JIS X 8341-4:2018 高齢者・障害者等配慮設計指針―情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス―第4部:電気通信機器 | ページ 3

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b) 電気通信機器の組立て及び取付け作業は,利用者自身によって容易にできることが望ましい。
c) 電気通信機器は,設置が容易な構造で,コネクタの接続,ケーブルの配線などが,利用者自身によっ
て誤りなく容易にできることが望ましい。
例 着脱する可能性のある端子などが,正しい向きだけで挿入及び取外しができるような配色,コ
ントラスト,又は形状になっている。
d) 電気通信機器は,操作中に設置位置から簡単に動いたり,転倒したりしないようにしなければならな
い。
例 電気通信機器を固定するための金具,ねじ穴などが付いている。
e) トレーなどの附属品,電池の取付け位置及び取付け方法は,分かりやすくなければならない。
f) 時刻,名前,電話番号などの情報の電気通信機器への登録作業は,利用者自身によって容易にできる
ことが望ましい。
注記 登録情報には,電話帳登録,短縮ダイヤル設定,時刻設定,利用者名などがある。
g) 通常の消耗品の交換作業は,利用者自身によって容易にできることが望ましい。
注記1 通常の消耗品の交換作業は,電池の交換,インクリボンの交換,紙の補給などがある。
注記2 視覚障害,加齢などによる視力低下などのために,消耗品の位置及び/又は着脱の向きが
分かりにくい場合がある。

6.3 心身の安全性

6.3.1  安全性の確保
電気通信機器は,利用者が行う操作又は動作によって,利用者の安全及び健康に悪影響を与えてはなら
ない。
例1 鋭利な角で指などを損傷しないために,利用者が触る可能性のある箇所は,鋭角にしない。
例2 インクリボン又はトナーカートリッジの交換を手探りで行っても,高温部に触れない構造にす
る。
例3 利用者が誤って危険な作業を行うと予見されることについては,複数の手段を用いて警告する。
6.3.2 電波,電磁ノイズなどへの配慮
電気通信機器が発生させる電波,電磁ノイズなどのレベルは,国内及び/又は国際的合意の範囲内に収
めなければならない。
注記1 “時間変化する電界,磁界及び電磁界による曝露を制限するためのガイドライン(300 GHz
まで)[平成10年4月 国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)策定,2005年からIEEE C95.1
2005]”及び“時間変化する電界,磁界及び電磁界による曝露を制限するためのガイドライン
(1 Hzから100 kHzまで)[平成22年 国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)策定]”は,
電磁波の健康への有害な影響を防止するためのEMF(電界,磁界及び電磁界)ばく(曝)露
制限の国際的指針である。
注記2 “医療機関における携帯電話等の使用に関する指針[平成26年8月19日(電波環境協議会)
策定]”は,医療機関における携帯電話等の無線通信機器の積極的活用が,医療の高度化・効
率化及び患者の利便性・生活の質の向上に大きな効果が見込まれるため,今後,安全を確保
しつつその推進を図るために,医療機関でのより安心・安全な携帯電話等の無線通信機器の
活用のための指針である。また,総務省では,携帯電話などと医用電気機器との双方におけ
る状況の変化に対応するため,平成12年度から継続的に“電波の医療機器等への影響に関す
る調査”を実施して,その結果を公表している。

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6.3.3 光過敏性発作への配慮
画像,光などの点滅は,光過敏性発作などを誘発させないように,点滅条件に配慮しなければならない
[JIS X 8341-1:2010の7.2.12を参照]。
注記 JIS X 8341-3:2016の2.3.1では,“どの1秒間においても3回を超えるせん(閃)光を放つもの
がない,又はせん(閃)光が一般せん(閃)光しきい(閾)値及び赤色せん(閃)光しきい(閾)
値を下回っている。”としている。
6.3.4 アレルギーへの配慮
皮膚に常時接触する箇所には,アレルギーを引き起こす可能性のある材料を用いないことが望ましい。
用いる場合は,利用者に材料に関する情報を開示しなければならない[JIS Z 8071:2017の7.3を参照]。
注記 アレルギーを引き起こす素材としては,ニッケル,クロム,一部のゴムなどがある。
6.3.5 過大な音響の回避
音響出力は,聴覚を損なうような音量になってはならない。
注記 聴覚障害者の中には,非常に大きな音響出力が必要かつ有効な場合もあるが,それは補聴器の
ような医療機器によって提供される。

6.4 情報セキュリティ

6.4.1  プライバシーの保護
私的又は秘密の性質をもつ情報を保護するため,安全かつアクセシビリティを確保した操作手順を提供
しなければならない。この手順の中で秘密情報を入手する第三者は,その情報の秘密を守らなければなら
ない。
注記 情報セキュリティに配慮しないで音声化を行うと,パスワード,個人情報などの重要な情報が
第三者に漏れる可能性がある。
6.4.2 生体個人認証に対する代替手段
指定された生体個人認証のデータを入力できない利用者には,代替手段を提供することが望ましい。
例 指紋認証,アイリス[こう(虹)彩]認証,顔認証などの認証方式を使用する場合に,代替手段
として暗証番号を入力できる。
注記 生体個人認証に使用している身体の部位に障害があると,利用できない場合がある。

6.5 コンテンツ利用の権利

  電気通信機器は,点字変換,法律で認められた録音などを,阻害してはならない。
注記 著作権法第37条では,公表された著作物から点字出力のための電子化点字ファイルへの変換
及び特定の施設での録音は認められている。

6.6 代替手段

  代替手段に関する共通要件は,次による。
a) 支援技術を,可能な限り利用できなければならない。
注記1 手の震え,不随意運動などによって,細かなキー入力操作ができない利用者には,大型の
キーボードが有効である。
注記2 筋力低下,麻ひ(痺)などによって,手の動かせる範囲に制限がある利用者には,小型の
キーボードが有効である。
注記3 肢体不自由などによって,操作ボタンを押しにくい利用者には,足などで操作する大型ス
イッチ,身体の僅かな動きで操作するマイクロスイッチ,呼気スイッチなどが有効である。
注記4 視覚障害などによって,画面表示が見えにくい利用者には,表示機能に表示されている情

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報を読み上げる音声合成装置が有効である。
注記5 聴覚障害などによって,着信音が聞こえにくい利用者には,着信時に点滅する外付けのラ
イトが有効である。
b) 利用者が支援技術を利用する場合,機器本体の機能(操作ボタン,キー及びスイッチを含む。)を併用
できることが望ましい。
例 特別なキーボードが接続されている場合でも,標準のキーボードからも入力できる。
注記 介助者が入力操作などをサポートするとき,利用者に適合させた特別なキーボードだけしか
接続できないと,効率的に操作できない場合がある。

6.7 機器個別の要件

  固定電話機,携帯電話機,ファクシミリ及びテレビ電話機の四つについては,6.16.6に加えて,機器
個別に配慮すべき要件を,附属書B附属書Eに示す。
注記1 固定電話機には,据置き,壁掛け,コードレス電話機,IP電話などを含む。
注記2 携帯電話機には,ハードウェアのボタンとディスプレイとが独立している従来の携帯電話,
及び,タッチパネルのように表示及び操作が一致しているスマートフォンを含む。
注記3 テレビ電話機は,固定電話機と同様な形状をした固定電話機型,テレビに接続しその画面を
使用するセットトップ型,又は携帯電話機にテレビ電話機能を搭載した携帯電話機型に大別
される。

7 機器に関する共通要件

7.1 入出力インタフェース

7.1.1  操作パネルのレイアウト
操作パネル(タッチパネルを含む。)のレイアウトに関する共通要件は,次による。
a) 操作ボタン,キー,スイッチなどは,操作の論理性に加えて,利用者の認知過程,運動能力及び行動
特性を考慮して,分かりやすく,操作しやすく,かつ,誤操作しにくいように配置しなければならな
い。
注記1 操作ボタンは,電気通信機器がもつ機能を有効にするために,選択又は押下するものであ
る。キーは,文字キー,テンキーなど一般的にそのものに印字又は表示が付記され,文字,
数字などを入力するものである。ただし,機器又は目的によって操作ボタン及びキーは,
厳密に使い分けられているわけではない。スイッチは,機構的に機能をオン又はオフする
ために使用するものである。
注記2 操作ボタン,キー,スイッチなどを論理的に配置するためには,JIS C 0447を参照して,
使用順序,使用頻度,優先順位などを考慮するとよい。
例1 操作ボタン,キーなどは,誤入力しないように間隔をあけて配置している。
例2 使用順序,優先順位などがある画面内の操作ボタン,キー及びテキストは,左か
ら右へ上から下に配置している。
注記3 利用者が画面を見る場合,視線は,一般に左上から右下に向かって移動することが多い。
注記4 スクリーンリーダー(読上げソフト)は,表示画面上の配置とは無関係に,ソースプログ
ラムに記述された順番で読み上げるので,ソースプログラムは,表示画面上の配置と対応
する順番で記述すると,音声で聞いても内容が分かりやすい。
注記5 視覚障害,加齢などによる視力低下などのために,操作ボタン,キー,スイッチなどの位

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置が確認しにくい場合があるので,それらのサイズ,色などのほかに,レイアウトを工夫
して,グループ分けを明確にしたり,個々の判別をしやすくしたりするとよい。
注記6 筋力低下,麻ひ(痺),手の震え,不随意運動などのために,操作ボタン,キー及びスイッ
チを正確に押すことが難しい場合がある。押しやすくするためには,それらのサイズ,形
状などのほかに,間隔を広げるなどのレイアウトの工夫をするとよい。
b) 過度に長い行の表示及び過度に詳細な情報は,避けなければならない。
c) 画面内に表示されるメニューなどを選択又は操作する操作ボタン及びキーは,相互の関係を考慮して,
分かりやすい位置に配置しなければならない。
d) スイッチ,レバーなどの操作方向は,機器の動作方向又は表示画面のスクロール方向と一致していな
ければならない。
e) 多数ある操作ボタンは,視覚及び触覚で識別しやすくしなければならない。
注記 視覚障害,加齢などによる視力低下,指先感覚の麻ひ(痺),皮膚感覚の鈍化などのために,
操作ボタン,キー,スイッチなどの位置及び機能が分かりにくい場合がある。
7.1.2 操作ボタン,キー及びスイッチ
操作ボタン,キー及びスイッチに関する共通要件は,次による。
a) 操作ボタン,キー及びスイッチは,可能な限り視覚とともに触覚でも識別しやすい大きさ及び形状と
しなければならない。
b) 操作ボタン,キー及びスイッチは,操作しやすく,かつ,誤操作しにくい大きさ及び形状としなけれ
ばならない。
注記 筋力低下,麻ひ(痺),手の震え,不随意運動などのために,操作ボタン,キー及びスイッチ
が操作しにくい場合がある。
c) 次の場合,それらは,視覚及び触覚の両方で容易に識別できなければならない。
1) 同形状の操作ボタン,キー及びスイッチが多数ある場合。
2) 標準ポジションがある切替えスイッチの場合。
3) 操作の方向性を示す必要のある場合。
例 テンキーの“5”に凸点が付いている。
注記1 テンキーの“5”の凸点は,テンキーの標準ポジションを示すものであり,他のキーを推
測するための基準になるため,キーの中央部に配置することが有効である。
注記2 視覚障害,加齢などによる視力低下,指先感覚の麻ひ(痺),皮膚感覚の鈍化などのため
に,操作ボタン,キー,スイッチなどの位置が分かりにくい場合がある。
d) 操作ボタン,キー及びスイッチを押したこと,又は切り替えたことは,触覚だけでなく,視覚及び聴
覚で確認できなければならない。
例1 キーを押したときに,報知音,音声などを出力する。
例2 キーを押したときに,LEDが点灯する。
注記 指先感覚の麻ひ(痺)又は鈍化のために,操作ボタン,キー及び電源スイッチを押したこと
が確認しにくい場合がある。
e) 操作ボタン,キー及びスイッチの操作の結果は,視覚とともに聴覚で確認できなければならない。
例 キー入力が確定したことを,報知音,音声などでフィードバックする。
注記 視覚障害,加齢などによる視力低下などのために,画面の表示が確認できない場合がある。
f) 意図しない二度押しを防止する機能を提供することが望ましい。

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例 キー入力を無効とするまでの時間が調節できる。
注記 筋力低下,麻ひ(痺),手の震え,不随意運動などのために,押したキーを再び押し,2回以
上入力してしまう場合がある。
g) キーを押し続けたときにキーリピートが生じる場合,その設定は,変更できることが望ましい。
注記1 筋力低下,麻ひ(痺),手の震え,不随意運動などのために,押したキーを短時間で離すこ
とができず,キーリピート機能によって2個以上の文字を入力してしまう場合がある。
注記2 キーリピート機能の設定項目には,次のものがある。
・ キーリピートの有効・無効
・ キーリピートが開始するまでの時間
・ キーリピートで2回目以降のキーを入力する時間間隔(リピート率)
h) 少ないキー操作で入力できる手段を提供することが望ましい。
例1 一つのボタンを押すだけで,あらかじめ登録した相手先に自動的に発信できる(短縮ダイヤ
ル機能)。
例2 かな漢字変換に予測変換機能を搭載している。
注記1 筋力低下,麻ひ(痺),手の震え,不随意運動などのために,複数のボタン操作に時間がか
かることがある。
注記2 操作の慣れない初心者及び高齢者にも有効である。
i) 操作ボタン,キー及びスイッチは,可能な限り,義肢,マウススティックなどの自助具を使用して操
作できなければならない。
例1 自助具を用いて操作しやすくするために,操作ボタンが凹型になっている。
例2 キーガードを提供している。
注記 静電式のタッチパネルは,自助具で操作できないことがある。
j) タッチパネルは,手の震え,不随意運動などのある利用者にも押しやすく,視力の低下した使用者に
も可能な限り操作できるようにしなければならない。
例1 キーリピートが利用者の意図に反して生じないように,入力時間間隔を調節できる。
例2 操作ボタン及びキーの選択時及び/又は入力確定時に,報知音,音声などでフィードバック
する。
注記 視覚障害,加齢などによる視力低下などのために,タッチパネルのボタン及びキーの場所が
見にくい場合がある。
k) タッチターゲットは,正確にタッチできるために十分な大きさ及び隙間がなければならない。
例 タッチターゲットを,利用者の設定によって見やすく大きく表示する。
注記1 筋力低下,麻ひ(痺),手の震え,不随意運動などのために,隣接するボタンを誤って押し
てしまうことがある。
注記2 タッチターゲットの表示サイズはタッチパネルに表示した際に,少なくとも7 mm×7 mm
以上にすることが望ましい。
注記3 タッチターゲット同士の間隔は,可能であれば2 mm以上の間隔を取る。
注記4 BBC MOBILE ACCESSIBILITY GUIDELINES Touch target sizeを参照。
7.1.3 表示装置
表示装置に関する共通要件は,次による。
a) 視覚的に表現されている情報は,可能な限り見やすくしなければならない。

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JIS X 8341-4:2018の国際規格 ICS 分類一覧

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規格名称