JIS X 6323-3:2011 識別カード―非接触(外部端子なし)ICカード―近傍型―第3部:衝突防止及び伝送プロトコル | ページ 4

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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
Power-off 状態
動作磁界の外へ 動作磁界の中へ
動作磁界の外へ 動作磁界の外へ
Ready状態
Selectflag ( =0 )と設
定されているコマンド
Selected状態へ
Quiet状態へ
(UID)
(UID)
Reset to Ready
Selectflag ( =1 )と設
定されている場合の
Reset to Ready コマ
ンド又はUIDが異な
るSelect コマンド
Selected状態へ
(UID)
Quiet状態 Selected 状態
Quiet状態へ
(UID)
Addressflag ( =1 )と設定さ
れていて,かつ,
Inventoryflag ( =0 )と設定さ 他のコマンド
れているコマンド
注記1 状態の遷移の方向は,そのときSelected状態にあるVICCの一つに注目して示す。
注記2 VICCの状態遷移図は,有効な遷移だけを示す。その他の場合,現在のVICCの状態は,変化せずにとど(留)
まる。VICCがVCDの要求コマンドを実行できない場合も(例えば,CRCエラーなど),現在の状態にとど
(留)まる。
注記3 Selected状態が点線で囲まれているのは,VICCがこの状態を採用するかどうかが任意選択であることを示す
ためである。
図6−VICCの状態遷移図

8 衝突防止

  衝突防止の目的は,VCDの発生する動作磁界領域にある複数のVICCの各々を,そのUIDで特定する

――――― [JIS X 6323-3 pdf 16] ―――――

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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
ことにある。
VCDが主体となって,一つ以上のVICCと通信する。VCDがInventoryコマンドを発行することからカ
ードとの通信が始まる。8.2に規定する衝突防止のアルゴリズムに従って,VICCは,指定されたスロット
中に応答を返さなければならない場合と,何も応答してはならない場合とがある。

8.1 要求パラメタ

  Inventoryコマンドを発行するとき,VCDは,Nbslotsflagを希望する値に設定し,コマンドフィールド
の後にマスク長とマスク値とを追加しなければならない(図7参照)。
マスク長は,マスク値の有効なビット数を指定する。16スロットの場合,その値は060とし,1スロ
ットの場合,その値は064とする。LSB側から送出する。
マスク値は,整数バイトで構成する。LSB側から送出する。
マスク値を整数バイトで構成するため,マスク長が8の倍数でないビット長の場合,マスク値の上位側
を“0”で埋める(図8参照)。
後続のフィールドは,次のバイトの区切りから開始する。
フラグ
SOF コマンド マスク長 マスク値 CRC16 EOF
バイト
8ビット 8ビット 8ビット 08バイト 16ビット
図7−Inventoryコマンド形式
MSB LSB
0000 0100 1100 1111
埋める マスク値
図8−マスク値の埋め方の例
図8の例は,マスク長が12ビットのため,マスク値のMSB側1316ビットをb“0”で埋める。
AFIflag (=1) と設定されている場合,AFIフィールドが存在しなければならない。
JIS X 6323-2のEOFの規定に基づいて,パルスを発生しなければならない。第1スロットは,要求コマ
ンドのEOFを受信後直ちに,開始する。
次のスロットに進めるために,VCDは,EOFを送出する。規則,制限事項及びタイミングについては,
箇条9に規定する。

8.2 VICCによる要求コマンド処理

  有効な要求コマンドを受信したとき,VICCは,次の枠内に示す手順を実行して,その要求コマンドを
処理しなければならない。その段階的な手順の図解を図9に示す。

――――― [JIS X 6323-3 pdf 17] ―――――

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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)






SN = 0
if Nbslotsflag then
NbS = 1, SNlength = 0
else
NbS = 16, SNlength = 4
endif
label1: if LSB (UID, SNlength + Masklength) = LSB (SN, SNlength) & LSB (Mask, Masklength) hen
transmit response to inventory request
endif
wait (SlotFrame)
if SlotFrame = SOF then
Stop Anticollision and decode/process request
Exit
endif
if SN < NbS-1 then
SN = SN + 1
goto label1
exit
endif
exit

――――― [JIS X 6323-3 pdf 18] ―――――

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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
Inventoryコマンドは,マスク
値とその長さとを含む。マス
ク長を超える部分は"0"で埋
める。 埋める。
Inventoryコマンドで受信したマスク値
"0"で埋めた部分を除いた
マスク値を比較器にロードす
る。
マスク長
Inventoryコマンドを受信すると
VICCは,スロットカウンタを0に
リセットする。
スロットカウンタ
EOFを受信するとVICCは,
スロットカウンタを1だけ進め
比較器にロードし,マスク値
(埋め分を除く)と連結する。
スロット番号 マスク値(埋め分を除く。)
連結された結果とVICCの
UIDとをLSB側から比較する。
その結果が一致していたら,
VICCは,他の仕様(例えば,
AFI,Quiet状態)に基づき応答
を返す。 比較
無視
ユニークID(UID)
MSB LSB
注記1 スロット数が1[Nbslotsflag (=1)]の場合,マスク値(埋め込みなし)と比較する。
注記2 例えば,Inventoryコマンドのマスク長を0,スロット数を16とするなどし,スロット番号とマスク値とを連
結した比較データをユニークIDの最下位4ビットから順に一致させていくことで,複数のVICCの中から一
つのVICCを特定していく。
図9−マスク値,スロット番号及びUIDの比較

――――― [JIS X 6323-3 pdf 19] ―――――

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8.3 衝突防止手順

  16スロットの場合における典型的な衝突防止手順の概要を,図10に示す。
a) CDは,Inventoryコマンドを最後にEOFを付けたフレーム形式を用いて送る。スロット数は,16と
する。
b) ICC1は,スロット0において,応答を返した。このときは一つのVICCだけが応答を返したために
衝突はなく,そのUIDは,VCDによって受け入れ,登録される。
c) CDは,EOFを送出し,次のスロットに切り替える。
d) スロット1においては,VICC2とVICC3との二つが応答を返したために,衝突が発生した。VCDは,
スロット1において衝突を検出し記憶する。
e) CDは,EOFを送出し,次のスロットに切り替える。
f) スロット2においては,VICCからの応答がなかった。VCDは,VICCからSOFを受信しないために,
EOFを送出し,次のスロットに切り替える。
g) スロット3では,VICC4とVICC5とから応答があったために,VCDは,この場合も衝突があること
を検出し記憶する。
h) CDは,既に正しくUIDを受信しているVICC1を指定した要求コマンド(例えば,Read Blockコマ
ンド)を送出することを決める。
i) 全てのVICCは,SOFを検出し衝突防止手順を終了する。VICCは,このコマンドの処理を行うが,
この要求コマンドは,VICC1を指定しているために,VICC1だけが応答を返す。
j) 全てのVICCは,別の要求コマンド受信可能な状態にある。Inventoryコマンドを受信した場合,スロ
ット番号の割振りを0から再び開始する。
注記 衝突防止手順をどこで終了するかはVCDが決定する。VCDは,スロット15まで進めてから,
VICC1に確定の要求コマンドを送ってもよい。

――――― [JIS X 6323-3 pdf 20] ―――――

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JIS X 6323-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 15693-3:2009(IDT)

JIS X 6323-3:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 6323-3:2011の関連規格と引用規格一覧