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JIS X 4302:1996 規格概要
この規格 X4302は、JIS X 4301に規定された連続階調静止画像の符号化処理,復合処理及び圧縮データ様式の適合性試験について規定。
JISX4302 規格全文情報
- 規格番号
- JIS X4302
- 規格名称
- 連続階調静止画像のディジタル圧縮及び符号処理―第2部 適合性試験
- 規格名称英語訳
- Information technology -- Digital compression and coding of continuous-tone still images -- Part 2:Compliance testing
- 制定年月日
- 1996年4月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO/IEC 10918-2:1995(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 33.160.01
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1996-04-01 制定日, 2001-03-20 確認日, 2005-12-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS X 4302:1996 PDF [8]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
X 4302-1996
連続階調静止画像のディジタル圧縮及び符号処理−第2部 適合性試験
Information technology−Digital compression and coding ofcontinuous-tone still images−Part 2 : Compliance testing
日本工業規格(日本産業規格)としてのまえがき
この規格は,1995年に第1版として出版されたISO/IEC 10918-2 (Information technology−Digital
compres-sion and coding of continuous-tone still images−Part2 : Compliance testing) を翻訳し,技術的内容を変
更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,4.以降の規定内容は,原国際規格の内容を要約したもの
である。
なお,この規格で下線(点線)を施してある部分は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,JIS X 4301に規定された連続階調静止画像の符号化処理,復号処理及び圧縮
データ様式の適合性試験について規定する。
この規格は,次の事項を規定するとともに実際に次の試験を行う際の指針及び例を示す。
− JIS X 4301の圧縮データ様式の適合性試験。
− JIS X 4301の符号化処理の適合性試験。
− JIS X 4301の復号処理の適合性試験。
− 特定用途向け適合性試験を作成する方法。
この規格は,JIS X 4301の符号化処理及び復号処理の基準となるはん(汎)用の適合性試験を規定する。
これらの適合性試験は,JIS X 4301に規定されている一つ以上の符号化処理及び復号処理を,独立しては
ん(汎)用的に実現したものに適用できる。これらの試験の目的の中には,はん(汎)用符号器(及び復
号器)の実現法が,離散余弦変換 (DCT) 及び量子化関数を十分な精度で計算することを保証することも
含まれる。
2. 引用規格 この規格で引用する規格を,次に示す。これらの規格がこの規格の本体中で引用された場
合には,この規格の規定の一部とみなす。この規格の制定時点では,次の規格が最新規格であるが,改正
されることもあるので,この規格を使う当事者は,最新版を適用できるかどうかを検討するのが望ましい。
ISO 5807 : 1985 Information processing−Documentation symbols and conventions for data, program and
system flowcharts, program network charts and system resources charts
備考 JIS X 0121-1986(情報処理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号)が,この規格
――――― [JIS X 4302 pdf 1] ―――――
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X 4302-1996
と一致している。
ISO/IEC 10918-1 : 1994 Information technology−Digital compression and coding of continuous-tone still
images−Part 1 : Requirements and guidelines
備考 JIS X 4301-1995(連続階調静止画像のディジタル圧縮及び符号処理−第1部 要件及び指針)
が,この規格と一致している。
3. 用語・略語・記号・規則
3.1 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,次のとおりとする。
3.1.1 DCT利用型の基本処理順次符号処理,8ビット標本精度。
(符号)処理1 [(coding) rocess 1]
3.1.2 DCT利用型の拡張順次符号処理,ハフマン符号処理,8ビッ
(符号)処理2 [(coding) rocess 2]
ト標本精度。
3.1.3 DCT利用型の拡張順次符号処理,算術符号処理,8ビット標
(符号)処理3 [(coding) rocess 3]
本精度。
3.1.4 DCT利用型の拡張順次符号処理,ハフマン符号処理,12ビッ
(符号)処理4 [(coding) rocess 4]
ト標本精度。
3.1.5 DCT利用型の拡張順次符号処理,算術符号処理,12ビット標
(符号)処理5 [(coding) rocess 5]
本精度。
3.1.6 (符号)処理6 [(coding) rocess 6]周波数選択だけの符号処理,ハフマン符号処理,8ビット標
本精度。
3.1.7 周波数選択だけの符号処理,算術符号処理,8ビット標本精
(符号)処理7 [(coding) rocess 7]
度。
3.1.8 周波数選択だけの符号処理,ハフマン符号処理,12ビット標
(符号)処理8 [(coding) rocess 8]
本精度。
3.1.9 周波数選択だけの符号処理,算術符号処理,12ビット標本精
(符号)処理9 [(coding) rocess 9]
度。
完全段階処理の符号処理,ハフマン符号処理,8ビット標
3.1.10 (符号)処理10 [(coding) rocess 10]
本精度。
完全段階処理の符号処理,算術符号処理,8ビット標本精
3.1.11 (符号)処理11 [(coding) rocess 11]
度。
3.1.12 (符号)処理12 [(codmg) rocess 12]完全段階処理の符号処理,ハフマン符号処理,12ビット標
本精度。
完全段階処理の符号処理,算術符号処理,12ビット標本精
3.1.13 (符号)処理13 [(coding) rocess 13]
度。
可逆符号処理,ハフマン符号処理,216ビット標本精度。
3.1.14 (符号)処理14 [(coding) rocess 14]
可逆符号処理,算術符号処理,216ビット標本精度。
3.1.15 (符号)処理15 [(coding) rocess 15]
DCT利用型の拡張順次符号処理,ハフマン符号処理,階層
3.1.16 (符号)処理16 [(coding) rocess 16]
型モードにおける8ビット標本精度。
DCT利用型の拡張順次符号処理,算術符号処理,階層型モ
3.1.17 (符号)処理17 [(coding) rocess 17]
ードにおける8ビット標本精度。
――――― [JIS X 4302 pdf 2] ―――――
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X 4302-1996
DCT利用型の拡張順次符号処理,ハフマン符号処理,階層
3.1.18 (符号)処理18 [(coding) rocess 18]
型モードにおける12ビット標本精度。
DCT利用型の拡張順次符号処理,算術符号処理,階層型モ
3.1.19 (符号)処理19 [(coding) rocess 19]
ードにおける12ビット標本精度。
周波数選択だけの符号処理,ハフマン符号処理,階層型モ
3.1.20 (符号)処理20 [(coding) rocess 20]
ードにおける8ビット標本精度。
周波数選択だけの符号処理,算術符号処理,階層型モード
3.1.21 (符号)処理21 [(coding) rocess 21]
における8ビット標本精度。
周波数選択だけの符号処理,ハフマン符号処理,階層型モ
3.1.22 (符号)処理22 [(coding) rocess 22]
ドにおける12ビット標本精度。
周波数選択だけの符号処理,算術符号処理,階層型モード
3.1.23 (符号)処理23 [(coding) rocess 23]
における12ビット標本精度。
完全段階処理の符号処理,ハフマン符号処理,階層型モー
3.1.24 (符号)処理24 [(coding) rocess 24]
ドにおける8ビット標本精度。
完全段階処理の符号処理,算術符号処理,階層型モードに
3.1.25 (符号)処理25 [(coding) rocess 25]
おける8ビット標本精度。
完全段階処理の符号処理,ハフマン符号処理,階層型モー
3.1.26 (符号)処理26 [(coding) rocess 26]
ドにおける12ビット標本精度。
完全段階処理の符号処理,算術符号処理,階層型モードに
3.1.27 (符号)処理27 [(coding) rocess 27]
おける12ビット標本精度。
可逆符号処理,ハフマン符号処理,階層型モードにおける
3.1.28 (符号)処理28 [(coding) rocess 28]
2から16ビット標本精度。
可逆符号処理,算術符号処理,階層型モードにおける2
3.1.29 (符号)処理29 [(coding) rocess 29]
16ビット標本精度。
符号化処理,圧縮データ列又は復号処理を具体化したものが,JIS X
3.1.30 適合性試験 (compliance test)
4301に適合するか否かを決定するために用いる,この規格で規定する処理手順。
特定の符号処理を試験
3.1.31 圧縮画像試験データ(ストリーム) [compressed image test data (stream) ]
するために生成した圧縮画像データ(適合性試験データの一部として配布される。)。
特定の符号
3.1.32 圧縮画像妥当性確認データ(ストリーム) [compressed image validation data (stream) ]
処理の妥当性確認のために生成した圧縮画像データ(適合性試験データの一部として配布される。)。
圧縮画像試験データ若しくは表指
3.1.33 圧縮試験データ(ストリーム) [compressed test data (stream) ]
定試験データのいずれか,又は両方。
DCT利用型の復号器適合性試験で使用する圧
3.1.34 復号器基準試験データ (decoder reference test data)
縮画像試験データを入力とした基準復号器の再生画像データ出力から基準FDCT及び基準量子化器を用い
て生成した量子化DCT係数データ。量子化DCT係数データの形式は,各成分ごとのファイルである。各
成分は,左から右,上から下の順序で格納された8×8ブロックの2次元配列である。各8×8ブロックは,
ジグザク順序で格納された64個の係数をもつ。各係数は,最上位バイトが先頭の2バイトで表現される。
このデータは,画像の右及び下のMCUを完成させるために埋められたブロックを含む(適合性試験デー
タの一部として配布される。)。
――――― [JIS X 4302 pdf 3] ―――――
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X 4302-1996
DCT利用型の符号器適合性試験で使用する原
3.1.35 符号器基準試験データ (encoder reference test data)
画像試験データから基準FDCT及び基準量子化器を用いて生成した量子化DCT係数データ(適合性試験
データの一部として配布される。)。
広範囲な応用に使用可能,つまり応用に依存しない。
3.1.36 はん(汎)用 (generic)
JIS X 4301の図A.5に図示された2次元行列形式。
3.1.37 直交表現 (orthogonal representation)
DCT利用型の符号器妥当性試
3.1.38 量子化係数妥当性確認データ (quantized coefficient validation data)
験で使用する原画像妥当性確認試験データから生成された量子化されたDCT係数データ(適合性試験デー
タの一部として配布される。)。
3.1.39 DCT利用型の基準復号器 (reference DCT−based decoder) 復号器基準試験データを生成する
DCT利用型の復号処理を具体化したもの。エントロピー復号器,逆量子化器及び基準IDCTで構成する。
3.1.40 DCT利用型の基準符号器 (reference DCT−based encoder) DCT利用型の圧縮画像試験データス
トリームを生成するDCT利用型の符号化処理を具体化したもの。基準FDCT,基準量子化器及びエントロ
ピー符号器で構成する。
JIS
3.1.41 基準正離散余弦変換,基準FDCT (reference forward discrete cosine transform ; reference FDCT)
X 4301のA.3.3に示すFDCTを倍精度(64ビット)浮動小数点で具体化したもの。
JIS X
3.1.42 基準逆離散余弦変換,基準IDCT (reference inverse discrete cosine transform ; reference IDCT)
4301のA.3.3に示すIDCTを倍精度(64ビット)浮動小数点で具体化したもの。
3.1.43 基準量子化器 (reference quantizer) JIS X 4301のA.3.4に示す量子化を具体化したもの。
符号器適合性試験の入力として使用するデータ集合。
3.1.44 原画像試験データ (source image test data)
このデータは,0255の範囲にわたり均一に分布するように生成した一連の疑似乱数である。このデータ
を生成するために使用するアルゴリズムは,CCITT勧告H.261の附属書1に示されている(このデータは,
適合性試験データの一部として配布される。)。
簡易様式圧縮データにお
3.1.45 表指定試験データ(ストリーム) [table specification test data (stream) ]
ける復号器の適合性試験のために生成した表指定データ(適合性試験データの一部として配布される。)。
3.2 略語 この規格で用いる略語は,次のとおりとする。
3.2.1 arith.算術符号処理 (arithmetic coding) の略語。
3.2.2 Huff. ハフマン符号処理 (Huffman coding) の略語。
3.3 記号 この規格で用いる記号は,次のとおりとする。
3.3.1 Bij 附属書Bで規定する量子化表の,i行j列の量子化幅。附属書Eで現れる。
3.3.2 DF 差分フレームフラグ。5.の中の流れ図で現れる。
3.3.3 Eij 附属書Eで定義する高精度用の試験で用いる量子化表の,i行j列の量子化幅。
3.3.4 F 附属書E.1の定義によって,BijからEijを求めるために用いるスケールファクタ。
3.3.5 FS フレームフラグ内の第一の走査。5.の中の流れ図で現れる。
3.3.6 G 圧縮データ内で保証されている。5.の中の表で現れる。
3.3.7 H-L 階層型可逆処理。表G.1で現れる。
3.3.8 H-S 最終の可逆走査のない階層型DCT利用型の順次処理。表G.1で現れる。
3.3.9 HP 階層型段階処理フラグ。5.の中の流れ図で現れる。
3.3.10 LL 可逆処理。表G.1で現れる。
3.3.11 o 圧縮データ内で任意選択である。5.の中の表で現れる。
――――― [JIS X 4302 pdf 4] ―――――
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X 4302-1996
3.3.12 P (FULL) 周波数選択及び逐次近似の両方を用いた,DCT利用型の完全段階処理。表G.1で現れ
る。
3.3.13 P (SA) 逐次近似を用いた,DCT利用型の段階処理。表G.1で現れる。
3.3.14 P (SS) 周波数選択を用いた,DCT利用型の段階処理。表G.1で現れる。
3.3.15 RI 符号化再初期化間隔フラグ。5.の中の流れ図で現れる。
3.3.16 S (B) 順次DCT利用型の基本処理。表G.1で現れる。
3.3.17 S (E) 順次DCT利用型の拡張処理。表G.1で現れる。
3.4 表記法 この規格では,流れ図をISO 5807の規約に従って描く。ただし,左から右又は上から下の
流れに対して,規定では矢印を必要としないが,より明確にするために矢印を付けることがある。
4. 概要 この規格は,JIS X 4301で規定された要素の適合性試験に関して規定する。はん(汎)用要素
と応用に特有な要素との差異を明確にするとともに,適合性試験そのものを規定している。
また,適合性試験では,JIS X 4301による圧縮データストリームについても規定する。
ここでは,この規格及びこの規格の基となる原理の概要を示すとともに,3.で定義した用語についても,
その幾つかを紹介する。
5. 圧縮データ様式の適合性試験 圧縮データがJIS X 4301に適合しているか否かを決定するためには,
ここで規定する共通手順を利用して,その手順を実行しなければならない。異なる圧縮データストリーム
単位に5種類の手順が存在する。
a) 階層型でない処理で符号化された交換様式の圧縮画像データ。
b) 階層型処理で符号化された交換様式の圧縮画像データ。
c) 階層型でない処理で符号化された簡易様式の圧縮画像データ。
d) 階層型処理で符号化された簡易様式の圧縮画像データ。
e) 表指定のための簡易様式の圧縮データ(5.3参照)。
上の種類の圧縮データに関して,29種類の符号処理がJIS X 4301の附属書のF,G,H及びJで定義さ
れている。それらは,この規格の3.1(用語の定義)において129の整数 (n) を用いて“(符号)処理n”
として定義される。
6. 符号器適合性試験 符号器が,JIS X 4301の符号化処理に適合しているとみなされるためには,JIS X
4301の6.に規定された必要条件を満たし,かつ,この規格の,符号化処理の精度に関して定義される適合
性試験の必要条件を満たさなければならない。
7. 復号器適合性試験 復号器が,JIS X 4301の復号処理に適合しているとみなされるためには,JIS X
4301の7.に規定された必要条件を満たし,かつ,この規格の,復号処理の精度に関して定義される適合性
試験の必要条件を満たさなければならない。
附属書A(規定) はん(汎)用符号器及び復号器の適合性を判断するための手順 この規格で定義する
適合性試験では,試験する機器によって作成された出力データと基準データとの差が一定の範囲内に納ま
る必要がある。DCT利用型処理用の適合性試験と可逆処理用の適合性試験とは別々に定義される。DCT
利用型処理の適合性試験は,基本的に量子化されたDCTデータの比較によって行う。すなわち,符号器の
――――― [JIS X 4302 pdf 5] ―――――
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JIS X 4302:1996の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 10918-2:1995(MOD)
JIS X 4302:1996の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.160 : オーディオ,ビデオ及びAV技術 > 33.160.01 : オーディオ,ビデオ及びAV技術一般