JIS X 0170:2020 システムライフサイクルプロセス | ページ 3

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X 0170 : 2020 (ISO/IEC/IEEE 15288 : 2015)
設計の属性又は区別できる特徴(feature)であって,製品又はサービスの測定可能な記述に関連してい
るもの(ISO/IEC/IEEE 24765:2010)。
4.1.18
イネーブリングシステム(enabling system)
ライフサイクルの段階においては対象システムを支援するが,運用中はその機能に直接的に寄与すると
は限らないシステム。
例 対象システムが生産段階に入ると,生産イネーブリングシステムが必要となる。
注記 各イネーブリングシステムは,それ自身のライフサイクルをもつ。イネーブリングシステム自
体を対象システムとして扱う場合には,この規格は,各イネーブリングシステムに適用可能で
ある。
4.1.19
環境(environment)
<システム> システムに影響を及ぼす全ての設定及び周囲の条件を決定付ける状況(ISO/IEC/IEEE
42010:2011)。
4.1.20
設備,施設(facility)
活動の実施を容易にする物理的手段又は装置。例えば,建物,器具,道具など。
4.1.21
インシデント(incident)
異常な若しくは予期しないイベント,イベントの集合,状態又は状況であって,プロジェクト,製品,
サービス又はシステムのライフサイクル期間中の全ての時点で起こるもの。
4.1.22
情報項目(information item)
人間が利用するために作成され,保存され,及び納入される個別に識別できる情報の本体(JIS X 0171)。
4.1.23
ライフサイクル(life cycle)
システム,製品,サービス,プロジェクト又は人が作った他の実体の構想から廃止までの漸進的な発展。
4.1.24
ライフサイクルモデル(life cycle model)
段階に編成されることもあるライフサイクルに関係するプロセス及びアクティビティの枠組みで,情報
伝達及び理解のための共通に参照できる役割をもつもの。
注記 “プロセス”,“アクティビティ”及び“タスク”は,システムのライフサイクルで行う作業を
階層化して表すものである。最上位の作業のくくりが“プロセス”,その“プロセス”の構成要
素が“アクティビティ”,さらに,“アクティビティ”の構成要素が“タスク”である。
4.1.25
システムレベルの運用概念(operational concept)
一つのシステム又は関連する一組のシステムの,運用又は一連の運用に関して,組織の前提条件・意図
を言葉及び図で記述するもの(JIS X 0166:2014)。
注記1 システムレベルの運用概念(OpsCon)は,一つ以上の特定のシステム,又は関連する一組の
システム,を利用する運用の全体像を与えるために設計する。組織の運用環境の中で利用者

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X 0170 : 2020 (ISO/IEC/IEEE 15288 : 2015)
及び運用操作者の視点から全体像を与えるものである。組織レベルの運用概念(ConOps)も
参照。
注記2 対応国際規格ではANSI/AIAA G-043A-2012eの定義を参照していると記載されているが,JIS
X 0166:2014(ISO/IEC/IEEE 29148)で同一の定義をしている。
4.1.26
運用操作者(operator)
システムの運用操作を行う個人又は組織。
注記1 運用操作者及び利用者の役割は,同一の個人又は組織に対して,同時に又は順次的に,付与
される。
注記2 知識,スキル(技能)及び手順を備えた個々の運用操作者は,システムの一要素としてみな
すことができる。
注記3 運用操作者は,運用されているシステム上での運用を行う場合,又は運用されているシステ
ムそれ自体の運用を行う場合がある。これは,運用指示がシステムの境界内にあるか,外に
あるかによる。
4.1.27
組織(organization)
責任,権限及び関係の取決めをもつ人々の集団及び施設(JIS Q 9000:2015の定義の一部を変更してい
る。)。
例 企業,法人,事務所,事業,協会,義援団体,個人事業者,同業者組合又はこれらの一部若しく
は組合せ。
注記1 組織の識別された部分(たとえ一個人のように小さくても)又は組織内の識別された集団は,
責任,権限及び関係をもてば組織とみなされる。クラブ,組合,会社,学会など特定の目的
のために組織された人の一群。
注記2 対応国際規格ではJIS Q 9000:2006の定義に注記1を追加したものと記載しているが,JIS Q
9000:2015の定義の一部を,この規格の内容に合うよう変更したものにしている。
4.1.28
当事者(party)
契約を含む合意に関わる組織。
注記 この規格では,合意する当事者は取得者及び供給者と呼ばれる。
4.1.29
問題(problem)
困難さ,不確定さ,若しくは現実のものとなった望まれないイベント,一連のイベント,状態又は状況
であって,調査及び是正処置が要求されること。
4.1.30
プロセス(process)
インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連のアクティビティ(JIS
Q 9000:2015の定義の一部を変更している。)。
注記1 プロセスのアウトプット(output)は,プロセスの結果であり,作業成果物若しくは製品又
はサービスを通常は指す。この規格ではアウトプット,出力などと記す。
注記2 対応国際規格ではISO 9000:2005の定義を引用しているため,この規格では,改正されたJIS

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X 0170 : 2020 (ISO/IEC/IEEE 15288 : 2015)
Q 9000:2015(ISO 9000:2015)の定義の一部を変更したものにしている。
4.1.31
プロセスの目的(process purpose)
プロセスを実行する高水準の目標及びプロセスの効果的実施によって見込まれる成果。
注記 プロセスを実施することの目的は,利害関係者に便益を提供することである。
4.1.32
製品(product)
プロセスの結果。
注記1 合意される一般的な製品分類には次の四つの分類がある。ハードウェア(例えば,エンジン
の機構部品),ソフトウェア(例えば,コンピュータのプログラム),サービス(例えば,輸
送)及び処理した結果として得られた資材(例えば,潤滑油)。ハードウェア及び処理した結
果として得られた資材は形のある有形の製品となるのに対し,ソフトウェア及びサービスは
通常は形のない無形の製品となる。
注記2 対応国際規格ではISO 9000:2005の定義を引用しているため,この規格では,改正されたJIS
Q 9000:2015(ISO 9000:2015)の定義を変更したものにしている。
注記3 製品には,成果物,作成物,中間成果物,作業成果物などの,プロセスのアウトプットを含
む場合がある。
4.1.33
プロジェクト(project)
定められた資源及び要求事項に従って,製品又はサービスを作り出すために実施される,定義された開
始条件及び終了条件がある取組み。
注記 プロジェクトは,調整され制御されたアクティビティからなる固有のプロセスとして見られる
こともあるとともに,この規格に定義したテクニカルマネジメントプロセス及びテクニカルプ
ロセスのアクティビティで構成される。
4.1.34
品質保証(quality assurance)
品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた,品質マネジメントの一部(JIS Q
9000:2015)。
注記 対応国際規格ではISO 9000:2005の定義を引用しているが,改正されたJIS Q 9000:2015(ISO
9000:2015)でも同一の定義となっている。
4.1.35
品質特性(quality characteristic)
要求事項に関連する,製品,プロセス又はシステムに本来備わっている特性(JIS Q 9000:2015の定義の
一部を変更している。)。
注記1 重大な品質特性には,健康,安全性,セキュリティ,アシュアランス,信頼性,アベイラビ
リティ(availability可用性)及び運用の支援性に関連する特性を通常含む。
注記2 対応国際規格ではISO 9000:2005の定義の一部を変更しているが,改正されたJIS Q
9000:2015(ISO 9000:2015)からも一部を変更した定義としている。
4.1.36
品質マネジメント,品質管理(quality management)

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品質に関して組織を指揮し,管理するための調整された活動(JIS Q 9000:2015の定義の一部を変更して
いる。)。
注記 対応国際規格ではISO 9000:2005の定義を引用しているため,改正されたJIS Q 9000:2015(ISO
9000:2015)から一部を変更した定義としている。
4.1.37
要求事項(requirement)
ニーズとそれに付随する制約・条件とを変換した又は表現する文(JIS X 0166:2014)。
4.1.38
資源(resource)
プロセスの実行中に利用又は消費される資産。
注記1 資源には,資金,要員,設備,資本設備,道具などの多様な実体,及び電力,水,燃料,通
信基盤などの公益物を含む。
注記2 資源には,再利用できるもの,再生できるもの,又は使い切ってしまうものも含む。
4.1.39
廃止(retirement)
運用組織又は保守組織が実施中の支援を中止する,新システムに一部分若しくは全体を置き換える,又
は改定したシステムを導入すること。
4.1.40
リスク(risk)
目的に対する不確かさの影響(JIS Q 0073:2010)。
注記1 影響とは,期待されていることから,好ましい方向及び/又は好ましくない方向にかい(乖)
離することをいう。肯定的な好ましい方向の影響は,機会(opportunity)となる。
注記2 目的には,財務,人の健康及び安全,環境面についての到達目標など,異なった側面があり,
戦略,組織横断的,プロジェクト,製品,プロセスなど異なるレベルで設定できる。
注記3 リスクを,起こり得る潜在的なイベント及び引き起こされる最終的な結果,又はこれらの組
合せについて述べることによって,その特徴を記述することが多い。
注記4 リスクを,あるイベント(イベントには周囲環境の変化を含む。)が引き起こす最終的な結果
とその起こりやすさとの組合せによって表現することがよくある。
注記5 不確かさとは,あるイベント,そのイベントが引き起こす最終的な結果,又は起こりやすさ
に関する,情報,理解若しくは知識が,たとえ部分的にでも欠落している状態をいう。
4.1.41
セキュリティ(security)
意図的な破壊改変又は強制的な故障に対する防護。確信性,完整性,アベイラビリティ及び責任追跡性
の四つの属性に五つ目に使用性の観点を加えて,これらのアシュアランスの課題に関係している全てのこ
とから構成したもの(NATO AEP-67)。
4.1.42
サービス(service)
活動,作業又は義務を遂行すること。
注記1 サービスは,それ自体で完結したものであり,一様になるよう整合化され,個別になってお
り,その他のサービス群から構成することができる。

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X 0170 : 2020 (ISO/IEC/IEEE 15288 : 2015)
注記2 通常,サービスは目には見えない製品である。
4.1.43
段階(stage)
実体のライフサイクル内の期間で,実体の記述又は実現の状態に関連するもの。
注記1 この規格では,段階は,実体のライフサイクルを通して,実体の大きな進捗及び達成のマイ
ルストーンに関係する。
注記2 段階は,並行して重なることがよくある。
4.1.44
利害関係者(stakeholder)
システムに,権利,持分,請求権若しくは関心をもっている個人若しくは組織,又はニーズ及び期待に
合致する特性をシステムがもつことに,権利,持分,請求権若しくは関心をもっている個人若しくは組織。
例 利害関係者の例は,最終利用者,最終利用者の組織,支援者,開発者,製作者,教育訓練者,保
守者,廃棄処理者,取得者,供給者の組織,規制機関。
注記 利害関係者には,利害関係者間で相互に相反する利害関係のある関心,又はシステムと相反す
る利害関係のある関心をもち得る。
4.1.45
供給者(supplier)
製品又はサービスの供給に関して取得者と合意を結ぶ組織又は個人。
注記1 供給者に対して通常使用される用語は,請負業者,生産者,販売者又はベンダ。
注記2 取得者及び供給者は,同一の組織に属することがある。
4.1.46
システム(system)
一つ以上の明記された目的を達成するために組織された相互に作用する要素の組合せ。
注記1 システムとは,それが提供する製品又はサービスとみなされることもある。
注記2 実際には,その意味の解釈は,例えば,航空機システムのように複合名詞の使用によってし
ばしば明確にされる。別の表現として,システムという言葉を使わずに,文脈が明らかな場
合は,例えば,“航空機システム”を“航空機”という用語に置き換えることができる。その
場合は,システムという捉え方の観点が曖昧になる。
注記3 完成したシステムは,それが意図された環境において,システム自体を十分に利用できるよ
う,必要な度合いで運用及び支援をするために要求される,次のものを含む。全ての関係す
る機器,設備・施設,資材,コンピュータのプログラム,ファームウェア,技術文書,サー
ビス及び要員。
4.1.47
システム要素(system element)
システムを構成する要素の集合の一部分。
例 システム要素の例は,ハードウェア,ソフトウェア,データ,人間,プロセス(例えば,利用者
にサービスを提供するプロセス),手順(例えば,操作指示),設備・施設,資材,自然に発生す
る実体又はそれらの組合せ。
注記 システム要素とは,指定された要求事項を満たすように実装できるシステムの個別の部分であ
る。

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