JIS X 0001:1994 規格概要
この規格 X0001は、情報処理における基本用語,定義及び対応英語について規定。
JISX0001 規格全文情報
- 規格番号
- JIS X0001
- 規格名称
- 情報処理用語―基本用語
- 規格名称英語訳
- Glossary of terms used in information processing -- Fundamental terms
- 制定年月日
- 1970年10月1日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO/IEC 2382-1:1993(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.35, 35.020
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 情報基本 2016
- 改訂:履歴
- 1970-10-01 制定日, 1973-09-01 確認日, 1977-12-01 改正日, 1981-09-01 改正日, 1987-03-01被移行日, 1987-04-01 改正日, 1992-06-01 確認日, 1994-10-01 改正日, 1999-12-20 確認日, 2004-11-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS X 0001:1994 PDF [22]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
X 0001-1994
情報処理用語−基本用語
Glossary of terms used in information processing− Fundamental terms
1. 適用範囲 この規格は,情報処理における基本用語,定義及び対応英語について規定する。
備考1. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO/IEC 2382-1 : 1993 Information technology−Vocabulary−Part 1 : Fundamental terms
2. この規格は,1993年11月に第3版として発行されたISO/IEC 2382-1を翻訳し,その技術的
内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
2. 分類 用語は,次のとおり分類する。
(1) 一般用語(01.01参照)
(2) 情報の表現(01.02参照)
(3) ハードウェア(01.03参照)
(4) ソフトウェア(01.04参照)
(5) プログラミング(01.05参照)
(6) 適用分野と末端の利用者(01.06参照)
(7) 計算機の安全保護(01.07参照)
(8) データ管理(01.08参照)
3. 表記法 この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞ
れの欄における表記法及び解釈を,次に示す。
(1) 番号 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾2
けたを示す。次の2けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の2けたは,同一分類内の一連番
号を示す。
(2) 用語
(2.1) 同一の意味を示す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。
(2.2) 用語の一部が丸括弧 ( ) で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場
合は,括弧内を省略したときとしないときの間に優先順位はない。
(2.3) 同一の用語が別の定義をもつ場合には,用語の前に(1),(2),···を付ける。
(2.4) 類似の意味をもち,しかもその記述がほとんど同一である二つ以上の用語は,角括弧 [ ] を用い
て一つにまとめて規定する。この場合,用語の欄の [ ] に対して,定義及び対応英語の欄の対応
する [ ] を採る。
――――― [JIS X 0001 pdf 1] ―――――
2
X 0001-1994
例 次の(a)と(b)とは同じである(01.04.01参照)。
(a) “応用ソフトウェア[プログラム]
ある適用業務問題の解決に特有のソフトウェア[プログラム]。”
(b) “応用ソフトウェア
ある適用業務問題の解決に特有のソフトウェア。
応用プログラム
ある適用業務問題の解決に特有のプログラム。”
(2.5) 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧 ( ) 内にそのことを示す。
例 “処理過程(データ処理における)”(01.01.25参照)
(2.6) 用法を用語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示す。
例 “DP(省略形)”(01.01.06参照)
(2.7) 用語の読み方を用語に引き続く丸括弧 ( ) 内に示すことがある。
(3) 定義
(3.1) 文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格(日本産業規格)に規定されていることを示す。
(3.2) 角括弧 [ ] 及び丸括弧 ( ) の使い方は,(2)と同様とする。
(4) 対応英語
(4.1) この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。
(4.2) 角括弧 [ ] 及び丸括弧 ( ) の使い方は,(2)と同様とする。
4. 情報処理用語−基本用語
01.01 一般用語
番号 用語 定義 対応英語
01.01.01 情報 information
事実,事象,事物,過程,着想などの対象物に関して知
り得たことであって,概念を含み,一定の文脈中で特定
の意味をもつもの。
備考 図1参照。
01.01.02 データ data
情報の表現であって,伝達,解釈又は処理に適するよう
に形式化され,再度情報として解釈できるもの。
備考1. データに対する処理は,人間が行ってもよ
いし,自動的手段で行ってもよい。
2. 図1参照。
01.01.03 テキスト text
文字,記号,語,句,段落,文,表又はそれ以外の文字
配置の形で表したデータであって,意味の伝達を目的と
し,その解釈が読者のもつ何らかの自然言語又は人工言
語の知識に本質的に基づくもの。
例 用紙上に印刷又は画面上に表示した事務用の書
状。
01.01.04 アクセスする 資源を使用できるようにする。 to access
01.01.05 情報処理 information processing
情報に対して行われる,データ処理を含む操作の体系的
実施。データ通信,オフィスオートメーションなどの操
作を含むことがある。
備考 図1参照。
――――― [JIS X 0001 pdf 2] ―――――
3
X 0001-1994
番号 用語 定義 対応英語
01.01.06 データ処理,DP(省データに対して行われる操作の体系的実施。 data processing,
略形),自動データ DP, automatic data
例 データに対する算術演算又は論理演算,データ
処理,ADP(省略形) に対する併合又は整列,プログラムに対するア processing,
ADP
センブル又はコンパイル,テキストに対する編
集,分類,併合,記憶,検索,表示,印字など
の操作。
備考 図1参照。
01.01.07 ハードウエア hardware
情報処理システムの物理的な構成要素の全体又は一部
分。
例 計算機,周辺装置。
01.01.08 ソフトウェア software
情報処理システムのプログラム,手続き,規則及び関連
文書の全体又は一部分。
備考 ソフトウェアは,それを記録した媒体とは無
関係な知的創作物である。
01.01.09 ファームウェア firmware
命令の順序付けられた集合及び関連データであって,主
記憶装置とは機能的に無関係な方法で記憶されるもの。
通常,ROMに記憶される。
01.01.10 記憶装置, storage (device)
データを格納し,保持し,かつ,取り出すことのできる
記憶機構 機能単位。
参考 11.01.12と同じ。
01.01.11 メモリ memory
処理装置及び他のすべての内部記憶装置において,命令
を実行するために使用するアドレスを付けることのでき
る記憶空間のすべて。
参考 11.01.13と同じであるが,一部表現を改めた。
01.01.12 自動(的) automatic
指定された条件の下で,人手の介入なしに機能を果たす
処理過程又は装置に関する用語。
01.01.13 自動化する 処理過程又は装置を自動的なものにする。 to automate
01.01.14 自動化, automation
処理過程又は装置を自動操作に置き換えること,又はそ
オートメーション の結果。
01.01.15 情報化する, 計算機を使用して自動化する。 to computerize
機械化する
01.01.16 情報化, 計算機による自動化。 computerization
機械化
01.01.17 計算機の世代 製作技術に基づく計算機の歴史的な分類。 computer generation
例 リレー又は真空管に基づく第1世代,トランジ
スタに基づく第2世代,集積回路に基づく第3
世代。
01.01.18 計算機科学, computer science
計算機による情報処理に関連する科学技術の一分野。
情報科学,
情報工学
01.01.19 計算センタ, computer center,
要員,ハードウェア及びソフトウェアを含む施設であっ
計算機センタ, て,情報処理サービスを提供するためのもの。 data processing center
データ処理センタ
01.01.20 データ処理システ データ処理を行う計算機,周辺装置及びソフトウェア。 data processing system,
ム, computer system,
計算機システム, computing system
計算システム
01.01.21 情報処理システム information processing
データ処理システム及び装置であって情報処理を行うも
の。事務機器,通信装置などを含む。 system
――――― [JIS X 0001 pdf 3] ―――――
4
X 0001-1994
番号 用語 定義 対応英語
01.01.22 情報システム information system
情報処理システムと,これに関連する人的資源,技術的
資源,財的資源などの組織上の資源とからなり,情報を
提供し配布するもの。
01.01.23 資源, resource,
要求された操作を遂行するのに必要なデータ処理システ
計算機資源 ムの要素。 computer resource
例 記憶装置,入出力装置,処理装置,データ,フ
ァイル,プログラム。
01.01.24 (1) 処理過程, process
あらかじめ決められた事象の過程であって,その目的又
は効果によって定義され,与えられた条件の下で達成さ
(1) 処理
れるもの。
01.01.25 (2) 処理過程(デ process (in data
一つのプログラムの全体又は一部分の実行中に発生す
る,あらかじめ決められた事象の過程。 processing)
ータ処理にお
参考 この項は,JIS X 0010-1987[情報処理用語(操
ける), 作技法及び機能)]の10.01.03を置き換えるこ
(2) 処理(データ とになる。
処理におけ
る)
01.01.26 構成 configuration
情報処理システムのハードウェア及びソフトウェアの編
成及び相互接続の仕方。
01.01.27 ブロック図 block diagram
システムの主要な部分又は機能を図記号によって表現
し,それらの関係を線で結んで示した図。
備考 ブロック図で表現するものは,物理的な装置
とは限らない。
01.01.28 同期, synchronous
共通のタイミング信号などの特定の事象の発生に依存す
同期式, る二つ以上の処理過程に関する用語。
同期的 参考 10.01.08と同じであるが,一部表現を改めた。
01.01.29 非同期, asynchronous
共通のタイミング信号などの特定の事象の発生に依存し
非同期式, ない二つ以上の処理過程に関する用語。
非同期的
01.01.30 入力(データ) input (data)
記憶又は処理のために,情報処理システム又はその一部
分に入れるデータ。
参考 この項は,JIS X 0006-1989[情報処理用語(デ
ータの準備及び取扱い)]の06.02.01を置き換
えることになる。
01.01.31 入力(過程) input (process)
記憶又は処理のために,情報処理システム又はその一部
分にデータを入れる処理過程。
参考 この項は,JIS X 0006-1989[情報処理用語(デ
ータの準備及び取扱い)]の06.02.02を置き換
えることになる。
01.01.32 入力 input
入力過程にかかわる装置,処理過程若しくは入出力チャ
ネル,又はそれらに関係するデータ若しくは状態に関す
る用語。
備考 この用語は,文脈中で用途が明らかな場合,
“入力データ”,“入力信号”又は”入力過程”
の代わりに使用してもよい。
参考 この項は,JIS X 0006-1989[情報処理用語(デ
ータの準備及び取扱い)]の06.02.03を置き換
えることになる。
――――― [JIS X 0001 pdf 4] ―――――
5
X 0001-1994
番号 用語 定義 対応英語
01.01.33 出力(データ) output (data)
情報処理システム又はその一部分が,外部に転送するデ
ータ。
参考 この項は,JIS X 0006-1989[情報処理用語(デ
ータの準備及び取扱い)]の06.02.04を置き換
えることになる。
01.01.34 出力(過程) output (process)
情報処理システム又はその一部分が,外部にデータを転
送する処理過程。
参考 この項は,JIS X 0006-1989[情報処理用語(デ
ータの準備及び取扱い)]の06.02.05を置き換
えることになる。
01.01.35 出力 output
出力過程にかかわる装置,処理過程若しくは入出力チャ
ネル,又はそれらに関係するデータ若しくは状態に関す
る用語。
備考 この用語は,文脈中で用途が明らかな場合,
“出力データ”,“出力信号”又は“出力過程”
の代わりに使用してもよい。
01.01.36 ダウンロードする to download
プログラムやデータを,ある計算機から,それに接続さ
れていて,より小さな資源をもつ別の計算機へ転送する。
メインフレームからパーソナルコンピュータに転送する
のが典型的な例である。
0l.01.37 アップロードする to upload
プログラムやデータを,ある計算機から,それに接続さ
れていて,より大きな資源をもつ別の計算機へ転送する。
パーソナルコンピュータからメインフレームに転送する
のが典型的な例である。
01.01.38 インタフェース interface
二つの機能単位の間で共有される境界部分であって,機
能に関するいろいろな特性,物理的相互接続特性,信号
交換特性,その他の適当な特性によって定義されるもの。
参考 09.01.01と同じであるが,一部表現を改めた。
01.01.39 データ通信 data communication
データ伝送及びその調整のための規則に従って,幾つか
の機能単位間でデータを転送すること。
参考 この項は,JIS X 0009-1987[情報処理用語(デ
ータ通信)]の09.01.03を置き換えることにな
る。
01.01.40 機能単位 functional unit
ハードウェア,ソフトウェア又はその両者からなり,指
定された目的を遂行できるもの。
参考 10.01.01と同じであるが,一部表現を改めた。
01.01.41 オンライン online,
計算機の制御下にある機能単位の操作に関する用語。
on-line
参考 この項は,JIS X 0010-1987[情報処理用語(操
作技法及び機能)]の10.03.05を置き換えるこ
とになる。
01.01.42 オフライン offline,
計算機の主たる操作とは無関係に又はそれと並列に発生
する機能単位の操作に関する用語。 off-line
参考 この項は,JIS X 0010-1987[情報処理用語(操
作技法及び機能)]の10.03.06を置き換えるこ
とになる。
――――― [JIS X 0001 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS X 0001:1994の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 2382-1:1993(MOD)
JIS X 0001:1994の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.020 : 情報技術(IT)一般
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.35 : 情報技術.事務機械(用語集)