4
X 25040 : 2014 (ISO/IEC 25040 : 2011)
1 適用範囲
この規格は,ソフトウェア製品の品質評価のための要求事項及び推奨事項を含み,一般の概念を明確に
している。この規格は,ソフトウェア製品の品質を評価するためのプロセスの説明を提供し,このプロセ
スを適用するための要求事項を記述している。評価プロセスは,異なる目的及び進め方に対して利用する
ことができる。このプロセスは,事前開発されたソフトウェア,商用既成ソフトウェア又は特注ソフトウ
ェアに対して利用することができ,開発プロセス中又は開発後に利用することができる。
この規格は,評価参照モデルのSQuaREシリーズとの関係を確立するとともに,評価プロセスの活動中
に,各々のSQuaRE規格をどのように利用することが望ましいかを示している。
この規格は,ソフトウェア製品の評価に責任を負う人を意図したものであり,ソフトウェア製品の開発
者,取得者及び独立した評価者にとって適切なものである。これらの三つの立場の異なる進め方は,JIS X
0133-3JIS X 0133-5に詳しく規定されている。
ソフトウェア製品の他の側面の評価(例えば,機能要求,プロセスに対する要求,事業に対する要求な
ど)は,意図していない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO/IEC 25040:2011,Systems and software engineering−Systems and software Quality Requirements
and Evaluation (SQuaRE)−Evaluation process(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2 適合性
この規格の箇条6の要求事項に従う場合,ソフトウェア製品品質の評価は,この規格に適合する。
3 引用規格
この規格に引用規格はない。
4 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
4.1
取得者(acquirer)
供給者から,システム,ソフトウェア製品又はソフトウェアサービスを取得又は調達する個人又は組織。
注記 JIS X 0160:2012を編集。
4.2
分析モデル(analysis model)
一つ以上の基本測定量及び/又は導出測定量を,関連する判断基準に結び付けるアルゴリズム又は計算。
4.3
属性(attribute)
人手又は自動的な手段によって,定量的又は定性的に識別できる実体の固有の特徴又は特性。
注記1 JIS X 0141:2009を編集。
注記2 JIS Q 9000では,属性を二つの種類に識別している。
− あるものの中に本質的に存在する不変の特性
――――― [JIS X 25040 pdf 6] ―――――
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X 25040 : 2014 (ISO/IEC 25040 : 2011)
− 製品,プロセス又はシステムに付与された特性(例えば,製品の価格,製品の所有者)。
付与された特性は,その製品,プロセス又はシステムの固有の品質特性ではない。
4.4
品質測定量を得るための属性(attribute for quality measure)
ソフトウェア製品自体,ソフトウェア製品の使用又はソフトウェア製品の開発プロセスに関わる属性。
注記 品質測定量の属性は,品質測定量要素(QME)を得るために使用する。
4.5
基本測定量(base measure)
単一の属性とそれを定量化するための方法とで定義した測定量。
注記1 基本測定量は,他の測定量と機能的に独立した測定量をいう。
注記2 International vocabulary of basic and general terms in metrology, 1993の定義を編集。
(JIS X 0141:2009)
4.6
商用既製ソフトウェア製品,COTSソフトウェア製品(commercial-off-the-shelf software product)
市場からのニーズを取り入れ,商品として利用でき,かつ,広範囲の一般利用者によって利用に適して
いることが実証されているソフトウェア製品。
4.7
利用状況(context of use)
利用者,仕事,装置(ハードウェア,ソフトウェア及び資材),並びに製品が使用される物理的環境及び
社会的環境。
(JIS Z 8521:1999)
4.8
カスタムソフトウェア(custom software)
特定の用途のために利用者要求事項仕様に基づいて開発されたソフトウェア製品。
4.9
データ(data)
基本測定量,導出測定量及び/又は指標に割り当てられた値の集合。
(JIS X 0141:2009)
4.10
判断基準(decision criteria)
アクション若しくは追加調査の必要性を決めるため又は与えられた結果の信頼度のレベルを記述するた
めに使う,しきい(閾)値,目標又はパターン。
(JIS X 0141:2009)
4.11
導出測定量(derived measure)
複数の基本測定量の値の関数として定義した測定量(JIS X 0141:2009)。
注記1 International vocabulary of basic and general terms in metrology, 1993の定義を編集。
注記2 数学的関数を用いた基本測定量の変換も導出測定量として扱うことができる。
4.12
開発者(developer)
――――― [JIS X 25040 pdf 7] ―――――
6
X 25040 : 2014 (ISO/IEC 25040 : 2011)
ソフトウェアライフサイクルプロセスを通して,開発作業(要求事項分析,設計,受入れテストなどを
含む。)を遂行する個人又は組織。
注記 JIS X 0160:2012を編集。
4.13
規格の部門(division of standards)
規格群の集合であって,相互に補完的な目的にかなうもの。
4.14
エンドユーザ(end user)
システムの成果物から最終的な利益を得る人。
注記 エンドユーザは,ソフトウェア製品の専任の運用操作者又は公共の一員のような一時的な利用
者でもよい。
4.15
実体(entity)
その属性を測定することによって特徴付けが行われる対象。
例 実体としては,プロセス,製品,プロジェクト又は資源がある。
(JIS X 0141:2009)
4.16
評価(evaluation)
実体が明示された基準を満たしている度合いを系統的に測定すること(JIS X 0160:2012)。
4.17
評価範囲(evaluation coverage)
評価がソフトウェア製品の明示された品質要求事項を満たす度合い。
4.18
評価水準(evaluation level)
適用される評価技術及び達成されるべき評価結果として示される,評価中に適用される評価の奥深さ又
は完璧さを定義する厳格さ。
4.19
評価方法(evaluation method)
明示された製品構成要素又は製品全体に適用される手順で,明示された測定結果を得るために,評価者
が実施する活動を記述した手順。
4.20
評価モジュール(evaluation module)
ソフトウェア品質特性,品質副特性又は属性を測定するための評価技術のパッケージ。
注記 評価モジュールは,評価方法及び技法,評価対象入力,測定し収集すべきデータ,並びに支援
手続及びツールを含む。
4.21
評価記録(evaluation records)
評価プロセスで実施された全ての活動及び達成された全ての結果について文書化された客観的な証拠。
4.22
評価依頼者(evaluation requester)
――――― [JIS X 25040 pdf 8] ―――――
7
X 25040 : 2014 (ISO/IEC 25040 : 2011)
評価を依頼する個人又は組織。
4.23
評価ツール(evaluation tool)
データの収集,データの解釈又は評価の一部の自動化のために,評価中に使用される道具。
注記 このようなツールの例としては,コードメトリクスを計算するソースコード分析ツール,形式
モデルを生成するCASEツール,実行可能なプログラムを実行させる試験環境,点検データを
収集するチェックリスト,又は測定量を組み合わせて計算する表計算ソフトがある。
4.24
評価の厳密性(evaluation stringency)
ソフトウェア製品に期待される利用限界を満たすために,ソフトウェア製品の品質特性及び品質副特性
に要求される度合い。
4.25
評価者(evaluator)
評価を行う個人又は組織。
4.26
故障(failure)
要求された機能を遂行する製品の能力を停止すること,又は事前に明示された制限内で要求された機能
を実行することができないこと。
注記 IEEE 610.12-1990を編集。
4.27
障害(fault)
コンピュータープログラム内の不正確なステップ,プロセス又はデータの定義。
(IEEE 610.12-1990)
4.28
機能要求(functional requirement)
システム又はシステムの構成要素が実行できなければならない機能を規定する要求。
(IEEE 610.12-1990)
注記 “機能性”というソフトウェア品質特性は,機能の合目的性,正確性,相互運用性,セキュリ
ティ及び機能性標準適合性の明示又は評価に使用することができる。
4.29
暗黙のニーズ(implied needs)
明示されていないが,事実上のニーズ
注記 暗黙のニーズには,ソフトウェア製品が特定の条件下で利用されたとき初めて明らかになるも
のがある。
例 暗黙のニーズには,次のものがある。
− 明示されていないが,他の明示されたニーズによって,暗示されたニーズ
− 明らかで,いうまでもないとみなされているので提示されないニーズ
4.30
独立した評価者(independent evaluator)
開発者及び取得者から独立して,評価を実施する個人又は組織。
――――― [JIS X 25040 pdf 9] ―――――
8
X 25040 : 2014 (ISO/IEC 25040 : 2011)
注記 評価する対象システムに対する開発者又は取得者として活動する個人又は組織は,システムに
対する独立した評価者となることはできない。独立した評価者は,組織であってもよい。独立
した評価者は,開発者及び取得者から独立している限りは,開発者と同じ組織に所属すること
ができる。
4.31
指標(indicator)
定義された情報ニーズに関するモデルから導出した明示された属性の見積り又は評価を示す測定量。
(JIS X 0141:2009)
注記 JIS X 0133-1では,“他の測定値の見積り又は予測に使うことができる測定値。”と定義してい
た。
4.32
情報ニーズ(information need)
目的,目標,リスク及び問題点を管理するために必要となる見解。
(JIS X 0141:2009)
4.33
情報成果物(information product)
ある情報ニーズを取り扱う一つ以上の指標及びそれらに関連する解釈。
例 欠陥率の実績を予測と比較して,その違いが問題となるかどうかを評価したもの。
(JIS X 0141:2009)
4.34
情報システムニーズ(information system needs)
外部測定量及びときには内部測定量によって,品質要求事項として明示できるニーズ。
4.35
ソフトウェア中間製品(intermediate software product)
ソフトウェア開発プロセスの他の段階の入力として利用されるソフトウェア開発プロセスの製品。
例 ソフトウェア中間製品は,静的及び動的モデル,他の文書並びにソースコードを含んでいる。
4.36
ソフトウェア中間製品へのニーズ(intermediate software product needs)
内部測定量によって品質要求として明示できるニーズ。
4.37
保守者(maintainer)
保守作業を実施する個人又は組織。
注記 JIS X 0160:2012を編集。
4.38
測定量(名詞)[measure(noun)]
測定の結果として値が割り当てられる変数。
注記1 “測定量”という用語は,基本測定量,導出測定量及び指標をまとめて参照するために使用
する。
注記2 JIS X 0133-1:1999を編集。
――――― [JIS X 25040 pdf 10] ―――――
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