JIS X 7113:2004 地理情報―品質原理 | ページ 5

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X 7113 : 2004 (ISO 19113 : 2002)
附属書C(参考)データ品質要素,データ品質副要素及びデータ品質概観要素

序文

 この附属書(参考)は,データ品質要素,データ品質副要素及びデータ品質外観要素の利用例を示
すために記述するものであり, 規定の一部ではない。
C.1 例1 Digital Chart of the World (DCW)
C.1.1 概要 例1では,製品仕様を使用して適用可能なデータ品質要素及びデータ品質副要素を特定する
ことによって,関連する定量的品質情報に関して,データ作成者が行う評価を説明する。データ品質副要
素が適用可能であると判断すると,適切なデータ品質の適用範囲を特定するために,製品仕様を更に使用
する。
適用可能なデータ品質概観要素に関する情報を編集することによって,データ作成者が非定量的品質情
報を用いて行う評価も,例1には含む。
メタデータ又は品質評価報告書として報告することになっている,関連する品質情報の実際の報告につ
いては,例1では触れていない。
C.1.2 背景情報
データ集合 : Digital Chart of the World (DCW)
製品仕様 : Military Specification MIL-D-89009,1992年4月13日
製品記述 : (製品仕様からの抽出及び要約)
DCWは,地理情報システム(GIS)の応用システムを支援するために設計された,汎用のグ
ローバルディジタルデータベースである。DCWデータベースには,五つのライブラリが含ま
れており,4枚のCD-ROMで提供される。“BROWSE”ライブラリには,縮尺およそ
1:31,000,000で全世界のデータが含まれており,世界規模の概観表示に対応している。各
CD-ROMの四つの“詳細データ”ライブラリには,(1)北アメリカ,(2)ヨーロッパ及び
北アジア,(3)南アメリカ,アフリカ及び南極,(4)南アジア及びオーストラリアのデー
タが縮尺1:1,000,000で含まれている。
DCWは主題ごとにレイヤ分けした,ベクトルのデータベースに対応するために,Vector
Product Format (VPF) 地理データモデルを採用している。BROWSEライブラリは八つ
の主題レイヤを持ち,四つの詳細データライブラリには,それぞれが17の主題レイヤを持つ。
これらの主題レイヤは : (1)航空,(2)文化的目標物,(3)データ品質,(4)水系,
(5)水系-補助,(6)測高測深,(7)測高測深の補助,(8)土地被覆,(9)海洋地物,
(10)自然地理,(11)政治/海洋,(12)居住地域,(13)鉄道,(14)道路,(15)
交通,(16)施設,及び(17)植生である。
DCWでは,属性と属性値コードの組み合わせによって各地物を定義する。
C.1.3 関連する定量的品質情報の評価
備考 データ作成者は,製品仕様にはすべてのデータ品質要素及びデータ品質副要素を参照してはいな
いので,データ作成者は,適用可能なすべてのデータ品質要素及びデータ品質副要素を発見して
いない。ここでは,適用可能なデータ品質要素及び適用可能なデータ品質副要素だけを記載して
いる(表C.1参照)。

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表C.1 定量的品質情報の評価 例1
適用性を記述した製品仕様の該当する段落 適用可能なデータ特定するデー
段落番号 内容 品質要素及び/又 タ品質適用範
はデータ品質副要 囲

4.1.2.e 完全性
(17のデータ品質適用範囲すべてに対して)地図及び属性データの それぞれ一つ
過剰
完全性を保証するために,さまざまなカバレッジにおける図郭のラ の主題層から
ンダム標本を見直す。 なる17のデー
4.1.2.g Vector Product Format (VPF)に変換する前に,最終的な製造供 タ品質の適用
給者のデータ形式で見直し,それぞれの主題レイヤの全地物の最終 範囲
的な出現回数を記録する。
3.1.2 完全性
地図の欄外の記載事項 [ 元は,Operational Navigation Chart データ集合
過剰
(ONC) 地図シート(元資料)の境界にある備考,表及びグラフに
表示する情報 ] がディジタル形式になったDCWでもデータ品質カ
バレッジの地域属性値,及びデータ品質表として含まれているかを
保証する。
3.3 論理一貫性
DCWデータベースの測定単位は英語の測定方式としなければならな データ集合
い。 定義域一貫性
4.1.2g Vector Product Format (VPF)変換前の製造供給者の最終的なデ
ータ形式の見直し。
すべての属性の名称及び定義を検証する。
3.2.1 水平原子は,現在のWorld Geodetic Systemとする(特定するデー
論理一貫性 1.データ集合
タ品質の適用範囲=データ集合)。 書式 2.点及びポリ
3.9 Operational Navigation Charts 一貫性 ゴンとして符
(元資料)のポリゴンの円周が最小取得サイズ3.05ミリメートル 号化している
(0.12インチ)以下で,かつ,一つのエッジで構成する場合,点の地 地物
物として表現する(特定するデータ品質適用範囲=符号化した地物)。 3.すべての文
4.1.2.d 品質保証検査は,文字配置に関わる問題の識別及び修正の方法とし 字列
て使用しなければならない。例えば,文字列が重なっていないこと
を確認するために検査を実施しなければならない。
(特定するデータ品質適用範囲=文字列)
4.1.2.d 論理一貫性
カバレッジ間の適切な統合又は地物の位置を検証するために座標で 1.データ集合
位相一貫性
示した全ての主題データの品質保証評価の見直し(特定するデータ 2.全結合
品質適用範囲=データ集合)。

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4.1.2.g 正しい位相を示していることを検証するために検査を実施しなけれ
ばならない。
備考 位相“レベル”の定義及び評価手順の試験要件については
Military Standard 600006を参照。
(特定するデータ品質の適用範囲=データ集合)
3.9d 連結規則は,DCWデータベース内の線状地物(道路及び鉄道)に適用
する。Operation Navigational Chart(ONC)で道路及び鉄道が文字
によって途切れている場合,網目の2.54 mm(0.1 inch)以上の断絶
は,TYPE属性コード8及びSTATUS属性コード4,6又は9によって,特
別な連結子としてコード化する。道路又は鉄道沿いの断絶がこれよ
り小さい場合は,TYPE属性コード1又は2,及びSTATUS属性コード1,
2,3又は5によってコード化する。
備考 断絶が自然の障害によるものであることが明らかな場合,連
結規則は適用しない。
(特定するデータ品質適用範囲=連結子)
3.1.2 位置正確度
DCWの絶対垂直正確度は,元のOperation Navigational Chart 1.データ集合
(ONC)及びJet Navigation Chart(JNC)のリトグラフの平均海 2.すべての等
絶対正確度又は外
面における90パーセントの一次誤差と同じである。 高線
部正確度(垂直)
(特定するデータ品質適用範囲=データ集合) 3.すべての標
3.1.2.a Operation Navigational Chart(ONC)の原図から取得した等高線 高点
の正確度は,原図の1/2の等高線間隔又はプラス若しくはマイナス
150メートル(プラス若しくはマイナス500フィート)である。
備考 Military Standard 6000003(転位規則)に規定するような転
位した地物記号には適用できない(特定するデータ品質適用範囲=等
高線)。
3.1.2.b Operation Navigational Chart(ONC)の原図から取得した標高点
の正確度は,原図のプラス又はマイナス30メートル(プラス又はマ
イナス100フィート)である。
備考 Military Standard 6000003(転位規則)に規定するような転
位した地物記号には適用できない。
(特定するデータ品質の適用範囲=標高点)
3.1.1.1 位置正確度
Operation Navigational Chart(ONC)から作成したすべての地物 1.南極地方を
におけるDCWの絶対水平正確度はWorld Geodetic System 除く世界の全
絶対正確度又は外
部正確度(水平)
(WGS84)の90パーセントの円形誤差で5メートル単位で丸めた 地域
2,040メートル(6700フィート)である。Jet Navigation Chart(JNC) 2.南極
から作成したすべての地物におけるDCWの絶対水平正確度は90パ 3.道路
ーセントの円形誤差で4,270メートル(14,006フィート)である。
(特定する三つのデータ品質適用範囲すべてに適用可能。南極地方
は固有のデータ原をもつためデータ品質適用範囲も固有となる。道
路を固有のデータ品質適用範囲として特定する理論的根拠は,道路
は通常最も測量している地物の一つであり,より高い正確度が見込
まれるからである。)

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3.4.5 主題正確度
属性と属性値コードとの組み合わせによって,DCWの各地物を定義す データ集合
る。 分類の正しさ
4.1.2 属性表における無効なコード及び異常な状態を特定するために,出
現する属性コードは自動的に一覧化する。その後,データの一覧を
作成し,属性コードの正確度の徹底的な見直しを図らなければなら
ない。多くの場合,識別したエラーを修正していることを確認する
ために,第二,第三の一覧を作成しなければならない。
表C.2に,関連する定量的品質情報に関するデータ作成者のための要約を示す。
表C.2 該当する定量的品質情報の要約 例1
データ品質要素 データ品質副要素 関連 特定したデータ品質
適用範囲の数
完全性 過剰 する 1
漏れ する 1
論理一貫性 概念一貫性 しない -
定義域一貫性 する 1
書式一貫性 する 3
位相一貫性 する 2
位置正確度 絶対正確度又は外部正確度 する 3-垂直 3-水平
相対正確度又は内部正確度 しない -
グリッドデータ位置正確度 しない -
時間正確度 時間測定正確度 しない -
時間一貫性 しない -
時間妥当性 しない -
主題正確度 分類の正しさ する 1
非定量的属性の正しさ しない -
定量的属性の正確度 しない -
非定量的品質情報
目的 : “DCWは,地理情報システム(GIS)のアプリケーションを支援するために作成された汎用的
な地球規模のディジタルデータベースである。”― MIL-D89009,製品記述3.4.1。
用法 : 用法1 データベースの開発 : “ARC/INFO及びArcviewという独自のGISソフトウェアパッケ
ージで使用するために,ArcWorldデータベースを開発するデータ源として,ESRI自体がDCW
を使用している。”― The Digital Chart of the World ― A Review。この用法は,インターネ
ット上で閲覧できる。
用法2 電子地図シリーズの開発 : “WHEAT形式の電子地図シリーズは,Defense Mapping
AgencyのOperational Navigational Chartsに基づく縮尺1:1,000,000の地図の集合である,
Digital Chart of the Worldから作成した。これらのDigital Chart of the Worldデータベースの
各部分は,次のような目的のために導入した。
― 発展途上国において基本的に必要とする天然資源の開発を支援するため。

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X 7113 : 2004 (ISO 19113 : 2002)
― 発展途上国での救済活動に適した地図を提供するため。
― WHEAT形式で使用するデータ集合の例として提供するため。
使いやすい形式で地域の地形図を提供することによって,地下水の調査,農耕計画及び救済プ
ロジェクトの後方支援を円滑にする。”― User's Manual for Digital Chart of the World 1
Quadrangles,Geohydrology Section, Kansas Geological Survey。この用法はインターネット
上で閲覧できる。
用法3 DEMの3D表現の開発 : 次の画像は,ARC/INFOで作成した。作業は非常に簡単であ
った。作業は次の手順で行った。 : 1. DCWのデータ集合から,ARC/INFOでHoly Landの高
さによって点を作成する。2. Holy Landの点からTINを作成する。3. TINから等高線を生成す
る。4. 等高線を使用して,ARC/INFOでHoly LandのランドサットTM画像をREGISTERす
る。5. SURFACED FAULTSを使用して,すべての準備作業を行う。6. SURFACE OBSERVER
RELATIVEを使用して,観測者の方位角と天頂角とを設定する(観測者がどの高さにいるか,
どこから観測するか。例えば,北からか南からか)。7. SURFACE DRAPEを使用して,Holy Land
TINをTM画像で覆う。”― 3-D visualization of the Holy Land。この用法は,インターネッ
ト上で閲覧できる。
系譜 : データ源 : DCWの内容は,主に縮尺1:1,000,000のDefense Map Agency (現National Imagery
and Mapping Agency) Operation Navigationalシリーズ(南極地方を除く全ての地域)の地物
内容に基づく。この製品の作成に使用したOperation Navigational Charts は,Defense
Mapping Agencyによって1974年から1991年にかけて作成された。
工程 : 安定したベースを用いたポジは,元のネガの複製(Operation Navigational Chartシート
一枚につき最大35枚のネガ)から作成し,ベクトル変換のためにスキャニングラスタによってデ
ィジタル化するか,又は手動でベクトル形式にディジタル化した。次に,ARC/INFOソフトウェ
アを使用して,属性情報をベクトルデータに付加した。投影方位を使用して,地理座標への変換
を各シートに対して行った。大規模な地域データ集合を作成するために,ディジタル情報を各シ
ート間でつなぎ合わせた。次に,地域データ集合を5×5図郭にさらに分割し,ARC/INFOから
Vector Profile Formatに変換した。データのプレマスタがCD-ROMに作成した。品質管理は,こ
の工程の各段階で別のグループによって行った。工程は1991年1月に完了した。
データ源 : DCWデータベースの南極地方に関する内容だけは,縮尺1:2,000,000のDMA Jet
Navigational Chartシリーズの地物内容に基づいている。製品の作成に使用したJet
Navigational Chartsは,1974年から1991年にかけてDefense Mapping Agency(現National
Imagery and Mapping Agency)によって作成された。
工程 : Operation Navigationalシリーズの工程を参照。
データ源 : DCW空港情報は,Digital Aeronautical Flight Information File(DAFIF)から取得
した。DAFIFは,Defense Mapping Agency(現National Imagery and Mapping Agency)によ
って作成した。DAFIFは,(1)名称,(2)ICAO,(3)位置,(4)標高,及び(5)種類を
含む空港の記録で構成し,1991年に作成及び出版した。出版元は,Defense Mapping Agency
(DMA,アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイス)である。DAFIFは,磁気テープで公開した。
工程 : DAFIFは,Environmental Science Research Instituteの職員によって,ディジタル形式
で直接VPFファイルに変換された。工程は1991年1月に完了した。
データ源 : USGSのEROSデータセンタ(アメリカ合衆国サウスダコタ州スーフォールズ,EROS

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JIS X 7113:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 19113:2002(IDT)

JIS X 7113:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 7113:2004の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称