JIS T 9206:2017 電動車椅子・バッテリ充電器の電磁両立性要件及び試験方法 | ページ 3

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T 9206 : 2017 (ISO 7176-21 : 2009)
b) 自動ブレーキは解除してはならない。
c) 駆動用ではない電動装置(例えば,電動補助付きレッグサポート,スタンドアップ機能付き着座装置
など)は動いてはならない。
バッテリ充電器は,10.5.1によって試験したとき,人的介入を伴わずに仕様に従い機能し続けなければ
ならない。
5.3.10 電圧ディップ及び短時間停電イミュニティ
車椅子は,10.7.1の試験の前後において,ISO 7176-9に規定する機能上の要求事項に適合しなければな
らない(箇条8参照)。
車椅子は,JIS C 61000-4-11に規定する試験レベルクラス2を用いて10.7.1によって試験したとき,電
圧ディップ及び/又は短時間停電中並びに電圧ディップ及び/又は短時間停電後2秒間は次の要求事項を
満たさなければならない。
a) 駆動輪は回転してはならない。
b) 自動ブレーキは解除してはならない。
c) 駆動用ではない電動装置(例えば,電動補助付きレッグサポート,スタンドアップ機能付き着座装置
など)は動いてはならない。
バッテリ充電器は,10.7.1による試験中及び試験後に,機能の一時的喪失又は性能の劣化を示してもよ
いが,妨害がなくなったときにバッテリ充電器は人的介入を伴わずに正常な性能を回復しなければならな
い。

5.4 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器

5.4.1  電源端子妨害波
バッテリ充電器は,9.1.2によって試験したとき,CISPR 11のグループ1のクラスBに規定する電源端
子妨害波の限度値に適合しなければならない。
5.4.2 放射エミッション
バッテリ充電器は,9.2.3によって試験したとき,CISPR 11のグループ1のクラスBに規定する放射エ
ミッション限度値に適合しなければならない。
5.4.3 高調波電流エミッション
バッテリ充電器は,9.3.2によって試験したとき,JIS C 61000-3-2の要求事項に適合しなければならない。
5.4.4 電圧変動及びフリッカ
バッテリ充電器は,9.4.2によって試験したとき,IEC 61000-3-3の要求事項に適合しなければならない。
5.4.5 静電気放電イミュニティ
バッテリ充電器は,接触放電では±2 kV,±4 kV及び±6 kV,気中放電では±2 kV,±4 kV及び±8 kV
の試験レベルを用いて10.1.3によって試験したとき,放電中及び放電後2秒間,又はプログラム可能なESD
発生器を用いる場合には一連の放電試験の間,人的介入を伴わずに仕様に従い機能し続けなければならな
い。
5.4.6 放射無線周波電磁界イミュニティ
バッテリ充電器は,80 MHz1.0 GHzの周波数範囲で3 V/mの試験レベルを用いて10.2.3によって試験
したとき,人的介入を伴わずに仕様に従い機能し続けなければならない。
5.4.7 ファストトランジェント/バーストイミュニティ
バッテリ充電器は,JIS C 61000-4-4に規定する試験レベル2を用いて10.3.2によって試験したとき,人
的介入を伴わずに仕様に従い機能し続けなければならない。

――――― [JIS T 9206 pdf 11] ―――――

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5.4.8 サージイミュニティ
バッテリ充電器は,JIS C 61000-4-5に規定する試験レベル2を用いて10.4.2によって試験したとき,人
的介入を伴わずに仕様に従い機能し続けなければならない。
5.4.9 伝導妨害イミュニティ
バッテリ充電器は,150 kHz80 MHzの周波数範囲でJIS C 61000-4-6に規定する試験レベル2を用いて
10.5.2によって試験したとき,人的介入を伴わずに仕様に従い機能し続けなければならない。
5.4.10 電圧ディップ及び短時間停電イミュニティ
バッテリ充電器は,JIS C 61000-4-11に規定する試験レベルクラス2を用いて10.7.2によった試験中及
び試験後に,機能の一時的喪失又は性能の劣化を示してもよいが,妨害がなくなったときにバッテリ充電
器は人的介入を伴わずに正常な性能を回復しなければならない。

6 試験装置

6.1 支持システム

  支持システムは,車椅子の車体を固定し,駆動輪の回転を可能にし,車椅子を支持することができる木
製ブロック,タイヤ,ロープ,ストラップ及び/又はこれらと同様な装置で構成する。
この支持システムは,非導電性の材料で構成する。また,車椅子とその周囲にある物体との間に導電路
を形成してはならない。
注記 支持システム全体は非導電性の材料を用いることによって,試験中の電磁界の乱れを防止し,
試験状態の車椅子の意図しない接地を防止することができる。絶縁被膜(塗料など)のある金
属製構造物は不適切である。帯電した車椅子フレームからの放電(10.1.1.2)では,木材の種類
によっては支持システムへの使用が不適切なものがある。
この支持システムでは,車椅子を0.1 m以上もち上げてはならない。各車輪は0.1 mの範囲内で別々の
高さでもよく,支持システムの上に置かれた後,車椅子は水平でなくてもよい。

6.2 放電接地ストラップ

  放電接地ストラップは,長さ2 m以下のワイヤーケーブル又は編組線で,車椅子と金属グランド面との
間のインピーダンスが低いものを使用する。
このストラップがワイヤーケーブルの場合には,断面積は,15 mm2以上でなければならない。
このストラップが編組線の場合,編み方は高周波用の良品質の同軸ケーブル外導体に用いられている編
み方と同様とする。この編み幅は,平らにした場合20 mm以上でなければならない。

6.3 車輪速度モニタ

  車輪速度モニタは,5 %の精度で各駆動輪の回転速度を観測し,実測回転速度から,箇条11に規定する
式によって,平均車輪速度変化及び差動輪の速度変化率を算出する。
車輪速度モニタの時定数は,0.1秒を超えてはならない。また,車椅子とグランド面との間に導電路を形
成してはならない。車輪速度モニタは,試験中に測定する電磁界を乱したり,発生する電磁界から影響を
受けてはならない。

6.4 ステアリングモニタ

  ステアリングモニタは,サーボ操だの位置又は操向角度を10 %の精度で観測できなければならない。
注記 ステアリングモニタは,カテゴリB及びEの車椅子の試験時にだけ用いる。
ステアリングモニタの時定数は,0.1秒を超えてはならない。また,車椅子とグランド面との間に導電路
を形成してはならない。ステアリングモニタは,試験中に測定する電磁界を乱したり,発生する電磁界か

――――― [JIS T 9206 pdf 12] ―――――

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ら影響を受けてはならない。

6.5 充電器試験用負荷

  充電器試験用負荷は,バッテリ充電器製造業者指定の次の物品で構成され,充電器との使用に適した方
法で接続する。
1) バッテリ充電器で指定する公称電圧,種別及び最小の公称容量をもつバッテリセット
2) 適切な長さ,断面積及び絶縁物をもつ導体
3) バッテリセットと,バッテリ充電器の出力接続部との共用が可能な接続部
バッテリ充電器をバッテリセットに接続するためのケーブルの長さは,バッテリ充電器製造業者の指定
のない場合,充電器の出力ケーブルに,長さが2 m±0.1 mのケーブルを用いる。充電器製造業者が導体の
断面積を指定していない場合,充電器の出力ケーブルの導体の断面積より大きい断面積をもつ導体を用い
る。
バッテリ充電器とバッテリセットとを接続しているケーブルが,バッテリ端子に接続するために分かれ
てしまう場合,最小のループ面積となるよう配置する。
バッテリ充電器が特定の車椅子専用バッテリ充電器の場合,指定された最小の公称容量バッテリを備え
た車椅子を充電器試験用負荷として用いてもよい。

7 準備

7.1 車椅子-駆動状態

7.1.1  セットアップ
車椅子はISO 7176-22の規定によって準備する。ダミーは,取り付けない。車椅子が開放形バッテリを
備え,試験中に傾ける場合,バッテリを公称電圧と種別が同じ密閉形バッテリに交換する。
注記 車椅子のバッテリは,一部の試験の準備において,放電することがある(7.3及び7.4参照)。
車椅子は,6.1に規定する支持システムによって支持する。
支持システムは,各試験ごとに要求したグランド面上又はテーブル上に設置しなければならない。
各試験ごとに要求した車輪速度モニタ(6.3参照)とステアリングモニタ(6.4参照)を準備しなければ
ならない。
車椅子は,製造業者の発行する取扱説明書指定の動作をするよう準備する。
車椅子の能力に影響を及ぼす可能性がある操作可能な調整項目は,製造業者の発行する説明書指定の範
囲内で最大能力を発揮するよう設定する。
その設定値は,記録しなければならない。
例 最高前進速度,最高後進速度,最高感度,最大加速度,最大減速度,最大ブレーキ力及び最短時
間遅れ。
7.1.2 動作
車椅子の電源を入れる。
制御部の設定を,最高前進速度の(50 %±10) %とする。
さらに,カテゴリB及びEの車椅子(サーボ操だ装置付き車椅子)に関しては,サーボ操だを直進位置
(操向角度が0°±1°)にする。

7.2 車椅子-非駆動状態

  車椅子は,7.1.1の規定によって準備をする。車椅子の電源を入れる。
制御部の設定を,駆動輪が回転せず,自動ブレーキは全て掛かった状態とする。

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7.3 搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子

  車椅子は,7.2に規定された準備をする。特定の試験用との指定がない限り,車椅子のバッテリセットは,
5
+%以内で放電する。
バッテリ製造業者指定のカットオフ電圧まで許容誤差 0
バッテリ充電器の取扱いは,製造業者の発行する取扱説明書の指示による。
注記 バッテリセットの放電は,車椅子の動作又は,5時間率を超えない放電率の補助負荷を用いて
もよい。

7.4 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器

  特定の試験用との指定がない限り,充電器試験用負荷(6.5参照)のバッテリセットは,バッテリ製造業
5
+%以内で放電する。バッテリ充電器の取扱いは,製造業者指定の
者指定のカットオフ電圧まで許容誤差 0
負荷の代わりに充電器試験用負荷を用いる場合を除いて,製造業者の発行する取扱説明書の指示による。
注記 バッテリセットの放電は,車椅子の動作又は5時間率を超えない放電率の補助負荷を用いても
よい。

8 試験順序

  試験は,1台の車椅子又はバッテリ充電器で行うことが望ましい。試験中の車椅子又は充電器は,試験
とは無関係な不具合が起きた場合は,修理又は交換してもよい。
試験順序は任意とする。
ISO 7176-9に規定する機能上の要求事項は,全てのイミュニティ試験が完了してから確認する。各々の
イミュニティ試験が行われている間は機能上の要求事項を確認する必要はない。

9 エミッションの試験方法

9.1 電源端子妨害波

9.1.1  搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備する。
車椅子は,CISPR 11によって,床置形装置として電源端子妨害波試験を行う。
9.1.2 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
充電器試験用負荷(6.5参照)はCISPR 11によって,床置形装置として配置する。
バッテリ充電器は,CISPR 11によって,卓上形装置として電源端子妨害波試験を行う。

9.2 放射エミッション

9.2.1  車椅子の駆動
車椅子を7.1によって準備する。
支持システムをグランド面上に設置する。
各試験の開始前に,車椅子の方向とアンテナの高さの各組合せ全てについて,妨害波レベルを最大化す
るように車椅子の駆動部以外の制御部を調節する。
車椅子は,CISPR 11によって,床置形装置として放射エミッション試験を行う。試験中は,駆動部以外
の制御部の設定を維持する。
9.2.2 搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備する。
車椅子は,CISPR 11によって,床置形装置として放射エミッション試験を行う。

――――― [JIS T 9206 pdf 14] ―――――

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9.2.3 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
充電器試験用負荷(6.5参照)はCISPR 11によって,床置形装置として配置する。
バッテリ充電器はCISPR 11によって,卓上形装置として放射エミッション試験を行う。

9.3 高調波電流エミッション

9.3.1  搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備する。
車椅子のバッテリセットを完全に充電し,次に5時間率I5±5 %で60分間±5分間,放電する。
車椅子はJIS C 61000-3-2によって,高調波電流エミッション試験を行う。
9.3.2 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
充電器試験用負荷(6.5参照)のバッテリセットを完全に充電し,次に5時間率I5±5 %で60分間±5分
間,放電する。
バッテリ充電器はJIS C 61000-3-2によって,高調波電流エミッション試験を行う。

9.4 電圧変動及びフリッカ

9.4.1  搭載形バッテリ充電器を備えた車椅子
車椅子を7.3によって準備する。
車椅子はIEC 61000-3-3によって,電圧変動及びフリッカ試験を行う。
9.4.2 非搭載形及び携帯形バッテリ充電器
バッテリ充電器を7.4によって準備する。
バッテリ充電器はIEC 61000-3-3によって,電圧変動及びフリッカ試験を行う。

10 イミュニティの試験方法

10.1 静電気放電イミュニティ

10.1.1 車椅子の駆動
10.1.1.1 人からの放電
車椅子を7.1によって準備する。
車椅子は,次を例外として,JIS C 61000-4-2によって,床置形装置として試験する。
− 垂直結合板(vertical coupling plane, VCP)を使用して,間接的放電試験を行う。
− 水平結合板は使用しない。
支持システムをグランド面上に設置する。
車椅子を試験用に準備した後,放電箇所はESD発生器の放電電極を用いて接触できる次の箇所とする。
a) 各モータケーシング,ギアボックスケーシング,ケーブル,コネクタハウジング,操作レバー又はボ
タン,調節ノブ及びインジケータに各1か所。
b) 電子回路のきょう(筐)体については,直方体形状の各面に1か所。
c) 電子回路の非直方体形状のきょう体については,同等の直方体形状のきょう体に最もよく似た,最多
6面までの各面に1か所。
d) 車椅子のフレームがほぼ直方体形状の場合,各面に1か所。
e) 車椅子のフレームが直方体形状ではない場合,同等の直方体形状のフレームの面に最もよく似た,最
多6面までの各面に1か所。

――――― [JIS T 9206 pdf 15] ―――――

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JIS T 9206:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 7176-21:2009(IDT)

JIS T 9206:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9206:2017の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称