JIS X 25023:2018 システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)―システム及びソフトウェア製品の品質の測定 | ページ 3

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X 25023 : 2018 (ISO/IEC 25023 : 2016)
質要求事項を明示するため,又は取得のための適合性を調査するために,合意された要求事
項の一つとして目標値を明示することができる。要求事項仕様書は,通常,開発中に変更及
び改訂され,要求事項仕様書に基づく品質測定量に影響を及ぼす。開発の初期に,利害関係
者又はシステム要求事項から導出される明示的ニーズ及び暗黙のニーズの両方を完全に明示
することが非常に難しいため,明示されるべき要求事項の一部が欠落若しくは矛盾するかも
しれないし,又は目標値の一部が不十分で変更する必要があるかもしれない。このことから,
品質測定量の利用者に期待されることは,開発及び/又は評価期間中に,要求事項仕様書の
発展及び改訂を考慮すること,及び品質測定量測定を一度だけ適用するのではなく反復して
適用することである。
注記3 (平均応答時間のような)幾つかの品質測定量は,単独で解釈することが難しい。理解及び
解釈が容易になるように,次の方法で品質測定量を適用することができる。
a) 適合性 特定のビジネス又は使用上の要求事項と測定量とを比較する(例えば,最大許
容応答時間は0.5秒。)。
b) ベンチマーク 測定量を,同じ目的で使用される同一の又は類似の製品若しくはシステ
ムに対するベンチマークと比較する(例えば,新システムの平均応答時間は旧システム
の平均応答時間未満である。)。
c) 時系列 ある期間にわたって傾向を比較する(例えば,一日の中での平均応答時間がど
のように変化するか。)。

7 品質測定量を記述するために使用される形式

  次の情報を箇条8の表中の各品質測定量に付与している。
a) D 品質測定量の識別コード 各IDは,次の三つの部分から構成される。
− 品質特性を大文字,品質副特性を一文字の大文字及びそれに続く小文字で表現する,省略したアル
ファベットコード[例えば,“PTb”は“Performance efficiency(性能効率性)”の“Time behavior(時
間効率性)”の測定量を示す。]
− 品質副特性の中で順番に付けられた通し番号
− G(一般的な)又はS(特定の)は,品質測定量の適用可能な範囲を示す分類を表す。ここで,一
般的な測定量は適切なときにはいつでも使用することができ,特定の測定量は特別な状況に関係す
るときに使用することができる。
b) 名称 品質測定量の名称
c) 説明 品質測定量によって提供される情報
d) 測定関数 QMEが品質測定量を生成するためにどのように構成されるかを表す数式
注記 品質測定量の測定関数の理解及び適用の助けになるように,品質測定量を構成するために高い
頻度で使用する,有用なQMEを附属書Bに簡潔に明示する。

8 システム及びソフトウェア製品の品質測定量

8.1 一般

  ここでは,JIS X 25010に記述された順で品質特性及び品質副特性ごとに品質測定量を一覧にしている。
内部測定量又は外部測定量として使用されるかどうかによって,品質特性及び評価の評定水準に従って
選択が可能な,異なる評価技術によって品質測定量を使用できる。その結果,箇条8で列挙されている幾

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つかの品質測定量は,設計仕様書の静的なレビュー,又は実行可能な製品の動的分析のような,評価の異
なる段階で使用することができる。
適用してもよい品質測定量は,ここで列挙したものに限定されない。特定の国際規格又はガイドライン
から特定の測定量又は測定を参照することを推奨する。例えば,機能規模測定は,JIS X 0135規格群に規
定されており,精密な時間効率性の測定の例は,JIS X 0136から参照できる。
注記1 品質測定量のこの一覧は最終的なものではなく,この規格の将来版で改正される可能性があ
る。この規格の読者によるフィードバックの提供が望まれる。
注記2 この箇条において,その他の点で言及しない限り,測定量という用語は品質測定量を意味す
る。例えば,“機能適合性の測定量”は,“機能適合性の品質測定量”を意味する。

8.2 機能適合性の測定量

  機能適合性の測定量は,“明示された状況下で使用するとき,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させ
る機能を,製品又はシステムが提供する度合い”を総合評価するために使用する。
注記1 機能適合性は,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満たすかどうかに関わる。
注記2 ここで言及する機能は,JIS X 0135規格群において利用者機能要求事項の中で定義される要
素プロセスになり得る。
注記3 個々の機能項目の数の比率を計算するだけでは,不足している機能性を量的に指し示さない
ようなときには,機能規模のような,より正確さを増すように,結果に重み付けをする方法
を用いた別のQMEを使って,測定量を定義することができる。
8.2.1 機能完全性の測定量
機能完全性の測定量は,“機能の集合が明示された作業及び利用者の目的の全てを網羅する度合い”を総
合評価するために使用される(表1参照)。
表1−機能完全性の測定量
ID 名称 説明 測定関数
FCp-1-G 機能網羅性 明示された機能のうちどのくX=1−A/B
らいの比率で実装されているA=実装されていない機能の数
か。 B=明示された機能の数
注記1 機能は,要求事項仕様書,設計仕様書,ユーザマニュアル又はこれら全てで明示することができる。
注記2 実装されていない機能は,製品が明示された機能を実行する能力がないときに検知される。
8.2.2 機能正確性の測定量
機能正確性の測定量は,“正確さの必要な程度での正しい結果を,製品又はシステムが提供する度合い”
を総合評価するために使用する(表2参照)。

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表2−機能正確性の測定量
ID 名称 説明 測定関数
FCr-1-G 機能正確性 正しい結果を提供する機能はX=1−A/B
どのくらいの比率か。 A=正しい結果が得られない機能の数
B=考慮された機能の数
注記1 正しい結果が得られない機能とは,特定の意図した目的を達成するための,妥当で受容可能な成果物を提
供しない機能のことである。
注記2 評価のために考慮された機能を,製品の全ての機能としてもよく,また,特別な用途に要求される特定の
集合の機能としてもよい。
注記3 開発者又は保守者は,場合によって次のことを行う。
− レビュー又はテストすることによって個々の機能を検査する。
− 要求事項仕様書に定義されているように,特定の目的に適合した成果物を機能がうまく提供している
かどうかを決定する。このような場合,個々の機能ごとに正確性の度合いを決定する。
8.2.3 機能適切性の測定量
機能適切性の測定量は,“明示された作業及び目的の達成を,機能が促進する度合い”を総合評価するた
めに使用する(表3参照)。
表3−機能適切性の測定量
ID 名称 説明 測定関数
FAp-1-G 使用目的に関 利用者が要求する機能のう X=1−A/B
する機能適切 ち,特定の使用目的を達成すA=特定の使用目的を達成するために要求される機能
性 るために適切な成果物を提供の中で,実装されていない機能又は正しい結果が得ら
する機能は,どのくらいの比れない機能の数
率か。 B=特定の使用目的を達成するために要求される機能
の数
注記1 典型的には最も重要な又は最も頻繁に識別される使用目的のために,この機能を考慮する。このように,
この品質測定量は,システムで達成することができる,定義された使用目的それぞれに対し最初に計算さ
れる。次に,システムとしての測定量を提供するために,次項の品質測定量,すなわち,FAp-2-G“システ
ムの機能適切性”を全ての使用目的にわたってまと(纏)めて計算できる。
注記2 この規格の利用者は,利用者の意図する使用において,実際の影響をよりよく理解するために,達成可能
な利用者の目的の比率を測定することも考慮することができる。
FAp-2-G システムの機 利用者がその目的を達成するX A in/
i 1n
能適切性 ために要求される機能のう
ち,適切な成果物を提供するAi=i番目の使用目的に対する適切性の得点,すなわ
ち,i番目の特定の使用目的のために測定された,
機能は,どのくらいの比率か。
FAp-1-Gの値
n=使用目的の数

8.3 性能効率性の測定量

  性能効率性の測定量は,“明記された状態(条件)で使用する資源の量に関係する性能の度合い”を総合
評価するために使用される。資源は,他のソフトウェア製品,システムのソフトウェア及びハードウェア
構成,並びに材料(例えば,印刷用紙,保管媒体)を含むことができる。
注記1 性能効率性の測定量は,データ処理の負荷,使用頻度,接続する拠点の数などの使用条件に
よって強く影響を受け,変動する。したがって,性能効率性の測定量は,仕様で要求された,
誤差の変動の許容範囲をもつ設計値に対する,誤差の変動をもつ見積値又は測定値の比率を
含んでもよい。他のソフトウェア,ネットワークのトラフィック及び計画済みのバックグラ
ウンドで実行される処理プロセスで使用される“CPU”及びメモリといった要因によってな

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される役割を列挙し,精査することを推奨する。見積値又は測定値に対する発生する可能性
のある変動及び妥当な範囲を設定し,要求仕様事項と比較することができる。
注記2 測定対象のタスクが,性能効率性又は容量の測定量の目的に合っているかを識別し,定義す
ることも推奨する。例えば,ビジネスアプリケーション向けのタスクとしてのトランザクシ
ョン処理,通信アプリケーション向けのタスクとして送られるスイッチングパケット及びデ
ータパケット,制御アプリケーション向けのタスクとしてのイベント制御,及び一般利用者
用アプリケーション向けのタスクとしての利用者が呼び出して使用できる機能によって生成
されるデータの出力。
8.3.1 時間効率性の測定量
時間効率性の測定量は,“製品又はシステムの機能を実行するとき,製品又はシステムの応答時間及び処
理時間,並びにスループット速度が要求事項を満足する度合い”を総合評価するために使用される(表4
参照)。
表4−時間効率性の測定量
ID 名称 説明 測定関数
in
PTb-1-G 平均応答時間 システムが利用者の作業又はX A
i 1n
システムのタスクへの応答を
返すまでにどのくらいの平均Ai=i番目の測定時において,システムが特定の利用
時間を要するか。 者の作業又はシステムのタスクに応答を返すのに要
する時間
n=測定された応答の回数
PTb-2-G 応答時間適切 システムの応答時間は,明示X=A/B
性 された目標をどれくらい適切A=PTb-1-Gで測定される平均応答時間
に満たすか。 B=明示された目標応答時間
注記1 測定結果の値は,PTb-1-Gでは小さい方がよく,PTb-2-Gでは1以下がよい。
注記2 応答時間は要求が提出されてから最初の応答が生成されるまでの時間である。すなわち,応答の開始まで
の時間で,応答の出力までの時間ではない。
注記3 この測定量の代わりのものは,想定される負荷状態の下で,n番目の百分位の応答時間である。個々の機能
又は機能の種類にこの測定量を適用することにも役立つ。
PTb-3-G 平均ターンア ジョブ又は非同期プロセスを X Bi Ai n
i 1n
ラウンド時間 完了するまでにどのくらいの
平均時間を要するか。 Ai=ジョブiを開始する時刻
Bi=ジョブiを完了する時刻
n=測定回数
PTb-4-G ターンアラウ ターンアラウンド時間が明示X=A/B
ンド時間適切 した目標をどれくらい満たしA=PTb-3-Gで測定された平均ターンアラウンド時間
性 ているか。 B=明示された目標のターンアラウンド時間
注記1 測定結果の値はより小さい方がよく,1以下がよい。
注記2 パイプライン処理の場合(例えば,複数のシステムが連鎖する場合),パイプラインのそれぞれの段階での
経過時間は考慮される必要があり,一つの段階にボトルネックがあれば,全体のターンアラウンド時間に
影響する。
注記3 明示した処理のデータ量及び/又は負荷量を連動させて,この測定量を用いることを推奨する。

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表4−時間効率性の測定量(続き)
ID 名称 説明 測定関数
PTb-5-G 平均スループ 単位時間内に,処理を完了し X Ai Bi n
i 1n
ット たジョブ数の平均値はどのく
らいか。 Ai=i番目の観測時間中に完了したジョブ数
Bi=i番目の観測時間の期間
n=観測回数
注記1 ジョブは,マイクロプロセッサ操作のような粒度の小さな操作,若しくはトランザクション処理性能評議
会(Transaction Processing Performance Council,TPC)で定義されるような粒度の大きいトランザクション
処理,又は機能のような高次元で抽象化された概念になることができる。したがって,異なった状況で使
用される場合,この測定量の結果は,適切に解釈されることが望ましい。
注記2 平均スループットは,スループットの適切さを計算するために,スループットの目標しきい値と比較する
ことができる。特定の条件下における,このような目標しきい値が,要求事項の一つとして明示された場
合,測定結果の値は1より大きいことが要求される。
8.3.2 資源効率性の測定量
資源効率性の測定量は,“製品又はシステムの機能を実行するとき,製品又はシステムで使用される資源
の量及び種類が要求事項を満足する度合い”を総合評価するために使用される(表5参照)。
表5−資源効率性の測定量
ID 名称 説明 測定関数
PRu-1-G 平均プロセッ 運用操作時間に比較して,指 X Ai Bi n
i 1n
サ使用効率性 定されたタスクの集合の実行
に使用されるプロセッサ時間Ai=i番目の観測中に,指定されたタスクの集合の実
はどのくらいか。 行に実際に使用されたプロセッサ時間
Bi=i番目の観測中に,タスクを実行するために要する
運用操作時間
n=観測回数
注記 測定結果の値は,0より大きい値から1の間になる。通常,小さい方がよい。
PRu-2-G 平均メモリ使 利用可能なメモリ量に比較し X Ai Bi n
i 1n
用効率性 て,指定されたタスクの集合
の実行に使用されるメモリ量Ai=i番目の観測時の対象とした処理のために,指定
は,どのくらいか。 されたタスクの集合の実行に実際に使用されたメモ
リ量
Bi=i番目の観測時の対象とした処理の期間中に,タス
クを実行するために利用可能なメモリ量
n=観測時の対象とした処理の数
注記 測定結果の値は,0より大きい値から1の間になる。通常,小さい方がよい。
PRu-3-G 平均I/Oデバ I/O操作時間に比較して,指定
X Ai Bi n
i 1n
イス使用効率 されたタスクの集合の実行に
性 使用されるI/Oデバイスの占 Ai=i番目の観測時に指定されたタスクの集合の実行
有処理中となる時間は,どれのためにI/Oデバイスが占有処理中になる期間
くらいか。 Bi=i番目の観測時のタスクを実行するためのI/O操作
期間
n=観測回数
注記1 測定結果の値は0より大きく1までの間になる。通常,小さい方がよい。
注記2 占有処理中時間とは,システム又はデバイスが実際に作動している時間帯である。

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JIS X 25023:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 25023:2016(IDT)

JIS X 25023:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 25023:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称