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T 15004-2 : 2013 (ISO 15004-2 : 2007)
注記 手術用顕微鏡,スリットランプ顕微鏡,倒像鏡,眼内照明装置などの機器がグループ1に属す
ることはまれである。このことは,これらの機器からの放出量が,グループ1に属する機器に
ついて規定された放出限界値のいずれか一つよりも大きいことを示すことによって確認するこ
とができる。又は,グループ2に属する機器についての要求事項に従ってなされる測定によっ
て,グループ1に属さない機器であることを確認することができる。
参考文献 [1] Adjustment of guidelines for exposure of the eye to optical radiation for ocular instruments:
statement from a task group of the International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection
(ICNIRP), Applied Optics 44(11), 2005, pp.2162-2176
[2] ISO Guide for expression of uncertainty in measurement (GUM), BIPM, IEC, IFCC, ISO, IUPAC,
IUPAP, OIML, 1995
[3] IEC 62471:2006,Photobiological safety of lamps and lamp systems
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T 15004-2 : 2013 (ISO 15004-2 : 2007)
附属書JA
(参考)
眼光学機器−眼光学機器規格における光ハザードに関する仕様の背景
序文
この附属書JAは,JIS T 15004-2の対応国際規格であるISO 15004-2を解説したISO/TR 20824を翻訳し
たものである。
光による組織の損傷は,力学的,熱的又は化学的なものである。例えば,レーザによるような力学的な
傷害は,組織の破壊,断片化,気化などである。光熱的な傷害は,光エネルギーから熱への変換によるも
のである。光化学的な(化学線作用の)傷害では,光増感分子は直接,タイプ1の(遊離基)反応の形で
標的となった組織と反応するか,又は酸素分子と反応して一重項酸素又は活性酸素が生成され,これらの
生成物がタイプ2の(光力学)反応の形で標的となった組織と反応する。外因性光増感剤(光毒性)を伴
わない光化学性の網膜障害は,通常,短時間の露光なら許容できるレベルの光に長時間さら(曝)される
ことによって生じる。こうした作用機序は,排他的に生じるものではなく,同時に又は順次生じることが
ある。
急性の網膜光毒症には,少なくとも二つの基本的なタイプがある。第1のタイプは,青緑色光による急
性光毒症であり,Noellによって1966年に発見された。このタイプの損傷は,暗所視に介在するロドプシ
ンを介して起こる。ロドプシンの吸収は約507 nm(青緑色)で最大になるので,暗所視感度及びNoellの
光毒性は,スペクトルの青緑色光の部分で最大になる。第2のタイプは,紫外光−青色光による急性光毒
症であり,Hamによって1976年に発見された。この光毒症の重篤度は,波長が短くなるとともに大きく
なるので,紫外光は紫色光よりも潜在的に危険であり,紫色光は青色光よりも潜在的に危険である。1978
年にMainsterは,潜在的に危険な330 nm400 nmの紫外光が透明なPMMA眼内レンズを通過して網膜に
到達することを示した。1986年までにほとんどの眼内レンズは,装着者を保護するために紫外光遮蔽色素
を含むようになった。
太陽を見つめると紫外光−青色光による急性光毒症が生じることがあるが,手術用顕微鏡及び眼内照明
装置を20 000ルクス以上の極めて明るい照度で使用すると,急性の黄斑損傷を引き起こすことがある。現
状では加齢黄斑変性(AMD)を長年の露光と関連づける確定的な疫学的証拠はない。眼内レンズ装着者は,
手術中に手術用顕微鏡によって極めて強い照射を受けることと,白内障患者では,AMDの危険性が増す
という事実はあるが,白内障手術とAMDの進行との関連を示す証拠は明白となっていない。紫外光に加
えて紫色光及び青色光を遮蔽する眼内レンズが,最近になって開発された。これらを使用することには議
論の余地がある。なぜならばAMDの危険性を減らす臨床学的な証拠がなく,また,暗所視の低下した高
齢者にとって有用な青色光の一部を遮蔽してしまうからである。
光放射を眼内に向けている眼光学機器には様々なものがあり,様々な応用例で使用されている。“光放射”
という表現は,紫外光,可視光及び赤外光の放射が含まれるが,最も広い意味で使用する場合には,約100
nm1 mmの波長域が含まれる。光放射を放出する製品に適用可能な製品性能及び使用者のための規格が
数多く存在するが,それらは250 nm2.5 長域だけを対象としている。
眼光学機器は,眼の測定,監視及び観察に加えて診断及び処置にも使用されることがある。光放射を利
用する新型の眼光学機器の開発は途切れることがなく,多くの眼光学機器は,潜在的に危険な極めて強い
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光放射を利用している。光放射の強度が十分に高い場合,眼に損傷を生じ得ることは周知の事実である。
太陽から放出される光放射だけでなく,眼の手術中に使用される手術用顕微鏡及び眼内照明装置並びにレ
ーザから放出される光放射による眼の損傷が数多く報告されている(附属書JA参考文献[1][31]参照)。
手術用顕微鏡及び眼内照明装置による傷害の大多数では僅かな症状しか現れないが,一部の患者では,暗
点及び中心視力の永久喪失が生じている(附属書JA参考文献[11]参照)。
光化学性の損傷の場合には,臨床的な変化がすぐには現れない。露光後1日から2日では網膜浮腫及び
軽い色素変性の症状が典型的に見られ,13週間たつと様々な程度の色素性の変性が,より視認できるよ
うになる(附属書JA参考文献[18]参照)。これらのことは,全ての光化学性の傷害において同様である。
光化学性の傷害は網膜への露光量が増えるにつれて網膜損傷の危険性が高くなるという,投入量と反応の
関係に従うことが示されていることにも留意しなければならない。手術用顕微鏡の場合,幾つかの研究で
20120分の露光時間で網膜障害が起こり得ることが示されているが,最近の研究から,より短い露光継
続時間で網膜障害が起こり得ることが示唆されている(附属書JA参考文献[49]参照)。深刻な障害の発生
率は分かっていないが,それほど頻繁ではないようである。しかし網膜傷害として気づかない,又は視認
できない程度の軽微な損傷を与えている場合がある。
最新の眼光学機器は,例えば,ハロゲンランプ,キセノンランプ並びにメタルハライドランプなど,ま
すます効率的な光源を使用するようになっていることに留意しなければならない。これらのランプからは,
従来型のタングステンフィラメントランプよりも色温度が高い光が放出され,かつ,より多くの青色光並
びに紫外光が放出される。旧型のランプと異なり,これら新型のランプから出力される光は,その強度が
長い寿命を通じてあまり減衰しない(附属書JA参考文献[1]参照)。さらに,これら新型のランプから放出
される光放射は,眼に対して実際に危険を与えることがあり得る。そのため眼の検査又は処置するために
使用される眼光学機器には,眼に物理的な損傷を及ぼす危険性が存在し得る。これに関連して,幾つかの
一般的な眼光学機器から放出される光放射は,比較的短い露光時間で安全ガイドラインを上回る場合があ
ることが複数の研究で示されている(附属書JA参考文献[19]及び[36]参照)。最も危険な対象は,高齢者
及び幼児,とりわけ眼疾患を患っている人々であろう。こうした危険性は,眼が光にさら(曝)される時
間が長くなるほど高くなる。皮肉にも,概して眼が健康でない患者が長時間の検査を必要としている。一
部の眼光学機器には,明らかに網膜損傷の危険性があり,それ以外のものにも潜在的には網膜損傷の危険
性があることから,幾つもの安全性能規格が策定されている。
ランプ及びランプシステムには光放射の安全性についての規格があり(CIE S-009E:2002[53],IEC
62471:2006[56]),レーザには性能及び安全な使用についての幾つもの規格がある(例えば,IEC 60825-1[54]
及びIEC 60601-2-22[55])。眼光学機器の一部についての性能規格には,これらの機器についての光放射安
全限界値が含まれている。さらに作業環境における光放射安全性についての規格がある。しかし,眼内又
は眼に向けて光を放射する眼光学機器全てに適用可能な包括的な規格は皆無である。
ISO 15004-2[52] は,この空白を埋めるために策定されたものである。この規格は,診断又は監視の目的
で眼内又は眼に向けて光を放射するように設計された全ての眼光学機器に適用可能である。その目的は,
このような特定用途の機器に対して一定の要求事項を設けることであり,こうした機器の製造業者及び使
用者の双方に有用な最低限の光放射安全性についての仕様及び要求事項を定めることを意図している。
ISO 15004-2[52]の適用範囲は,意図的に広く策定されている。この規格は,眼疾患の診断のための眼光
学機器,眼の監視機器,レーザ,連続波及びパルス光源を備えた機器並びに手術用顕微鏡及び眼内照明装
置を対象としている。さらに,現在開発中の眼科用の血糖計などの他の医療診断機器を対象とすることも
意図している。眼を処置するための光を放射する機器には適用可能ではないものがあるが,これらの機器
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は,眼に損傷を与え,また,眼を構造的に変化させるために設計されているからである。
JA.1 適用範囲
この附属書は,この規格の対応国際規格であるISO 15004-2の限界値及び要求事項の基となる理論的根
拠に関する詳細な情報を提供することを目的としている。ISO 15004-2の仕様は,ISO 15004:1997の仕様
から大きく改定されている。
JA.2 機器の分類
光ハザードの規格を作成する上で,現在の眼光学機器についての国際規格と整合させる過程において,
潜在的に危険な光放射を放出する眼光学機器と,そうでないものとを区別する必要があった。既存の国際
規格,すなわち,ISO 15004-2以前に発行されたものは,このような機器の区別をしていない。そのため,
既存の国際規格は,どの眼光学機器から放出される光放射も同じ方法でその特徴づけを行い,かつ,同じ
レベルの不確かさで測定することを求めている。潜在的に危険な機器の製造業者及び危険でない機器の製
造業者は,いずれも,±30 %未満の不確かさで分光測定を行って当該機器についての無水晶体眼に対する
放射輝度及び青色光の放射輝度を求め,この情報を使用者に報告する義務がある。危険でない機器の場合
には,こうした要求事項は過度の負担である。危険でない機器に関して製造業者に放射輝度の報告を求め
る正当な公衆衛生上の理由は何もない。ある機器が放出する光放射が危険でなければ,その製造業者は,
単にその眼光学機器から放出される光放射は危険ではないことを使用者に知らせれば十分である。
この新しい規格ISO 15004-2は,放出する光放射が危険でない機器に不必要な要求事項を課すべきでは
ないという前提に基づいている。この前提から,ISO 15004-2では,その機器が潜在的に危険であるか否
かによってグループ1及びグループ2の二つのグループに分類している。グループ1機器は危険ではなく,
その使用法も制限されない。このグループの眼光学機器についての唯一の要求事項は,その眼光学機器が
危険でないことを客観的に示すことである。グループ2機器は,潜在的に危険であり,そのために最小限
の要求事項が課せられている。
さらに,眼光学機器によっては,設計及び機能上いかなる測定も必要とせずにグループ1に属すること
を容易に文書で示し得る,低いレベルの光しか放出しないものがある。例として,このような機器には角
膜計及び視野計が含まれる。これらの機器についての国際規格の光放射の放出仕様値が証拠文書となる場
合がある。又は,当該機器がその意図する機能を発揮するために放出する白色光が10 000 cd/m2を超えな
いことを示してもよい。この場合には,当該眼光学機器から放出される光放射はグループ1機器について
の放出限界値未満である。
JA.3 連続波機器についての限界値の基礎となる時間
グループ1機器についての放出限界値とグループ2機器についての放出限界値は異なる。
グループ1機器の限界値は,グループ1機器からの光放射によって,既知の潜在的な光ハザードが現れ
ないレベルである。そのため,このような機器を臨床で使用する上での制約はない。
グループ1に属する大半の連続波機器の限界値について,その理論的根拠は,露光時間を2時間として
いることである。この理論的根拠は,1日の総露光時間が,数種類の異なる眼光学機器から同じような光
放射を受ける場合でも,検査の間に同じ機器から繰返し受ける場合でも,1時間程度であろうという考え
に基づいている。このような状況は医大附属病院で,特異な又はまれ(稀)な病状の患者を検査するとき
に起こりえる。眼疾患の患者は,正常眼の人よりも光放射による眼の損傷の危険性が高い場合がある。累
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積時間が1時間に及ぶ検査はあり得るが,合計露光時間が1日に2時間を超える検査はないと考えられる。
したがって,ここで提案された限界値は,2時間の露光に基づいている。
露光時間を2時間とすることが適切でない機器は,例えば,手術用顕微鏡,眼内照明装置及び患者監視
装置である。手術用顕微鏡及び眼内照明装置の場合,手術が複雑であれば総露光時間は数時間程度に及ぶ
ことが考えられる。これらの機器からの露光でも1日に4時間を超えることはまれであるため,これらの
機器について限界値の基となる露光時間を4時間とする。4時間を超えて連続露光するための機器の場合,
限界値は当該機器の使用法に伴う最長露光時間に基づくものとする。そのため,これらの機器の限界値は
ISO 15004-2:2007の表1に示す限界値を,当該機器の意図した使用法における連続露光時間(単位 : 時間)
の2分の1の係数で除した値に減ずるものとする。
JA.4 放出限界値
JA.4.1 概要
ISO 15004-2で規定する限界値は,人体への光放射の暴露についての国際非電離放射線防護委員会
(ICNIRP)のガイドラインから導き出されたものである(附属書JA参考文献[48]参照)。これらの限界値
は米国産業衛生専門家会議[33](ACGIH)が示す値とおおむね同じであり,以前の国際規格はこれらに基
づいている。しかしACGIHはそれらの限界値を眼光学機器に適用する方法に関して特定の指針を提供し
ていない。一方ICNIRPは,附属書JA参考文献[48]に列挙した文書を提供している。ICNIRP及びACGIH
のいずれの限界値も同じ生物学的データに基づいているが,視覚機器に関するICNIRPの文書は,眼光学
機器及び眼内又は眼に向けて光を放射するように設計された機器についての限界値を規定している。した
がって,ISO 15004-2ではICNIRPの限界値及びガイドラインを用いるのが適当である。
ICNIRPのガイドラインには,眼に対する連続波出力機器からの光ハザードについて,少なくとも六つ
の別々の種類があることに留意する。これらを次に示す。
a) 180 nm400 nmの波長域の光放射による角膜及び水晶体に対するUV光傷害(光による角膜炎及び白
内障)
b) 主に400 nm550 nm(無水晶体眼の場合は,305 nm550 nm)の波長域の光放射による網膜に対する
青色光光化学性傷害
c) 400 nm1 400 nmの波長域の光放射による網膜に対する熱傷害
d) 約800 nm3 000 nmの波長域の近赤外光放射による水晶体に対する熱ハザード
e) 400 nm1 200 nmの波長域の集束ビーム,細いビームによる角膜及び水晶体に対する熱ハザード
f) 約1 400 nm1 mmの波長域の光放射による角膜に対する熱傷害(やけど)
上述の生物学的作用の一部は,上記の波長範囲の中で波長依存性があることを理解することが重要であ
る。例えば,270 nmの紫外光は,320 nmの紫外光よりも光化学性の角膜傷害(光による角膜炎)をもた
らす影響が1 000倍以上大きい。青色光による網膜損傷もそうであり,435 nmの光は500 nmの放射より
も光化学性の傷害をもたらす影響が10倍以上大きい。こうした波長依存性は,作用スペクトルと呼ばれる
ものである。作用スペクトルは,生物学的に最終結果をもたらす放射の相対的効果を波長の関数として表
現したものである。一般的に作用スペクトルは,“生物学的な最終結果をもたらすのに最も効果のある波長
での照射量”に対する“特定の波長での照射量”の比を表の形で表す。
波長依存性の生物学的な最終影響についての機器に関連し得る潜在的なハザードは,通常いわゆる有効
放射照度又は有効放射露光量を計算することによって評価される。例として,紫外光についての有効放射
――――― [JIS T 15004-2 pdf 40] ―――――
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JIS T 15004-2:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15004-2:2007(IDT)
JIS T 15004-2:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 15004-2:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8120:2001
- 光学用語