JIS X 0803:1995 規格概要
この規格 X0803は、検索システムのデータを会話型で探索するコマンドの基本集合及びシステムから得られる応答の種類を規定。計算機を用いた図書館目録,データベース探索システムなどの情報検索システムの設計者及び利用者が用いるためのものである。
JISX0803 規格全文情報
- 規格番号
- JIS X0803
- 規格名称
- 会話型テキスト探索用コマンド
- 規格名称英語訳
- Commands for interactive text searching
- 制定年月日
- 1995年10月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 8777:1993(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 35.240.30
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1995-10-01 制定日, 2000-12-20 確認日, 2005-12-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS X 0803:1995 PDF [24]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
X 0803-1995
(ISO 8777 : 1993)
会話型テキスト探索用コマンド
Commands for interactive text searching
日本工業規格(日本産業規格)としてのまえがき
この規格は,1993年第1版として発行されたISO 8777 (Information and documentation−Commands for
interactive text searching) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規
格である。
1. 適用範囲 この規格は,検索システムのデータを会話型で探索するコマンドの基本集合及びシステム
から得られる応答の種類を規定する。この規格は,計算機を用いた図書館目録,データベース探索システ
ムなどの情報検索システムの設計者及び利用者が用いるためのものである。
この規格は,利用者とシステムとの間のインタフェースとして,メニュー方式,自然言語インタフェー
ス,(標準化されていない)“固有の (native)”コマンド言語の使用などといったこの規格とは異なる種類
のものを用いることを制限したり禁止したりするものではない。
備考 この規格で規定しているコマンド名の意味が,“固有の”コマンド言語におけるコマンド名の意
味と矛盾する場合は,この規格のコマンド名の機能を優先する。
この規格で規定しているよりも少ない機能しか組み込んでいないシステムがある一方,規格で規定して
いるよりも多くの付加的な機能を用いているシステムがある。付加的な機能には,付加的なコマンド名,
演算子,限定子及び限定技法が含まれる。付加的な機能及びそれらの機能によって生成される応答もこの
規格で定める一般的な規則及び構文に従うことが望ましい。
2. 引用規格 引用規格は,次による。
ISO/IEC 646 Information technology−ISO 7-bit coded character set for information interchange
備考 JIS X 0201(情報交換用符号)がこの国際規格に対応している。
3. 定義 この規格の定義は,利用者の視点の反映を意図しており,計算機の技術的・工学的側面を反映
することは意図していない。この規格では,3.13.30の定義を用いる。
3.1 基本索引 (basic index) フィールドを指定しない場合に探索される一連のフィールドに関する索引。
3.2 コマンド式 (command expression) ある機能の実行を求める形式の整った要求。
3.3 コマンド名 (command name) コマンド式を開始するために用いる特別に定義された予約語又はそ
の省略形。
3.4 コマンド仕様 (command specification) コマンド名の次にくる文字列で,コマンド式がどのように
及び何に対して演算するかを指定するもの。
3.5 結合子 (connector) 探索語句と限定子とを結び付ける記号。
――――― [JIS X 0803 pdf 1] ―――――
2
X 0803-1995 (ISO 8777 : 1993)
3.6 省略時値 (default) 利用者が特に別の値を指定しない限り,システムが自動的に想定する値。
3.7 レコードの一部分をなすもので,一単位として扱われる構造化したデータであ
フィールド (field)
って,特定の種類のデータを蓄積するために用いるもの。
3.8 レコード中の特定のフィールドを一意に識別するために用いる文
フィールドラベル (field label)
字列。
3.9 マスク (masking)探索語句中の未知の文字又は指定しない文字を,特定の文字によって記号化す
ること。その特定の文字は,0個以上の文字又は空白文字に代わるものとして定義されている。
3.10 演算子 (operator) 探索される二つのものの間の関係を特定するために用いる予約語又は記号。演
算子には,3.10.13.10.3がある。
二つの探索語句又は探索要素の間の論理的な関係を表す演算子。
3.10.1 ブール演算子 (Boolean operator)
例 AND, NOT及びOR
二つの探索語句の間の順序及び距離を指定する演算子。
3.10.2 近接演算子 (proximity operator)
二つの探索語句の間の連続した値の範囲を指定する演算子。
3.10.3 範囲演算子 (ranging operator)
3.11 パラメタ (parameter) 特定のコマンド式を実行する際に定数を与える変数及びそのコマンド式を
示す変数。
3.12 限定子 (qualifier)変数がとりうる値の範囲を限定するため又は指示するために用いるパラメタ。
3.13 レコード (record) 通常,多数のフィールドからなり,1単位として扱われるデータの集合。
3.14 予約語 (reserved word) コマンド言語において,特定の意味が明示的に定義されている単語,省略
形又は記号。
3.15 予約語解除記号 (restoration mark) 定義されている予約語の意味を,その語に本来備わっている文
字通りの意味に戻すために用いる記号。
3.16 検索集合 (result set) 一つの探索文によって検索された一群のレコード。
検索集合に対してシステム又は利用者が付与するラベル。あ
3.17 検索集合識別子 (result set identifier)
る探索文に対する検索集合識別子は,その探索文の探索文識別子と一致する。
探索者が求める情報を探すのに必要だと思われる十分な数の
3.18 (オンライン)探索 [(online) earch]
データベースに対してなされる計算機を介した会話型の探索プロセス。
3.19 探索要素 (search element) 探索語句若しくは同一の索引で探索する探索語句をブール演算子で結
合したもの及びその限定子(限定子は,明示しなくてもよい),探索集合識別子,又はSCANコマンド式
若しくはRELATEコマンド式によって得られた表示から選択した語句。
3.20 探索文 (search statement) FINDコマンドのコマンド仕様。
3.21 探索文識別子 (search statement identifier)それぞれの探索文に対してシステムが付与するラベル。
3.22 探索方針 (search strategy) 情報要求を満たすために作成された一連のコマンド式。探索方針には,
データベースの選択コマンド,探索語句を指定するコマンド,探索コマンド及び表示コマンドが含まれる。
3.23 探索語句 (search term) FINDコマンドがシステムに検索するように指示する語又は一群の語。探
索語句中には,一つ以上の探索語を含む。近接演算子を含んでもよいが,ブール演算子,範囲演算子及び
限定子は含まない。
3.24 探索語 (search word) システムで探索することができる語。
3.25 分離記号 (separator) コマンド式の構成要素を区分するために用いる文字又は文字列。この規格で
は,間隔,コロン,セミコロン及び丸括弧を分離記号として定義する。
――――― [JIS X 0803 pdf 2] ―――――
3
X 0803-1995 (ISO 8777 : 1993)
3.26 セッション (session) ログオンしてからログオフするまでの利用者とシステムとの間のやりとり
のすべて。
3.27 ストップワード (stopword)索引を作成する際に無視する語。データベースごとに定める。例えば,
of, and, or, isなど。
同義,階層などの関係及び従属関係を示している用語集。情報の蓄積及び
3.28 シソーラス (thesaurus)
検索に用いるために,あらかじめ設定されている統制語い(彙)を提供する機能をもつ。
3.29 切捨て (truncation)語の左端若しくは右端の文字又は文字列をマスクする特殊な形の文字マスク。
3.30 語 (word) 分離記号の前又は後にある1文字以上の文字。この文字は,文字,数字又は記号とする。
4. 一般原則
4.1 実現性 この規格は,システム設計者がここで規定している機能を実現する方法を規定するもので
はない。この規格は,コマンドの機能及びそれに対するシステムからの応答を利用者の視点から記述する。
4.2 規格適合性 情報検索システムは,この規格で規定するすべてのコマンドを認識し,それに応答す
るならば,この規格に適合する。使用できないコマンドがある場合には,システムからの応答によってそ
のことを利用者に知らせなければならない。
4.3 コマンドの構造 この規格では,次に示す一般的なコマンドの構造を用いる。
<コマンド式>=<コマンド名><コマンド仕様>
コマンド式は,一つのコマンド名又はその省略形から始まる。すべてのコマンドにコマンド仕様が必要
なわけではない。
4.4 コマンド名
4.4.1 概要 コマンド名の概要を表1に示す。
コマンド名の選択基準を,(a)(c)に示す。コマンド名を追加する際にもこの基準に従う。
(a) コマンド名の数は,使用に適する最少の数とすることが望ましい。
(b) 動詞形のほうがよい。
(c) コマンド名は,できる限り意味が自明のものであることが望ましい。
4.4.2 コマンド名の省略形 コマンド名は,右側から文字を切り捨てて省略形にする。この規格で規定し
ているすべてのコマンド名は,先頭の3文字を標準的な省略形とする[省略形を附属書A(参考)に示す。]。
システムは,コマンド名の完全形と3文字の省略形との両方を受け付けなければならない。
更に,システムは,コマンド名の先頭の1文字から完全なコマンド名までのあらゆる長さのあいまいさ
がない省略形も認識しなければならない。利用者が用いた省略形があいまいな場合は,システムは,より
完全なコマンド名に近く,あいまいさのない形を求める応答をすることが望ましい。
4.5 コマンド仕様の構成要素及びその書式
4.5.1 構成要素 コマンド仕様には,利用者が提供する(a)(g)のデータを含むことができる。
(a) 探索語句。
(b) システムが定義した限定子(例えば,フィールドラベルなど)。
備考 一般的なフィールドラベルを附属書B(参考)に示す。
(c) レコード識別子又は書式識別子。
(d) 語句識別子(例えば,SCANコマンド式又はRELATEコマンド式によって得られるもの)。
(e) この規格で定義するブール演算子,近接演算子及び範囲演算子。
(f) 文字をマスクする記号。
――――― [JIS X 0803 pdf 3] ―――――
4
X 0803-1995 (ISO 8777 : 1993)
(g) 検索集合識別子。
コマンド仕様に必要な要素が不足している場合には,システムは,必要な情報を提供するように利用者
に求めるか又はあらかじめ設定されている省略時値に従うことによって応答する。
4.5.2 書式 この規格では,コマンド式の構成要素の順序及び書式を規定する。
4.6 文字符号 この規格で規定するコマンド名,演算子などで使用する文字又は特殊記号は,JIS X 0201
のローマ文字用7単位符号を用いるように設計したものであって,これらは,すべてこの符号を引用する。
同一又は同等の図形文字を提供できる他の符号系を使用してもよい。
4.7 文字 システムは,利用者からの入力を大文字と小文字との区別をせずに受け付けることができな
ければならない。
4.8 分離記号
4.8.1 間隔 間隔は,意味をもち,コマンド式の構成要素を分割するために用いる。コマンド名の次にコ
マンド仕様が続く場合,コマンドの直後に間隔を置く。この規格に適合するシステムは,2文字分以上の
間隔を1文字分の間隔と同等の分離記号として受け付ける。
4.8.2 コンマ コンマ (, ) は,同じ種類のコマンド構成要素を複数個用いる場合に,それらを区切る分
離記号として用いる。コマンド構成要素とは,限定子(例えば,フィールドのラベル),レコード識別子(例
えば,レコード番号)などをいう。システムは,コンマ及び間隔がどのような組合せで用いられても,一
つのコンマとして受け付ける。
倒置形を用いている著者名フィールド中のコンマなどのようなデータフィールド中に含まれるコンマの
処理は,個々のシステムの問題とし,この規格では規定しない。コンマの存在がこの規格の規則と矛盾す
る場合は,文章におけるコンマの特性を保持するために予約語解除記号を用いる。
4.8.3 セミコロン セミコロン (;) は,利用者が定義した一連のコマンド式中の各コマンド式を区切る
場合又はコマンドを“スタック”する場合に用いる。セミコロンを用いると,1回の送信で複数のコマン
ドをシステムに受け渡すことができる。
4.8.4 丸括弧 丸括弧は,一連の演算子が意図した順序に実行されるように,探索文の構成要素を厳密に
グループ化するために用いる。
丸括弧は,分離記号としての役割も果たす。左括弧の前に間隔を必要としないし,右括弧の後にも間隔
を必要としない。括弧のすぐ内側にある間隔は,無視される。
5. コマンド名 表1に示したコマンド名は,6.から17.に示したように,この規格で規定するコマンド式
として用いる。
表1 基本的なコマンド名
主な用途 コマンド名 規定箇条
利用者の支援 INFO 6.1
HELP 6.2
REVIEW 6.3
ページ送り FORWARD 7.1
BACK 7.2
データベースの選択 BASE 8.
探索質問の作成 FIND 9.
索引の通覧 SCAN 10.
シソーラスの通覧 RELATE 11.
出力コマンド SHOW 12.
――――― [JIS X 0803 pdf 4] ―――――
5
X 0803-1995 (ISO 8777 : 1993)
主な用途 コマンド名 規定箇条
PRINT 12.
SAVE
探索方針の保存及び呼出し 13.
削除 DELETE 14.
利用者定義関数 DEFINE 15.
割込み 規定せず 16.
セッションの終了 STOP 17.
6. 利用者の支援
6.1 システムの案内 (INFO) コマンド名INFOは,そのシステム,そのシステムで利用できるデータ
ベース,その他に関する情報を得るために用いる。この情報は,セッション中のいかなる時点でも同一と
する。
INFOには,コマンド仕様は必す(須)ではないが,コマンド仕様を用いてもよい。INFOが単独で入力
された場合,システムは,INFOコマンドのコマンド仕様として用いることができる事項の一覧を表示す
る。
INFOでコマンド仕様を用いる場合は,一つの事項だけを指定する。利用者が指定した事項が使用でき
ない場合,システムは,INFOコマンドのコマンド仕様として用いることができる事項の一覧を表示する。
INFOの使用例を附属書C(参考)のC.1.1に示す。
6.2 セッションの案内 (HELP) コマンド名HELPは,利用者の状況又はシステムとのやりとりの状況
に即した支援又は指示をオンラインで得るために用いる。
HELPには,コマンド仕様は,必す(須)ではない。この規格では,コマンド仕様は,定義しない。
HELPの使用例を附属書C(参考)のC.1.2に示す。
6.3 探索の履歴 (REVIEW) コマンド名REVIEWは,そのセッションで入力されたもので,まだ利用
することが可能な探索要素及び探索文を見るために用いる。
REVIEWには,コマンド仕様は必す(須)ではないが,コマンド仕様を用いてもよい。
REVIEWを単独で用いた場合,システムは,そのセッションで入力されたすべての探索文を,各文によ
って検索されたレコード件数及び探索文識別子又は検索集合識別子とともに列挙する。
REVIEWでは,(a)又は(b)のコマンド仕様を使用できる。
(a) 探索文識別子。この識別子が指し示す探索文を,それによって検索されたレコード件数とともに見る。
この識別子は, <n> TO <m> というように範囲として用いてもよい。
(b) AVE=〈保存した探索方針識別子〉。このコマンド仕様は,保存してある探索方針を実行せずに呼び
出すのに用いる。
REVIEWの使用例を附属書C(参考)のC.1.3に示す。
6.4 番号付け(〈番号〉)(a)(e)を識別するために番号又は他の識別法を用いる。
(a) 探索文。
(b) CANコマンド式又はRELATEコマンド式を用いて表示された語句。
(c) 探索をした結果,検索されたレコード。
(d) RINTコマンド式。
(e) AVEコマンドによって保存された探索。
識別子の厳密な形は,システムごとに異なってもよい。識別子は,種類ごとに分けてラベルを付ける。
番号付けをする場合,種類ごとに連続した番号を付与する。
――――― [JIS X 0803 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS X 0803:1995の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8777:1993(IDT)
JIS X 0803:1995の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.30 : 情報,ドキュメンテーション及び出版業務におけるITの応用