JIS X 6323-3:2011 識別カード―非接触(外部端子なし)ICカード―近傍型―第3部:衝突防止及び伝送プロトコル | ページ 5

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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
スロット 0 スロット1
VCD SOF VICCへ EOF
受付コマンド送出 EOF
VICCs VICC1から VICC2から
応答送出 応答送出
VICC3から
応答送出
タイミング t1 t2 t1 t2
コメント 衝突なし 衝突あり
時間
続き
スロット2 スロット 3
VCD EOF SOF VICC 1へ
EOF 要求コマンド EOF
VICCs VICC4から VICC 1から
応答送出 応答送出
VICC5から
応答送出
タイミング t3 t1 t2 t1
コメント VICCの 衝突あり
応答なし
時間
注記 t1,t2,t3については,箇条9参照
図10−衝突防止手順

9 タイミングの規定

  VCD及びVICCは,次のタイミングで動作する。

9.1 VCDからEOFを受信した後に応答を伝送するまでのVICCの待ち時間

  VICCがVCDからの要求コマンドのEOFを検出したとき,又はこのEOFがVCDの要求コマンドの正
常な処理中にあるとき,VICCは,VCDに応答を伝送する前,又は受付処理において次のスロットに切り
替える前に,t1の待ち時間をおかなければならない(8.2及び8.3参照)。t1は,VCDから受信したEOF
の立上がり検出時点から開始する(JIS X 6323-2の7.3.3参照)。
注記 VCDからVICCへのEOFの立上がり時点を基準にして,VICCの応答を同期させることを必要

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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
とする。
t1の最小値 : t1min=4 320/fc (318.6
t1の標準値 : t1nom=4 352/fc (320.9
t1の最大値 : t1max=4 384/fc (323.3
t1maxは,書込み系のコマンドには適用されない。書込み系のタイミング条件は,コマンドで定める。
VICCは,このt1の間に搬送波の変調信号を検出すると,t1タイマをリセットし,VCDの要求に対する
応答の伝送を開始する前,又は受付処理において次のスロットに切り替える前に,t1の待ち時間をおかな
ければならない。

9.2 VCDからEOFを受信した後にVICCの変調を無視する時間

  VICCがVCDの要求コマンドのEOFを検出したとき,又はこのEOFがVCDの要求コマンドの正常な
処理中にあるとき,VICCは,tmitの間に受信した10 %変調を無視しなければならない[mitはmodulation
ignore time(変調を無視する時間)の略語]。
tmitは,VCDから受信したEOFの立上がり検出時点から開始する(JIS X 6323-2の7.3.3参照)。
tmitの最小値 : tmitmin=4 384/fc (323.3 tnrt
ここで,tnrtは,VICCの標準応答時間(nominal response time)とする。
tnrtは,VICCからVCDへのデータ伝送速度及び副搬送波の変調モードによる(JIS X 6323-2の8.5,8.5.1
及び8.5.2参照)。
注記 VCDからVICCへのEOFの立上がり時点を基準にして,VICCの応答を同期させることを必要
とする。

9.3 次の要求コマンド送信前のVCDの待ち時間

a)   CDが,Inventoryコマンド及びQuietコマンド以外の直前の要求コマンドに対するVICCの応答を受
信した場合,次の要求コマンドを送信するまで,t2の待ち時間をおかなければならない。t2は,VICC
からEOFを受信した後から開始される。
b) CDが,Quietコマンドを送信しているときは,次の要求を送信するまで,t2の待ち時間をおかなけ
ればならない。t2は,QuietコマンドのEOFの最後から開始される(JIS X 6323-2の7.3.3参照)。
t2の最小値は,t2min=4 192/fc (309.2 ‰
注記1 VICCは,この次の要求コマンドを受信可能な状態にあることを明確にする(JIS X 6323-2の
7.3参照)。
注記2 VCDは,最初の要求を送信する前に,動作磁界を有効にした後,少なくとも1 ms待たなけ
ればならない(JIS X 6323-2の7.3参照)。
c) CDがInventoryコマンドを送信した場合,受付処理手順に従う(9.4参照)。

9.4 要求コマンド処理中の次スロット切替えまでのVCDの待ち時間

  この処理は,VCDが要求コマンドを送出時に開始される(8.2,8.3及び10.3.1参照)。
次のスロットに切り替えるために,9.4.1及び9.4.2に規定する待ち時間の後,VCDは,VICCに要求コ
マンドを伝送するために使用する変調度に関係なく,10 %又は100 %変調されたEOFを送出する。
9.4.1 VCDが一つ以上のVICCから応答を受信した場合
受付処理の間,VCDが一つ以上のVICCから応答を受信した場合(すなわち,VICCのSOF及び/又は
衝突を検出したとき),VCDは,次の処理をしなければならない。
− VICCの応答の受信を完了するまで待ち(すなわち,VICCのEOFを受信したとき,又はVICCの標
準応答時間tnrtを経過したとき),

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− t2の時間を待ち,
− 次のスロットに切り替えるために,10 %又は100 %変調されたEOFを送出する。
t2は,VICCからEOFを受信した時点から開始する(JIS X 6323-2:2011の8.5.3及び8.5.4参照)。
t2の最小値は,t2min=4 192/fc (309.2
tnrtは,VICCからVCDへのデータ伝送速度及び副搬送波の変調モードによる(JIS X 6323-2:2011の8.5,
8.5.1及び8.5.2参照)。
9.4.2 VCDがVICCから応答を受信しない場合
要求コマンド処理の間,VCDがVICCから応答を受信しない場合,次のスロットに切り替えるEOFを
送出する前に,VCDは,t3の待ち時間をおかなければならない。
t3は,VCDが最後に送信したEOFの立上がり時点から開始する。
a) CDが100 %変調のEOFを送信した場合
t3の最小値 : t3min=4 384/fc (323.3 tsof
b) CDが10 %変調のEOFを送信した場合
t3の最小値 : t3min=4 384/fc (323.3 tnrt
ここで,
− tsofは,VICCがVCDにSOFを伝送している時間とする。
− tnrtは,VICCの標準応答時間とする。
tnrt及びtsofは,VICCからVCDへのデータ伝送速度及び副搬送波の変調モードによる(JIS X 6323-2:2011
の8.5,8.5.1及び8.5.2参照)。

10 コマンド

10.1 コマンドの種類

  必す(須)コマンド,任意選択コマンド,製造業者設定コマンド及び専用コマンドの4種類のコマンド
セットを規定する。
同じIC製造業者コード及び同じICバージョン番号をもつ全てのVICCは,同じ動作をしなければなら
ない。
注記 一般的に,ICバージョン番号は,IC製造業者によって,IC製造業者シリアル番号の一部とし
て規定される。
10.1.1 必す(須)コマンド
コマンドコードの範囲は,“01”“1F”とする。
全てのVICCは,これらのコマンドを採用しなければならない。
10.1.2 任意選択コマンド
コマンドコードの範囲は,“20”“9F”とする。
VICCが採用するのは任意とする。採用する場合,要求コマンド及びその応答の形式は,この規格に従
う。
VICCが任意選択コマンドを採用せず,かつ,Addressflag (=1) 又はSelectflag (=1) と設定されてい
る場合,“採用していない”というエラーコードを返すか又は沈黙のままでいる。Addressflag (=0) 又は
Selectflag (=0) と設定されている場合,VICCは,沈黙のままでいる。
コマンドがVICCによって採用されるものと違う場合,エラーコードを返さなければならない。
10.1.3 製造業者設定コマンド

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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
コマンドコードの範囲は,“A0”“DF”とする。
VICCは,製造業者固有の機能を組み込むために,任意選択的に採用する。フラグ(含む予約ビット)
に関する機能は,Optionflagを除き,変更してはならない。製造業者が設定できるフィールドは,パラメ
タ及びデータフィールドだけとする。
製造業者設定コマンドは,第1パラメタにIC製造業者のコードを含む。このため,IC製造業者は,コ
マンドコードの複写及び誤解読の危険を侵さないで,製造業者設定コマンドを実行できる。
VICCが製造業者設定コマンドを採用せず,かつ,Addressflag (=1) 又はSelectflag (=1) と設定され
ている場合,“採用していない”というエラーコードを返すか又は沈黙のままでいる。Addressflag (=0) 又
はSelectflag (=0) と設定されている場合,VICCは,沈黙のままでいる。
コマンドがVICCによって採用されるものと違う場合,エラーコードを返さなければならない。
10.1.4 専用コマンド
コマンドコードの範囲は,“E0”“FF”とする。
このコマンドは,IC及びVICC製造業者がテスト,システム検証プログラム作成などのために使用する
コマンドとするが,この規格では規定しない。IC製造業者は,この任意選択事項を書面化してもよいし,
しなくともよい。これらのコマンドは,IC及び/又はVICCの製造後に無効にしてもよい。

10.2 コマンドコード

  コマンドコードは,表8による。
表8−コマンドコード
コマンドコード タイプ 機能
“01” 必す(須) Inventory(受付コマンド)
“02” 必す(須) Stay quiet(静止コマンド)
“03”“1F” 必す(須) RFU
“20” 任意選択 Read single block(単一ブロック読取りコマンド)
“21” 任意選択 Write single block(単一ブロック書込みコマンド)
“22” 任意選択 Lock block(ブロック施錠コマンド)
“23” 任意選択 Read multiple blocks(複数ブロック読取りコマンド)
“24” 任意選択 Write multiple blocks(複数ブロック書込みコマンド)
“25” 任意選択 Select(選択コマンド)
“26” 任意選択 Reset to ready(可動設定コマンド)
“27” 任意選択 Write AFI(AFI書込みコマンド)
“28” 任意選択 Lock AFI(AFI施錠コマンド)
“29” 任意選択 Write DSFID(DSFID書込みコマンド)
“2A” 任意選択 Lock DSFID(DSFID施錠コマンド)
“2B” 任意選択 Get system information(システム情報取得コマンド)
“2C” 任意選択 Get multiple block security status(複数ブロックセキュリティ状態取得)
“2D”“9F” 任意選択 RFU
“A0”“DF” 製造業者設定 IC製造業者の仕様による。
“E0”“FF” 専用 IC製造業者の仕様による。

10.3 必す(須)コマンド

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X 6323-3 : 2011 (ISO/IEC 15693-3 : 2009)
10.3.1 Inventory(受付コマンド)
コマンドコード=“01”
Inventoryコマンドを受けると,VICCは,衝突防止手順を実行する。
Inventoryコマンドの構成は,次のとおりとする(図11参照)。
− フラグバイト
− Inventoryコマンドコード
− AFI[AFIflag (=1) と設定されている場合]
− マスク長
− マスク値
− CRC
Inventoryflag (=1) と設定される。
フラグビットの58の意味は,表5による。
フラグ Inventory 任意選択
SOF マスク長 マスク値 CRC16 EOF
バイト コマンド AFI
8ビット 8ビット 8ビット 8ビット 064ビット 16ビット
図11−Inventoryコマンドの形式
応答は,次のように構成する(図12参照)。
− DSFID
− 固有ID(UID)
VICCがエラーを検出した場合,沈黙のままでいる。
フラグ
SOF DSFID UID CRC16 EOF
バイト
8ビット 8ビット 64ビット 16ビット
図12−Inventoryコマンドの応答形式
10.3.2 StayQuiet(静止コマンド)
コマンドコード=“02”
StayQuietコマンド(図13参照)を受けると,VICCは,静止状態にとどまり,応答を返してはならな
い。この応答がないことがStayQuietコマンドに対する応答とする。
静止状態にあるとき,次のようにする。
− VICCは,Inventoryflag (=1) と設定されているいかなる要求コマンドも処理してはならない。
− VICCは,自分自身が指定された要求コマンドを処理しなければならない。
次の場合,VICCは,静止状態から遷移する。
− リセットする(電源オフ)。
− Selectコマンドを受信する。採用されている場合,選択状態になり,採用されていない場合,エラー
を返さなければならない。
− Reset to readyコマンドを受信すると,Ready状態になる。

――――― [JIS X 6323-3 pdf 25] ―――――

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JIS X 6323-3:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/IEC 15693-3:2009(IDT)

JIS X 6323-3:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 6323-3:2011の関連規格と引用規格一覧