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4.1.4 体内と体外とを連結する機器
体内と体外とを連結する機器とは,口くう(腔)粘膜,歯の硬組織,歯髄組織若しくは骨,又はこれら
の複合組織を貫通して接触するもので,その一部が口くう(腔)環境にさら(曝)されているものをいう。
注記 修復物の下に用いるあらゆる種類の裏装材及び裏層材もこのカテゴリに含まれる。
4.1.5 歯科用体内植込み機器
歯科用体内植込み機器は,次のうちの一つ以上に,部分的に又は完全に埋め込む,歯科用インプラント
及びその他の歯科用体内植込み機器をいう。
a) 軟組織(例えば,骨膜下インプラント,皮下インプラント)
b) 骨[例えば,骨内インプラント,骨(代替)補材]
c) 歯髄象牙質系(pulpodentinal system)(例えば,歯内療法用材料)
d) これらの組合せ(例えば,骨貫通インプラント)
4.2 接触期間によるカテゴリ分類
4.2.1 一般
この規格の目的上,歯科用医療機器をJIS T 0993-1及び4.2.24.2.4に規定しているように,接触期間に
よって分類する。
4.2.2 一時的接触機器
単回又は複数回使用され,その累積接触期間が,24時間以内の医療機器。
4.2.3 短·中期的接触機器
単回又は複数回使用され,その累積接触期間が,24時間を超え30日以内の医療機器。
4.2.4 長期的接触機器
単回又は複数回使用され,その累積接触期間が,30日を超える医療機器。
5 生物学的評価プロセス
5.1 一般
それぞれの歯科用医療機器は,リスクマネジメントプロセスの実施の中で,体系化された生物学的な評
価プログラムによる評価を受けなければならない(JIS T 0993-1を参照)。このプログラムの実施について
は,JIS T 14971及びJIS T 0993-1に規定されている指針を使用する。
生物学的な評価プログラムには,各々の機器の生物学的性質についてのデータセットが十分そろってい
るかの精査を含めなければならない。生物学的な評価プログラムでのデータセットの精査で,一つ以上の
データセットが不完全で,更に試験が必要であることが示された場合には,JIS T 0993-1,及びISO 10993
規格群若しくはこの規格又はそれらの両方に規定している方法の中から,試験を選択する。これらの規格
に含まれていない試験を選択する場合には,それらの規格に規定している試験の適用を考慮したことを示
すとともに,その他の試験を選択したことが妥当である理由を記載しなければならない。
組合せ製品については,適用し得るその他の規格と併せて,この規格によって最終製品を評価する。
注記1 この規格では,“組合せ製品”(combination products)とは,次の特性をもつ物質を組み込ん
でいる,又は組み込むことを意図したあらゆる種類の機器をいう。
a) 個別に使用する場合には,医薬品又は生物学的製剤である。
b) 補助的作用によって,患者の身体に影響する。
一例としては,成長因子(すなわち,生物学的製剤)を含有する骨補材及び骨造成材が該当する。
組合せ製品については,機器コンポーネントと薬理学的コンポーネントとが別々に包装されている場合,
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機器コンポーネントだけの試験結果は,参考情報になる場合がある。
全ての試験は,適用可能であれば,一般的に認定された,現時点で有効な最善の試験実施基準又は品質
保証基準に従って実施されなければならない。
注記2 関連する手引書の例として,優良試験所規範(Good Laboratory Practice)又はISO/IEC 17025
がある。
5.2 試験の選択及び結果の全体評価
試験の選択及び結果の全体評価は,その医療機器について適切な化学的,物理学的及び生物学的データ
に精通し,使用条件を熟知している専門家が行わなければならない。
5.3 試験方法の選択
試験方法を選択するときは,次のことを考慮しなければならない。
a) 医療機器の意図する用途
b) 医療機器が接触する可能性のある生体組織(複数を含む。)
c) 接触期間
選択する試験方法が規格などに規定されていない場合には,その試験方法の選択が妥当であることを,
個々の医療機器についての報告書に記載しなければならない。また,同じカテゴリの中で複数の試験方法
が推奨されている場合には,選択する試験方法が妥当である理由を示さなければならない。
5.4 試験の種類
5.4.1 一般
歯科用医療機器のカテゴリによって,表A.1に示す試験を適用することを考えなければならない。表A.1
は,いずれの種類の試験方法を用いるかを考えるためのものであり,必ずしもその種類の試験方法を用い
ることを強制するものではない。表A.1に示す種類の試験を行わない場合には,その妥当性を各医療機器
の試験報告書に記載する。表A.1に示す試験の種類は,歯科用医療機器の生体適合性に対する評価のため
の枠組みである。それぞれの種類の試験の大部分について,特定の試験方法を規定しているが,一部の医
療機器については,表A.1に示す以外の方法が適切な場合もある。
5.4.2 物理的及び化学的特性評価
医療機器又は構成品の材料特性(表A.1参照)は,生物学的評価における重要な第一段階である。材料
特性の評価を実施する場合,ISO 10993-18及びISO/TS 10993-19に従って実施しなければならない。ナノ
マテリアルについては,ISO/TR 10993-22を参照する。
生物学的試験の種類を便宜上,次の三つのグループに分ける。
5.4.3 グループ1
このグループは,細胞毒性のインビトロ(in vitro)試験からなる。インビトロ細胞毒性試験は,ISO 10993-5
に規定する一般指針によらなければならない。歯科材料に適する,寒天拡散法及びフィルタ拡散法の詳細
な試験プロトコルは,この規格に規定している。インビトロ細胞毒性試験方法は,次による。
a) 寒天拡散試験(6.2参照)
b) フィルタ拡散試験(6.3参照)
c) SO 10993-5によって行う直接接触試験又は抽出液試験
d) 象牙質バリア細胞毒性試験(附属書B参照)
注記1 上記の順序は,ある方法が別の方法に優先することを示すものではない。
注記2 対象となる医療機器について,ここに記載する全ての細胞毒性試験を実施しなければならな
いということではない。
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注記3 象牙質バリア細胞毒性試験を適用することが提案され,この方法が附属書Bに記載されてい
る。この試験方法について,参照資料が参考文献に記載されている。
5.4.4 グループ2
このグループは,ISO 10993規格群による試験からなり,それぞれ特定の試験がある。
a) 急性全身毒性−経口投与(ISO 10993-11による。)
b) 急性全身毒性−吸入投与(ISO 10993-11による。)
c) 亜急性及び亜慢性全身毒性−経口投与(ISO 10993-11による。)
d) 皮膚刺激性及び皮内反応(ISO 10993-10による。)
e) 遅延性過敏症(ISO 10993-10による。)
f) 遺伝毒性(ISO 10993-3による。)
g) 埋植による局所的影響(ISO 10993-6による。)
注記1 規格の最新版を引用できるように,あえて引用規格には発行年を付記していない。該当する
箇条及び細分箇条を特定して示すには,発行年を付記して引用する必要がある。したがって,
個々の規格を適用する場合には,引用規格中で該当する箇条番号を調べる必要がある。
ISO 10993-6によって,石灰化組織を含めて,局所植込み後のインプラント材料を評価するには,通常
の脱灰切片に加えて非脱灰切片の検査を行うことを推奨する。
注記2 適切であれば,歯科用骨内インプラントの場合,植込み後の局所の影響についてはISO
10993-6の代わりに,附属書Cを用いて評価される[5.4.5 d) 参照]。
5.4.5 グループ3
このグループは,JIS T 0993-1及びISO 10993規格群では規定していない,歯科用医療機器に特有の,
次の試験からなる。
a) 歯髄·象牙質使用模擬試験(pulp and dentine usage test)(6.4参照)
b) 覆髄試験(pulp capping test)(6.5参照)
c) 根管充使用模擬試験(endodontic usage test)(6.6参照)
d) 歯科用骨内インプラント使用模擬試験(endosseous dental implant usage test)(附属書C参照)
歯科用骨内インプラント使用模擬試験は要求事項ではないが,実施可能である場合は推奨される。
5.5 生体適合性の再評価
成分,品質及び/又は性能仕様の改良又は変更を行うときは,5.4に規定しているように,その機器の生
体適合性の再評価を行わなければならない。
注記 再評価の要否を判断する場合は,JIS T 0993-1のB.4.5.1(生物学的安全性の再評価が必要とな
る変更)を参照する。
6 歯科材料のための試験手順
6.1 試料調製のための推奨事項
6.1.1 一般
この推奨事項は,インビトロ試験のためのものであるが,その他の目的にも用いることが可能である。
6.1.2 試料調製のための一般的な推奨事項
試料調製について,製品規格及び/又は製造販売業者の取扱説明書を参照し,できる限り厳密にその記
載に従う。製造販売業者の説明書に従わない場合には,それが妥当である理由を説明する。試料調製につ
いては,試験報告書に詳細に記載しなければならない。機器の最終的な用途を考えて,次の因子(例えば,
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環境因子)を考慮する。
a) 温度
b) 湿度
c) 露光 感光性材料の試料は,環境光によって活性化しない条件下で作製する。
d) 試料作製型の材質 試料作製型の材質,及び必要に応じて用いた分離剤が,試料の硬化を妨げないこ
とを確認する。
注記 試料作製型の材質として,ポリエチレン,ポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEとい
う。)などの半透明又は白のプラスチック材料が適している。
e) 酸素ばく(曝)露 硬化中に酸素による重合阻害層が生じる材料については,硬化中は,試料を適切
に密閉する。
f) 滅菌 必要かつ可能である場合には,無菌条件下で試料を作製するか,又は材料に適する方法で試料
を滅菌する。滅菌によって材料が影響を受けないようにする(例えば,滅菌によって材料から物質が
溶出しない。)。
g) 細胞層又は細胞培養培地と試料接触表面積との比 細胞層又は細胞培養培地に対する試料接触表面
積の比を記録する。試料の形状及び表面積の選択,並びに用いた細胞層又は細胞培養培地に対する試
料接触表面積の比が妥当である理由を説明する。
h) 抽出液 抽出液を必要とする場合には,ISO 10993-12:2012の箇条10によって調製する。
6.1.3 光重合型材料のための推奨事項
光重合型材料の最終的な用途を考えて,次の因子を考慮する。
a) 試料作製型の材質 臨床での使用状態を模擬するために,試料作製型に用いる材料の反射率は,象牙
質の反射率にできるだけ近いことが望ましい。
注記 試料作製型の材質として,ポリエチレン,PTFEなどの半透明又は白のプラスチック材料が
適切である。
b) 光照射 できる限り臨床使用を模擬して,光重合を行う。実際の使用時と同じ重合レベルとなるよう
に,製造販売業者の添付文書に従わなければならない。多くの場合,片面から重合させるが,時には,
両面からの重合が必要となる。重合方法は,材料及び/又はプロセスに特有である。完全に重合した
試料が試験に必要である場合には,型から取り出した後,試料が均質であることを確かめることが重
要である。
単一構成の材料の場合,目視したときに,空隙,亀裂及び気泡が存在してはならない。使用した光
源について記載する(光強度,照射時間,照射光のスペクトル分布及び光源の種類を記録する。)。光
源は,試験する材料に推奨されていること,また,正常に作動することを確かめなければならない。
c) 酸素の遮断 光重合中に酸素による重合阻害層を生じる材料については,光重合中,透明な酸素遮蔽
材料(例えば,ポリエステルフィルム)で,型の両端を覆う。材料の重合後の表面仕上げを製造販売
業者が推奨している場合には,推奨の臨床的手順を用いて,試料表面を研削·研磨する。このような
指定がなく,かつ,試験に必要な場合には,透明な酸素遮蔽材料に接して硬化させた後,JIS R 6010
によるP2000の粒度の人造研削材を付着させた耐水研磨紙を用いて,試料の両面を研磨する。
6.1.4 化学的に硬化する材料のための推奨事項
化学的に硬化する材料の最終的な用途を考えて,次の因子を考慮する。
a) 練和 試料の作製に当たっては,十分な量の材料を1回で,試料の作製ごとに新たに練和する。製造
販売業者が指定する場合には,それぞれの製品に指定された方法によって練和しなければならない。
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b) 酸素の遮断 化学重合中に酸素による重合阻害層を生じる材料については,重合中,酸素遮蔽材料(例
えば,ポリエステルフィルム)で,型の両端を覆う。材料の重合後の表面仕上げを製造販売業者が推
奨する場合には,推奨の臨床的手順を用いて,試料表面を研削·研磨する。このような指定がなく,
かつ,試験に必要な場合は,酸素遮蔽材料に接して硬化させた後,JIS R 6010によるP2000の粒度の
人造研削材を付着させた耐水研磨紙を用いて,試料の両面を研磨する。
6.1.5 陽性対照材料
インビトロ試験,及びある種のインビボ(in vivo)試験(例えば,歯髄·象牙質使用模擬試験)につい
ては,試験材料と同じように取り扱い,加工し(例えば,練和後は可塑性を示し,その後硬化する。),か
つ,自由に入手可能な化学物質又は材料からなる標準陽性対照材料を含めることを推奨する。
成形修復材料のインビトロ試験のためのそうした陽性対照材料は,表B.1に記載されている。こうした
特定の陽性対照物質の使用は選択肢の一つであり,既に検証済みの経歴をもつ物質,及び毒性について再
現性のあるデータをもち,十分評価されたその他の陽性対照物質を代替品として使用することが可能であ
る。
6.2 寒天拡散試験
6.2.1 目的
この試験は,寒天又はアガロースを通して拡散した後の試験材料の非特異的細胞毒性を検出するための
ものである。この試験方法は,寒天又はアガロース中に拡散しない溶出物には適さない。
6.2.2 細胞株
入手可能な樹立線維芽細胞株又は上皮細胞株[例えば,American Type Culture Collection(ATCC)から入
手可能である(http://www.atcc.org参照)。]1)を用いる。細胞株の識別番号を報告書に明記する。同等の細
胞株で同じ結果が得られることを示すことができる場合には,その細胞株を用いてもよい。必要な場合に
は,用いた細胞株の説明及び呼称,並びにそれを選択した理由も報告書に明記する。
注1) この情報は,この規格の使用者の便宜のために提供するものであって,日本産業規格がこれら
の細胞株を推奨するものではない。
6.2.3 培地,試薬及び器具
選択した細胞株に対して指定された培地を用い,ろ過滅菌する。また,寒天培地を調製するための2倍
濃度の培地を用意し,ろ過滅菌する。3 %寒天又は3 %アガロースのいずれかの溶液を調製し,オートクレ
ーブによって滅菌する。
使用直前に,0.01 mol/Lりん酸緩衝生理的塩類溶液[例えば,ダルベッコのりん酸緩衝塩類溶液2)]で,
1 %ニュートラルレッド溶液(供給元を記録する。)の原液を100倍に希釈して,生体染色液を調製する。
ニュートラルレッド溶液は,遮光保存する。組織培養用6穴プレート(直径35 mm)又は組織培養に適
する呼び径50 mm100 mmのシャーレを用いる。
注2) この情報は,この規格の使用者の便宜のために提供するものであって,日本産業規格がこの製
品を推奨するものではない。
6.2.4 試料調製
6.1及び次によって試料を調製する。材料の抽出液又は材料そのもののいずれかについて,ISO 10993-5
を手引書として試験を行う。
a) 固体材料では,寒天重層又はアガロース重層に十分に接触できるように平らな面をもつ,直径約5 mm
の円形試料を調製する。
b) 硬化する材料では,内径5 mmで高さ2 mmのリング内に練和直後の材料を注入する。リングの材質
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JIS T 6001:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7405:2018(MOD)
JIS T 6001:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.100 : 実験医学 > 11.100.99 : 実験医学に関するその他の規格
JIS T 6001:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISR6010:2000
- 研磨布紙用研磨材の粒度
- JIST0993-1:2020
- 医療機器の生物学的評価―第1部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験
- JIST14971:2012
- 医療機器―リスクマネジメントの医療機器への適用
- JIST14971:2020
- 医療機器―リスクマネジメントの医療機器への適用