JIS T 9206:2017 電動車椅子・バッテリ充電器の電磁両立性要件及び試験方法 | ページ 4

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T 9206 : 2017 (ISO 7176-21 : 2009)
各放電箇所に対し,要求された各試験レベルで,各極性(プラス及びマイナス)について各10回の放電
を行う。
JIS C 61000-4-2によって接触放電又は気中放電を行う。
10.1.1.2 帯電した車椅子フレームからの放電
車椅子がカーペット上で運転されて帯電した後,接地された金属物体に接触して放電する状態をシミュ
レートするため,車椅子を試験する。
この試験については,JIS C 61000-4-2の床置形装置要件によって形成した基準グランド面を用いる。
車椅子を7.1によって準備する。支持システムをグランド面上に設置する。
放電は,6.2に規定する放電接地ストラップを介して行う。このストラップの一端をグランド面に接続し,
他端を放電に用いる。ESD発生器の放電リターンケーブル及び放電ストラップの両方を,低インピーダン
スボンドを介してグランド面に接続する。
放電箇所は,車椅子が通常の運転中に,接地された金属物体に接触する可能性のある車椅子の周囲の各
場所に1か所を設定する。
ESD発生器を気中放電用にセットアップする。
注記 気中放電モードでESD発生器を用いることによって,車椅子のフレームに確実に帯電させるこ
とができる。
各放電箇所について,次の試験を行う。
ESD発生器の放電電極を,放電試験箇所に最も近い車椅子のフレームの部分に電気的に直接接触させ,
フレームを試験レベルに帯電させる。ESD発生器を車椅子から離し,放電ストラップをできるだけ早く放
電箇所へ動かして放電を行う。
各放電箇所に対し,各極性(プラス及びマイナス)について,各10回の放電を行う。
10.1.2 搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
試験方法は,10.1.1.1によるほか,次による。
1) 車椅子を7.3によって準備する。
2) 電源コードを最大限伸ばす。
3) 車椅子本体,又はフレームから出る位置にできるだけ近い電源コード上に,追加の放電箇所を設定
する。
10.1.3 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。充電器試験用負荷(6.5)はJIS C 61000-4-2の規定によって,
床置形装置として配置する。
バッテリ充電器はJIS C 61000-4-2によって,卓上形装置として試験を行う。
放電箇所は次による。
a) 各ケーブル,コネクタハウジング,操作レバー又はボタン,調節ノブ及びインジケータに各1か所。
b) バッテリ充電器のきょう体がほぼ直方体形状の場合,各面に1か所。
c) バッテリ充電器のきょう体が直方体形状ではない場合,同等の直方体形状きょう体の面に最もよく似
た,最多6面までの各面に1か所。
各放電箇所に対し,要求された各試験レベルで,各極性(プラス及びマイナス)について各10回の放電
を行う。
JIS C 61000-4-2によって接触放電又は気中放電を行う。

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10.2 放射無線周波電磁界イミュニティ

10.2.1 車椅子の駆動
10.2.1.1 一般事項
車椅子を7.1によって準備する。
車椅子はJIS C 61000-4-3によって卓上形装置として,放射無線周波電磁界イミュニティ試験を行う。周
波数ステップサイズは,元の周波数の1 %を超えない。
注記 必要な電界の均一性の達成を容易にするため,卓上形装置に関する要求事項を適用する。
アンテナ進行波電力を適宜調整して,規定のレベルより強い電界強度で試験してもよい。
各周波数ステップにおいて,進行波電力は,校正された電界強度の電力に調整するか,又は適切な場合,
更に高い電界強度に必要な電力に調節する。変調をかけた後,パワーアンプが飽和していないことを確認
するため,進行波電力を観測する。電力は一つの周波数において,2秒間以上発生しなければならない。
車輪速度及び該当するのであればサーボ操だ角度も2秒間後に測定する。
10.2.1.2及び10.2.1.3に規定する二つの試験方法のいずれを用いてもよい。周波数範囲のある部分に一つ
の方法を用い,他の部分に別の方法を用いてもよい。
10.2.1.2 電波無響室又は半電波無響室による試験方法
JIS C 61000-4-3に規定する電波無響室又は半電波無響室を用いる。車椅子の方向は,次による。
a) 図1の基準面の前方垂直面はアンテナに直面
b) 図1の基準面の後方垂直面はアンテナに直面
c) 図1の基準面の側方垂直面はアンテナに直面。アンテナは,車椅子の制御装置が配置されている側に,
又は制御装置が中央に配置されている場合は,車椅子の電子装置の大部分が配置されている側面,又
は大部分の電気ケーブルが配線されている側面に向ける。
車椅子は,アンテナに最も近いいずれかの垂直面(図1参照)が均一電磁界領域(uniform field area, UFA)
に一致するように位置決めする。車椅子の各方向について,水平及び垂直偏波の両方の試験を行う。
10.2.1.3 GTEMセルによる試験方法
製造業者が指定する最大試供機器(equipment under test,EUT。以下,EUTという。)サイズが車椅子よ
り大きいギガヘルツ・トランスバース・電磁セル(以下,GTEMという。)を用いる。
車椅子の方向は,次による。
a) 車椅子が直立状態で,その前面がGTEMセルの頂点に最も近くなるように設置(垂直偏波)(図2参
照)。
b) 車椅子が仰向きの状態で,その頂部がGTEMセルの頂点に最も近くなるよう設置(水平偏波)(図3
参照)。
垂直偏波では,均一電磁界領域が車椅子の(前方垂直面から後方垂直面までの)幾何学的中心にくるよ
うに,車椅子を位置決めする。水平偏波では,均一電磁界領域が車椅子の最上部と車輪の最下部との間の
中心にくるように,車椅子を位置決めする(図2及び図3参照)。

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図2−GTEMセルにおける垂直偏波
図3−GTEMセルにおける水平偏波
10.2.2 搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備し,10.2.1によって試験する。
10.2.3 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
充電器試験用負荷(6.5)はJIS C 61000-4-3の規定によって,床置形装置として配置する。
バッテリ充電器はJIS C 61000-4-3によって,卓上形装置として放射無線周波電磁界イミュニティ試験を
行う。
周波数を連続的に上げる場合,増加率は500 ms当たり1 %を超えてはならない。
周波数を段階的に上げていく場合,周波数の各ステップは元の周波数の1 %を超えてはならない。各周
波数での滞在時間は500 ms以上とする。
バッテリ充電器の各方向にアンテナ面を向けて,水平及び垂直偏波の両方の試験を行う。

10.3 ファストトランジェント/バーストイミュニティ

10.3.1 搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備する。
バッテリ充電器のAC電源部は,JIS C 61000-4-4よって,床置形装置として試験を行い,次による。

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− 100 kHzの繰返し率を用いる。
− 試験電圧の両極性を用いる。
− 試験電圧の各極性について,1分間以上2分間未満の試験を行う。
10.3.2 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
バッテリ充電器のAC電源部は,JIS C 61000-4-4によって,卓上形装置として試験を行い,次による。
− 充電器試験用負荷(6.5)はJIS C 61000-4-4の規定によって,床置形装置として配置する。
− 100 kHzの繰返し率を用いる。
− 試験電圧の両極性を用いる。
− 試験電圧の各極性について,1分間以上2分間未満の試験を行う。

10.4 サージイミュニティ

10.4.1 搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備する。
バッテリ充電器のAC電源部は,JIS C 61000-4-5によって,次のサージイミュニティ試験を行う。
− 0°,90°,180°及び270°のそれぞれに,正極パルスを5回及び負極パルスを5回印加する。
− 60秒以内の周期で連続パルスを印加する。
10.4.2 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
バッテリ充電器のAC電源部は,JIS C 61000-4-5によって,次のサージイミュニティ試験を行う。
− 0°,90°,180°及び270°のそれぞれに,正極パルスを5回と負極パルスを5回印加する。
− 60秒以内の周期で連続パルスを印加する。

10.5 伝導妨害イミュニティ

10.5.1 搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備する。
バッテリ充電器のAC電源部は,JIS C 61000-4-6によって,伝導妨害イミュニティ試験を行う。各周波
数の滞在時間は2秒間以上とする。
10.5.2 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
バッテリ充電器のAC電源部は,JIS C 61000-4-6によって,伝導妨害イミュニティ試験を行う。各周波
数の滞在時間は2秒以上とする。

10.6 電源周波数磁界イミュニティ

  車椅子を7.1によって準備する。
車椅子は,JIS C 61000-4-8によって,卓上形装置として電源周波数磁界イミュニティ試験を行う。印加
した電源周波数磁界の各方向について1分間以上,車椅子を試験する。
注記 JIS C 61000-4-8は,EUTを囲う十分な大きさの誘導コイルについて規定している。ただし,車
椅子の非電気部はコイルから出てもよい。

10.7 電圧ディップ及び短時間停電イミュニティ

10.7.1 搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備する。
バッテリ充電器のAC電源部は,JIS C 61000-4-11によって,電圧ディップ及び短時間停電試験を行う。

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T 9206 : 2017 (ISO 7176-21 : 2009)
10.7.2 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
バッテリ充電器のAC電源部は,JIS C 61000-4-11によって,電圧ディップ及び短時間停電試験を行う。

11 車輪速度変化の計算

  2輪駆動の車輪をもつ全ての車椅子について,平均速度変化率ΔSavgは,式(1)によって算出する。
Sl,onSl,offSr,onSr,off
ΔSavg5.0 100 (1)
Sl,off Sr,off
ここに, Sl,off : 7.1.2によって試験前に準備したときの左車輪速度
Sl,on : 試験中の左車輪速度
Sr,off : 7.1.2によって試験前に準備したときの右車輪速度
Sr,on : 試験中の右車輪速度
代わりに,2輪駆動で機械式差動装置付車椅子(電子式差動操だ装置なしの車椅子)のカテゴリB,C,
E及びFの車椅子は,一つの車輪をロックした状態で,他方のモニタされた,拘束されずに回転している
駆動の車輪速度だけでよい。この場合,平均車輪速度変化は,シングル駆動の車輪をもつ車椅子のために
次の式で計算する。シングル駆動の車輪だけをもつ車椅子のために,かつ,一つの車輪だけの速度をモニ
タすることで,式(2)のように百分率として,ΔSavgを算出する。
Son Soff
ΔSavg 100 (2)
Soff
ここに, Soff : 7.1.2によって試験前に準備したときの車輪速度
Son : 試験中の車輪速度
式(3)のように百分率として,差動輪の速度変化ΔSdiffを算出する。
Sl,onSl,offSr,onSr,off
ΔSdiff 100 (3)
Sl,off Sr,off
ここに, Sl,off : 7.1.2によって試験前に準備したときの左車輪速度
Sl,on : 試験中の左車輪速度
Sr,off : 7.1.2によって試験前に準備したときの右車輪速度
Sr,on : 試験中の右車輪速度

12 試験報告書

  試験報告書には,次の項目を記載しなければならない。
a) IS T 9206によって試験を行った旨
b) 試験機関の名称及び所在地
c) 車椅子製造業者及び/又はバッテリ充電器製造業者の名称及び所在地
d) 試験報告書の発行日
e) 車椅子及び/又はバッテリ充電器の形式番号,製造番号及び/又はロット番号
f) 車椅子及び/又はバッテリ充電器の構成 : 7.1.1によって規定されているセットアップ記録を含む。
g) 車椅子及び/又はバッテリ充電器がこの規格の必要条件を満たしたかどうか
注記 試験要件について,何らかの不備が生じたとき,試験手順の要点を確認できるような追加情
報を要求することができる。

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JIS T 9206:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 7176-21:2009(IDT)

JIS T 9206:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9206:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称