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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
7 プロトコルの概要
7.1 プロトコルの説明
伝送プロトコル(又はプロトコル)は,VCDとVICCとの間で,命令及びデータを双方向に交換する機
構を規定する。
“VCDトークファースト”を基本とする。
これは,VICCが先に伝送(JIS X 6323-2に規定される変調)を開始することを禁じ,VCDから命令を
受け,それを解読した後,応答することを意味する。
a) プロトコルの基本
− VCDからVICCへ要求を送る。
− VICCからVCDへ応答を返す。
VICCが応答する条件は,箇条10に規定する。
b) 個々の要求及び応答は,一つのフレームで構成される。そのフレームは,JIS X 6323-2で規定されて
いるフレーム識別子(SOF及びEOF)で囲まれている。
c) 要求は,次の順に構成する。
− フラグバイト
− コマンドコード
− コマンドに関する必す(須)パラメタ及び任意選択パラメタ
− アプリケーション データフィールド
− CRC
d) 応答は,次の順に構成する。
− フラグバイト
− コマンドに関する必す(須)パラメタ及び任意選択パラメタ
− アプリケーション データフィールド
− CRC
e) プロトコルは,ビット構造で,フレーム内の伝送ビット数は,8の整数倍とする。すなわち,バイト
単位とする。
f) 1バイトを伝送するときは,最下位ビット(LSBit)から伝送する。
g) 複数バイトを伝送するときは,最下位バイト(LSByte)から伝送し,そのバイトは,最下位ビット(LSBit)
から伝送する。
h) 特定のフラグが設定されているときは,対応する任意選択フィールドがあることを意味する。そのフ
ラグが“1”のときは,そのフィールドが存在し,“0”のときは,そのフィールドが存在しない。
i) RFUフラグは,“0”に設定されなければならない。
7.2 モード
モードとは,要求コマンドに応答しなければならないVICCの集合を要求コマンド中で指定する機構の
ことをいう。
7.2.1 アドレスモード
Addressflag (=1) と設定されると(アドレスモード),要求コマンドは,指定されたVICCの固有識別
子(UID)を含む。
VICCは,Addressflag (=1) と設定した要求コマンドを受信すると,受信したUIDと自分自身のUIDと
を比較する。
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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
一致した場合,(可能ならば)コマンドを実行し,コマンドで定める応答をVCDに返す。
一致しない場合,何も応答しない。
7.2.2 非アドレスモード
Addressflag (=0) と設定されていると(非アドレスモード),要求コマンドは,固有識別子(UID)を
含まない。
VICCは,Addressflag (=0) と設定した要求コマンドを受信すると,(可能ならば)コマンドを実行し,
コマンドで定める応答をVCDに返さなければならない。
7.2.3 選択モード
Selectflag (=1) と設定されていると(選択モード),要求コマンドは,VICCの固有識別子(UID)を含
まない。
選択状態にあるVICCは,Selectflag (=1) と設定した要求コマンドを受信すると,(可能ならば)コマ
ンドを実行し,コマンドで定める応答をVCDに返さなければならない。
選択状態にあるVICCだけが,Selectflag (=1) と設定した要求コマンドに対して応答する。
7.3 要求コマンド形式
要求コマンドは,次の順に構成する(図4参照)。
− フラグバイト
− コマンドコード(箇条10参照)
− パラメタ及びデータフィールド
− CRC(4.4参照)
フラグ
SOF コマンドコード パラメタ データ CRC EOF
バイト
図4−要求コマンドの形式
7.3.1 要求コマンドフラグ
要求コマンドにおいて,フラグバイトのフィールドは,VICCが実行する内容及び関連フィールドが存
在するか否かを示す。フラグバイトは,8ビットで構成する(表3参照)。
表3−要求コマンドフラグのビット14
ビット フラグ名 値 内容
Sub-carrierflag 0 VICCは,単一副搬送波を用いる。
b1
(副搬送波フラグ) 1 VICCは,双副搬送波を用いる。
Datarateflag 0 低速伝送
b2
(伝送速度フラグ) 1 高速伝送
Inventoryflag 0 b5b8の内容は,表4による。
b3
(受付フラグ) 1 b5b8の内容は,表5による。
Protocol Extensionflag 0 拡張プロトコル形式を使用しない。
b4
(拡張プロトコルフラグ) 1 拡張プロトコル形式を使用する。RFUとする。
注記1 Sub-carrierflagは,JIS X 6323-2で規定している“VICCからVCDへの信号伝送”を参照する。
注記2 Datarateflagは,JIS X 6323-2で規定している“VICCからVCDへの信号伝送”を参照する。
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表4−Inventoryflag(受付フラグ)が“0”の場合,要求コマンドフラグのビット58
ビット フラグ名 値 内容
全てのVICCが,Addressflagの内容によって実行する要
0
求コマンド
Selectflag
b5 選択状態にあるVICCだけが実行する要求コマンド
(選択フラグ)
1 Addressflagは“0”に設定し,要求コマンドは,UIDを
含まない。
VICCを指定しない。UIDは,含まない。全てのVICCが
0
Addressflag 実行する。
b6
(アドレスフラグ) VICCを指定する。UIDを含む。UIDが一致したVICCだ
1
けが実行する。
内容は,コマンドの箇条で規定する。規定されていない場
Optionflag 0
b7 合,“0”に設定する。
(任意選択フラグ)
1 内容は,コマンドの箇条で規定する。
b8 RFU 0
表5−Inventoryflag(受付フラグ)が“1”の場合,要求コマンドフラグのビット58
ビット フラグ名 値 内容
AFIflag 0 AFIフィールドなし
b5
(AFIフラグ) 1 AFIフィールドあり
Nbslotsflag 0 16スロット
b6
(スロット数) 1 1スロット
内容は,コマンドの箇条で規定する。
Optionflag 0
b7 規定されていない場合,“0”に設定する。
(任意選択フラグ)
1 内容は,コマンドの箇条で規定する。
b8 RFU 0
7.4 応答形式
応答は,次の順に構成する(図5参照)。
− フラグバイト
− 一つ以上のパラメタフィールド
− データ
− CRC(4.4参照)
フラグ
SOF パラメタ データ CRC EOF
バイト
図5−応答形式
7.4.1 応答フラグ
応答において,フラグバイトのフィールドは,VICCの実行結果を示し,関連フィールドの有無を示す。
フラグバイトは,8ビットで構成する(表6参照)。
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表6−応答フラグの18ビット
ビット フラグ名 値 内容
0 エラーなし
Errorflag
b1 エラーあり。“Error”フィールドの値は,エラーコード
(エラーフラグ) 1
とする。
b2 RFU 0
b3 RFU 0
Extensionflag 0 拡張プロトコル形式を使用しない。
b4
(拡張フラグ) 1 拡張プロトコル形式を使用する。RFUとする。
b5 RFU 0
b6 RFU 0
b7 RFU 0
b8 RFU 0
7.4.2 応答エラーコード
応答においてVICCがErrorflag (=1) と設定した場合,エラーコードフィールドが含まれ,エラー情報
を示す。エラーコードの定義を表7に示す。
表7に示すエラーコードをVICCが採用しない場合,エラーコードとして“0F”(原因不明のエラー)を
返さなければならない。
表7−応答エラーコード
エラーコード 内容
“01” 採用していないコマンド。要求コマンドコードが認識できない。
“02” 認識されないコマンド。例えば,形式エラーが発生。
“03” 採用していない任意選択コマンド
“0F” 原因不明のエラー又は採用していないエラーコード
“10” 特定されたブロックが使えない(存在しない)。
“11” 特定されたブロックは,既に施錠されているため,再施錠できない。
“12” 特定されたブロックは,施錠されているため,内容の変更ができない。
“13” 特定されたブロックは,書込みが正常に完了しなかった。
“14” 特定されたブロックは,施錠が正常に完了しなかった。
“A0”“DF” 製造業者設定コマンドエラーコード
その他 RFU
7.5 VICC状態
VICCの状態は,次の4通りとする。
− Power-off(電源オフ状態)
− Ready(準備完了状態)
− Quiet(静止状態)
− Selected(選択状態)
この状態遷移を図6に示す。
Power-off状態,Ready状態及びQuiet状態は,必す(須)とする。
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Selected状態は,任意とする。
7.5.1 Power-off状態
VICCがVCDの動作磁界領域にない場合,VICCは,Power-off状態にある。
7.5.2 Ready状態
VICCがVCDの動作磁界領域に入った場合,VICCは,Ready状態にある。VICCは,Selectflag (=0) と
設定されている要求を処理しなければならない。
7.5.3 Quiet状態
Quiet状態にある場合,VICCは,Inventoryflag (=0) と設定され,かつ,Addressflag (=1) と設定され
た要求を処理しなければならない。
7.5.4 Selected状態
Selected状態にある場合にだけ,VICCは,Selectflagが設定された要求を処理しなければならない。
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JIS X 6323-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 15693-3:2009(IDT)
JIS X 6323-3:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.240 : 情報技術(IT)の応用 > 35.240.15 : IDカード及び関連装備
JIS X 6323-3:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISX5203:1998
- システム間の通信及び情報交換―ハイレベルデータリンク制御(HDLC)手順