JIS X 6283:2009 情報交換用120mmリライタブル光ディスク(CD-RW) | ページ 19

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附属書H
(参考)
アドレッシング方式1及びアドレッシング方式2の使用

序文

  この附属書は,アドレッシング方式について記載するものであって,規定の一部ではない。
H.1 アドレッシング方式
アドレッシング方式は,論理的ブロック番号 (LBN) とブロックヘッダ中のブロックアドレスとの関係
で規定する。方式には次の二つがある。
方式1 LBN=([(MIN×60)+SEC]×75+FRAMES)−150
方式2 トラック中の最初の利用者データブロックまでのLBNは,次の式に従って計算される。
LBN=([(MIN×60)+SEC]×75+FRAMES)−150
その後に続くすべてのLBNは,そのトラック中のすべての利用者データブロックをカウントすることに
よって計算される。これは,ランインブロック,ランアウトブロック及びリンクブロックのすべてが除か
れることを意味する。
基本的に,方式1はディスク全体に使用される。固定パケットでインクリメンタル記録されたトラック
の中だけ,方式2が使用される。可変パケットでインクリメンタル記録されたトラックは方式1だけが使
用できる。
ディスク全体に対して,各トラックの最初のブロックは,方式1に従ってアドレスをもつ。これは,固
定パケットでインクリメンタル記録されたトラックの終端と次のトラックとの間に, 論理的セクタのアド
レッシングに不連続があり得ることを意味する。これを,図H.1のアドレッシング方式1及びアドレッシ
ング方式2の例に示す。
トラック番号1は中断なく記録するためアドレッシング方式1を使う。トラック2は固定パケットサイ
ズでインクリメンタル記録するため(最初の利用者データブロックの後の)トラックの中でアドレッシン
グ方式2を使う。
トラック2のプリギャップは別に記録するので,このプリギャップの末尾にリンクポイントがある。最
初の利用者データをもつ最初のブロックに先行するリンクブロック及び4個のランインブロックを,プリ
ギャップに含む。トラック2の最後のLBNは,(方式2に従って)9 383とする。
トラック3の最初のLBNは,(方式1に従って)9 550とする。それで,トラック2とトラック3との間
のブロック番号は不連続となる。

――――― [JIS X 6283 pdf 91] ―――――

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トラック1 トラック2 トラック3
連続記録 プリギャップ 固定長 パケット プリギャップ
9 550
リンク 5ブロック
2ブロック
9 405
9 400 リンク
9 383
リンク
9 255
7ブロック
9 127
7ブロック
リンク
各128
9 000 ブロック
8 993
7ブロック
リンク
8 850
LBN
00:02:00 02:01:68 02:03:60 02:05:45 02:07:25 02:09:25
02:00:00 02:02:00 02:07:30
TOC TOC
ヘッダ番地
注記 上図の縮尺は一様ではない。
LBN : 論理ブロック番号
リンク : 2×RO+LB+4×RI
RO : ランアウトブロック
LB : リンクブロック
RI : ランインブロック
TOC : 目次情報
図H.1−アドレッシング方法1及びアドレッシング方法2の例

――――― [JIS X 6283 pdf 92] ―――――

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附属書I
(参考)
グルーブのウォブル振幅の測定

序文

  この附属書は,グルーブのウォブル振幅の測定について記載するものであって,規定の一部ではない。
I.1 正規化したウォブル信号と実際のウォブルグルーブとの関係
ウォブルグルーブの振幅は30 nmほどの大きさであり,直接測定することは困難である。しかし,この
値は,正規化したウォブル信号から計算可能である。この計算の正当性についての理論的根拠を,次に示
す。
ウォブル信号(3.1参照)は,次の式で表すことができる。
2 a
Iw A sin (I.1)
p
ここに, Iw : ウォブル信号
a : ウォブルの振幅 (nm)
p : トラックサーボ信号のトラックピッチ
A : トラックエラー信号のピーク値
図I.1及び図I.2 に上記の係数,a,p,A,Iwの物理的意味を示す。
グルーブの平均化した中心位置を原点“0”とすると,実際の中心との距離のピーク値がウォブル振幅a
となる。ここで正規化されたウォブル信号は,次のように定義できる。
Iw ms Iw sin 2( a/ p)
(I.2)
(I1 I2 ) p2 A 2 2 2
ここに, Iw−ms=Iw /2
(I1−I2) pp=2×A
式(I.2)は,表3.2.1の項目5に対応する。
I.2 正規化ウォブル信号の公差について
正規化ウォブル信号に対する上式から,表3.2.1の項目5に与えられている公差は,与えられたトラック
ピッチp=1.6 μmの溝に対して実際のnm値に換算が可能である。すなわち,
規格下限値0.035は25 nmに相当する。
規格上限値0.060は43 nmに相当する。
I.3 測定時の指針
ウォブル信号及びプッシュプル信号はフィルタリングして測定するのが望ましい。ウォブル信号は10
30 kHzの帯域通過フィルタを,プッシュプル信号は5 kHzの低域通過フィルタを通す。ディスクの突発的
な欠陥の影響を最小限にするようにプッシュプル信号を平均化するのがよい。
ウォブル信号の測定は,ウォブルしているグルーブと隣接するグルーブが同相になっている場所で行う
のが望ましい。ここではウォブル振幅が最小となり1倍速回転時に1±0.4 Hz周期で繰り返される。この

――――― [JIS X 6283 pdf 93] ―――――

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場合,干渉によるウォブル信号の振幅は増加しない。
p
A
Iw
0
半径方向
a
ランド グルーブ ランド
図I.1−トラックサーボエラー信号
接線方向
実際の中央線
a
ウォブル振幅
平均化した中心線
図I.2−ウォブルグルーブ

――――― [JIS X 6283 pdf 94] ―――――

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附属書J
(参考)
結合ビット付きEFMコード

序文

  この附属書は,結合ビット付きEFMコードの構成を示し,規定の一部ではない。
注記 この附属書は,JIS S 8605の附属書1を引用した。
J.1 構成例1
結合ビット(3チャネルビット)付きEFMコードの構成例1を図J.1に示す。
3ビットの結合ビットのうち,いずれか一つでエクストラトランジションを行うことができる。ただし,
その場合Tminに関する条件には影響を与えない。結合ビットには,いかなるデータも入れてはならない。
二つのブロック間の最大ランレングスは,Tmaxで制限される。
注* NRZ信号のトランジション位置を示す信号
図J.1−結合ビット付きEFMコードの構成例1
J.2 構成例2
結合ビット(3チャネルビット)付きEFMコードの構成例2を図J.2に示す。
ランレングスをTmaxに制限するには,結合ビットに一つのエクストラトランジションを与えなければな
らない。
図J.2−結合ビット付きEFMコードの構成例2

――――― [JIS X 6283 pdf 95] ―――――

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JIS X 6283:2009の国際規格 ICS 分類一覧

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