JIS X 25000:2017 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)―SQuaREの指針 | ページ 4

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X 25000 : 2017 (ISO/IEC 25000 : 2014)
5.3.2 SQuaRE一般参照モデル
SQuaRE一般参照モデル(図2)は,利用者がSQuaREシリーズを使いこなすことを助けるために作られ
た。
SQuaREシリーズからの適切な規格及び文書の選択は,利用者の役割及び情報ニーズに依存する。全て
の利用者は,特定の情報ニーズ及び役割に関係する部の規格に加えて,まず全般的な手引(この規格)を
調べることが望ましい。
注記 要求事項仕様化プロセス及び評価プロセスは,まだデータ品質評価について記述していない。
5.3.3 製品の品質ライフサイクルモデル
製品の品質ライフサイクルモデル(図3)は,製品のライフサイクルの三つの主要な段階,すなわち,
開発中の製品,運用中の製品及び利用時の製品における製品の品質を取り扱う。
− ソフトウェア品質の内部測定量は,開発中の製品を対象とする。
− システム及びソフトウェア品質の外部測定量は,運用中の製品を対象とする。
− 利用時の品質測定量は,利用時の製品を対象とする。
図3−製品の品質ライフサイクルモデル
製品の品質ライフサイクルモデルは,次のことも示している。すなわち,製品の品質の実現は,要求事
項,実装及び結果の妥当性確認という品質の各種別に対して,システム又はソフトウェア開発プロセスに
似たプロセスを必要としている。
利用時の品質要求事項は,エンドユーザの視点からの品質の要求水準を仕様化する。これらの要求事項
は,利用状況のニーズから導き出される。利用時の品質要求事項は,利用者によるシステム又はソフトウ
ェア製品の妥当性確認のための目標として使用される。利用時の品質特性のための要求事項は,利用時の
品質測定量を用いる品質要求事項仕様の中に明記し,ソフトウェア製品を評価するときに基準として利用

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することが望ましい。
注記 利用時の品質要求事項は,システム又はソフトウェアの外部品質要求事項を識別し,定義する
ことに寄与する。
システム又はソフトウェアの外部品質要求事項は,外部視点からの品質の要求水準を仕様化する。これ
らは,利用時の品質要求事項を含め,利用者の品質要求事項から導き出された要求事項を含む。システム
又はソフトウェアの外部品質要求事項は,製品の技術的な検証及び妥当性確認のための目標として使用さ
れる。システム又はソフトウェアの外部品質特性に対する要求事項は,外部測定量を用いる品質要求事項
仕様の中で定量的に明記し,ソフトウェア製品を評価するときに基準として利用することが望ましい。
注記1 システム又はソフトウェアの外部品質要求事項は,ソフトウェアの内部品質要求事項を識別
し,定義することに寄与する。
注記2 ソフトウェアの外部品質評価は,利用時の品質を予測するために利用できる。
ソフトウェアの内部品質要求事項は,ソフトウェア製品の内部視点から要求される品質の水準を規定す
る。これらは,システム又はソフトウェアの外部品質要求事項から導き出された要求事項を含む。ソフト
ウェアの内部品質要求事項は,中間ソフトウェア製品の特徴を仕様化するために利用される。また,ソフ
トウェアの内部品質要求事項は,文書類及びマニュアル(取扱説明書)のような引渡し可能で実行できな
いソフトウェア製品に適用してもよい。ソフトウェアの内部品質要求事項は,開発の様々な段階における
検証の対象として利用することができる。また,これらは,開発戦略の定義,並びに開発時の評価及び検
証のための基準の定義に利用することができる。これは,SQuaREシリーズの適用範囲外ではあるが,追
加の測定量(例えば,再利用性に関するもの)の利用を含む。内部品質要求事項は,内部測定量に関して,
定量的に明示することが望ましい。
注記 ソフトウェアの内部品質評価は,ソフトウェアの外部品質を予測するために利用することがで
きる。
5.3.4 品質モデル構造
SQuaRE品質モデルでは,システム及びソフトウェアの品質を特性に分類し,これらの特性を,更に副
特性及び/又は品質属性に分類する。
SQuaRE品質モデルは,三つの部分,すなわち,製品品質のためのモデル,利用時の品質のためのモデ
ル,及びデータ品質のためのモデルから構成される。これらのモデルの詳細は,JIS X 25010及びJIS X
25012で提示する。これらの文書で,製品及びデータの各品質特性及び品質副特性の詳細な定義を提供す
る。

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附属書A
(参考)
SQuaREシリーズと他の規格との関係
A.1 JIS X 0160:2012との関係
JIS X 0160は,明確な専門用語を使用して,ソフトウェアライフサイクルプロセスのための共通的な枠
組みを確立する。JIS X 0160は,ソフトウェア製品の供給・開発・運用・保守において適用される,プロ
セス・アクティビティ・タスクを含んでいる。
開発者は,開発プロセスにおいて,品質特性仕様を含めて,ソフトウェア要求事項を確立し,文書化し
なければならない。品質特性を仕様化するための指針は,JIS X 25010で見つけてもよい。品質要求事項に
対する定量的な目標値を割り当てることを支援するために,ISO/IEC 25022,ISO/IEC 25023及びISO/IEC
25024を利用することができる。SQuaREシリーズも開発プロセスにおいて,中間ソフトウェア製品及び最
終ソフトウェア製品を評価するためにも利用することができる。
A.2 ISO/IEC 15504シリーズとの関係
ISO/IEC 15504シリーズは,SPICEプロジェクトで得られた経験に基づく10部構成のシリーズで,この
うちpart 1part 4がJIS化されている。ISO/IEC 15504シリーズは,ソフトウェアプロセスアセスメント
及びプロセス能力の決定に利用することができる。
最初の基本的な仮定は,ソフトウェア製品の品質が開発に利用するプロセスによって大きく影響される
ということにある。したがって,ソフトウェア製品の品質を向上させるためには,ソフトウェアプロセス
の品質を改善させる必要がある。2番目の仮定は,ソフトウェアプロセスの品質が,このプロセスを明確
に定義し,管理し,測定し,継続的に改善する程度であるということにある。これは,プロセスの能力に
よって表現される。
アセスメントの入力は,JIS X 0145-2のアセスメントの実施で定義する。SQuaREシリーズは,組織の測
定及び組織の品質プロセスをアセスメントするときに参照として利用してもよい。ISO/IEC 15504シリー
ズは手引を提供し,プロセス能力についての測定の枠組み及び次に示す要求事項を識別する。
− アセスメントの実施
− プロセス参照モデル
− プロセスアセスメントモデル
− プロセスアセスメントの適合性検証
A.3 JIS Q 9000ファミリとの関係
次に示すJIS Q 9000ファミリは,供給する製品にかかわらず,全ての業種及び規模の組織が効果的な品
質マネジメントシステムを実施し,運用することを支援するために開発された。
− JIS Q 9000は,品質マネジメントシステムの基本を説明し,品質マネジメントシステムの用語を規定
している。
− ISO/IEC 90003は,JIS Q 9001:2000をコンピュータソフトウェアの購入,供給,開発,運用及び保守
に適用するときの組織への指針を提供している。
− JIS Q 9001は,顧客の要求及び適用する規制要求事項を満たす製品を提供する能力があることの実証

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を組織が必要とする場合に,並びに,顧客満足度の向上を目指す場合に,品質マネジメントシステム
に対する要求事項を特定している。
− JIS Q 9004は,品質マネジメントシステムの有効性及び効率性の双方を考慮した指針を提供している。
JIS Q 9004の目的は,組織の能力の改善,並びに顧客及びその他の利害関係者の満足度の向上にある。
− JIS Q 19011は,品質マネジメントシステム及び/又は環境マネジメントシステムの監査の手引を提供
している。
JIS Q 9000ファミリは,国内取引及び国際取引における相互理解を促進する,整合性のある品質マネジ
メントシステムの規格を構成している。JIS Q 9000ファミリで規定されている品質マネジメントシステム
の要求事項は,ISO/IEC JTC 1/SC 7で規定されているような,製品に対する要求事項を補完している。品
質マネジメントシステムの進め方は,組織が顧客の要求事項を分析すること,顧客が受入れ可能な製品を
達成するのに寄与するプロセスを定義すること,及びこのプロセスを制御下に置くことを奨励している。
品質マネジメントシステムは,顧客満足度を高める可能性を増加させるため,かつ,組織の競争力のある
優位性を向上させるための,継続的な改善の枠組みを提供している。それは,組織及び顧客に対して,一
貫して要求事項を満たす製品を供給することができるという信頼を提供する。
JIS Q 9000は,JIS Q 9000ファミリの主題である品質マネジメントシステムの基本を規定し,関連する
用語を定義する。
JIS Q 9000は,次の組織及び人に適用できる。
a) 品質マネジメントシステムの実施によって,優位を求める組織
b) 製品要求事項が満足されるという信頼感を供給者から得ようとする組織
c) 製品の利用者
d) 品質マネジメントで用いられる用語の相互理解に関心のある人又は組織(例えば,供給者,顧客,規
制当局)
e) 品質マネジメントシステムのアセスメントを行う組織,又はJIS Q 9001の要求事項との適合性につい
て品質マネジメントシステムを監査する組織の内部又は外部の人又は組織(例えば,監査員,規制当
局,認証・審査登録機関)
f) 組織に関する内部又は外部の人で,その組織に適切な品質マネジメントシステムに関して,助言又は
教育・訓練を行う者
g) 関連する規格の作成者
ISO/IEC 90003は,JIS Q 9001:2000をコンピュータソフトウェアの購入,供給,開発,運用及び保守に
適用する場合の,組織に対する指針を規定している。
この指針は,次のようなコンピュータシステムに適用する。
− 他の組織との商用契約の一部としてのコンピュータシステム
− 市場部門での利用可能な製品としてのコンピュータシステム
− 組織のビジネスプロセスの支援をするコンピュータシステム
− ハードウェア製品に組み込まれるソフトウェアとしてのコンピュータシステム
− ソフトウェアの運用,保守及び支援サービスの提供するコンピュータシステム
ISO/IEC JTC 1/SC 7で規定した規格,特に,JIS X 0129シリーズ,JIS X 0160,JIS X 0141及びISO/IEC
15504シリーズにおける,追加的な指針として頻繁に参照されている。
ISO/IEC 90003は,取り扱うことが望ましい課題を識別するが,組織によって使用される技術,ライフ
サイクルモデル,開発プロセス,活動の順序又は組織構造には依存しない。手引及び識別された課題は,

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包括的であることを意図しているが,全てを網羅しているわけではない。組織の活動の範囲にコンピュー
タソフトウェア開発以外の領域を含んでいる場合は,その組織の品質管理システムのコンピュータソフト
ウェア要素と残りの局面との関係を全体として品質管理システムの中に明確に文書化することが望ましい。
JIS Q 9001は,組織に対して,次の場合に,品質マネジメントシステムに対する要求事項を規定する。
− 組織が顧客要求事項及び適用される規制要求事項を満たす製品を一貫して提供することができること
を実証する必要がある場合。
− 組織がシステムの継続的改善のプロセス,並びに顧客要求事項及び適用される規制要求事項への適合
性の保証を含むシステムの効果的な適用を通して,顧客満足の改善を目指す場合。
JIS Q 9001の要求事項は,汎用性があり,業種,規模及び提供する製品にかかわらず,全ての組織に適
用できることを意図している。組織及びその製品の性質によって,JIS Q 9001の要求事項のいずれかが適
用不可能な場合には,その要求事項の除外を考慮してもよいが,このような除外は,明示された要求事項
の一部に限定される。顧客要求事項及び適用可能な規制要求事項を満たす製品を提供するために,このよ
うな除外は正当化されなければならず,組織の能力又は責任に何らかの影響を及ぼしてはならない。
JIS Q 9004は,品質マネジメントシステムの有効性及び効率性の双方を考慮するため,並びに,その結
果として組織の性能(能力)改善の可能性を考慮するため,JIS Q 9001で規定されている要求事項を超え
た手引を提供する。JIS Q 9001と比較すると,顧客満足及び製品品質の目標が拡大されており,利害関係
者の満足及び組織の能力を含んでいる。
注記 JIS Q 9004での“利害関係者”とは,組織の能力又は成功に興味のある個人又は団体をいうと
定義している(例えば,顧客,所有者,組織内の人々,供給者,銀行家,組合,共同経営者又
は社会)。
JIS Q 9004は,組織のプロセスに適用可能であり,結果として,基礎としている品質マネジメントの原
則を組織全体に展開することが可能となる。JIS Q 9004の焦点は,顧客及びその他の利害関係者の満足を
通して測定された,継続する改善を達成することにある。
JIS Q 9004は,指針及び推奨から構成されており,認証,規制又は契約に用いることを意図するもので
はない。また,JIS Q 9001の実施のための手引とすることを意図するものではない。
JIS Q 19011は,品質マネジメントシステム及び環境マネジメントシステムの監査員の能力(適性)と同
様に,監査の原則,監査プログラムの管理,品質マネジメントシステム監査の実施及び環境マネジメント
システム監査の実施に関する指針を提供する。
JIS Q 19011は,ソフトウェア内部品質又はソフトウェア外部品質及び/又は環境マネジメントシステム
監査を,実施及び管理する必要のある全ての組織に適用できる。
JIS Q 19011を他の種別の監査・評価・アセスメントに適用することは,通常は可能であるが,そのよう
な場合,監査チームメンバに必要な能力の定義に特に注意を払うことが望ましい。
A.4 JIS X 0141:2009との関係
SQuaREシリーズは,JIS X 0141と密接な関係がある。なぜならば,測定に関連する定義は,JIS X 0141
と整合しており,かつ,JIS X 0141の測定プロセスは,SQuaREシリーズで定義する評価プロセスに適用
できるからである。
JIS X 0141は,プロジェクト全体又は組織的測定の仕組みの中でソフトウェア測定量をうまく識別し,
定義し,選択し,適用し,妥当性を確認し,改善するために必要な共通のプロセス及びアクティビティを
定義している。プロジェクト環境又は組織環境で,ソフトウェアの技術的情報ニーズ及び管理的情報ニー

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  • ISO/IEC 25000:2014(IDT)

JIS X 25000:2017の国際規格 ICS 分類一覧