JIS X 6320-6:2006 ICカード―第6部:交換のための産業間共通データ要素 | ページ 2

4
X 6320-6 : 2006 (ISO/IEC 7816-6 : 2004)

6.4 暗証番号データ使用指針

 タグ“5F2F”を用いて参照するこの共通データ要素は,2バイトで構成する。
PIN(暗証番号,Personal Identification Number)が現在の取引に適用可能かどうか,そして,端末がPINの入
力を促すべきかどうかを決定するために,端末によって実行される検査を示す。最初のバイトのビット8
が1に設定される場合には,PINがこのアプリケーションに適用されること及び端末がPIN入力を促すべ
きことを示す。その他の15ビットの意味は,アプリケーションに依存する。すべてのビットが0に設定さ
れるとき,端末はPINの入力を促さない。最初のバイトのビット8が1に設定されているとき(PINが要求
される場合),又はPINを必要とするすべての検査においてPINを示すことができないとき,実行する処
理は,アプリケーションに依存する。

6.5 ログインテンプレート

 タグ“6A”を用いて参照するこの共通テンプレートは,一つ以上の基本デー
タオブジェクトから構成する。ログインテンプレートにおいて,状況依存クラス(第1バイトが“80”“BF”
の範囲)は,表1に記載され,ここで規定する。修飾子,番号,テキスト及び遅延指標のようなログインデ
ータオブジェクトのために予約する。
表 1 ログインデータオブジェクト
タグ 意味
“6A” 次のタグのログインデータオブジェクトを入れ子にする共通テンプレート
“80” 修飾子
“81” 番号
“82” テキスト
遅延指標
“83”,“84”
ISO/IEC JTC 1/SC 17が,状況依存クラス(第1バイトが“80”“BF”の範囲)はログインデータ
としており,他のデータオブジェクトも予約している。
− 修飾子 ログインテンプレートのタグ“80”を用いて参照するこのデータ要素は,19バイトで構成
する。優先順位を符号化する先頭バイトは必す(須)とし,その後に8バイト以下の簡略符号の任意
選択バイトが続く。修飾子は,次に修飾子が現れるまで,テンプレート内の後続するデータオブジ
ェクトを修飾する。
・ 優先順位は,0から255までの整数値とする。二つ以上の修飾子が同一の優先順位をもってい
る場合には,最も直近の修飾子によって修飾されたデータオブジェクトの組合せだけを有効と
する。
・ 簡略符号は,マンマシンインタフェースで表示する8バイト以内の7ビットの文字(ビット8を
0に設定,ISO/IEC 646[2]参照)からなる文字列とする。
− 番号 ログインテンプレートのタグ“81”を用いて参照するこのデータ要素は,偶数個の4ビットで
構成し,各4ビットは電話番号を表す1文字を表2によって符号化する。
表 2 電話番号
4ビット 文字 意味
“0” “9” 0 9 10進数
“A” ( 開き括弧
“B” ) 閉じ括弧
“C” C 継続前にライン接続を要求
“D” + 国際電話番号導入子
“E” - 先頭にある場合,接頭辞なしで使用する番号の導入子
先頭にない場合,継続前に遅延(2秒)要求
“F” パディングに使う。
− テキスト ログインテンプレート中のタグ“82”を用いて参照するこのデータ要素は,各バイトが一

――――― [JIS X 6320-6 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
X 6320-6 : 2006 (ISO/IEC 7816-6 : 2004)
つの文字を符号化する1バイト以上で構成する。ビット8には,データ文字(ビット8を0に設定)
と制御文字(ビット8を1に設定)との間の違いを設定する。バイト列は,制御文字の列によって分
離された一つ以上のデータ文字(7ビット文字,ISO/IEC 646[2]参照)列で構成する。次の制御文字を
定義する。
・ “80” 次の文字の送出前に,メッセージを受けとる。
・ “C0” 次の文字の送出前に,変更が存在する。
・ “8X” メッセージを待つ前に,X個の文字をエコーとして受けとる。
− 遅延指標 ログインテンプレートのタグ“83”又は“84”を用いて参照するこのデータ要素は,表3で
規定するように1バイトで構成する。
・ 存在する場合,タグ“83”の遅延指標データオブジェクトは,メッセージ終了検知のための時間
を確定する。省略時は2秒とする。
・ 存在する場合,タグ“84”の遅延指標データオブジェクトは,応答欠如検知のための時間を確定
する。省略時は60秒とする。
表 3 遅延指標バイト
b8 b7 b5 b4 b3 b2 b1 意味
0 0 他の値はISO/IEC JTC 1/SC 17によって将来の利用のために予約
- - X x - - - - 時間単位
- - 0 0 - - - - --100ms
- - 0 1 - - - - --1s
- - 1 0 - - - - --10s
- - 1 1 - - - - --100s
X X X X 015までの時間単位の数

6.6 氏名テンプレート

 タグ“6B”を用いて参照するこの共通テンプレートの構成は,次による。
− 条件付き氏名の表現を規定する規格の一つ以上のオブジェクト識別子(タグ“06”)。
− 氏名(タグ“80”又は“A0”),前述の規格によって定義される値及び符号化。
− 他の関連する任意選択の情報(例えば,性別,国籍,出生地)。

6.7 カード保有者イメージテンプレート

 タグ“6C”を用いて参照するこの共通テンプレートは,ここで
規定するデータオブジェクトを少なくとも一つ含む。多分,データオブジェクト形式に責任をもつ機関を
識別するタグ割付け機関指標(ISO/IEC 7816-4参照)が先行する。
− カード保有者生物学的計量データ タグ“5F2E”を用いて参照するこの共通データ要素は,カードを
提示する人物が本人であることを検証するための生物学的計量データを含んでいる。生物学的計量
データの例としては,指紋,掌紋,声紋,動的な署名などがある。
− カード保有者顔写真 タグ“5F40”を用いて参照するこの共通データ要素は,ある機関が規定及び/
又は要求している場合を除き,ISO/IEC 10918-1[15]で規定する様式に従って表現する。
− カード保有者手書き署名イメージ タグ“5F43”を用いて参照するこの共通データ要素は,ある機関
が規定及び/又は要求している場合を除き,ISO/IEC 11544[16]で規定する様式に従って表現する。
備考 この共通データオブジェクトの使用は適切なセキュリティ対策に関係する。
生物学的計量方法による個人の検証についての更なる詳細情報は,ISO/IEC 7816-11を参照してもよい。

6.8 アプリケーションイメージテンプレート

 タグ“6D”を用いて参照するこの共通テンプレートは,タ
グ“5F44”のアプリケーションイメージ(例えば,アイコン,アプリケーションと関係するロゴなど)を少
なくとも一つ含む。

――――― [JIS X 6320-6 pdf 7] ―――――

6
X 6320-6 : 2006 (ISO/IEC 7816-6 : 2004)
さらに,それは,アプリケーションイメージのデータ形式に責任をもつ機関を識別する機関指標
(ISO/IEC 7816-4参照)を含んでいてもよい。機関指標がない場合,形式は,ISO/IEC 10918-1[15]の定義に従
う。

6.9 表示制御テンプレート

 タグ“7F20”を用いて参照するこの共通テンプレートは,一つ以上のデータ
オブジェクトを含んでいてもよい。直接又は間接的にテンプレートに含まれるデータオブジェクトの値は,
表示することを意図したものでなく,伝送処理に関連するのであれば,そのためだけに使われるべきであ
る。

7. IC製造者の識別

7.1 一般

 ここでは,外部端子付き及び/又は外部端子なしICカードに埋め込まれているIC製造者を
識別するために,次のことを規定する。
− IC製造者識別子用の付番制度
− IC製造者の登録規則,及び識別子の割当て規則
IC製造者識別子の割当て値は,ISO/IEC JTC 1/SC 17の常備書類5(SC 17 Standing Document 5)として公
表される登録簿を構成する。
番号申込みは,ISO/IEC 7816-6のANNEX Aを用いる。

7.2 識別子

 識別子は,タグ“5F4D”を用いて参照され,個別利用の方式では事前に発行したデータの中
に存在してもよい(管理情報バイトのコンパクトヘッダ“6Y” 及び EF.ATR内の共通タグ“46”)。
備考 ISO/IEC 7816-6の第1版に対する追補1では,“5F4B”は,IC製造者識別子(1バイトのデータ
要素)を参照している。ISO/IEC 7816-9の第1版では,“5F4B”は,証明書所有者認可(5バイト
以上のデータ要素) を参照している。したがって,タグ“5F4B”は,二つのデータ要素として定
義されたことになり,現在ISO/IEC 7816では非推奨とされている。
識別子は,値“FF”は将来の拡張のために予約しているので,すべてのビットが1に設定されていない1
バイトで構成する。1バイトより長い識別子は,ISO/IEC JTC 1/SC 17によって将来の使用のために予約す
る。
識別子バイトは,表4に従って使用する。
表 4 識別子バイト
値 意味
“00” ISO/IEC JTC 1/SC 17によって将来利用のために予約
“01” “7E” 登録用に予約
“7F”,“80” ISO/IEC JTC 1/SC 17によって将来利用のために予約
“81” “FE” 個別利用
“FF” ISO/IEC JTC 1/SC 17によって将来拡張のために予約

7.3 割当て規則

 ISO/IEC JTC 1/SC 17では,次の規則によって(“01”“7E”の範囲で)   IC製造者識別子を
割当て登録する。
a) 割当ては,任意のIC製造者又は任意の関与団体の要求に対して行われる。
b) 附属書Aに収録されている様式は,割当てを要求するために使用する。
c) 各製造者に単一の番号を割り当てる(次の利用可能な番号)。
d) 割当て値は,SC 17の常備書類5で提供する登録様式に記載する。
e) 要求に従って,SC 17の常備書類5を,更新する。
f) SC 17/WG 4は,12か月の周期で,正確をきすためにSC 17の常備書類5の内容を確認する。

――――― [JIS X 6320-6 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
X 6320-6 : 2006 (ISO/IEC 7816-6 : 2004)
g) C17の常備書類5の写しは,SC17ウェブサイト(http://www.sc17.com/)で参照可能とする。
備考 SC 17事務局 : Mrs F. Bennett, APACS, Mercury House, Triton Court, 14 Finsbury Square, London
EC2 1LQ, UK E-mail: freda.bennett@apacs.org.uk

8. 交換プロファイル

 カードの交換プロファイルに関連したデータオブジェクトの規定(例えば,利用可
能な認証方法及びセキュリティ機能)は,ISO/IEC 7816の他の部で更に詳述される。表5は,交換プロフ
ァイル用に予約された共通データオブジェクトを示す。
表 5 交換プロファイルのために予約された共通データオブジェクト
タグ データ要素名
“5F29” 交換プロファイル
“5F37” 静的内部認証(一段階)
“5F38” 静的内部認証 第一の関連データ
“5F39” 静的内部認証 第二の関連データ
“5F3A”動的内部認証
“5F3B”動的外部認証
“5F3C”動的相互認証

9. 五十音順の共通データ要素

 表6は,共通データ要素を五十音順に並べ,説明,参照,タグ,適切な
長さ・形式を,記載する。
表 6 五十音順の共通データ要素
データ要素名 説明内容及び参照規格 タグ 長さ・形式 想定されるテ
ンプレート
アプリケーション アプリケーションに関連したアイコン又はロゴ 5F44 可変 6D
イメージ (ISO/IEC 10918-1[15]参照)
アプリケーション 少なくとも一つのアプリケーションイメージを 6D 可変 6E
イメージテンプレ 入れ子にしているテンプレート
ート
アプリケーション カード中のアプリケーションを識別しているテ 61 可変 -
テンプレート ンプレート(ISO/IEC 7816-4で定義)
アプリケーション マンマシンインタフェースで使用するデータ要 50 可変 61,6E
ラベル 素
アプリケーション アプリケーションのパラメタを入れ子にしてい 6E 可変 -
関連データ るテンプレート
アプリケーション カード中のアプリケーションを識別するデータ 4F 可変 61,6E
識別子 要素
(ISO/IEC 7816-4で定義され符号化)
アプリケーション アプリケーション提供者の責任下で,当該アプリ 5F25 n6・ 6E
発行日付 ケーションが使用できるようになる日付 YYMMDD
アプリケーション アプリケーション提供者の責任下で,当該アプリ 5F24 n6・ 6E
有効期限 ケーションが終了する日付 YYMMDD
暗証番号使用方針 PIN入力が要求されているか,いかなる環境下か 5F2F 2 バイト 6E
を示す。
オフセットデータ 奇数のINSコードのコマンドで使用するための 54 2進数 -
オブジェクト オブジェクト(ISO/IEC 7816-4参照) 可変
オブジェクト識別 規格の表示 06 可変 -
子 (符号化がISO/IEC 8825-1[11]で定義されている。)

――――― [JIS X 6320-6 pdf 9] ―――――

8
X 6320-6 : 2006 (ISO/IEC 7816-6 : 2004)
データ要素名 説明内容及び参照規格 タグ 長さ・形式 想定されるテ
ンプレート
カードサービスデ カードが支援しているサービスについて利用可 43 1バイト -
ータ 能な方法の表示(ISO/IEC 7816-4で定義)
カードデータ カードと関係するデータを入れ子にするテンプ 66 可変 -
レート
カード通番 同じ主口座番号の個別のカードを識別する番号 5F34 n2 66
カード能力 カードの性質を決めるデータ要素 47 可変 66
(ISO/IEC 7816-4で定義)
カード発行者デー 所有者,ISO/IEC 7816-4参照 45 可変 66

カード発行日付 カード会社の責任において,カードが使用できる 5F26 n6・ 66
ようになる日付 YYMMDD
カード保有者イメ カード内に格納されたカード保有者関連のイメ 6C 可変 65
ージテンプレート ージ(ISO/IEC 7816-4で定義)
カード保有者顔写 カード保有者肖像イメージに使用するエンコー 5F40 可変 6C
真 ドされたデータ
(ISO/IEC 10918-1[15]で形式定義)
カード保有者関連 カード保有者と関係するデータを入れ子にして 65 可変 -
データ いるテンプレート
カード保有者証明 カード保有者の公開かぎ(鍵),更に詳細な情報,7F21 可変 65
証明機関の署名を入れ子にするテンプレート
カード保有者生物 カード保有者にかかわる生物学的計量データ 5F2E 可変 65
学的計量データ
カード保有者手書 カード保有者の手書き署名のイメージ 5F43 可変 6C
き署名イメージ (ISO/IEC 11544[16]参照)
カード保有者の公 非対称メカニズムを使用したディジタル署名の 5F49 可変 65
開かぎ(鍵) ためのカード保有者の公開かぎ(鍵)を含むデー
タ要素
カード保有者の公 非対称メカニズムを用いるディジタル署名機能 7F49 可変 65
開かぎ(鍵)テン のためのカード保有者の公開暗号かぎ(鍵)デー
プレート タオブジェクトを含むテンプレート
(ISO/IEC 7816-8で定義)
カード保有者の国 カード保有者の国籍 5F2C n3 65
籍 (ISO 3166-1[3]で符号化定義)
カード保有者の秘 非対称メカニズムを使用したディジタル署名の 5F48 可変 65
密かぎ(鍵) ためのカード保有者の秘密かぎ(鍵)を含むデー
タ要素
カード保有者の秘 データオブジェクトに関連付けられた秘密かぎ 7F48 可変 65
密かぎ(鍵)テン (鍵)を入れ子にするテンプレート
プレート
カード保有者要求 カード保有者の除外された機能の要求を含むデ 7F23 可変 65
条件−除外機能 ータ要素。例えば,カード保有者は,指紋検証を
使用できない(使用者必要条件の符号化につい
て,更に詳しい情報はEN 1332-4[19]を参照) 。
カード保有者要求 カード保有者の必要とする機能の要求を含むデ 7F22 可変 65
条件−必要機能 ータ要素。例えば,カード保有者は,ATMから
の音声ガイダンスを必要とする。
(使用者必要条件の符号化について,更に詳しい
情報はEN 1332-4[19]を参照)
カード保有者名 カード保有者の氏名(ISO/IEC 7813で定義) 5F20 n2···26 65

――――― [JIS X 6320-6 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS X 6320-6:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 7816-6:2004(IDT)

JIS X 6320-6:2006の国際規格 ICS 分類一覧