JIS S 0021:2014 包装―アクセシブルデザイン―一般要求事項

JIS S 0021:2014 規格概要

この規格 S0021は、異文化・他言語圏,高齢者及び感覚機能,身体機能,認知機能の低下している人々,並びにアレルギーがある人々を含むより多くの人々にとって,内容物を適切に識別し,取扱い及び使用できるように,包装の設計,評価を行うために役立つための一般要求事項について規定。

JISS0021 規格全文情報

規格番号
JIS S0021 
規格名称
包装―アクセシブルデザイン―一般要求事項
規格名称英語訳
Packaging -- Accessible design -- General requirements
制定年月日
2000年10月20日
最新改正日
2019年10月21日
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‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 11156:2011(IDT)
国際規格分類

ICS

11.180.99, 55.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
図記号 2020, 包装 2020, 高齢者・障害者等 2018
改訂:履歴
2000-10-20 制定日, 2006-05-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2014-05-20 改正日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS S 0021:2014 PDF [17]
                                                                   S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 アクセシブルデザイン包装の主な側面・・・・[2]
  •  4.1 情報及び表示・・・・[2]
  •  4.2 取扱い及び操作・・・・[3]
  •  4.3 包装におけるアクセシブルデザインの評価・・・・[4]
  •  5 有害物の包装に関する特別配慮事項・・・・[4]
  •  5.1 表示・・・・[4]
  •  5.2 危険及び傷害を回避する容器設計・・・・[5]
  •  附属書A(参考)包装におけるアクセシブルデザインの構造・・・・[6]
  •  附属書B(参考)アクセシビリティを試験するための検討事項の枠組み-一般的研究・・・・[7]
  •  附属書C(参考)アクセシブルデザイン包装事例・・・・[10]
  •  参考文献・・・・[15]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS S 0021 pdf 1] ―――――

S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本
包装技術協会(JPI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)で
ある。
これによって,JIS S 0021:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS S 0021 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
S 0021 : 2014
(ISO 11156 : 2011)

包装−アクセシブルデザイン−一般要求事項

Packaging-Accessible design-General requirements

序文

  この規格は,2011年に第1版として発行されたISO 11156を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1 適用範囲

  この規格は,異文化・他言語圏,高齢者及び感覚機能,身体機能,認知機能の低下している人々,並び
にアレルギーがある人々を含むより多くの人々にとって,内容物を適切に識別し,取扱い及び使用できる
ように,包装の設計,評価を行うために役立つための一般要求事項について規定する。
この規格は,製品の識別,購入及び使用から包装の分別及び廃棄まで,包装製品のライフサイクルにお
ける様々な状況に配慮している。ただし,個々の包装における寸法,材料,製造方法及び評価方法につい
ては除く。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 11156:2011,Packaging−Accessible design−General requirements(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 0500(規格群) 自動認識及びデータ取得技術−用語
注記 対応国際規格 : ISO/IEC 19762 (all parts),Information technology−Automatic identification and
data capture (AIDC) echniques−Harmonized vocabulary(IDT)
JIS Z 0108 包装−用語
注記 対応国際規格 : ISO 21067,Packaging−Vocabulary(MOD)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 0500規格群及びJIS Z 0108によるほか,次による。
3.1
アクセシブルデザイン(accessible design)
何らかの機能に制限のある人に焦点を合わせ,これまでの設計をそのような人々のニーズに合わせて拡

――――― [JIS S 0021 pdf 3] ―――――

2
S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)
張することによって,製品をそのまま利用できる潜在顧客数を最大限まで増やそうとする設計。
3.2
代替様式(alternative format)
他の動作(mobility)又は感覚(sensory ability)によって,製品及びサービスをアクセシブル(可能な限
り最大限まで利用できるよう)にする別の表現方法。
3.3
包装(packaging)
物品の輸送,保管,取引,使用などにあたって,その価値及び状態を維持するための適切な材料,容器,
それらに物品を収納する作業並びにそれらを施す技術又は施した状態。

4 アクセシブルデザイン包装の主な側面

4.1 情報及び表示

4.1.1  内容品
内容品の情報又は表示をアクセシブルにするにあたり,次の事項に配慮する。
4.1.1.1 文字及び画像
文字は,視認性確保のためにとりわけ重要な要素となる大きさ,書体,コントラスト及び色の組合せに
配慮して見やすいものとする。絵文字などの画像は,容易に理解しやすいものとする。
4.1.1.2 点字及び触覚記号
点字又は触覚記号による情報は,視覚障害者を含め全ての人々に対して,包装製品のアクセシビリティ
を高めるために知覚でき,かつ,理解しやすいものとする。
例 医薬品への点字の利用(欧州指令Directive 2004/27/EC [5])
注記 点字が読めない視覚障害者が多くいる。
触覚記号が効果を発揮するためには,記号又は絵文字の使用以外にも使用言語の形態(サイズ,量など。)
を考慮に入れ,情報が適切になるよう配慮することが望ましい。この規格が認められ,使われるようにな
り,高齢者及び障害者に役立つばかりでなく,全ての包装形態にも適用できるように,社会的及び文化的
背景を考慮した包装を行うのがよい。
4.1.1.3 代替様式を使った情報の提供
情報が包装に表示されている場合は,情報を伝えるための代替様式に配慮する。
例 情報コミュニケーション技術(ICT)を使った手段を用いて,アレルギー反応を引き起こす可能
性のある成分又は物質の情報を提供 [6] [7]。
4.1.1.4 情報表示の位置
製品を安全かつ効果的に使用するための必要情報は,目につきやすい位置に示すものとし,開封によっ
ても損なわれないよう配慮する。
例 成分,使用の指示,有効期限(賞味期限,消費期限),警告など。
ある製品が小分けに包装されている場合,それぞれの包装に必要不可欠な情報を示すことが望ましい。
4.1.2 識別
4.1.2.1 色による識別
色による識別は,同一形状の包装を区別するのに多くの場合有効である。ただし,色の識別力に問題が
ある人にも見分けられるよう明度差,模様を付けるなど,別の表現手段も併用し,識別しやすくなるよう
に配慮しなければならない。

――――― [JIS S 0021 pdf 4] ―――――

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S 0021 : 2014 (ISO 11156 : 2011)
4.1.2.2 点字及び他の触覚記号による識別
点字,浮き出し文字,記号及び切欠きを含む触覚記号の使用は,同一形状の包装の識別に有効であるよ
うに配慮しなければならない。
注記 包装又は容器の開封位置を示す切り口がついていると,開封位置を定めるのに役立つ。
4.1.2.3 特定の形状の包装による識別
触覚及び視覚による特定の形状を用いて,包装の識別に配慮する。
4.1.2.4 誤認しやすい製品のための識別
包装製品を安全かつ有効に使用するためには,簡明な識別が重要である。誤認のおそれがある場合,包
装には目につきやすい内容表示を必要とする。
4.1.3 開封
4.1.3.1 開封の位置
開封位置は,形状及びその他の特徴が容易に識別できるように配慮する。
例1 周囲,色彩又はコントラストが異なる開封位置
例2 開封位置を示す切り口
4.1.3.2 開封の方法
開封の方法又は機構が明確でない場合には,表記又は図示によって,はっきり示すものとする。

4.2 取扱い及び操作

4.2.1  持ち運び
包装製品は,サイズ,形状,質量,摩擦特性及び安定性(重心,バランス及び剛性。)に配慮し,持ちや
すくすることが望ましい。
4.2.2 開封性及び再封性
4.2.2.1 開封のしやすさ
包装は,手の大きさ又は力に関係なく,容易に開けられるように設計する。
例 つまみ,滑り止め,直線カット性のついた包装
4.2.2.2 再封のしやすさ
再封して使用する包装は,容器として完全な状態を維持できるよう十分に配慮する。
例 正常に再封されたことを確認するために,触覚又は聴覚的効果(例 かちっという音)のついた
再封可能包装
4.2.3 内容物の取出し
4.2.3.1 適量の取出しやすさ
包装又は容器から内容物が過剰に出るのを防ぐために,適量の内容物を量り取る又は取り出す機構を付
与することが望ましい。
4.2.3.2 内容物の取出しやすさ
使用時に,内容物が飛散したり,又はあふれたりしないように配慮する。また,使用者が内容物の全て
を利用できるように包装設計する。
4.2.4 保管及び安定性
4.2.4.1 効率性
容易でかつ効率的に収容でき,安定性を保てるように包装設計する。
4.2.4.2 視認性
製品名,有効期限(賞味期限及び消費期限)又はその他重要な情報が,保管中も容易に認識できるよう

――――― [JIS S 0021 pdf 5] ―――――

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JIS S 0021:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11156:2011(IDT)

JIS S 0021:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 0021:2014の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISX0500:2002
データキャリア用語
JISX0500:2020
自動認識及びデータ取得技術―用語
JISZ0108:2012
包装―用語