JIS T 7201-1:1999 吸入麻酔システム―第1部 麻酔器(本体) | ページ 3

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T 7201-1 : 1999 (ISO 5358 : 1992)
13.2 濃度校正目盛付き気化器
13.2.1 濃度校正目盛付き気化器は,大気圧に影響されることなく揮発性麻酔薬の蒸気圧を調節できるもの
とする。通常,気化器は,101.3kPaの標準大気圧,気温 (20±3) ℃の条件で,% (V/V) で目盛られる。
13.2.2 濃度校正目盛付き気化器は,少なくとも15l/minのガス流量を通すことができ,かつ,麻酔薬の蒸
気濃度を調節済みのガスを供給できなければならない。
13.2.3 蒸気の濃度を調節するための調節ダイヤルが付いていなければならない。気化器には,校正された
濃度の範囲が目盛又はディスプレイで表示できるようになっていなければならない。校正された範囲を超
えて調節ダイヤルをセットできるものであってはならない。
13.2.4 他の麻酔薬による気化器内汚染を防止するため,気化器の気化室内に他の気化器からのガスが流入
しないような防止方法が施されていなければならない。
13.2.5 気化器には,その麻酔薬容器内の麻酔薬の最大の液レベル (max.) と最小の液レベル (min.) を可
視的に示す指示器が付いていなければならない。
13.2.6 気化器の回転式ダイヤル又はノブを反時計方向に回すことにより,出てくるガス中の蒸気濃度を上
げることができるものとする。 “OFF” 位置又は “OFF” の意味をもつ “0” 位置には回転止め(デテント)
が施されていなければならない。
13.2.7 附属書Bに規定されているとおりに,製造業者の勧めるキャリアガス及び分析方法を用いて気化
器を試験する場合には[19.m)4)参照],次に掲げる各要求事項に合致させなければならない。
a) 次のいずれかの条件で気化器からの流出ガスの濃度は,0.1% (V/V) を超えない。
1) 気化器の調節ダイアルが “0” 位置のとき( “0” 位置が施されている。)
2) 気化器の調節ダイアルが “OFF” 位置のとき( “OFF” 位置が施されている。)
3) 又は気化器の調節ダイアルが “0” 又は “OFF” 位置のどちらかにある場合( “0” 及び “OFF” の両
位置が共に施されている。)
b) “OFF” 又は “0” 位置以外のすべての濃度目盛で,気化器によって気化された麻酔薬の蒸気濃度は,
設定濃度の±20%又は最高濃度目盛の±5%のうちのいずれか大きい値を超えて外れてはならない。
13.2.8 附属書Cに規定されているとおりに,製造業者が勧めるキャリアガス及び分析方法を用いて気化
器を試験する場合には[19.m)4)参照],気化器からの流出ガス濃度は,設定濃度の+30%−20%の範囲又
は最高濃度の+7.5%−5%の範囲のいずれか大きい方の値を超えて変動してはならない。
13.2.9 附属書Dに規定されているとおりに,気化器に麻酔薬を最高液量レベルまで注入し,気化器の濃
度調節ダイアルを “OFF” 位置又は最高調節目盛に設定したとき,20l/minのガスを気化器に流しても,麻
酔薬が液状のまま気化器から放出されてはならない。
13.2.10 気化器又は麻酔器には,“使用する前に取扱説明書を熟読すること。”という文章が印刷されたラベ
ル,又は次のシンボルマークが印刷されたラベルをは(貼)らなければならない。
13.2.11 気化器には,校正された麻酔薬の一般的名称を表示しなければならない。色別コードを用いた場合
は,識別色は表1の第2列に示される。

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表1 気化器に用いる識別色
麻酔薬 識別色 適切と考えられる色見本(1)
米国標準 BS Pantone SS 01 91 00 JIS Z 8721 DIN
595a 5252 SS 01 91 03 (Munsell) 6164
ハロタン 赤 11105 04 E 56 200 1374/R 5R 4/14 8:7:2
エンフルラン 橙 22510 06 E 55 144 0958-Y56R 2.5YR 6/16 5:5:1
メトキシフルラン 緑 14187 14 E 53 334 2356-B92G 10G 5/10 21 : 6 : 3
トリクロロエチレン 青 15102 20 E 56 294 4052-R92B 2.5PB 3/8 17 : 7 : 4
セボフルラン 黄 13655 10 E 53 115 1070-Y10R 5Y 8/14 2:6:1
イソフルラン 紫 None 24 E 53 252/253 3248-R42B 7.5P 4/12 11 : 4 : 4
(1) 2列目は識別色に用いられる色,38列目はよく用いられている各国の規格などから引用した色見本を示す(附
属書E参照)。JIS Z 8721はMunsellに近い。
14. ガス共通流出口
14.1 ガス共通流出口は,JIS T 7201-2-1又はJIS T 7201-2-2に合致するおす(雄)外径22mmとめす(雌)
内径15mmの同軸円すいコネクタでなければならない。このガス共通流出口の軸は,水平面から±10°以
内でなければならない。
14.2 円すいコネクタを付けるガス共通流出口の構造を維持するために,曲げの強さ3N・mとトルクの強
さ3N・mとが同時に加わったとき,ガス共通流出口の軸が恒久的に変形したり,又は支持構造がずれたり
しないものでなければならない。
14.3 ガス共通流出口がJIS T 7201-2-2に合致するねじ式耐重量性のコネクタである場合には,その支持構
造は,接合軸の恒久的な変形及び位置ずれを起こすことなく,曲げの強さで10N・mとトルクの強さで24N・
mの力を同時に許容できるものでなければならない。
15. 動力用ガス出口
15.1 動力用ガス出口が取り付けられている場合には,空気及び/又は酸素用だけであり,JIS T 7111に合
致するガス別特定コネクタの本体側(雄)でなければならない。
15.2 動力用ガス出口のコネクタは,9.2に規定するガス漏れを許さないセルフシーリング(自動閉塞式)
のものでなければならない。
16. 酸素フラッシュ
16.1 麻酔器は,手動式で,単一用途の酸素フラッシュを備えていなければならない。この酸素フラッシ
ュは,酸素をある一定限度の流量でガス共通流出口に直接送り込むが,その流量は,メータ(流量計)で
は測定できない。酸素以外のいかなるガスのフラッシュもつけてはならない。
16.2 酸素フラッシュのコントロールは, “OFF” 位置一つだけをもつものとする。酸素フラッシュのコン
トロールは,その偶発的作動又は取扱者による誤操作事故を,最小限におさえるように設計され,かつ,
付ける位置についての配慮がなされていることが望ましい。
16.3 酸素フラッシュのコントロールは,片手で操作でき,かつ,自動的に閉鎖するものでなければなら
ない。
16.4 フラッシュが設計作動圧で酸素をガス共通流出口から大気中に放出する流量は,大気圧下で計測し
た場合,35l/min及び75l/minの範囲で安定していなければならない。

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16.5 酸素フラッシュからの流れは,気化器を通ることなくガス共通流出口に供給されなければならない。
ガス共通流出口が,大気に開放された状態での酸素フラッシュの作動時には,気化器からの出口部の圧力
は,その正常作動圧よりも10kPaを超えて上昇してはならない。
16.6 酸素フラッシュの作動指示部は,次のいずれかの用語を用いて明確にマークされていなければなら
ない(4.3参照)。
a) 酸素フラッシュ (Oxygen flush)
b) 2フラッシュ (O2 flush)
c) 2+
17. 酸素供給不良
17.1 酸素供給圧警報装置[19.f)参照]
17.1.1 麻酔器は,酸素の供給源がボンベ又は配管からであっても,酸素供給不良を知らせる可聴警報装置
を備えていなければならない。可聴警報装置の動力源はガス又は電力とする。
17.1.2 可聴警報システムは,JIS Z 8733に記載された方法により試験されたときに,55dB (A) の背景白
色騒音において2dB (A) 以上の音圧差を付けた音を,少なくとも7秒間以上発し続けなければならない。
備考 dB (A) : A特性音圧は,JIS Z 8731を参照。
17.1.3 酸素供給圧が警報開始点まで復帰する以前に,警報を止めたり又は警報をリセットできるような構
造であってはならない。
17.1.4 動力源としてガスを用いるときは,警報を発するエネルギーは,麻酔器に付いているボンベから,
又はホース連結部から酸素流量計に至る配管の酸素供給圧から得られるものでなければならない。
17.1.5 警報装置の動力源として商用電源を使用するときは,停電時でも作動するものでなければならない。
ただし,停電警報が備えられているときは,この限りではない。また,これらの警報装置を点検するため
の方法が備えられていなければならない。
17.1.6 可視警報も併せて備えられているときは,赤信号,赤色灯,又はアルファベットと数字
(alpha-numeric) の標示方式で表示されるものであり,可聴警報装置とともに作動するものとする。また,
赤信号又は赤色灯が使用されるときは,何を示すかのラベル表示を付けることとする。この警報装置は,
酸素供給が回復したときには自動的に解除されなければならない。
17.2 酸素以外のガス遮断装置(酸素圧不良時の安全装置)
17.2.1 麻酔器は,ガス遮断装置を備えていることとする。この装置は,取扱説明書の詳細な記載どおりに
作動し,以下に述べる機能のうちのいずれか一つを果たさなければならない。
a) ガス共通流出口への酸素以外のすべてのガスの供給を遮断する。
b) ガス共通流出口への酸素及び空気以外のすべてのガスの供給を遮断する。
c) 酸素以外のすべてのガスの供給を次第に下げて止まるようにしながら,酸素供給が最終的に止まり,
その時点で酸素以外のガスも完全に止まるまで,酸素の流量又は濃度をあらかじめ設定したレベルに
維持する。
d) 空気以外のすべてのガスの供給を次第に下げて止まるようにしながら,空気以外のガスの供給が完全
に止まるまで,酸素の流量又は濃度をあらかじめ設定したレベルに維持する。
備考 ガス遮断装置には,呼吸回路を自動的に大気に開放できる機能をもたせてもよい。
17.2.2 ガス遮断装置は,酸素警報装置が作動する前に,いずれのガスの供給圧も完全には遮断できない構
造とする。

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17.2.3 ガス遮断装置をリセットできるのは,酸素供給圧がガス遮断装置を作動させるレベル以上に回復し
たときに限る。
17.3 酸素濃度計 麻酔器に附属する酸素濃度計が備わっているときには,酸素濃度計はJIS T 7203 (ISO
7767) に合致したものでなければならない。
18. 製造業者が提供すべき情報
製造業者は,麻酔器使用前に作動点検の具体的な情報を提供することとする。この情報を記載したもの
が麻酔器に備えられていなければならない。
19. 取扱説明書
使用者のための取扱説明書は,各々の麻酔器に備えられており,次の情報を含むものとする。
a) 麻酔器及び関連部品の滅菌消毒に勧める方法。
b) 各々のガス供給システムと麻酔器に取り付けた気化器とが正しく組み立てられ,接続されているかを
試験する方法。
c) 麻酔器に取り付けられている安全弁に関する詳細。
d) 300ml/min以下の流量計の目盛の精度に関する詳細。
e) 配管が指定されたように麻酔器に連結され,かつ,指定された方法で試験されたときの,動力用ガス
出口における圧力と流量特性。
f) 酸素供給圧警報装置と,それに関連したガス遮断装置に関する詳細。
g) 警報装置の機能に関する試験方法。
h) 麻酔器にガス混合器が取り付けられている場合には,一つの流入口から別の流入口への漏れの程度(設
計圧と差圧とを含む。),ガス混合器からの推奨流量の範囲,ガス混合器の流出口側に取り付けられた
流量計の精度(流出ガスの組成の範囲に応じて)。
i) 製造業者が勧める定期試験の間隔。
j) もし,適当なものがあれば,その麻酔器に推奨される人工呼吸器。
k) 当該麻酔器に推奨される呼吸回路。
l) “麻酔器を使用するときには,JIS T 7203に定めた酸素濃度計を使用しなければならない。”と記載す
る。
m) 麻酔器が同じ製造業者の気化器を付けているとき,又は当該麻酔器の製造業者の推奨する気化器がそ
の指示によって装着されるようになっているときには,次の事項が記載されていなければならない。
1) 気化器の性能の詳細。これには以下の事項が変化したときに作動機能に与える影響を詳述する。室
温,気圧,傾斜の程度,逆圧,15l/minまでの流量又は製造業者が定めた流量幅のうち,どちらか大
きい方の流入量及びガスの種類と組成。
2) “当該麻酔器と気化器が適合しない場合は,それらの性能が発揮されないことがあり得る。”との警
告。
3) 気化器が麻酔薬別注入器を備えているときは,その使用説明。
4) 気化器を試験するときに推奨されるキャリアガス,流量,分析方法に加えて,当該麻酔器が人工呼
吸器と併用することが推奨されているときは,気化器を試験するときの人工呼吸器の設定条件。
5) 気化器の “OFF” 位置と “0” より上の最初の目盛との間の濃度を校正できないのであれば,濃度調
整ノブをこの範囲内にセットして使用してはいけない理由の説明。

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6) 気化器の最小注入レベルから最大注入レベルまでを満たすのに要する麻酔薬の量。

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JIS T 7201-1:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 5358:1992(MOD)

JIS T 7201-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 7201-1:1999の関連規格と引用規格一覧