JIS X 8341-5:2006 高齢者・障害者等配慮設計指針―情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス―第5部:事務機器 | ページ 3

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例2. 指紋認証,網膜認証,静脈認証など,複数の認証方式が選択可能なインタフェースを用意する。
例3. 音声を利用する場合は,イヤホンなどを利用できるようにする。

5.10 利用者が行う手入れ,交換などのメンテナンスに関する要件

 機器を継続的に利用するために必要
な手入れ,又は補充部品の交換などが容易にできることが望ましい。
備考 床置き形の複写機などで利用者によるメンテナンスが推奨されていない場合(例えば安全性確
保が困難な場合)は,除外する。
例 1. 用紙の補給及びトナーユニット交換などの作業を利用者が容易にできる。
例2. 車いす利用者が用紙の補給を容易にできる。

5.11 アレルギーに関する配慮

 利用者が操作する箇所には,アレルギーの原因となる素材を使用しないよ
うに努める。
例 1. 特別な支援機器を提供する場合も標準機器と同等の基準で,アレルギーの原因となる素材の有
無を確認する。
例2. 揮発性有機化合物(VOC)を発生させる接着剤,塗料の使用を最低限に抑え,アレルギーを起
こさない配慮設計をする。

6. 企画・開発・設計の基本的要件

 情報アクセシビリティを確保・向上させるために,情報アクセシビ
リティ開発者は,すべての事務機器がこの規格に規定する基本的要件を満たすよう企画・開発・設計しな
ければならない。
備考 モデルチェンジした場合にも,既に提供されている情報アクセシビリティ品質を損なってはな
らない。
例 1. 企画・設計・評価の各段階で情報アクセシビリティに対するチェックリストを活用する。
例2. 高齢者,障害者への配慮は,製品企画の段階で目標を設定し,製品開発の過程で被験者(高齢
者・障害者等)評価を実施し,目標達成できるように結果を製品設計に反映させる。

6.1 情報アクセシビリティに関する情報の公開

 利用者が事務機器を購入・利用するときに,利用者の
ニーズに適合する情報アクセシビリティ機能をもつ事務機器を容易に選択できるように,事務機器の提供
者は,製品の情報アクセシビリティ機能に関する情報を提供しなければならない。
例 1. 企業の公式ウェブサイトから事務機器の情報アクセシビリティに関する情報を入手できる。
例2. 業界団体のウェブサイトに事務機器の情報アクセシビリティに関する情報を掲載する。
例3. 企業の公式ウェブサイトは,音声読み上げ機能が利用できる。

6.2 評価に関する要件

 事務機器の提供者は,事務機器の情報アクセシビリティを評価し,必要に応じ
て評価の記録を提示できる手段で残さなければならない。
参考 評価対象のタスク詳細に関しては,附属書1(規定)及び附属書2(参考)を参照。

6.3 利用者からのフィードバックに関する要件

 事務機器の情報アクセシビリティ開発者は,利用者の
意見を収集する窓口を用意し,利用者からの意見を,事務機器の情報アクセシビリティの確保・向上に活
かすように努めなければならない。
例 1. 事務機器の情報アクセシビリティに関する顧客満足度を向上させるための情報収集手段をもつ。
例2. お客様相談窓口を設け,複数の手段(電話,ファクシミリ,電子メールなど)での問い合わせ
を受ける。
例3. ウェブサイトに利用者からの意見収集機能を設け,収集された情報を企画,開発部門へ伝達す
る業務ルートを整備する。

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6.4 サポートに関する要件

 情報アクセシビリティ及び互換機能の説明情報を,利用者に適切な手段で
提供しなければならない。また,サポート窓口を用意し,利用者に適切な手段で知らせるとともに,その
窓口には,利用者が複数の手段でアクセスでき,障害のある利用者とコミュニケーションが取れるように
配慮する。
例1. サポートを行う場合のコミュニケーション手段としては,電話だけでなく,ファクシミリ,電
子メールなどの手段も提供する。
例2. 取扱説明書は,高齢者にも読みやすい大きな文字を用いたものを提供する。また,電子媒体で
も提供できるようにする。
例3. 視覚に障害のある利用者には,音声読み上げソフトで認識できる電子文書を用意する。
例4. 製品のアクセシビリティ情報は,関係する販売店,情報サービス企業及び支援者にも提供する。

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附属書1(規定)基本機能及び操作範囲

1. 適用範囲

 この附属書は,基本機能及び操作範囲の詳細事項について規定する。
2. 基本機能及び操作範囲 機器を操作するときの標準的な操作の範囲を基本操作範囲とし,そのタスク
範囲を規定する。基本操作とは,事務機器が提供する主たる機能で,製品カテゴリーに共通する機能の操
作にかかわる範囲で,付帯的な機能の操作にかかわる範囲でないもの。対象製品は,事務機器分野のオフ
ィス用複写機,複合機及びページプリンタを対象とする。
− 事務機器の基本機能は,複写機能(原稿を複写できる。)(附属書1表1参照),ファクシミリ機能(原
稿を送受信できる。)(附属書1表2参照),プリント機能(原稿をプリントできる。)(附属書1表3
参照),スキャナ機能(原稿を読取り保存できる。)(附属書1表4参照)とする。
− 事務機器の基本機能は,本体4.2で示された利用者が操作できなければならない。また,本体4.3の場
合も利用者が操作できるように配慮しなければならない。
附属書1表 1 複写機能
タスク 操作 操作タスク
接近(1)
準備 a)原稿セット
1)ガラス面 自動原稿送り装置(ADF)又は原稿(台)カバーを開ける。
原稿を原稿台ガラスに置く。
原稿セット位置を確認する。
自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを閉める。
2)自動原稿送り装置 原稿を自動原稿送り装置に置く。
(ADF)トレイ 原稿セットガイドを操作する。
原稿位置を確認する。
ジョブ設定 a)機能選択 複写機能(2)を選択する。
b)設定 キー入力によって枚数を設定する。
作動 a)起動 (コピー)スタートキーを押す。
終了 a)原稿回収
1)ガラス面 自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを開ける。
原稿を原稿台ガラスから回収する。
自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを閉める。
2)自動原稿送り装置 原稿を自動原稿送り装置から回収する。
(ADF)排紙トレイ
b)コピー回収 複写済み用紙を取り出す。
注(1) 上記の基本操作範囲にかかわる操作部への接近を妨げるバリアがあってはならない。また,操作部の
位置が分からなければならない。さらに,キーなどの操作機能が識別できなければならない。
(2) 複合機で複合機能をもつ場合には,利用者が機能を選択できなければならない。

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附属書1表 2 ファクシミリ機能
タスク 操作 操作タスク
接近(1)
準備 a)原稿セット
1)ガラス面 自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを開ける。
原稿を原稿台ガラスに置く。
原稿セット位置を確認する。
自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを閉める。
2)自動原稿送り装置ト原稿を自動原稿送り装置に置く。
レイ 原稿セットガイドを操作する。
原稿位置を確認する。
ジョブ設定 a)機能選択 ファクシミリ機能(2)を選択する。
b)設定 キー入力によって送信先を指定する。
作動 a)起動 (ファクシミリ送信)スタートキーを押す。
b)送信 送信結果を確認する。
終了 a)原稿回収
1)ガラス面 自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを開ける。
原稿を原稿台ガラスから回収する。
自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを閉める。
2)自動原稿送り装置排原稿を自動原稿送り装置から回収する。
紙トレイ
b)受信(3)
注(3) 受信は,自動受信による。
附属書1表 3 プリント機能
タスク 操作 操作タスク
接近(1)
準備 a)用紙補給 用紙補給操作
給紙トレイ又は給 給紙トレイ又は給紙カセットを引き出す。
紙カセット 用紙をセットする。
給紙トレイ又は給紙カセットを格納する。
ジョブ設定 a)ドライバ起動 クライアント(パーソナルコンピュータ)側の操作及びドラ
イバ(4)を起動する。
b)設定 枚数を設定する。
作動 a)起動 パーソナルコンピュータからタスク実行キーを押下する。
終了 a)排紙トレイ 印刷済み用紙を取り出す。
注(4) Sに依存するものは,除外する。

――――― [JIS X 8341-5 pdf 14] ―――――

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附属書1表 4 スキャナ機能
タスク 操作 操作タスク
接近(1)
準備 a)原稿セット
1)ガラス面 自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを開ける。
原稿を原稿台ガラスに置く。
原稿セット位置を確認する。
自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを閉める。
2)自動原稿送り装置ト原稿を自動原稿送り装置に置く。
レイ 原稿セットガイドを操作する。
原稿位置を確認する。
ジョブ設定 a)機能選択 スキャナ機能(2)を選択する。
作動 a)起動 (スキャナ)スタートキーを押す。
終了 a)原稿回収
1)ガラス面 自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを開ける。
原稿を原稿台ガラスから回収する。
自動原稿送り装置又は原稿(台)カバーを閉める。
2)自動原稿送り装置 原稿を自動原稿送り装置から回収する。
(ADF)排紙トレイ
備考1. 表は,標準的なモデルを提示したものであり,機器によっては,機能の組合せ及び具体的な操作方
法が異なる場合もある。
2. ページプリンタ単体の場合には,電源の投入・切断ができなければならない。

――――― [JIS X 8341-5 pdf 15] ―――――

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