JIS T 8125-2:2009 手持ちチェーンソー使用者のための防護服―第2部:脚部防護服の試験方法及び要求性能 | ページ 3

                                                                                              9
T 8125-2 : 2009
との間に荷重をかけなければならない。伸長荷重は,各端で少なくとも三つのクランプによってかけなけ
ればならない。それによって伸長荷重は,一部に偏ることなく分散していきわたるようになる。
伸長器具は,20 Nの荷重を500 mm以上の間隔にわたってかけなければならない。

9.2 防護範囲の確認

  前処理済みの試料の防護範囲を測定する。また,ズボンについては,次の手順で行うのがよい。
ズボンの前面及び後面を判別する。テーブルの上にズボンを,前あきと小またとが中央にくるようにズ
ボンを広げ,脚に沿って内部と外部とのラインの印を付ける。前面の中央にある前のライン及び後面の中
央にある後のラインの印も付ける。
ズボンを,裏返しにする。
防護材料で覆われている領域を測定し,4.2,4.3及び4.4を満たしていることを確認する。
注記 ズボンの広げ方は,規定した方法によって,防護範囲を確認できる場合が最も多い。しかし,
ズボンのデザインによっては,異なった位置にズボンを置き防護範囲を確認することで容易に
なることがある。その場合は,試験報告書にその旨を記載することが望ましい。
裏返しにできないものなど,他のタイプの脚部防護服については,その製品に適した方法を用いて要求
事項に適合していることを確認しなければならない。

9.3 切断に対する抵抗性の試験

9.3.1  試験の目的
この試験の目的は,脚部防護服がチェーンソーの動いているチェーンに接触したときに,防護服の脚部
が巻き込まれることのない状態で,チェーンソーによる切断に対する抵抗性を評価する。
9.3.2 試料
各タイプに必要な試料の数は,タイプA及びタイプBについては,3着の防護服とし,タイプCについ
ては,4着の防護服とする。すべての防護服は,箇条8によって前処理を行わなければならない。洗濯及
びドライクリーニングの両方を行う場合は,試料の数は,2倍とする。
9.3.3 試験装置
試験装置は,JIS T 8125-1の5.1(試験装置)に規定する。ソーユニットの詳細は,JIS T 8125-1の5.3
(ソーユニット)の装置及び寸法とする。また,JIS T 8125-1の5.5(キャリブレーション用パッド取付具)
のキャリブレーション用パッド台及びキャリブレーション用パッド取付具を使用しなければならない。
9.3.4 試験片の取付け
試料は,チェーンソーとの接点が前面の左右の足の中央のライン又は後面の左右の足の中央のライン上
になるようにキャリブレーション用パッド台上に取り付ける。
試験片は,キャリブレーション用パッド取付具を用いて取り付ける。試験片固定ピンがない接点の各面
上約60 mmを除いて試験片固定ピンが防護材料を貫通していることを確認する。試験中の防護服の内側に
50 N/mの伸長荷重をかける。
9.3.5 試験手順
9.3.5.1 位置
切断は,脚の前面又は脚の後面の防護範囲内のいずれかで行う。切断はすべて,試験片が取り付けられ
たキャリブレーション用パッド台に対して45°の角度で,渡り線から250500 mmまでの距離をおいて
行い,切断方向は,図4に示すとおりである。防護材料を折りたたむ位置では切断を行ってはならない。
タイプCの脚部防護服に縫合部がある場合は,次による。

――――― [JIS T 8125-2 pdf 11] ―――――

10
T 8125-2 : 2009
a) 縫合部がタイプBのような脚部防護服の防護領域に相当する範囲内にある場合は,それぞれの縫合部
を横切る切断試験を行う。
b) 縫合部がタイプBのような脚部防護服の防護領域に相当する範囲外で,タイプCの通常の試験点上に
ない場合には,縫合部を横切る切断試験は必要としない。
切断試験は,各試験片ごとに1回だけとする。
単位 mm
1 渡り線
注記 矢印は,切断方向(チェーンソーの回転方向)
図4−切断位置及びその角度
9.3.5.2 切断の数
9.3.5.2.1 タイプA及びタイプB
タイプA及びタイプBの試料に対して,左右の前面の切断を3着すべてに実施する(合計6回)。
9.3.5.2.2 タイプC
タイプCの試料に対して,左右の前面及び後面の切断を4着すべてに実施する(合計16回)。
9.3.5.3 チェーン速度
チェーン速度は,箇条11 h)に表示する6.3.1に規定した速度のうちの一つでなければならない。チェー
ンソー防護服に要求する最高の性能に対応する速度である32 m/秒(クラス4)とする。

――――― [JIS T 8125-2 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
T 8125-2 : 2009

9.4 取付部の強さの試験

9.4.1  一般
この試験は,防護材料が適切に防護服に固定されていることを確認することである。外部生地に防護材
料が付いていてチェーンソーを防護する場合は,ズボン又は類似の脚部防護服だけに適用する。防護材料
の縫合部強さは,ズボンの脚部の全長に対しJIS L 1096の8.12.1 b)のB法(グラブ法)の条件で試験する。
9.4.2 試験片
前処理は,1着のズボンを使用する。脚部防護服は,試験の対象となる縫合部から少なくとも100 mm
離して縫合部と平行に切り開いておく。9.3によって既に切断試験に供された防護服は,取付部が損傷又は
変形していないときに限って使用してもよい。
9.4.3 器具
JIS L 1096に規定する引張試験機及びグラブ装置(図5参照)を使用する。
単位 mm
1 固定具 4 縫い目
2 つかみ具 5 防護材料
3 試料 6 荷重
図5−グラブ装置
9.4.4 試験手順
切り開いておいた防護材料の自由端と防護服の反対側の自由端とを,それぞれのつかみ具に固定する。
縫合部(図5の4)から各つかみ具先端までの距離は,25±1 mmとし,つかみ具の端から防護材料の端部,
又は隅までは100 mm離れていなければならない。試験片の付いたつかみ具を引張試験機に取り付けて,
1.5±1 mm/秒の速度で引っ張り,200 N以上であることを確認する。

――――― [JIS T 8125-2 pdf 13] ―――――

12
T 8125-2 : 2009
引張試験機が利用できない場合は,5秒ごとに1 kgの質量を試験片が破断するまで下部のつかみ具にか
けることによって行ってもよい。

9.5 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 試料の特定,例えば,製造業者,形,デザイン,サイズなど
b) 前処理方法
c) 寸法変化
d) 防護範囲(タイプAC)
e) 防護材料取付部の強さ試験の結果
f) チェーン速度
g) 切断に対する抵抗性の試験結果,カットスルーの有無及びチェーン停止に作用した停止機能

10 構造の変更

  製造業者は,そのタイプを再試験することなくウエストのレベルより上部の構造を変更することができ
る。

11 表示

  手持ちチェーンソーの使用者用防護服(脚部防護服)は,少なくとも次の情報を,容易に消えない方法
で表示しなければならない。
a) この規格番号又は名称
b) 製造業者名又はその略号若しくは商標
c) 形番などの識別(形式の会社の特定)
d) 箇条4によるタイプ
e) シリアル番号又はバッチ番号
f) 製造年月又はその略号
g) サイズ
h) チェーン速度による分類 : この情報は図6に示す図記号の枠の外側,望ましくは枠の外の下部に示さ
なければならない。
i) “防護材料が損傷している場合,防護服は廃棄しなければならない。”という文章,又は類似の文章
j) 不適切な処理に対する警告を含む洗濯又はクリーニング指示事項
この規格の要求事項を満たす防護服は,図6に示す図記号(ISO 7000-2416参照)を用いて視認できる
箇所に表示しなければならない。また,その寸法は,30 mm×30 mm以上でなければならない。
30 mm
30 mm
図6−図記号 : チェーンソーの防護(ISO 7000-2416参照)

――――― [JIS T 8125-2 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
T 8125-2 : 2009

12 取扱説明書

  手持ちチェーンソーの使用者用防護服には,少なくとも次の事項についての取扱説明書を添付しなけれ
ばならない。
a) 箇条11による表示の説明
b) 製造業者又は輸入業者の名称,所在地及び電話番号
c) 洗濯方法
d) 適正な使用方法
e) 身体にフィットさせるために変更できる許容範囲
f) 防護服の修理方法,特に防護材料を修理してはならないことの明記
g) 防護領域及び防護材料を変更してはならないこと,及び防護材料に切れ込みが入った防護服は,廃棄
することが望ましい旨の指示
h) 防護服を廃棄する基準
i) “すべてのリスクに対する防護を提供するわけではない”という文章又は類似した文章
j) タイプ及びサイズごとの100 g単位の概数で表した防護服の質量
参考文献 ISO 7000:1989,Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis

――――― [JIS T 8125-2 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS T 8125-2:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11393-2:1999(MOD)

JIS T 8125-2:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 8125-2:2009の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称