この規格ページの目次
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T 9266 : 2012
記号
1 カフサポート線 7 ハンドグリップ前方参照点
2 カフ 8 ハンドグリップ後方参照点
3 先ゴム a 腕部長さ
4 脚部軸 h ハンドグリップ長さ
5 ハンドグリップ α サポート角
6 ハンドグリップサポート線 β グリップ角
l 脚部長さ
図1−エルボークラッチの例及び各部の名称
――――― [JIS T 9266 pdf 6] ―――――
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T 9266 : 2012
記号
1 カフサポート線 6 ハンドグリップ前方参照点
2 手首ヒンジポイント 7 ハンドグリップ後方参照点
3 基準点 h ハンドグリップ長さ
4 ハンドグリップサポート線 z カフ内部高さ
5 ハンドグリップ幅 a 平行線
図2−エルボークラッチの詳細
記号
x カフ内部深さ
y カフ内部幅
図3−カフの寸法の定義
4 リスクマネジメントによる設計
リスクマネジメントによる設計は,隙間に手及び足の指が挟まるリスクについて実施する。これは,製
造業者又は販売業者が実施するもので,実施手順及び結果を文書化し維持しなければならない。また,関
連する要因として附属書JA(参考)に例示した事項を設計において配慮することが望ましい。
――――― [JIS T 9266 pdf 7] ―――――
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5 外観及び構造
5.1 外観
衣類を損傷したり,使用者に不快感を与えるばり,鋭いエッジ及び突起があってはならない。
5.2 構造
構造は,次による。
a) 前腕に対するカフ内部深さはカフ内部幅の半分以上とし,前面に開口をもたなければならない。
b) ハンドグリップ幅は25 mm以上で50 mmを超えてはならない。ただし,アナトミックハンドグリッ
プには適用しない。
c) 脚の先端に先ゴムを付け,使用中に脚部がその先ゴムを貫通してはならない。
d) 先ゴムは交換可能な構造とする。
e) 歩行路面と接触する先ゴムの底面は,直径35 mm以上なければならない。
f) 高さ調節は,伸張可能な最高位置をエルボークラッチに表示する。
6 性能
性能は,表1による。
表1−性能
項目 基準 試験項目
前腕の引抜き 7.2
120 Nの引抜き力によって外れなければならない。このとき,
開口は75 mmまで広がり,永久変形量は5 mm以下とする。
ハンドグリップの一体性離れてはならない。 7.3
静的強度 脚部がその先ゴムを貫通してはならない。 7.4
高さ調節は緩んではならない。
亀裂又は破損があってはならない。
耐久性 脚部がその先ゴムを貫通してはならない。 7.5
高さ調節は緩んではならない。
亀裂又は破損があってはならない。
低温時の落下 亀裂又は破損があってはならない。 7.6
7 試験方法
7.1 試験条件
試験条件は,次による。
a) 試験は室温21 ℃±5 ℃で行う。
b) 長さ調節は最大にして試験を行う。
c) 試験は前腕引抜き,ハンドグリップ一体性,静的強度,耐久性,低温落下の順で行い,全ての試験を
1本の供試体とする。
d) 明白な欠損などは全て試験報告書に記入し,引き続き行う試験による異常と確実に区別する。
7.2 前腕引抜き試験
前腕引抜き試験は,次による。
a) 引抜き試験を実施する直前にカフの開口部の幅を測定する。
b) カフの開口部が75 mm以下のエルボークラッチに適用する。
c) 直径75 mm±2 mmのシリンダ(円筒)をカフの内側に入れ,カフ開口部を通して引き抜き,このと
――――― [JIS T 9266 pdf 8] ―――――
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きに要した引抜き力を測定する(図4参照)。
d) ) の試験を行った後にa) で測定した位置の幅を測定し,その差を永久変形量とする。
記号
1 カフ
2 直径75 mm±2 mmのシリンダ(円筒)
3 引抜き方向
図4−前腕引抜き試験
7.3 ハンドグリップ一体性試験
ハンドグリップ一体性試験は,次による。
a) ハンドグリップをエルボークラッチにはめ込むだけで固定する構造のハンドグリップに適用する。
b) ) に加えリベット締めのある構造のハンドクリップに対する試験の要否は,受渡当事者間の協定によ
る。
c) ハンドグリップがフリーとなるような形で,エルボークラッチ本体を固定する。
d) ハンドグリップに,試験する部位を含む全ての結合部の補強とならない方法で負荷用ストラップを接
着などの方法によって取り付ける。
e) 負荷用ストラップによって,500 N±2 %の試験力を2秒以上の時間をかけて負荷し,10秒間保持する
(図5参照)。ただし,最大使用者体重が100 kgでない場合,最大使用者体重1 kg当たり5.0 N±2 %
の力を試験力とする。この試験力は,175 N±2 %を下回ってはならない。
記号
1 ハンドグリップ
2 ハンドル
3 力の負荷用ストラップ
4 力の負荷方向
図5−ハンドグリップ一体性試験
7.4 静的強度試験
静的強度試験は,次による。
a) 供試体に負荷用ジグ(以下“ダミー”という)を介して,ダミーの上からダミーの質量を含み1 000 N
――――― [JIS T 9266 pdf 9] ―――――
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±2 %相当の試験力を2秒以上の時間をかけて負荷し,10秒以上保持する(図7参照)。ただし,最大
使用者体重が100 kgでない場合,最大使用者体重1 kg当たり10.0 N±2 %の力を試験力とする。この
試験力は,350 N±2 %を下回ってはならない。
b) 試験力とダミーとの間の回転ジョイントは,力を受けたエルボークラッチの変形で全ての方向に少な
くとも15°動かせるような設置とする。
c) ダミーフォアアームとダミーハンドとの間のヒンジはダミーハンドがハンドグリップに固定されてい
るときに,ダミーフォアアームが前後左右方向に少なくとも4°動くものとする。
d) 力の負荷ラインは,先ゴムの中心と基準点からクラッチの後方に距離Xの点とを通る鉛直負荷ベクト
ルとして記述され,Xは,次の式によって求める(図1及び図6参照)。その結果を整数(mm)に丸
め,負荷位置を決定する。
h l a sin
X sin
3 (l a cos .0)65
ここに, X : 力の負荷ラインまでの距離(mm)
h : ハンドグリップの長さ(mm)
l : 脚部長さ(mm)
a : 腕部長さ(mm)
α : サポート角度(°)
記号
1 力の負荷ライン
2 基準点
X 基準点から力の負荷ラインまでの距離
図6−静的/動的強度試験の荷重位置
――――― [JIS T 9266 pdf 10] ―――――
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JIS T 9266:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11334-1:2007(MOD)
JIS T 9266:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.10 : 移動用介護用具
JIS T 9266:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]