JIS S 1203:1998 家具―いす及びスツール―強度と耐久性の試験方法

JIS S 1203:1998 規格概要

この規格 S1203は、あらゆる種類のいす及びスツールの強度及び耐久性を評価するための試験方法について規定。

JISS1203 規格全文情報

規格番号
JIS S1203 
規格名称
家具―いす及びスツール―強度と耐久性の試験方法
規格名称英語訳
Furniture -- Chairs and stools -- Determination of strength and durability
制定年月日
1998年6月20日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 7173:1989(IDT)
国際規格分類

ICS

97.140
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1998-06-20 制定日, 2003-09-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS S 1203:1998 PDF [26]
S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,対応国際規格であるISO 7173に整合を図り,国際一致規格にすることを目的として行わ
れた。
JIS S 1203には,次に示す附属書がある。
附属書 座面及び背もたれの負荷位置の求め

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS S 1203 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
S 1203 : 1998
(ISO 7173 : 1989)

家具−いす及びスツール−強度と耐久性の試験方法

Furniture−Chairs and stools− Determination of strength and durability

序文

この規格は,1989年第1版として発行されたISO 7173 (Furniture−Chairs and stools−Determination of strength
and durability) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
1. 適用範囲
この規格は,あらゆる種類のいす及びスツールの強度及び耐久性を評価するための試験方法について規
定する。特殊ないす及び特定分野で使用するいすについては,ここに規定する以外の試験を追加しなけれ
ばならないこともある。それらの試験方法については,将来の規格で規定することになる。
備考 この規格では,プーフ(円形のクッションのようなスツール)はスツールとみなす。
この規格は,経時変化及び劣化の評価については規定しない。また,ここに規定する試験は,詰物,い
す張り材料のクッション材の耐久性を評価するためのものではない。
この規格は,リクライニングチェア又は可傾いすを傾斜させた状態の試験については規定しない。
ここに規定する試験は,完全に組み立てられ,使用可能な状態にあるいす及びスツールについて実施す
るように計画されている。
試験で用いる力及び寸法は,成人用のいす及びスツールに適用するものである。
ここに規定する試験は,通常起こり得る誤用を含む標準的な使用を想定し,それらの状況に相当する荷
重又は力を,試験対象部位の様々な部分に加えるものである。
これらの試験は,材料,設計,構造又は製造工程には関係なく,特性を評価できるように計画されてい
る。
試験結果は,試験された製品についてだけ有効とする。試験結果を他の類似製品にも適用することを目
的とする場合には,試験体は類似製品を代表するものが望ましい。
製品の設計がこの規格で規定する試験手順に適していない場合でも,試験は可能な範囲でこの規格の規
定どおりに実施することが望ましいが,この規格と異なる手順で試験を行った場合には,その内容を試験
報告書にまとめて記述しなければならない。
この規格の試験は,試験対象部位が意図された環境において満足のいく使用ができるものであるかどう
かを実証するものであって,常習的に誤用,一般的な使用期間を超えた長期にわたって使用,又は体重が
100kgを超える人が頻繁に使用することによって構造上の故障が生じないことを保証するものではない。

――――― [JIS S 1203 pdf 2] ―――――

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S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)
2. 引用規格
ISO 48 Vulcanized rubbers−Determination of hardness (Hardness between 30 and 85 IRHD)
ISO 554 Standard atmospheres for conditioning and/or testing−Specifications
ISO 2439 Polymeric materials, cellular flexible−Determination of hardness (indentation technique)
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 強度試験(7.17.4及び7.77.13を参照。)
3.1.1 静的試験
いす及びスツールが,通常加わり得る最大の力のもとで,いす及びスツールとしての機能を発揮できる
十分な強度を備えていることを確認するために,重負荷を数回加える試験。
3.1.2 衝撃試験
ときどき加わる急激な力のもとで,いす及びスツールの強度を評価する試験。
3.2 耐久性試験
長期間にわたる使用中に反復的に起こるすべての部位の動きを模擬的に作り,その状況のもとでのいす
及びスツールの強度を評価する試験(7.5及び7.6を参照)。
4. 試験方法
試験方法は,次の二とおりとする。
4.1 強度及び耐久性の性能を求めるために,破損が生じるまで種々の試験値を順に変化させて行う試験
方法
4.2 一定の要求性能に適合することを確認するために,要求性能に応じた試験値で行う試験方法
備考 試験の要約を,表に示す。
5. 一般試験条件
5.1 準備
いずれの試験においても試験体は,製造してから必要十分な期間を経て,本来の製品としての性能に達
したものでなければならない。木材を接着している場合は,製造から試験までの間に,通常の室内条件の
もとで少なくとも4週間は経過していなければならない。また,既存の欠陥は試験前に記録するが,その
内容については,8.を参照する。
状態調節のために標準環境を用いる場合には,ISO 554に従い,温度23±2℃,相対湿度(50±5)%でなけ
ればならない。
いす及びスツールは,引き渡された状態のままで試験を行う。組立て式のものは,説明書に従って組み
立てた状態で試験を行う。いす及びスツールを何とおりかに組み立て又は組み合わせることが可能な場合
には,その最も不利な状態で各試験を行う。組立用結合金具は,試験前にすべて締め付けておかなければ
ならない。
5.2 力の加え方
強度試験においては,試験体に動的な荷重を発生させないように,力を十分にゆっくりと加えなければ
ならない。耐久性試験においては,試験による発熱が起こらないように,力を十分にゆっくりと加えなけ
ればならない。試験は,毎分最高6サイクルの速さで実施することが望ましい。

――――― [JIS S 1203 pdf 3] ―――――

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S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)
5.3 負荷
負荷は,力を加える回数又は加える力の大きさによって変化させる。参考のために製品本来の最終用途
に基づく5段階の試験区分を表Aに示す。
5.4 試験条件
試験結果は,試験装置に依存しないから,別に規定がない限り,試験は,それぞれの試験に適したもの
であればいかなる装置を用いてもよい。ただし,衝撃試験については,6.8及び6.9に規定する装置を用い
なければならない。座面に力を加える装置は,いすが転倒するのを妨げたり,背荷重を加えたときにいす
が水平に移動するのを妨げないものが望ましい。
別に規定がない限り,力の許容差はすべて±5%,質量の許容差はすべて±0.5%,寸法の許容差はすべて
±0.5mmとする。
5.5 試験の順序
すべての試験は同一試験体に対して,この規格に規定する順序で行わなければならない。
6. 試験環境及び試験装置
6.1 床面
床面は,水平で平たん(担)な面とする。落下試験(7.13)では,ISO 48による硬さ97IRHDで,厚さが
2mmのゴムマットをコンクリート面上に敷く。
6.2 ストッパ
ストッパは,試験体が移動しないようにするためのもので,転倒するのを防止するものであってはなら
ない。ストッパの高さは12mm以下とするが,試験体の構造によって12mmより高いストッパを必要とす
る場合には,試験体が滑るのを防止するために必要な最小限の高さでなければならない。
6.3 座面当て板
表面が硬く,滑らかな自然な形をした剛性のもの(図13参照)。
備考 形状の細部は,この規格では規定せず,国内標準化機関によって規定するものとする。
6.4 小形座面当て板
直径が200mmの剛性の円盤で,表面が半径300mmの球状で,縁を半径12mmに丸める(図14参照)。
6.5 背もたれ当て板
高さが200mmで幅が250mmの剛性矩形物体で,表面が当て板の幅方向に半径450mmの円筒状で,縁
を半径12mmに丸める(図15参照)。
6.6 局部当て板(ひじ部及び脚部の強度試験用当て板)
直径100mmの剛性の円盤で,表面が平らで縁を12mmに丸める。
備考 当て板は,すべて力方向に対して回転を妨げないのが望ましい。
6.7 当て板の上張り用発泡体
ISO 2439の方法Aによって測定した硬さ指数が135/660Nで,密度が2730kg/m3である厚さ25mmの
ポリエーテル発泡体。この表面をもつ当て板を用いる代わりに,これと同じ発泡体を当て板と試験体との
間に置いてもよい。
6.8 座面衝撃体(図16参照)
6.8.1 円筒部
円筒部は,直径約200mmで,圧縮コイルばねによって打撃面とは分離されているため,打撃面の中央
部の平面に垂直な線に沿って,自由に動くことができるようになっている。

――――― [JIS S 1203 pdf 4] ―――――

4
S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)
ばねを除いたこの円筒部とその関連部品の質量は,17±0.1kg,ばね及び打撃面を含む装置全体の質量を,
25±0.1kgとする。
6.8.2 ばね
組み合わせたばね系の呼びばね定数は0.69±0.1kg/mm,可動部分の総摩擦抵抗は0.025kg0.045kgの範
囲とする。
ばね系は104±0.5kg(静的に測定)の初期荷重を加えて圧縮し,その位置からばねが完全密着状態にな
るまでの距離を60mm以上としなければならない。
6.8.3 打撃面
内部に乾燥した細かな砂が入っている,ほぼ平らな革製の当て具。
6.9 衝撃ハンマ
ハンマ頭部は質量6.5kgの円筒物体であり,直径が38mmで肉厚が1.6mmの鋼管を振り子の腕として,
回転軸で支持する。回転軸とハンマ頭部との重心間の距離は1mとする。振り子は,低摩擦軸受によって
回転する(図17参照)。
6.10 負荷位置決めジグ
附属書に規定するもの。
7. 試験手順
7.1 座面の静的強度試験
負荷位置決めジグ(図1820)によって決まる座面負荷位置及び座の前縁から100mm後方の位置のそ
れぞれに対して,座面当て板(6.3)を用い,表から選ぶ下向きの力(図1参照)を10回加える。力は各回ご
とに少なくとも10秒間維持する。
試験結果は,8.に従って評価する。
例えば支柱をもついす又は片持ちいすを試験する場合のように,当て板をどの位置に置けば最も破損し
やすいかが明確でない場合には,破損発生の考えられる箇所のすべてに上述に規定する力を10回ずつ加え
なければならない。
スツールの場合,必要ならば小形座面当て板(6.4)を用いて,負荷位置決めジグによって決まるスツール
の座面負荷位置に力を加える。
必要ならば,いすの横桟又は足載せ台についても,適切な試験区分によって上述の試験を繰り返す。

――――― [JIS S 1203 pdf 5] ―――――

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