JIS T 0993-1:2020 医療機器の生物学的評価―第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験 | ページ 3

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T 0993-1 : 2020 (ISO 10993-1 : 2018)
リスク評価には,局所的影響及び全身的影響の両方を考慮しなければならない。
4.4 生物学的評価は,医療機器のカテゴリ分類から始める(箇条5参照)。既存情報の評価は,ギャップ
分析を可能にし,適切な試験項目の選択を容易にする。生物学的評価において最も必要な事項は,主に医
療機器又は材料の生体へのばく露及びハザードの性質,程度,頻度及び期間によって決まる。医療機器又
は材料のリスク評価に十分な情報が活用できる場合,例えば,評価対象となる医療機器の材料キャラクタ
リゼーション(ISO 10993-18及びISO/TR 10993-19参照)によって,既に安全性が確立されている医療機
器又は材料との同等性を示すことができる場合などは,通常,生物学的試験の実施は必要ない(附属書C
参照)。
データの解釈には,医療機器又は材料の生体へのばく露及びハザードの性質,程度,頻度及び期間と同
様に,材料の化学的構成も考慮する。
4.5 それぞれの医療機器及び材料について,想定される全ての生物学的ハザードを考慮しなければなら
ないが,それは全ての潜在的ハザードについて試験実施を要求する又は試験が実施可能であるとは限らな
い(箇条5及び箇条6参照)。試験結果で潜在的な生物学的ハザードが全くないことを保証することはでき
ない。そのため生物学的ハザードの検証を行うには,医療機器の臨床使用における予期せぬ人体への有害
作用又は有害事象を注意深く観察しなければならない。
潜在的な生物学的ハザードの範囲は広く,次のものが含まれる。
− 短期的作用(例 : 急性毒性,皮膚・眼及び粘膜表面に対する刺激性,溶血性,血栓形成性)
− 長期的作用又は特殊毒性作用[例 : 亜慢性又は慢性毒性,アレルギーを引き起こす感作性,遺伝毒性,
発がん性(催腫瘍性),催奇形性を含む生殖又は発生への作用]
4.6 生物学的試験の実施が必要な場合,いかなるインビトロ試験又はインビボ試験(附属書A参照)も,
使用目的に基づいて選定する。
適切なバリデーションが実施され,実用的で,信頼性及び再現性があるインビトロ試験法が存在する場
合には,インビボ試験に優先して実施を考慮する(ISO 10993-2参照)。初期のリスク評価の所見からイン
ビボ試験の実施が必要となる場合でも,可能であればインビボ試験の実施に先立ち,インビトロ試験での
スクリーニングの実施を考慮する。試験方法の選定と同様に,試験目的の妥当性も示す。また,各試験で
得られたデータは,知識及び経験が豊かな専門家によって評価し,保管する。
標準化されていない試験法及びバリデーションが不十分な試験法の実施が必要となる場合には,試験デ
ザイン及びデータの解釈に対する妥当性について説明することが望ましい。
4.7 製造業者は,医療機器のライフサイクル全体の生物学的安全性を評価する。
4.8 再使用可能な医療機器については,想定される再処理サイクルの最大数を考慮して,生物学的安全
性を評価する。
4.9 医療機器又は材料に次の事項のいずれかが生じた場合は,再び生物学的リスクアセスメントを実施
する。
a) 製品の製造に使用する材料の供給元又は仕様の変更

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b) 製品の成分・配合,加工,一次包装又は滅菌の変更
c) 保管・貯蔵に関する製造業者の指示又は推奨の変更(例 : 有効期限及び輸送条件のいずれか又は両方
の変更)
d) 製品の使用目的の変更
e) 製品が人体に使用されたとき,何らかの有害な作用を生じる可能性を想起させる事象
4.10 生物学的評価には,類似の医療機器又は材料の非臨床試験,臨床研究,市販後の臨床実績及び関連
情報を考慮する(附属書B参照)。
4.11 この規格は,旧規格を用いて評価された実績のある製品に対して再試験を行うことは求めない。し
かし,その場合にこの規格への適合確認を行うには,追加の試験実施を不要とした妥当性を示さなければ
ならない。この規格と旧規格とでは,附属書Aに示された生物学的安全性評価のエンドポイントの推奨項
目が異なるが,当該医療機器の臨床実績を基に追加試験の実施を不要とする根拠を文書化することは可能
である。ただし,過去に評価された時点から現在に至るまでに4.9に規定する変更が生じていた場合には,
その変更に関連する生物学的リスクの評価は,この規格に従い実施する。

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開始
箇条1,3.6,3.11
いいえ
当該医療機器は患者身体に直 JIS T 0993-1は適用
接的又は間接的に接触するか。 されない。
4.3,6.1 4.3,6.1 4.3,6.1 5
はい
製造方法,
4.2,4.3,6.1
市販医療機器
滅菌方法 形状,物理 身体接触
はい に使用されてはい はい はい はい
物理学的・化学的情報を収集 は,同等か。 学的特性 及び臨床
いる材料と同
する。必要に応じて,材料キ (タイプ・ は,同等か。 使用は,同
等(すなわち同
ャラクタリゼーション(ISO プロセスの 等か。
配合組成)か。
10993-18)についても考慮す 詳細)
る。
いいえ いいえ いいえ いいえ
6.1,B.4.4 6.1,B.4.4 6.1,B.4.4 6.1,B.4.4
リスクアセスメント
のために十分に正当化できる 当該医療機器の 混合された化
はい はい はい そのデータの はい
根拠及び臨床に関連性のある 全ての化学物質 学物質に適用 用量及びばく
データ(化学的,生物学的及び に十分な毒性学 できるデータ 露経路は妥当
物理学的)のいずれか又は複数 的データが存在 か。 か。
の組合せがあるか。 するか。
T0
いいえ いいえ いいえ いいえ
9
4.2,6.2,7 4.2,6.2,7 B.3.1.4,B.4.3.2
93-
1
材料の化学的性質,接触形態及び期間生物学的エンドポイン 試験の実施及び試験省略の正当毒性学的リスクアセスメン
: 2
に基づき,更なる当該医療機器の評価トの選択(附属書A) 化のいずれか又は両方(附属書トを実行する(附属書B)。
を実行する。 A)
020(ISO1
生物学的評価の完了
0993-
図1−リスクマネジメントプロセスの一環として実施する医療機器の生物学的評価の体系的手引
1 : 2
(要約)
018
3
)

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5 医療機器のカテゴリ分類

5.1 一般

  医療機器は,5.2及び5.3に規定するように,身体との接触形態及び接触期間によってカテゴリに分類す
る。医療機器をカテゴリに分類することによって,適切なデータセットの評価が可能となる(附属書A参
照)。
いずれのカテゴリにも該当しない医療機器を評価する場合にも,この規格の一般原則に従う。複数のカ
テゴリに当てはまる医療機器の場合は,それぞれのカテゴリに対応する適切な評価を実施する。
例1 インプラント部品及びそのデリバリーシステムで構成される医療機器においては,インプラン
ト部品及びデリバリーシステムは個別に評価することが望ましい。
例2 間接的接触によってだけ用いられるガス流路機器を構成する部材は,機器固有の規格に従い生
体適合性の評価を実施することが望ましい(ISO 18562規格群参照)。

5.2 身体との接触形態によるカテゴリ分類

5.2.1  非接触医療機器
身体と接触しない医療機器(又は構成品)は生体適合性の評価は必要ない。診断用ソフトウェア,体外
診断用医療機器1) 及び採血管が非接触医療機器の例である。
注1) 国内では,体外診断用医薬品も含まれる。
5.2.2 表面接触医療機器
表面接触医療機器は,適用部位に従い次のカテゴリに分類する。
a) 皮膚
− 健常皮膚表面と接触する医療機器
例1 電極,人工補てつ(綴)材料,固定用テープ,圧迫包帯及び各種の監視装置
注記 医療機器には,非滅菌環境下で使用者が手袋を着用せずに接触する電子装置のヒューマン
インタフェース(例 : コンピュータのキーボード,ダイアル又はボタン,タッチパネル,
SDカード及びUSBメモリ),健常皮膚に直接接触するモニタ又はプログラマのハウジング
(例 : 携帯電話,タブレットなどの電子機器),滅菌環境下で使用者が手袋を着用した手で
接触する構成部材(例 : カテーテル用ハンドル)などが含まれる。これらに該当する機器
の構成部材が,類似する接触形態で広く一般的に利用されている材料から作られている場
合には,更なる生物学的評価を必要としない。
b) 粘膜
− 健常な粘膜と接触する医療機器
例2 コンタクトレンズ,尿道カテーテル,ちつ(膣)内及び腸内医療機器(胃管,S状結腸鏡,
結腸鏡,胃鏡),気管チューブ,気管支鏡,一部の歯科用補てつ材料及び歯列矯正医療機器
c) 損傷表面
− 損傷した身体表面と接触する医療機器
例3 潰瘍,やけど及び肉芽組織のための包帯,創傷治癒機器及び閉塞性パッチ
5.2.3 体内と体外とを連結する医療機器
体内と体外とを連結する医療機器は,適用部位に従い次のカテゴリに分類する。

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a) 血液流路間接的
− 必ずしも血管又は血液に直接接触しないが,薬剤などの液体用導管として用いる医療機器又は構成

例1 輸液セット,延長チューブ,トランスファーセット及び輸血セット
b) 組織,骨又は歯質
− 生体組織,骨,歯髄又は歯質と接触する医療機器若しくは構成品
例2 腹くう(腔)鏡,関節鏡,排液システム,歯科用充材料,皮膚縫合針
− 必ずしも直接生体組織又は骨に接触しないが,生体組織又は骨への液体用導管として用いる医療機
器若しくは構成品
例3 洗浄用チューブ,患者に接触する可能性のある流体と接点をもつ医療機器又は構成品
c) 循環血液
− 循環血液と接触する医療機器又は構成品
例4 血管内カテーテル,一時的ペースメーカ電極,人工肺,人工肺用回路及び附属品,透析器,
透析用回路及び附属品,血液成分吸着器及び免疫吸着材
5.2.4 インプラント
インプラントは,適用部位に従い次のカテゴリに分類する。
a) 組織又は骨
− 主として骨と接触する医療機器
例1 整形外科用ピン,整形外科用プレート,人工関節,骨人工補てつ材,骨セメント,骨内医
療機器
− 主として生体組織及び組織液と接触する医療機器
例2 ペースメーカ,薬物注入機器,神経・筋センサ及び刺激装置,人工けん(腱),人工乳房,
人工喉頭,骨膜下インプラント,結さつクリップ,子宮内医療機器(化学的作用によって
機能を発揮するものを除く。)
b) 血液
− 心血管系において主に循環血液と接触する医療機器
例3 ペースメーカ電極,人工動静脈ろう(瘻)フィステル,心臓弁,人工血管,血管内薬物送
液用カテーテル,心室補助医療機器(心室補助人工心臓)
注記 生体組織の多くは循環血液を含むが,このカテゴリは,外科的手技などで一時的な出血を
伴う生体組織に適用される機器(ヘルニア修復用移植片など)は対象としない。

5.3 接触期間によるカテゴリ分類

5.3.1  接触期間及びカテゴリ
医療機器は,想定される接触期間に従い次のカテゴリに分類する。
a) 一時的接触(A) : 単回,複数又は繰返しの使用による接触期間の累積が,24時間までの医療機器
b) 短期的接触・中期的接触(B) : 単回,複数又は繰返しの使用による接触期間の累積が,24時間を超え,
30日以内の医療機器
c) 長期的接触(C) : 単回,複数又は繰返しの使用による接触期間の累積が,30日を超える医療機器
5.3.2 一過的に接触する医療機器
医療機器の中には,身体との接触が非常に短時間となる機器がある(例 : 使用時間が1分未満のランセ

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JIS T 0993-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10993-1:2018(IDT)

JIS T 0993-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 0993-1:2020の関連規格と引用規格一覧