JIS S 0021-2:2018 包装―アクセシブルデザイン―開封性 | ページ 3

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S 0021-2 : 2018 (ISO 17480 : 2015)
附属書B
(参考)
計測機器を用いた評価方法の例
B.1 はじめに
包装の開封機構及び開封方式によって,試験方法が異なる場合がある。試験条件は,個々の試験方法規
格又は包装様式によって異なる場合がある。
開封方式別の試験方法の例を,次に示す。ただし,ここで紹介しない試験方法規格が適用されることも
ある。
これらの計測機器を用いる評価方法で得られたデータは,関連する包装様式の特性を比較したり,設計
改良のための手掛かりとして利用できる。
B.1.1 トルク
B.1.1.1 試験装置
機械式又は電子式のトルク測定装置を,図B.1に示す。
B.1.1.2 試料
PETボトル,ガラス容器などのようなスクリューキャップ式の容器。
B.1.1.3 手順
支持台の上に試料を固定する。スクリューキャップを適切なチャックでつかみ,反時計方向にゆっくり
回す。スクリューキャップが回り始めるときのトルク値を読み取る。また,ブリッジが外れたときのトル
ク値も読み取る。
スクリューキャップを回すときには,滑らずに回る程度の力でスクリューキャップをつかみ,必要以上
の荷重を加えない。
図B.1−機械式又は電子式のトルク測定装置の概略図
B.1.2 引き裂き
B.1.2.1 試験装置
図B.2に示すような2個のクランプ(そのうちの1個は可動式とする。)をもつ引張測定装置。
B.1.2.2 試料
ミシン目,レーザーカット又は切欠きをもち,ヒートシールされた軟包装袋。

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S 0021-2 : 2018 (ISO 17480 : 2015)
B.1.2.3 手順
ヒートシールを含む全ての融着された軟包装袋を,2個のクランプで保持する。装置の荷重端の位置で,
可動式クランプを,500 mm/minの速度で垂直方向に引っ張り,開封線に沿って20 mm引き裂き,最大値
を読み取る。
全てを引き裂いて開封するように設計されている軟包装袋の場合には,引裂き片が完全に引きちぎれる
まで引っ張り,最大値を読み取る。
単位 mm
図B.2−引き裂き引張測定装置の概略図
B.1.3 剛性又は半剛性容器からの引きがし
B.1.3.1 試験装置
試験装置は,剛性容器を確実に保持するジグを備えている。このジグは開封方向が設定され,同時に完
全に開封されるまでの引きがし行程を通して,分離させる包装間の離角度を135°に保たなくてはな
らない。つまり,試験中のこのような包装の挙動は,引張試験機の支持軸にがたつきなく取り付けられた
可動式の補助台で構成される装置によって得られる(図B.3参照)。
容器は確実にがたつきなく取り付けなければならない。剛性容器の場合には,容器底部を粘着テープで
固定するだけでよい。半剛性容器の場合には,固定された底部の膨れ及び変形を防ぐため,底部をクラン
プで固定しなくてはならない。開封過程中に発生する軟包装(蓋)の変形を妨げてはならない。つまり,
測定過程で加わる荷重は,実際に使用者が開封する際に要する荷重に相当するからである。
なお,判定に当たって疑義が生じないのであれば,簡便な荷重測定器を用いることができる。
注記 開封挙動を評価することなく最大荷重値(例えば,引張強さ)を求めることだけを目的とした
比較測定においては(例えば,蓋を引っ張って開封する場合),包装の固定だけを目的として補
助押さえ板を用いてもよい。ただし,試験方法に適切に記載しなくてはならない。
B.1.3.2 試料
離するようなヒートシール部を備えた剛性又は半剛性容器。
B.1.3.3 手順
B.1.3.3.1 試験装置の設定
自動引張り試験器を用いる場合には,次の手順で実施する。
− 容器の開封試験時の位置決めに関して,開封方向及びクランプの中心線を合わせるため,試料固定ジ
グの位置の調整を行う(補助型板を用いるのがよい。)。

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S 0021-2 : 2018 (ISO 17480 : 2015)
− 適切な荷重(引っ張り開封強さ,引きがし強さ,その他)の自動測定を行うため,試験ソフトウェ
アを用いる。
− 測定値の記録のため,適切なデータ取込み条件などのモードを設定する。
注記 試験速度が500 mm/minの場合には,データ入力設定値を50100回/secとするのが望ましい。
B.1.3.3.2 試料の取付け
− 試料固定ジグに容器を固定し,開封方向を正確に合わせる。
− 荷重をゼロに合わせる(蓋には張力をかけない。)。
− 開封口である密封されたヒートシール部に損傷を与えないように蓋をクランプに取り付ける。蓋をク
ランプに取り付けるとき,荷重計の指示値は±0.3 Nを超えてはならない。荷重が±0.3 Nを超えてい
る場合には,クランプを緩め,蓋をクランプに再固定する。
− 蓋と蓋に取り付けられている剛性又は半剛性容器及びクランプは,中心線が一致し,左右対称でなけ
ればならない。
B.1.3.3.3 試験
− 離させる包装間の角度を135°の一定に保ち(開封過程の位置にかかわらず一定)ながら,500
mm/minの速度で蓋を引っ張る。
注記 離させる包装間の角度である135°は,支持台との角度45°と同じである。
− 密封されたヒートシール部を開封させるために要する力を開封距離の関数とし,開封強さと距離との
関係を示す図として示し,その過程の最大荷重値(開封強さ)を読み取る。
− 試験中の開封挙動を観察し,その結果を記録する(例えば,蓋の引張り,ヒートシール部の異常,
離の状況,繊維形状発生・変化など)。
1 支持軸移動方向 2 支持軸 3 荷重指示計 4 荷重指示計とクランプとの接続部
5 支持台 6 可動台 7 可動台と支持軸との接続部 α 離角度
図B.3−離するようにヒートシール部を備えた剛性又は半剛性容器開封の開封引張測定試験の概略図
B.1.4 軟包装袋の引きがし
B.1.4.1 試験装置
一定速度及び180°の固定離角度で荷重測定が可能,また,記録できる引張試験機を用いる。さらに,

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S 0021-2 : 2018 (ISO 17480 : 2015)
開封力を±1 %の精度で測定,記録できなくてはならない。
軟包装(袋)は,確実にガタツキなく取り付けられなくてはならない。また,開封過程で発生する軟包
装(袋)の変形を妨げてはならない。つまり,測定過程で加わる荷重は,実際に使用者が開封する際に要
する荷重(開封強さ)に相当するからである。
軟包装(袋)の場合,クランプの幅は開封強さに明らかに影響を及ぼすため,クランプの幅は20 mmと
する。
1 側面に折り目がある袋 2 密封されたヒートシール部 3 クランプ
4 引張り方向 α 引張角度 B クランプの幅
図B.4−離するようにヒートシール部を備えた袋の開封引張測定試験の概略図
B.1.4.2 試料
離するようなヒートシール部を備えた袋。
B.1.4.3 手順
B.1.4.3.1 試験装置の設定
− 測定値の記録のため,できる限り高いデータ取込み条件(データ取込みモードなど)を設定する。
注記 試験速度が500 mm/minの場合には,データ入力設定値を50100回/secとするのが望ましい。
− クランプが互いに平行に,中心線の位置が合うように調整する。
注記 ヒートシール部の上部よりも下部をクランプで挟むことによって,実際の使用感に対応する
ヒートシール強さの測定が可能である。
B.1.4.3.2 試料の調整/取り付け
− 必要に応じて,包装(袋)の底部を開けて内容物を取り出してもよい。
− 必要に応じて,試験装置部品との接触を避けるため,袋を短く切断してもよい。
− 密封されたヒートシール部に損傷を与えないよう,包装(袋)をクランプに取り付ける。
− (荷重指示計のついたクランプに)包装(袋)の片側を取り付けた後,荷重をゼロに合わせる。
− 袋(深絞り包装体)と袋に取り付けられている包装(袋)の引張部及びクランプは中心線が一致し,
左右対称でなければならない。
注記 包装の取り付けに当たって,装置が確実に動き出した(クロスヘッドの移動)後,設定離
速度に到達していることを確認しなくてはならない。

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S 0021-2 : 2018 (ISO 17480 : 2015)
B.1.4.3.3 試験
− 開封行程中,開始から終了まで,90°+90°=180°の引張角度を維持するため,包装(袋)を手で支
える。つまり,二方向に力を加えて離させる際に,シールされた包装袋と引張り部の引張角度をそ
れぞれ90°とする。すなわち,二つの引張り部の間の角度は90°+90°=180°となる。
注記 包装(袋)自体が(内容物が入っていない状態で)十分に安定性をもち,試験中に包装(袋)
自体が対称であることを前もって確認できていれば,手で支える必要はない(図B.4参照)。
− 密封されたヒートシール部を開封させるために要する力を開封距離の関数とし,開封強さと距離との
関係を示す図として示し,その過程の最大荷重値(開封強さ)を読み取る。
− 密封された融着部が所定どおり開封し,包装体自体が変形し始めた時点で試験は終了する(特に,袋
の場合)。
B.1.5 上部が屋根形の包装体の離
B.1.5.1 試験装置
試験装置は,引張試験機を用いる。判定に当たって疑義が生じないのであれば,簡便な荷重測定器を用
いることができる。測定に当たっては実際の使用において,手で開封する場合と同等の速度で試験片を引
っ張る。
B.1.5.2 試料
例えば,容積が500 ml及び1 000 mlの上部が屋根形の箱状容器。
B.1.5.3 手順
a) 屋根の一方の開封端を手又はジグで固定する。反対側の屋根の上部と端部とからそれぞれ7 mm内側
の位置に直径4 mmの穴をあけ,はとめで補強する。穴にひもを1本取り付け,上部の接着部が中央
部まで引き裂かれるまでひもを水平方向に引っ張る。その過程の最大引張離荷重値(開封強さ)を
読み取る。
b) 箱を手又はジグで固定する。箱上部の一端を背面の屋根に接触するまで,翼のように両方向に広げる。
屋根部の三角形の頂点から下に510 mmの位置に直径2 mmの穴をあける。穴の内側にフックを引
っ掛け,横向き水平に200 mm/minの速度で,開口部が10 mm開くまで開口部を引きがす。その過
程の最大引張離荷重値(開封強さ)を読み取る。
図B.5−上部が屋根形の包装の開封引張測定試験の概略図
開封させるために要する力を開封距離の関数とし,開封強さと距離との関係を示す図として示し,その
過程の最大荷重値(開封強さ)を読み取る。
試験中の開封挙動を観察し,その結果を記録する(例えば,箱の変形など)。

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JIS S 0021-2:2018の国際規格 ICS 分類一覧

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規格番号
規格名称
JISZ0108:2012
包装―用語