JIS X 4151:1992 文書記述言語SGML | ページ 17

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14.3.6 応用規則

 適合システムは,その応用規則をあたかもこの規格の要求であるかのように強制しては
ならない。
備考 応用規則に違反しているときに警告を出しても差し支えないが,その警告は,マークの誤りに
対する報告とは区別できるものでなければならない。

14.4 SGML検定構文解析系

 適合SGMLシステムのSGML構文解析系であって,14.4.114.4.3の要件
を満たすものを,SGML検定構文解析系という。
備考 適合SGMLシステムにSGML検定構文解析系がなくてもよい。したがって,そのシステムで
検定を行うだけの余分な労力をかけるかどうかは,処理系作成者が判断すればよい。例えば,
SGML文書の検定又は整形ができる編集システムをもっている利用者にとっては,清書システ
ムでその文書を処理する際に検定ができる必要がない。

14.4.1 誤りの検出

 SGML検定構文解析系は,報告可能マーク誤りを検出してそれに対する報告を出すこ
とができなければならず,誤りがないときに報告を出してはならない。
SGML検定構文解析系は,選択によって,その他の報告を出してもよい。
備考 この規格は,マークの誤りに対して,その報告についての要件をどう処置するかを規定しない。
特に,誤りのあった文をデータとして扱うべきかどうか,誤りを見つけた後も処理を続けるべ
きかどうかについて,何も規定していない。
SGML検定構文解析系は,誤りの可能性のある状態を警告するが,誤りとしなくてもよい。
例 モデル群中の選択字句である共通識別子が宣言されていない場合,文書中でその要素が出現すれ
ば,誤りとする。

14.4.2 SGML報告

 SGMLマークの誤りに対する報告を,誤りが生じる可能性を検出したときの警告を
含めて,SGML報告という。SGML報告は,そのシステムが出す他の報告と明確に区別できるものでなけ
ればならない。

14.4.3 SGML報告の内容

 SGMLマークの誤りに対する報告は,この規格で許容する報告を含めて,そ
の誤りが訂正できるに足る位置の情報及び種別の情報を述べていなければならない。
備考 この要件は,処理系作成者に,その利用者及びシステムからの要求に答えられるだけの最大の
自由度を残している。詳しくは,参考7を参照のこと。

14.5 文書提供

 この規格は,SGML文書が特定の応用又は構文解析系に依存することなく規格に合致し
ていることにそのすべての階層の利用者が注意を払うとき,初めてその目的を達することができる。適合
SGMLシステム及び適合SGML応用が提供する文書は,この注意を促すものでなければならない。
備考 この要件は,利用者がSGMLシステムから得た知見を他のSGMLシステムにも適用できるよ
うにすることを意図したものであって,親しみやすく読みやすいSGML文書の作成を阻害する
ものではない。

14.5.1 規格表示

 提供する文書には,次の規格表示を行っておかなければならない。
規格表示は,次の(1)(3)に対して,明確に行っておかなければならない。
(1) 提供するすべての文書の表書き(通常は,表紙及び扉)の目立つ場所。
(2) プログラムの名称を表示する画面。
(3) その他,宣伝材,教材など。
応用での規格表示は,次のとおりとする。
An SGML Application Conforming to
International Standard ISO 8879−−

――――― [JIS X 4151 pdf 81] ―――――

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Standard Generalized Markup Language
システムでの規格表示は,次のとおりとする。
An SGML System Conforming to
International Standard ISO 8879−−
Standard Generalized Markup Language
適合SGMLシステムは,そのシステム宣言(14.6参照)を文書として提供しなければならない。

14.5.2 SGML構成要素の表示

 提供する文書では,SGML構成要素と応用規則及びシステム機能とを明
確に区別し,SGML構成要素がこの規格によるものであることを明確に表示しておかなければならない。
備考 この要件は,すべてのSGMLシステムに共通する構成要素と,そのシステム特有の構成要素と
を,利用者に意識させることを意図している。これによって,SGMLの経験者は,短い学習時
間で新しいシステムや応用に対処することができる。
提供するSGML構成要素については,そのシステム又は応用でその仕様を文書として提供しない限り,
その仕様としてこの規格を引用しておかなければならない。例えば,物事を簡単にするため,特定の機構
についてその一部だけを提供する(例えば,実体宣言での選択項目を制限する。)としたら,その他の選択
項目はこの規格のとおりに使うことができることを明確に述べておかなければならない。

14.5.3 用語

 すべてのSGML構成要素は,この規格の用語を使って記述しなければならない。
提供するすべての文書は,この規格での用語を使って記述することが望ましい。そうできない場合でも,
用語は,明確に定義した上で使わなければならないし,提供していない構成要素及びその文書で使ってい
ない構成要素であっても,この規格での用語に抵触してはならない。

14.5.4 変形具象構文

 提供する文書に変形具象構文を使うときは,その旨を明確にしておかなければなら
ないし,その変形具象構文の規則がSGMLそのものであるとしてはならない。

14.6 システム宣言

    システム宣言 =mdo, “SYSTEM”,
ps+,最小表記,
ps+,文書文字集合,
ps+,容量集合,
ps+,機構使用,
ps+,具象構文範囲,
ps+,提供具象構文,
ps+,検定能力,
ps+,SDIF能力,
ps*,mdc −(200)
システム宣言は,そこに使う具象構文及びデータ文字について,SGML宣言と同じ構文上の要件を満た
していなければならない。
システム宣言の最小表記の最小データは,次のとおりとする。
ISO 8879-1986
システム宣言の文書文字集合は,SGML宣言の場合と同様の方法で指定しなければならない。ただし,
文書についての文書文字集合ではなく,そのシステムの文書文字集合を指定しなければならない。システ
ム宣言の文書文字集合は,その提供具象構文引数に記述するすべての具象構文でのすべての重要なSGML
文字に対して,単一のビット組合せの符号化表現を含んでいなければならない。

――――― [JIS X 4151 pdf 82] ―――――

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システム宣言の容量集合引数は,SGML宣言の場合と同様の方法で指定しなければならない。ただし,
文書についての容量要求ではなく,そのシステムの容量値を指定しなければならない。
システム宣言の機構使用引数は,SGML宣言の場合と同様の方法で指定しなければならない。ただし,
文書が使っている機構ではなく,そのシステムが提供する機構を指定しなければならない。
システム宣言の具象構文範囲引数は,SGML宣言の場合と同様の方法で指定しなければならない。ただ
し,文書が二つの具象構文を使っていることを示すのではなく,そのシステムで二つの具象構文が使える
ことを示すものでなければならない。
備考 システム宣言には,そのシステムが処理できるシステムデータの形式やそのデータ内容記法を
注釈として書いておくことが望ましい。

14.6.1 提供具象構文

 この引数は,そのシステムのSGML構文解析系が構文解析することのできる具象
構文又はその許容する変更点を指定する。
提供具象構文 =(ps+,具象構文,
(ps+,具象構文変更点)・)+ −(201)
提供具象構文の具象構文引数は,SGML宣言の場合と同様で,必ず指定しなければならず,構文解析で
きるそれぞれの具象構文について指定しなければならない。その指定する具象構文の一つとして,どんな
具象構文に対しても短縮参照を許容するならば規格参照具象構文を,そうでなければ核具象構文を含まな
ければならない。

14.6.1.1 具象構文変更点

 この引数は,そのシステムが提供する具象構文に若干の変更を加えた具象構文
のうち,そのシステムが構文解析することができるものを指定する。
具象構文変更点 = “CHANGES”,ps+,
(“SWITCHES” |
(“DELIMLEN”,ps+,数,ps+,
“SEQUENCE”,ps+,(“YES” | “NO”),ps+,
“SRCNT”,ps+,数,ps+,
“SRLEN”,ps+,数)) −(202)
具象構文変更点での見出し語の意味は,次の(1)(5)のとおりとする。
(1) WITCHES SGML宣言の “SWITCHES” 引数で指定することができる変更を許容する。
(2) ELIMLEN 一般区切り子機能に対して,その後ろに指定した数の値(1以上とする。)以下の長さ
の文字列を割り当ててもよい。
(3) EQUENCE 短縮参照区切り子の中に空白列があってもよい。 “YES” の場合には,短縮参照区切り
子の中の空白列を長さ1の文字列として扱う。
(4) RCNT 短縮参照区切り子に,その後ろに指定した数の値(0以上とする。)以下の長さの文字
列を割り当ててもよい。
(5) RLEN 新たに短縮参照区切り子に割り当てる文字列の長さが,その後ろに指定した数の値(1
以上とする。)以下でなければならない。

14.6.2 検定能力

 検定能力引数は,そのシステムにSGML検定構文解析系があるかどうかを指定し,更
に,この規格で任意選択としている検定能力についてどれを備えているのかを指定する。
検定能力 = “VALIDATE”,
ps+, “GENERAL”, ps+, (“NO” | “YES”),
ps+, “MODEL”, ps+, (“NO” | “YES”),

――――― [JIS X 4151 pdf 83] ―――――

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ps+, “EXCLUDE”, ps+, (“NO” | “YES”),
ps+, “CAPACITY”, ps+, (“NO” | “YES”),
ps+, “NONSGML”, ps+, (“NO” | “YES”),
ps+, “SGML”, ps+, (“NO” | “YES”),
ps+, “FORMAL”, ps+, (“NO” | “YES”) −(203)
検定能力での見出し語の意味は,次の(1)(9)のとおりとする。
(1) O その検定能力を備えていないこと。
(2) ES その検定能力を備えていること。
(3) ENERAL マークの誤りを検出し報告する能力。
(4) ODEL あいまいな内容モデルを報告する能力。
(5) XCLUDE 内容モデルについて,字句が文脈上必すであるか任意選択であるかを変えてしまう排除
要素の指定を報告する能力。
(6) APACITY 容量についての超過を報告する能力。
(7) ONSGML 非SGML文字が一つでもあったとき,それを報告する能力。
(8) GML SGML宣言の中での誤りを報告する能力。
(9) ORMAL 公的公開識別子の誤りを報告する能力。

14.6.3 SDIF能力

 SDIF能力引数は,そのシステムがISO 9069によるSGML文書交換様式 (SDIF) に従
った文書の交換能力を備えているかどうかを指定する。
SDIF能力 = “SDIF”,
ps+, “PACK”, ps+, (“NO” | (“YES”, (ps+, “ASN1”) ・)),
ps+, “UNPACK”,ps+, (“NO” | (“YES”, (ps+, “ASN1”) ・))
−(204)
SDIF能力での見出し語の意味は,次の(1)(5)のとおりとする。
(1) O そのSDIFの能力を備えていないこと。
(2) ES そのSDIFの能力を備えていること。
(3) ACK 一つ又は複数の実体からSDIFでのデータ流を生成する能力。
(4) NPACK SDIFでのデータ流からその実体を復元する能力。
(5) SNI JIS X 5604によるASN.1基本符号化規則に従った能力。

――――― [JIS X 4151 pdf 84] ―――――

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参考1 SGMLの背景
この参考は,対応国際規格では本体の初めの導入部に相当するが,JISではこれを参考にした。これは,
規定の一部ではない。
1. 序文 ここでは,文書記述言語SGMLの概要を示す。SGMLは,単一の表現媒体による従来の出版か
ら多表現媒体を使用したデータベース出版までの広義の出版に用いられる。さらに,その文書が人間に読
める利点を用いたい場合や,出版システムとの交換が必要となる場合には,通常の文書処理においても
SGMLが使われる。
2. 背景 文書は,各種の要素から成る構造物として抽象的にとらえることができる。例えば,書籍の著
者は,その書籍を段落を含む章及び図見出しを含む図とで構成する。一方その書籍の編集者は,語などを
含む章からなる記述で,書籍を構成する。処理系は,種々の方法で文書の要素を扱う。書式付け処理は,
表題を目立った書体で印字し,段落の間に間隔をつけ,その他視覚的に文書構造及び他の属性とを読者に
伝える。情報検索処理系は,辞書の生成に際して表題中の語に特別な意味(検索属性)を与える。
文書属性とその処理との関係は,現在では明らかであるが,初期の文書処理方式ではあいまいであるこ
とが多かった。自動植字を行う以前には,編集者が原稿に特定処理指令“マーク”を付け,その指令の実
行に際して植字工が必要な書式を生成していた。指示と文書構造との関係は,全く編集者の頭脳の中にあ
るだけであった。
初期の計算機化したシステムは,この方式を踏襲し,機械で読める文書ファイルに対して処理固有の“マ
ーク”を施した。そのマークは,まだ特定の処理指令から構成されていたが,実行する指令は植字工から
離れ,書式付けプログラムの言語の中に存在した。すべてのマークを変えなければ,そのファイルを容易
には別用途に使えず,又は別の計算機システム上での実行も不可能であった。
利用者が高度化し,文書処理系が一層強力になると,この問題を軽減する方法が開発され,マクロ呼出
し又は書式呼出しで,文書中の処理の開始位置が指定可能になった。実際の処理指令は,文書の外の手続
き,マクロ定義又は記録書式に置かれ,そこで処理指令を容易に変更できた。
マクロ呼出しは,文書中の任意位置に置くことができたが,それらは文書要素の始めか終わりに位置す
ることに,利用者は気付き始めた。そこで当然の結果として,特定の処理に対して付けられた名前ではな
く,要素型式の共通識別子としての名前(例えば ”format-17” ではなく,“表題”)をマクロに対して採用
し,共通符号化又は一般化したタグ付けが始まった。
共通符号化は,文書属性及び処理の自然な関係を反映した文書処理自動化への大きな第一歩であった。
1970年始めにおける一般化マーク付けの言語の出現は,共通符号化に形式言語基盤を与え,この勢いを更
に強めた。
3. 一般化マーク付けの言語の特徴
3.1 記述的マーク 文書中の一般化マークの多くは記述的マークであり,それは処理指令とは異なる。
記述的マークは,共通識別子に加え処理指令に影響を与える文書要素の他の属性を含む。処理指令は,ど
のような文書処理言語の中にも存在できるが,通常は文書外の手続きの中に処理指令を集めている。
処理系は,原始文書ファイルの中からマークを捜し,あるマークの文書要素を見つけると,要素及びそ

――――― [JIS X 4151 pdf 85] ―――――

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JIS X 4151:1992の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 8879:1986(MOD)
  • ISO 8879:1986/AMENDMENT 1(MOD)

JIS X 4151:1992の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 4151:1992の関連規格と引用規格一覧