この規格ページの目次
3
X 0164-4 : 2019 (ISO/IEC 19770-4 : 2017)
1 適用範囲
1.1 目的
この規格は,ITアセットマネジメント(ITAM)を容易にする資源利用測定情報を含む情報構造仕様に
ついて規定する。
この規格は,あらゆる種類の組織(例えば,商業企業,政府機関,非営利組織)に適用可能である。
1.2 適用分野
この規格は,次のような分野に適用する。
a) Tアセット製造者 配付又はインストールするITアセットを開発する組織。
b) ツール提供者 資源利用測定(RUM)に含まれる情報を利用したツールを提供する組織。これらのツ
ールは,組織全体で資源利用状況の統合的な報告書を集計できる機能,及び利用状況が事前に決定し
たレベルに達したときアラームを生成するしきい値報告機能を含んでいる。
c) Tアセットユーザ ITアセットを注文し,利用する組織。彼らは,RUMに含まれる情報による可視
化を重要な便益と考えている組織である。
1.3 制限事項
この規格は,識別及び権利情報のような他の種類の情報との資源利用情報の調停を要求しているITAM
プロセスの詳細ではない。
この規格は,単に情報構造を規定したものであり,その情報がシステム間でどのように通信され,また,
他のシステムからの資源利用情報がどのように調整され,又は統合されるかの詳細を定義しない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 19770-4:2017,Information technology−IT asset management−Part 4: Resource utilization
measurement(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
ISO/IEC 19770-5,Information technology−IT asset management−Part 5: Overview and vocabulary
ISO 8601,Data elements and interchange formats−Information interchange−Representation of dates and
times
RFC 3986,Uniform Resource Identifier (URI): Generic Syntax, January 2005, http://tools.ietf.org/html/rfc3986
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,ISO/IEC 19770-5によるほか,次による。
ISO及びIECは,次のアドレスで標準に使われる専門用語のデータベースを維持している。
− IEC Electropedia: available at http://www.electropedia.org/
− ISO Online browsing platform: available at http://www.iso.org/obp
注記 これらの定義では,ISO/IEC 19770-5でISO/IEC 19770情報構造を参照するときに使用される
一般用語(info struct)を用語“RUM”で置き換えている。JIS X 0164-2と異なり,“タグ(tag)”
という用語は使わない。なぜならば,この規格で定義する情報構造は,常にXMLファイルと
――――― [JIS X 0164-4 pdf 6] ―――――
4
X 0164-4 : 2019 (ISO/IEC 19770-4 : 2017)
は限らず,用語“タグ”が常に適切とは限らないためである。
3.1
アセット(asset)
組織にとって,潜在的に又は実際に価値をもつ項目,物又はエンティティ(ISO/IEC 19770-5:2015の3.2
参照)。
注記1 価値は,有形のものでも無形のものでも,また,財務的なものでも非財務的なものでもあり
得,リスク及び責任の考慮を含むものである。それは,アセットライフの異なる段階で好ま
しいもの又は好ましくないものでもあり得る。
注記2 物的アセットは,通常,組織によって所有される機器,在庫品及び財産を表す。物的アセッ
トは,賃貸,銘柄,デジタルアセット,権利使用,特許,知的財産権,評価,合意などの非
物的アセットである無形のアセットの正反対のものである。
注記3 アセットシステムと呼称されるアセットの集合体もアセットとして考慮され得る。
3.2
要素(element)
情報構造で表されるエンティティに関する情報を提供する情報構造のコンポーネント(ISO/IEC
19770-5:2015の3.12参照)。
3.3
拡張マークアップ言語,XML(extensible markup language,XML)
構造化されたデータをテキスト形式で作成するための規則を定めたライセンスフリー及びプラットフォ
ームに依存しないマークアップ言語[W3C Recommendation Extensible Markup Language(XML)1.1(Second
Edition)の1.2参照]。
3.4
グローバルユニーク識別子,GUID(global unique identifier,GUID)
任意のコンテキストにおける文字列が,一意であることを高確率で与える方法で生成された16バイトの
文字列(ISO/IEC 19770-5:2015の3.16参照)。
注記1 他のグローバルユニーク識別子のアルゴリズムが幾つかの状況で使用される。一般に,代替
アルゴリズムは,統一資源識別子(URI)ベースの構造を使用するため,識別子所有者の登
録識別子(regid)が識別子に含まれる。
注記2 この規格では,全て大文字のGUIDは,特に16バイトバージョンを示す。小文字(guid)の
場合は,URI又は16バイトベースの識別子のいずれかを使用できる一般的なアルゴリズムを
示す。
3.6
登録識別子,regid(registration identifier,regid)
エンティティのための一意な識別子(ISO/IEC 19770-5:2015の3.27参照)。
注記1 ISO/IEC 19770-5では,特定の様式で定義されたregidの異なる定義を組み込んでいる。
注記2 対応国際規格では3.5が抜けているがそのままとした。
3.7
ソフトウェア識別タグ,SWIDタグ(software identification tag,SWID tag)
ソフトウェア構成項目について識別情報を含んだ情報構造(3.13)である。ソフトウェア開発者によっ
て提供される場合は,信頼できる(ISO/IEC 19770-5:2015の3.40参照)。
――――― [JIS X 0164-4 pdf 7] ―――――
5
X 0164-4 : 2019 (ISO/IEC 19770-4 : 2017)
3.8
資源利用測定,RUM(resource utilization measurement,RUM)
マネジメントのためにITアセット(3.1)に関する資源の情報を提供する構造(ISO/IEC 19770-5:2015
の3.18に注記1を追加した。)。
注記 RUMの場合,ITアセットに関する消費についての情報を含む特別な構造。
3.9
RUM生成者(RUM creator)
はじめにRUMを生成するエンティティ(ISO/IEC 19770-5:2015の3.19に注記1を追加した。)。
注記 このエンティティは,ITアセットを生成する組織の一部といえる。その場合,RUM生成者及
びITアセット製造者は同じである。RUM生成者が,ITアセット製造者に無関係なサードパー
ティ組織である場合もある(サードパーティ組織によってレガシーソフトウェアのために作成
されるタグの場合など。)。RUM生成者が,ITアセットの使用を測定するために使用する別の
ソフトウェアツールの場合もあり得る。
3.10
統一資源識別子,URI(uniform resource identifier,URI)
インターネット上で利用可能な抽象的又は物理的なリソースを識別するコンパクトな文字列(RFC 3986
の箇条1参照)。
注記 URIで使用される構文は,RFC 3986で定義されている。
3.11
妥当(valid)
定義されたXMLスキーマの文書に従い,XMLの観点から妥当とされたRUMの状態(ISO/IEC
19770-5:2015の3.52参照)。
3.12
バージョン(version)
一意な版数を示す数字及び文字の値の文字列(ISO/IEC 19770-5:2015の3.54参照)。
注記 ソフトウェアでは,固有の機能又は修正を提供するソフトウェアの版数を識別するために,バ
ージョンを参照する。バージョンは,通常,機能又はユーザインタフェースの変更が大幅に変
更されたことを示すメジャーバージョンと,機能又はユーザインタフェースの変更が小さいこ
とを示すマイナーバージョンとをもつ。
3.13
情報構造(information structure)
マネジメントのためにITアセット(3.1)についての情報を提供する構造。
4 適合
4.1 RUMの適合
資源利用測定(RUM)は,規定した全ての必須の要求事項に対応しているとき,この規格に適合してい
る。
4.2 適合宣言
適合宣言は,構文及び意味論の両面を含み,RUM製作者及びエンティティに対して次のように定義さ
れる。
――――― [JIS X 0164-4 pdf 8] ―――――
6
X 0164-4 : 2019 (ISO/IEC 19770-4 : 2017)
RUMを製作することがデザインされた適合しているアプリケーション(すなわち,ITアセット,自動
化ツールなど)の定義は,次による。
− この規格に適合したRUMを製作できなければならない。
RUMプロセスをデザインするエンティティ(組織)は,次による。
a) ML様式で附属書Aに示したスキーマに適合しているこの規格のRUMを拒否してはならない。
b) この規格で与えられる意味論的な定義に従ったRUMの情報を扱わなければならない。RUMの全ての
情報を扱わないようなアプリケーションは,それが処理されるどんな情報もこの規格で与えられる意
味定義に従って処理されなければならない。
c) 必要であれば,RUMで使われるXMLスキーマドキュメント(XSD)でバージョンを識別でき,その
XSDに従う方法で処理できなければならない。このことは,将来,この規格の異なるバージョンに適
合するRUMが市場に存在する場合に対して,正しいXSDで処理することが重要であることを意味す
る。
5 主要な概念
5.1 概要
資源利用測定(RUM)は,ITアセットに関する資源消費についての信頼のおける情報を含む情報構造で
ある。構造は,ITアセットの特別なインスタンス(5.2参照)を識別するための情報,及び測定(measurement)
と呼ばれる要素(5.3参照)を含んだ一つ以上の資源利用情報のセットを含んでいる。また,この箇条5
は,そのRUMと他のISO/IEC 19770シリーズの情報構造との関連を規定している。
RUMの利用者は,幾つかのITアセットが,毎回新しいファイルを優先して作成する間隔に関して,既
存のファイルに新しい測定情報を追加することを認識しなければならない。これは,普通,ソフトウェア
がログをどのように作成しているかということであり,この場合,RUMは,同じメカニズムが適用され
るログによく似ている。
5.2 ソフトウェアアセット及びITアセットの識別
RUMが,SWIDタグで参照されるITアセットに関する資源利用要素を含んでいる場合,RUMは,SWID
を参照するLink要素を含まなければならない。SWIDで利用される一意識別子を,RUM内での構成要素
の作成に採用しなければならない。
RUMが,SWIDタグのないITアセットに関する資源利用要素を含んでいる場合,RUMは,そのアセッ
トの一意識別子を含んでいるAsset要素を組み込まなければならない。Link要素及び一意識別子のAsset
要素の両方を含んでいる場合,Link要素を優先しなければならない。
5.3 測定
RUMは,測定を定義する一つ以上の要素を含まなければならない。これは,一つのITアセットで利用
可能な複数の測定のタイプがある状態をサポートするためである。具体的には,特定のインスタンス化で
これらの測定タイプのどれが重要であるかの知識は,ITアセット自体の中で利用できない可能性があり,
したがって,一部のアセットは常にそれらが認識している全ての資源の測定データを報告する。
各測定要素は,次を含まなければならない。
a) 情報が取得された時刻
b) 利用が測定された期間の開始時刻
c) 利用が測定された期間の終了時刻(特定時点の値としては,開始時刻と等しくなければならない。)
d) テキストの文字列で定義される測定のタイプ
――――― [JIS X 0164-4 pdf 9] ―――――
7
X 0164-4 : 2019 (ISO/IEC 19770-4 : 2017)
e) 識別されたタイプごとに一つ以上の値
任意情報及びメタ情報は,各測定又は値で関連付けることもできる。
RUMの測定は,メトリック,タイプ及び値のテキストによる記述だけで定義する。測定のための数学
的な記述,及び一連のタイプの定義はない。ITアセット製造者が,RUMによる既存の測定結果を報告し,
このようなタイプのテキストの記述が,以前に行われた実践で定義されている。
5.4 他のISO/IEC 19770ファミリの情報構造との関係
この規格は,他のパートのISO/IEC 19770シリーズによって定義された情報構造の補完を意図するだけ
でなく,独立して使用することを意図している。例えば,RUMが関係するソフトウェアアセットがJIS X
0164-2によって定義されたSWIDとのリンクによって識別されることを優先している一方,RUMは,ま
た,一意にITアセットを識別する文字列を含むことができる任意構造を組み込んでいる。
RUMで定義される測定が,JIS X 0164-3で定義される権利との関係をもっているならば,同じ
metricName(8.4.3参照)をもたなければならない。測定と権利との関係の詳細は,この規格の範囲外であ
る。
6 実装の要求事項及びガイダンス
6.1 利用のシナリオ
具体的にRUMは,一般的用途及び広い用途で使われるようにデザインされている。RUMを作成するエ
ンティティは,ITアセットであったり,又はITアセットをモニタしている自動化ツールであったりする。
そして,情報構造は一般的にエンティティ内又はエンティティが実行されるシステムのファイルシステム
内にカプセル化されている。さらに,RUM情報は特有環境のリポジトリに格納されたり,又はリモート
システム若しくは中央の施設に伝達して格納する場合もあるが,これらメカニズムの詳細は,この規格の
範囲外である。
6.2 固有登録識別子 (regid)
6.2.1 概要
ITアセットによって生成されるRUMは,異なる組織によって作成され,集中登録認定権限を厳しく求
めてはいない。これらの要求に適応させるため,この規格ではregidを使用する。regidは固有名称として
の識別子を提供する。
6.2.2 regidの構造
regidは,RFC 3986に従うURIリファレンスを使用しなければならない。一度,組織が組織のITアセ
ットのためのregidを決めた場合,そのregidを,組織の全てのITアセットで一貫して使用しなければな
らない。
オープンソースプロジェクトのサポート及びサードパーティのタグの一貫性を認める相互運用性の確保
のためには,regidを作成するときに,次の推奨事項を適用する。
− 特に断りがない限り,URIはhttpスキーマを使用する。
− httpスキーマを使用した場合,“http://”はregidの文字列から削除する(URIスキーマのない文字列は
“http://”スキーマを使っているものとして定義される。)。
− 別途必要な場合を除き,URIはドメイン名のような権限部分を含む絶対URIを使用する。
− 一貫性を保つために,絶対URIは必要な最小限の文字列を使用する(例えば,www.example.comの代
わりにexample.comを使用する。)。
――――― [JIS X 0164-4 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS X 0164-4:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 19770-4:2017(IDT)