JIS T 0601-1-2:2018 医用電気機器―第1-2部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:電磁妨害―要求事項及び試験 | ページ 15

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T 0601-1-2 : 2018 (IEC 60601-1-2 : 2014)
な患者結合ME機器及びMEシステムの感受性に基づいて設定しており,今のところ,患者結合装着部か
ら伝導される合理的に予見可能なRFエミッションに調整してある。
単位 m
1 電源ケーブル
2 信号ケーブル
3 絶縁材料製の机
4 被試験品
5 患者ケーブル
6 患者を模擬する負荷(51 kΩと47 nFとの並列回路)
7 金属板
8 電流クランプ
9 スペクトラムアナライザのRF入力への電流クランプケーブル
Cp 220 pF
Rp 510 Ω
CpとRpとの直列回路は,患者の体を模擬している。
注記 この図は,IEC 60601-2-27:2011の図202.101から引用した。
図H.1−ME機器及びMEシステムの患者結合ケーブルからの伝導性エミッション試験配置図

――――― [JIS T 0601-1-2 pdf 71] ―――――

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附属書I
(参考)
イミュニティ合否判定基準の特定
I.1 一般
この副通則の箇条8では,イミュニティ試験レベルを規定している。附属書Eでは,特殊環境に対する
イミュニティ試験レベルを特定するための手法を与えている。この附属書では,特定かつ詳細なイミュニ
ティ合否判定基準を決定する上で役に立つ指針及び例を提供する。
I.2 イミュニティ合否判定基準の原則
I.2.1 一般
イミュニティ試験の間に検証をする必要がある特定のハードウェア,ファームウェア及びソフトウェア
の機能を特定する必要がある。これらの機能の特定に当たっては,リスク分析を含む一つ以上の情報源か
ら導き出すことが望ましい。イミュニティ試験の間及び試験の後5) に,十分な精度及び分解能でこれらの
機能の反応を観察することが望ましい。
注5) 対応国際規格では,“試験前”にも機能の反応を観察することが望ましいとしているが,これは
誤記なので“試験前”の記載は,削除した。
イミュニティ合否判定基準は,可能であれば,定量的な値を用いて規定することが望ましい。合否判定
基準を定量化させるために,まず考慮する必要がある情報として,附属文書に記載した製造業者の精度仕
様がある。
合否判定基準の選択は,専門分野において,個別のME機器又はMEシステムの使用経験がある臨床医
に,相談して決定することが望ましい。
I.2.2 MEシステムで使用する非ME機器に対するイミュニティ合否判定基準
非ME機器を含むMEシステムについては,追加のイミュニティ試験及び合否判定基準が,必要である
かどうかを,決定する必要がある。
I.2.3 イミュニティ合否判定基準の決定
試験を実施する機能及び特定かつ詳細なイミュニティ合否判定基準は,次を含む一つ以上の情報源から
導き出すことが望ましい。
− ハザード
− 受容できないリスクがないことを検証するために,イミュニティ試験を実施する機能
− 合否を決定する基礎となる基準
− 動作モード
− 模擬した患者生体信号の特性
− 意図する使用の場所の仕様
− 試験の特性。これは,製造業者の裁量である。
JIS T 0601規格群に含まれる個別規格では,個別の基本性能及びイミュニティ合否判定基準を規定でき
る。
受容できる性能の低下が,受容できないリスクを生じさせることはないので,イミュニティ合否判定基
準は,受容できる性能の低下を規定してもよい。

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I.3 イミュニティ合否判定基準の例
I.3.1 一般的な例
合否判定基準を確立するために使うことができる例を,次に示す。複数の機能を備えたME機器及び
MEシステムは,それぞれの機能,パラメータ及びチャンネルに対して,合否判定基準を適用することが
望ましい。
試験不合格の例として,次がある。
− 機能不全
− 動作させる必要があるときに,動作しない。
− 動作させることを要求していないときに,意図しない動作が生じる。
− 患者又は操作者に対する受容できないリスクをもたらすような正常動作からの逸脱
− 部品故障
− プログラム可能なパラメータの変化
− 工場出荷時の既定値(製造業者のプリセット)へのリセット
− 動作モードの変化
− 偽陽性アラーム状態
− 偽陰性アラーム状態(アラームの故障)
− 例えアラーム信号を伴っても,あらゆる意図した動作の停止又は中断
− 例えアラーム信号を伴っても,意図しない又は制御できない動きを含め,あらゆる意図しない動作の
開始
− 診断又は治療に影響する極めて大きな表示数値の誤り
− その雑音が,治療又はモニタを妨げる波形上の雑音
− そのアーチファクトが診断,治療又はモニタを妨げる画像のアーチファクト又はひずみ
− 例えアラーム信号を伴っても,診断又は治療をするためのME機器又はMEシステムの自動診断又は
治療の失敗
試験に合格するために必要な,試験妨害波を与えている間及び与えた後に観察される性能の例として,
次が挙げられる。
− 乳房X線撮影システムについて,圧縮状態を完全に開放し,かつ,関連するコマンドが,完全に操作
可能な状態を維持している。
− 超音波診断装置について,プローブの発熱,消費電力及び温度が,仕様の範囲を維持している。
− 安全関連機能が,意図したとおりに動作する。
− アラームの誤動作,フェールセーフモード及び類似の機能が,生じない。
注記 これは,試験を二度実行する必要があるという可能性を示唆している。つまり,一度は,期待
したとおりに機能することを保証し,その後,再びそれらの機能が,不当に生じないことを保
証するということである。
受容可能な性能の低下の例として,次が挙げられる。
− 画像システムが,診断又は治療に影響を及ぼさない方法で変更した画像を表示する。
− 心拍数モニタが,誤った心拍数を表示するが,それは,臨床的に重大な帰結に至るようなレベルでは
ない。
− 患者モニタに,僅かな雑音又は波形上への過渡的な信号が重畳していて,かつ,その雑音又は過渡現
象は,診断,治療又はモニタに影響を与えない。

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複数の機能を備えたME機器及びMEシステムの例として,次が挙げられる。
− 複数パラメータモニタ
− モニタ機能付き麻酔システム
− モニタ機能付き人工呼吸器
− 同一機能の並列処理機能(例えば,並列形の観血式血圧センサ)
意図した時間で治療を終了させる治療機器の故障は,基本性能に関わる意図した動作の停止又は中断と
みなす場合もある。しかし,ME機器又はMEシステムへの試験信号の影響が,患者又は操作者に分から
ないほど短く,かつ,患者の診断,モニタ又は治療に影響しない場合は,これを意図した動作の停止又は
中断とはみなさない場合もある。例えば,イミュニティ試験レベルに応答して,人工呼吸器が,50 ms間
動作を停止した後に,受容可能な制限範囲内の精度で,動作を再開した場合は,意図した動作の停止又は
中断とはみなさない可能性もある。
ME機器又はMEシステムに対して,複数回の試験が必要な場合もあるということに注意する。例えば,
ある一つの組合せの条件下では,感度及び応答時間に対して,製造業者の仕様の範囲内で,アラーム信号
による警報が鳴ることを保証するために試験を実施し,他の試験条件下では,その仕様を超えた条件で,
アラーム信号による警報が鳴らないことを保証するために,試験を実施する場合もあるということである。
I.3.2 放射線診断システムの診察台に対するイミュニティ合否判定基準の例
イミュニティ試験の間,及び試験の後6) に,放射線診断システムの診察台は,受容できないリスクを生
じない(表I.1を参照)。
注6) 対応国際規格では,“試験前”にも受容できないリスクが生じないことを記載しているが,これ
は誤記なので“試験前”の記載は,削除した。
このイミュニティ合否判定基準の決定例は,リスク分析の結果として得ることができる。

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表I.1−放射線診断システムの診察台に対するイミュニティ合格基準の例
番号 受容できないリスクがないことを検証する機能 イミュニティ合格基準
1 新たな試験を妨げることになるシステム故障がな
電源投入時に,システムの初期化が,正しく動作す
る。 い。
2 システムの停止及び電源遮断時に,正しく動作する。 システムの初期化が正しく動作し,かつ,システム
は,“xx”分未満で有効となる(注記1を参照)。
3 X線画像取得中に,患者画像を表示する。 画像雑音又はアーチファクトと,生理学的に生成さ
れる信号とを識別できる。
4 X線画像及びシーケンスを,記録している。 患者データを,消失しない。
記録した画像を,表示できる。
5 X線画像取得の開始を,制御できている。 制御不能な開始。
6 X線画像取得の停止を,制御できている。 制御不能な停止又はロックアウト。
7 制御不能な動き(注記4を参照)。
ポジショナ(診察台及びガントリ)が,正常に動作
している。 診察台の停止は,最大“yy”mmの範囲で有効である
(注記1を参照)。
8 患者情報を,表示できている。 患者データを,消失しない。
注記1 “xx”,“yy”及び“zz”を決定するために,リスク分析及び残留リスクの決定を用いる。
注記2 電源網の5秒間にわたる停電試験(JIS C 61000-4-11)の間に,最後の取得シーケンスで得た画像Nだけを
消失する可能性がある。システムは,初期化シーケンスの後,最大“zz”秒以内に,完全な性能を得るこ
とができるようになる。
注記3 特定のサブテストに対する,より具体的なイミュニティ基準の定義が必要となる場合がある。これは,リ
スクマネジメント及びリスク分析の入力による(附属書Fを参照)。
注記4 この性能を,基本性能と特定する可能性がある一方で,意図しない動きを制御するための要求事項を規定
している規格で,このような性能を基本性能とは特定していない規格も幾つかある[例えば,JIS Z
4751-2-44:2012 [4]]。このような規格では,意図しない動きの防止を,基礎安全とみなしている。しかし,
その結果は,いずれの場合でも同じである。制御不能な動きによるリスクは,受容できない可能性がある。

――――― [JIS T 0601-1-2 pdf 75] ―――――

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JIS T 0601-1-2:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-1-2:2014(IDT)

JIS T 0601-1-2:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 0601-1-2:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称