JIS X 25000:2017 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)―SQuaREの指針 | ページ 3

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X 25000 : 2017 (ISO/IEC 25000 : 2014)
注記2 実際には,その意味の解釈は,例えば,航空機システムのように組み合わされた名詞の使用
によってしばしば明確にされる。別の表現として,システムという言葉を使わずに,例えば,
航空機という,文脈に依存する同義語によって単に置き換えられる可能性がある。ただ,こ
れは,システム原則の全体像が曖昧になる。
4.39
プロセス対象(target of process)
測定プロセス又は評価プロセスが適用される,製品によって実行されるシステム,ソフトウェア製品又
はタスク。
4.40
利用者(user)
利用中,システムと対話するか,又はシステムから利益を得る個人又はグループ(JIS X 25010:2013の
4.3.16)
注記1 利用者には,運用者,システム若しくはソフトウェアを運用操作することがもたらす結果の
受給者,又は,システム若しくはソフトウェアの開発者若しくは保守者を含めてもよい。
注記2 SQuaREシリーズの一貫性を確保するため,JIS X 25010:2013の4.3.16の定義を採用する。国
際規格では,引用元をISO/IEC 15939:2007としているが,これは修正漏れである。
4.41
妥当性確認(validation)
客観的証拠を提示することによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされてい
ることを確認すること(JIS Q 9000:2015)。
注記 ライフサイクルでいう妥当性確認とは,意図された用途,目標及び目的をシステムが達成でき
ることを確実にし,信任を得るアクティビティの集合である(JIS X 0160:2012)。
4.42
値(value)
測定することによって,ある実体がもつ属性へ割り付けられた数値又は分類。
4.43
検証(verification)
客観的証拠を提示することによって,明示された要求事項が満たされていることを確認すること(JIS Q
9000:2015)。
注記 ライフサイクルでいう検証とは,ライフサイクルにおけるソフトウェア製品をそのソフトウェ
ア製品に要求された特性と比較するという一連のアクティビティである。これには,明示され
た要求事項,設計記述及びシステム自身を含めてもよく,それだけに限られるものでもない(JIS
X 0160:2012)。
5 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−製品品質要求事項及び評価につい
ての規格シリーズ

5.1 SQuaREシリーズの構成

  ここでは,SQuaREシリーズの構造及び内容の概要を提供する。目的は,このSQuaREシリーズの利用
者が適切な文書の効果的な選択ができるように,必要情報を提供することにある。

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X 25000 : 2017 (ISO/IEC 25000 : 2014)
品質モデル部門
JIS X 2501n
品質要求部門 品質評価部門
JIS X 2503n 品質管理部門 JIS X 2504n
JIS X 2500n
品質測定部門
JIS X 2502n
SQuaRE拡張部門
JIS X 25051,JIS X 2506n
図1−SQuaREシリーズJISの構成
図1にSQuaREシリーズの構成を示す。
SQuaREモデル内の各部門は,次のとおりである。
− 品質管理部門 この部門の規格は,SQuaREシリーズの,他の全ての規格から参照される共通モデル,
用語及び定義を規定する。規格を特定の応用事例に適用する場合の参照経路(SQuaREシリーズ全体
の手引)及び高水準の実際的な提案は,全ての種別の利用者への手助けを提供する。この部門は,製
品の品質要求事項の仕様化及び評価の管理に責任のある支援機能のための要求事項及び手引も提供す
る。
− 品質モデル部門 この部門の規格は,製品品質,利用時の品質及びデータ品質のための詳細な品質モ
デルを提供する。また,品質モデルの実際的な利用のための手引も提供する。
− 品質測定部門 この部門の規格は,製品の品質測定の参照モデル,品質測定量の数学的な定義,及び
それらの適用のための実際的な手引を含む。この部門は,ソフトウェア品質の内部測定量,システム
又はソフトウェア製品品質の外部測定量,及び利用時の品質測定量を提供する。この部門は,後に続
く品質測定量のための基礎となる品質測定量の要素を定義し提供する。
− 品質要求部門 この部門の規格は,品質要求事項の仕様化に役立つ。これらの品質要求事項は,開発
する製品の品質要求事項の導出プロセス又は評価プロセスの入力として利用することができる。要求
事項定義プロセスは,JIS X 0160:2012及びJIS X 0170:2013に定義されたテクニカルプロセスに対応
付けられる。
− 品質評価部門 この部門の規格は,製品評価のための要求事項,推奨事項及び手引を提供し,独立し
た評価者,取得者又は開発者のいずれかによって実施される。評価モジュールとして測定量の文書化
のための支援も提供する。
− SQuaRE拡張部門 この部門の規格は,特定の応用範囲を取り扱う製品品質の規格及び/又は標準情
報を含むように指定されている。また,一つ以上のSQuaRE規格を補完するために利用できる製品品
質の規格及び/又は標準情報を含むように指定されている。

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X 25000 : 2017 (ISO/IEC 25000 : 2014)

5.2 SQuaREシリーズの規格の概要

  SQuaREシリーズは,SQuaREモデルの五つの部門に分類した13の規格から構成される。ここでは,全
ての規格を部門ごとに簡単に説明する。各規格は,その説明文の中で括弧でくくった規格から条項を組み
込んでいる。
5.2.1 品質管理部門
− JIS X 25000(SQuaREの指針)は,SQuaREシリーズの構成モデル,用語,規格の概要,対象利用者,
シリーズの関連する部分,及びシリーズ外の参照モデル(JIS X 0129-1及びJIS X 0133-1)を示す。
− JIS X 25001(計画及び管理)は,製品の品質要求事項の仕様化及び評価(JIS X 0133-2)の管理に責
任のある機能を支援するための要求事項及び手引を提供する。
5.2.2 品質モデル部門
− JIS X 25010(システム及びソフトウェア品質モデル)は,製品品質及び利用時の品質のためのモデル
を規定する。この規格は,製品品質のための品質特性及び品質副特性,並びに利用時の品質のための
品質特性及び品質副特性を提供する(JIS X 0129-1及びJIS X 0133-1)。
− JIS X 25012(データ品質モデル)は,コンピュータシステム内において,構造化された様式でデータ
を維持するための汎用的なデータ品質モデルを定義する。この規格で定義されたデータ品質モデルは,
データ品質要求事項の確立,データ品質測定量の定義,又はデータ品質評価の計画及び実施に利用す
ることができる。
5.2.3 品質測定部門
− ISO/IEC 25020(測定参照モデル及び手引)は,品質測定量の要素並びにソフトウェア内部品質・シ
ステム及びソフトウェアの外部品質・利用時の品質の測定量に共通する,概要説明及び参照モデルを
提供する。また,関連する規格(JIS X 0129シリーズ及びJIS X 0133-1)から測定量を選択又は開発
するため,及び適用するための利用者の手引も提供する。発行時点では,この規格はソフトウェアだ
けを対象としていたが,その内容はシステムにも同様に適用される。
− JIS X 25021(品質測定量要素)は,システム又はソフトウェア開発のライフサイクル全体で使用する
ことを意図しているので,一組の推奨する基本測定量及び導出測定量についての定義及び仕様を提供
する。この規格は,ソフトウェア内部品質の測定,システム若しくはソフトウェア外部品質の測定,
又はシステム若しくはソフトウェア利用時の品質の測定のための入力として利用できる測定量の集合
を規定する。
− ISO/IEC 25022(利用時の品質の測定)は,JIS X 25010で定義された特性及び副特性に関して,利用
時の品質を測定するための測定量の集合を規定し,JIS X 25010と併用することを意図している。利用
時の製品の品質測定量の利用のための手引を提供する(ISO/IEC TR 9126-4の全面改正)。
− ISO/IEC 25023(システム及びソフトウェア製品の品質の測定)は,JIS X 25010で定義された特性及
び副特性に関して,製品の品質を定量的に測定するための品質測定量を定義し,JIS X 25010と併用す
ることを意図している(ISO/IEC TR 9126-2,ISO/IEC TR 9126-3の統合及び全面改正)。
− ISO/IEC 25024(データ品質の測定)は,JIS X 25012で定義された特性に関して,データ品質を定量
的に測定するための品質測定量を定義する。
5.2.4 品質要求部門
− JIS X 25030(品質要求事項)は,品質についての要求事項及び推奨事項とともに,品質要求事項を仕
様化するために利用するプロセスについても,要求事項及び手引を提供する。

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X 25000 : 2017 (ISO/IEC 25000 : 2014)
5.2.5 品質評価部門
− JIS X 25040(評価プロセス)は,製品品質の評価のための要求事項及び推奨事項を含み,品質評価と
いう一般概念を明確化する。この規格は,製品品質を評価するためのプロセス記述を提供し,このプ
ロセスを適用するための要求事項を記載している(JIS X 0133-1)。
− JIS X 25041(開発者,取得者及び独立した評価者のための評価手引)は,開発者,取得者及び評価者
のための特定の要求事項及び推奨事項を含む(JIS X 0133-3,JIS X 0133-4及びJIS X 0133-5)。
− ISO/IEC 25045(回復性のための評価モジュール)は,品質モデルの信頼性の副特性である回復性を
評価するための仕様を提供する。一つ以上のソフトウェア製品で構成された情報システムの業務処理
の実行が,連続的に阻害を受けている状況下での,回復力及び自動回復の指標という製品品質の外部
測定量を規定している。
5.2.6 SQuaRE拡張部門
− JIS X 25051[既製ソフトウェア製品(RUSP)に対する品質要求事項及び試験に対する指示]は,RUSP
に対する品質要求事項,すなわち,テスト計画,テスト項目記述及びテスト結果を含めた,RUSPの
テスト実施のためのテスト文書の要求事項,並びにRUSPの適合性評価に対する指示を規定する。
− ISO/IEC TR 25060[使用性のための業界共通様式(CIF)−使用性関連情報に対する汎用的な枠組み]
は,対話型システムの使用性の仕様化及び評価を記述する,業界共通様式(CIF)と名付けた,見込
みのあるファミリ規格を規定する。CIFの枠組み及び内容,定義,並びに枠組みの要素群の関係につ
いて,全体的な概観を提供する。
− ISO/IEC 25062[使用性の試験報告書のための業界共通様式(CIF)]は,JIS Z 8521で定義されたよ
うに,明示された利用状況における有効性,効率性及び満足性に関する使用性のテストから得られた
測定量を報告するために使用されることを意図している。
− ISO/IEC 25063[使用性のための業界共通様式(CIF)−利用状況の記述]は,既存のシステム,意図
されたシステム,設計されたシステム,又は実装されたシステムの利用状況についての,高水準の記
述及び詳細な記述の両方の内容を規定する。
− ISO/IEC 25064[使用性のための業界共通様式(CIF)−利用者ニーズ報告]は,業界共通様式(CIF)
を規定する。この規格は,提供される内容の要素を含め,利用者ニーズを報告するための内容及び事
例の様式についての仕様を提供する。
− ISO/IEC NP 25065[使用性のための業界共通様式(CIF)−利用者要求事項仕様]は,利用者要求事
項仕様化のための,業界共通様式(CIF)を規定する。この規格は,利用者要求事項仕様化の様式及
び内容,並びに構成要素群の関係についての仕様を提供する。
− ISO/IEC 25066[使用性のための業界共通様式(CIF)−使用性評価報告]は,評価報告のための,業
界共通様式(CIF)を規定する。この規格の目的は,構成要素群の定義及びそれらの関係を含め,評
価報告の内容の仕様を提供することである。

5.3 SQuaRE共通モデル

5.3.1  一般
ここでは,SQuaREシリーズの中で使用される全ての共通モデルを示す。これらのモデルは,このシリ
ーズを通して実用的な使いこなしの基盤を形成しているので,全ての専用の規格及び/又は詳細な規格か
らより一層参照される。次のモデルが提供されている。
− SQuaRE一般参照モデル : 利用者作業の役割に応じてSQuaREシリーズの利用方法を案内したもの
− 製品の品質ライフサイクルモデル : システム又はソフトウェアライフサイクルにおける製品の内部品

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X 25000 : 2017 (ISO/IEC 25000 : 2014)
質,外部品質及び利用時の品質について概説したもの
− 品質モデル構造 : 製品の品質を特性,副特性及び品質属性に分類したもの
業務システム
情報システム
ソフトウェア製品
プロセスの対象
ソフトウェア内部品質
ソフトウェア外部品質
利用時の品質
プロセス 要求事項の
評価
仕様化
25030 25022 25041
25023 25045
25024
実行
25021
個別の手引 25001 25020 25040 25001
全般的な手引 25010,25012
25000
図2−SQuaRE一般参照モデル

――――― [JIS X 25000 pdf 15] ―――――

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JIS X 25000:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 25000:2014(IDT)

JIS X 25000:2017の国際規格 ICS 分類一覧