管環境の両面において,内容物の品質が維持できるように包装設計する。
4.2.5 分別及び廃棄
4.2.5.1 分別のしやすさ
消費者が廃棄する場合には,分別しやすいように包装設計し,適切に材料の種類を表示することが望ま
しい。
4.2.5.2 廃棄のしやすさ
様々な最終処理方法を提供することで,空になった包装の廃棄方法について使用者が認識,理解し,容
易かつ安全に廃棄できるように包装設計する。
例 折りたたみやすい紙箱,つぶしやすいチューブ又は缶,押しつぶしやすいプラスチックボトルな
ど。
4.2.5.3 安全性
分別,廃棄の間及びその後の安全を確保し,危険が生じないように包装設計する。
4.3 包装におけるアクセシブルデザインの評価
4.3.1 評価における配慮事項
4.3.1.1 包装の段階
包装におけるアクセシビリティの評価は,製造,流通,使用及び廃棄を含む包装のあらゆる段階を踏ま
えて考慮しなければならない。
4.3.1.2 使用状況及び人間の能力
アクセシビリティの評価は,使用状況及び人間の能力(感覚,身体,認識及びアレルギー)を踏まえて
考慮しなければならない。
注記 この規格における使用状況とは,包装を使用する場合の物理的及び社会的条件(例 店舗,家
など)を含む。
4.3.2 評価方法
機器による評価及び使用者による評価は並行して行い,互いに補完しあうことが望ましい。機器による
評価では,物理的試験における力,トルクなどの定量化されたデータを得るために測定機器を使用する。
使用者による評価は,測定機器使用の有無にかかわらず,人が関与する方法を使う。本評価は,アクセ
シビリティに対する使用者の感覚的,身体的及び認知的な見方を知る上での手がかりとなる。
5 有害物の包装に関する特別配慮事項
5.1 表示
5.1.1 誤使用の回避
内容物の誤使用,誤飲食によって危険をもたらす可能性がある製品には,最も目立つ位置に危険表示を
付与する。また,こうした危険表示は,触覚による識別を含む複数の代替様式によっても認知できるよう
にしておくのが望ましい。
例1 塩素系洗浄剤の包装においては,酸性洗浄剤と混ぜると危険な塩素ガスが発生するとの表示が
あり,かつ,二つの洗浄剤を混ぜてはならない旨の警告表示もなされているもの。
例2 包装のための触覚識別表示法は,ISO 11683 [8] 及びJIS S 0022-3 [1] に規定されている。
5.1.2 有害のおそれのある内容物
――――― [JIS S 0021 pdf 6] ―――――
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S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)
有害のおそれがある製品の包装では,その有害物質をはっきり目立つように特定する。また,こうした
有害物質に関する情報は,複数の代替様式によっても提供することが望ましい。
例1 アルコール飲料であることの表示
例2 アレルゲン含有物質の表示
例3 包装のための触覚識別表示法は,ISO 11683 [8] 及びJIS S 0022-3 [1] に規定されている。
5.2 危険及び傷害を回避する容器設計
包装構造については,取扱い上の誤りを最小限にすることで,危険又は傷害が生じることを防ぐように
設計する。
例 多様な使用者に対し,使用法が直感的に分かるように設計された製品の容器
――――― [JIS S 0021 pdf 7] ―――――
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S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)
附属書A
(参考)
包装におけるアクセシブルデザインの構造
この附属書は,JIS Z 8071 [2] 及びISO/TR 22411 [4] に準拠する。この附属書は,JIS Z 8071 [2] に続き,
包装製品のアクセシビリティを高めるための一連の配慮事項として役立つことを目的とする。
包装のための個々の設計検討については,包装の物理的特性(形状,構造及び製品のアクセシビリティ
との関連性)のほかに,その包装の情報特性(情報及びその情報による製品のアクセシビリティを高める
手法)にも言及した一連の簡潔な追加規格の中に詳しく記される(附属書B及び附属書C参照)。
図A.1は,JIS Z 8071 [2],ISO/TR 22411 [4] 及びこの規格の相互関係を示すフローチャートである。情報・
表示,取扱い・操作及び評価に関する今後の規格は,このフローチャートに追加されていく。
情報及び表示
JIS S 0021 内容品の情報
(ISO 11156) 開封の位置
JIS Z 8071
包装−アクセシ 取扱い及び操作
ブルデザイン− 持ち運び
一般要求事項 開封
計量及び取出し
保管及び廃棄
ISO/TR 22411(人間工学的 評価
データ)及び共通規格 機器を用いたアクセシビリティ試験
使用者によるアクセシビリティ試験
図A.1−アクセシブルデザインのフローチャート
――――― [JIS S 0021 pdf 8] ―――――
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S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)
附属書B
(参考)
アクセシビリティを試験するための検討事項の枠組み−一般的研究
B.1 包装の設計者に最大限十分な情報を提供し,全ての能力レベルの人々に対し最良の解決策を提供す
るために,包装の評価者にとって,使用者と包装との間に生じる複雑で微妙な差異を理解することが,極
めて重要である。
配慮事項には,使用者が包装を用いて遂行しなければならない種々のタスク(例えば,識別,開封,内
容物の取出し,保管,分別,廃棄など。)に対する使用者の能力及び種々の利用状況に対する多面的な要素
が含まれる。
B.2 消費者が包装製品を使用する場合には,通り抜けなければならない段階を説明するために,情報処
理の一般モデル(ルソー他1998 [9],ロジャース他2000 [10])が適している。これらのモデルは,次の段階
からなる。
a) 接触 使用者は,手元で適切にタスクを遂行するために,必要な特徴又は情報に触れる必要がある。
b) 注意 使用者の注意が包装の特徴に向けられることで,その情報が五感(視覚,聴覚,触覚,嗅覚及
び味覚)を通して伝わる。
c) 変換 五感から伝えられる情報は,内容物の想像へと変換される。
d) 理解 使用者は,変換された情報の意味を理解しなければならない。
e) 受容 使用者は,適切な方法で行動することで,その設計者の意図どおりに行動することを可能とす
る。
B.3 前述の各段階を進めるか(成功)否か(失敗)は,次の四つの要因が影響する。
(出典 : ノリス他,1999)[11]
a) 使用者 使用者の知覚的,認知的,身体的及び心理的特徴
b) 包装 包装された製品の図形的及び構造的特徴
c) タスク 行動の特性及び使用者の目的(例 動かす,保管する,使う,廃棄する)
d) 使用状況 包装を使用する場合の身体的及び社会的状況(例 店舗,深夜の家)
先に記載したとおり,評価モデルの段階が進めるか(成功か失敗か)どうかは,この四つの要因が複合
的に影響して決まる(図B.1参照)。
このように,包装におけるアクセシビリティの評価の場合には,(包装の取扱いの)失敗は,知覚的,認
知的又は身体的な理由で発生し,最終的に様々な要因が使用上の成功又は失敗に影響するということを考
慮するべきである。また,評価は再現可能,繰返し可能,かつ,現実的な結果をもたらすようこれらの要
因を慎重に考慮することが望ましい。
設計者及び評価者は,試験条件が結果に大きく影響しがちであるということを理解し,設計者は,使用
者,タスク及び評価するときの使用状況を考慮する必要があることが理想的である。例えば,健康的な被
――――― [JIS S 0021 pdf 9] ―――――
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S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)
験者に実験室環境下で,時間制限もなく包装の開封を依頼した場合と腕を骨折した消費者が時間に限りが
ある中などといったより妥当な状況(家庭での忙しい環境)で包装を開封する場合とでは,異なる結果を
生みやすいことになる。
使用者(User),包装(Package),使用状況(Context of use),タスク(Task)及び
使用者及び包装の相互作用(User-package interaction)
図B.1−成功・失敗に影響を与える四つの要因
市場細分化とは,ニーズ及び好みを共有する同質のグループに,最大のインパクトをもつ製品を提供す
る戦略である。
市場細分化は,1950年代からマーケティングにおいて主流であり,試験を行う企業は一般的に,製品の
属性及び購買行動に基づき,地理的,人口学的,心理学的見地などから特定の市場に的を絞る。しかし,
アクセシビリティの評価を目的とする場合,この市場細分化は正しい戦略ではないと考えられる。
アクセシビリティの評価は,設計及び評価の期間中に多様な使用状況を検討し,対象を狭めずに,幅広
い使用者を含めて設計されるべきである。
このような評価プロセスによって得られた洞察は,努力を要する使用状況下での障害がある消費者(障
害者,妊婦,子供,ギプスをはめた人たちなど。)だけでなく,通常の使用状況下にいる一般人にとっても
使いやすい製品及び包装の創造に役立つことになる。
さらに,使用者及び使用状況が多様であるということは,設計に失敗した経緯を理解する助けとなり,
不十分な設計に対する修正措置に向け,より効果的な戦略を立てられるようになる。
例えば,多くの消費者が開けられなかった新規性のある開封口がついた包装について,次の5段階で考
察してみよう。
− 消費者が開封指示(説明書)に気づかなかった結果かもしれない。
− 開封機構に気づかなかったのかもしれない。
− 開封指示(説明書)に気づいていたかもしれないが,コントラスト及び本文のサイズが不十分だった
せいで,指示文を判読することができなかったのかもしれない。
− 消費者は指示文を解読はできたものの,見ても開封機構を理解できなかったのかもしれない。
− そのほかに身体的にその作業を行うことができなかったのかもしれない。
――――― [JIS S 0021 pdf 10] ―――――
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JIS S 0021:2014の引用国際規格 ISO 一覧
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- 規格番号
- 規格名称
- JISX0500:2002
- データキャリア用語
- JISX0500:2020
- 自動認識及びデータ取得技術―用語
- JISZ0108:2012
- 包装―用語