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X 9401 : 2016 (ISO/IEC 17788 : 2014)
注記 ビジネス関係は,必ずしも金銭的な合意を伴うとは限らない。
3.2.12
クラウドサービスカスタマデータ(cloud service customer data)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)の(法的又はその他の理由によって)管理下にあるデータオブジェ
クトの種類であって,クラウドサービス(3.2.8)に入力した,又はクラウドサービス(3.2.8)の公開イン
タフェースを使ってクラウドサービスカスタマ(3.2.11)又はその代理人がクラウドサービス(3.2.8)の能
力を実行して生じるもの。
注記1 法的規制の一例は著作権である。
注記2 クラウドサービス(3.2.8)が,クラウドサービスカスタマデータではないデータを保持又は
操作するかもしれない。この場合,データはクラウドサービスプロバイダ(3.2.15)が利用可
能にしたもの,若しくは他のソースに含まれていたものかもしれない,又は公開済みデータ
かもしれない。しかしながら,このデータに対してクラウドサービス(3.2.8)の能力を使っ
てクラウドサービスカスタマ(3.2.11)の活動の結果として生成された任意の出力データは,
クラウドサービス(3.2.8)の合意に反する特別な条項がない限り,著作権の一般原則に従っ
て,クラウドサービスカスタマデータとなり得る。
3.2.13
クラウドサービス派生データ(cloud service derived data)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)によってクラウドサービス(3.2.8)と相互作用した結果として派生
した,クラウドサービスプロバイダ(3.2.15)の管理下にあるデータオブジェクトの種類。
注記 クラウドサービス派生データには,サービスカスタマ,利用時間,作業内容,関係したデータ
の型などの記録が入ったログデータが含まれる。認可されたユーザの数及び属性に関する情報
が含まれることもある。クラウドサービス(3.2.8)に構成及びカスタマイズする能力がある場
合,構成又はカスタマイズしたデータが含まれることもある。
3.2.14
クラウドサービスパートナ(cloud service partner)
クラウドサービスプロバイダ(3.2.15),クラウドサービスカスタマ(3.2.11)の一方,又はその両者の,
活動をサポートする,又は補助する役割を担うパーティ(3.1.6)。
3.2.15
クラウドサービスプロバイダ(cloud service provider)
クラウドサービス(3.2.8)を利用できるようにするパーティ(3.1.6)。
3.2.16
クラウドサービスプロバイダデータ(cloud service provider data)
クラウドサービスプロバイダ(3.2.15)による管理下で,クラウドサービス(3.2.8)の運用に固有のデ
ータオブジェクトのクラス。
注記 クラウドサービスプロバイダデータには次のことが含まれるが,それらに限定されるものでは
ない。
− リソースの構成・利用に関する情報
− クラウドサービス(3.2.8)に固有の仮想マシン,ストレージ及びネットワークのリソース配
分
− データセンタ全体の構成・利用
――――― [JIS X 9401 pdf 6] ―――――
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X 9401 : 2016 (ISO/IEC 17788 : 2014)
− 物理的及び仮想的なリソースの故障率及び運用コスト
3.2.17
クラウドサービスユーザ(cloud service user)
クラウドサービス(3.2.8)を利用するクラウドサービスカスタマ(3.2.11)に連携して,自然人又はその
代わりに活動するエンティティ。
注記 そのようなエンティティの例として,機器及びアプリケーションがある。
3.2.18
コミュニケーションアズアサービス,CaaS(Communications as a Service,CaaS)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)に提供される能力が,リアルタイムのやりとり及び共同作業である
クラウドサービス区分(3.2.10)。
注記 CaaSは,アプリケーション能力型(3.2.1)とプラットフォーム能力型(3.2.31)との両方を提
供することができる。
3.2.19
コミュニティクラウド(community cloud)
次を満たすクラウド配置モデル(3.2.7)。
クラウドサービス(3.2.8)が,要求事項,及び相互に関係をもつクラウドサービスカスタマ(3.2.11)の
特定の集合を排他的にサポートし,かつ,それらのカスタマによって共有される。また,その場合のリソ
ースはクラウドサービスカスタマ(3.2.11)の集合に属する少なくとも一つのメンバによって制御される。
3.2.20
コンピュートアズアサービス,CompaaS(Compute as a Service,CompaaS)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)に提供される能力が,ソフトウェアの配置及び実行に必要な処理リ
ソースを供給及び使用することであるクラウドサービス区分(3.2.10)。
注記 ソフトウェアを実行するために,処理リソース以外の能力を必要とするものがある。
3.2.21
データ可搬性(data portability)
データをあるシステムから他のシステムへ,データの再入力を必要とすることなく容易に移行すること
ができる能力。
注記 データ可搬性において本質的なことは,データの移行が容易であることである。これは,デー
タ移行元のシステムが,移行先のシステムが受入れ可能なフォーマットのデータを提供するこ
とによって達成される。データフォーマットが一致しなかった場合であっても両システム間で
のデータ移行は,一般に入手可能なツールを使用して簡便かつ容易に達成可能である。一方,
データを印刷し,移行先のシステムのために再度入力する作業は,“容易である”とは言い難い。
3.2.22
データストレージアズアサービス,DSaaS(Data Storage as a Service,DSaaS)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)に提供される能力が,データストレージ及びその関連能力を供給及
び使用することであるクラウドサービス区分(3.2.10)。
注記 DSaaSは,クラウド能力型(3.2.4)の三つの能力のいずれについても提供することができる。
3.2.23
ハイブリッドクラウド(hybrid cloud)
二つ以上の異なるクラウド配置モデル(3.2.7)を使用するクラウド配置モデル(3.2.7)。
――――― [JIS X 9401 pdf 7] ―――――
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X 9401 : 2016 (ISO/IEC 17788 : 2014)
3.2.24
インフラストラクチャアズアサービス,IaaS(Infrastructure as a Service,IaaS)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)に提供されるクラウド能力型(3.2.4)が,インフラストラクチャ能
力型(3.2.25)であるクラウドサービス区分(3.2.10)。
注記 クラウドサービスカスタマ(3.2.11)は,システムの基盤となる物理的リソース・仮想化リソー
スの管理又は制御を行わないが,物理的リソース・仮想化リソースを利用するオペレーティン
グシステム,ストレージ及び配置されたアプリケーションの制御を行う。クラウドサービスカ
スタマ(3.2.11)は,特定のネットワークコンポーネント(例えば,ホストファイアウォール)
を対象として,限定的な制御を行う能力をもつ場合もある。
3.2.25
インフラストラクチャ能力型(infrastructure capabilities type)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)が,演算リソース,ストレージリソース又はネットワーキングリソ
ースを供給及び利用することができるクラウド能力型(3.2.4)。
3.2.26
計測されたサービス(measured service)
利用状況に関する監視,制御,報告及び課金を行うことができるような,クラウドサービス(3.2.8)の
計測結果の配信。
3.2.27
マルチテナンシ(multi-tenancy)
複数のテナント(3.2.37)及びテナントの演算・データが,他のテナントから隔離され,また,他のテ
ナントからアクセスができないような,物理リソース又は仮想リソースの割当て。
3.2.28
ネットワークアズアサービス,NaaS(Network as a Service,NaaS)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)に提供される能力が,トランスポート層での接続性及び関連するネ
ットワーク能力であるクラウドサービス区分(3.2.10)。
注記 NaaSは,3種類のクラウド能力型(3.2.4)をいずれも提供することができる。
3.2.29
オンデマンドセルフサービス(on-demand self-service)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)が,必要に応じて自動的に,又はクラウドサービスプロバイダ(3.2.15)
との最小限のやりとりによって,コンピューティング能力を供給することができるという特徴。
3.2.30
プラットフォームアズアサービス,PaaS(Platform as a Service,PaaS)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)に提供されるクラウド能力型(3.2.4)が,プラットフォーム能力型
(3.2.31)であるクラウドサービス区分(3.2.10)。
3.2.31
プラットフォーム能力型(platform capabilities type)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)が,クラウドサービスプロバイダ(3.2.15)によってサポートされ
る一つ以上のプログラミング言語と一つ以上の実行環境とを使ってカスタマが作った又はカスタマが入手
したアプリケーションを配置し,管理し,及び実行することができるクラウド能力型(3.2.4)。
――――― [JIS X 9401 pdf 8] ―――――
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X 9401 : 2016 (ISO/IEC 17788 : 2014)
3.2.32
プライベートクラウド(private cloud)
クラウドサービス(3.2.8)が単一のクラウドサービスカスタマ(3.2.11)によって排他的に利用され,リ
ソースがクラウドサービスカスタマ(3.2.11)によって制御されるクラウド配置モデル(3.2.7)。
3.2.33
パブリッククラウド(public cloud)
クラウドサービス(3.2.8)がいかなるクラウドサービスカスタマ(3.2.11)に対しても潜在的に利用可能
であり,かつ,リソースがクラウドサービスプロバイダ(3.2.15)によって制御されるクラウド配置モデ
ル(3.2.7)。
3.2.34
リソースプール(resource pooling)
単一又は複数のクラウドサービスカスタマ(3.2.11)に供するクラウドサービスプロバイダ(3.2.15)の
物理的又は仮想的なリソースの集合。
3.2.35
可逆性(reversibility)
合意期間後に,クラウドサービスカスタマ(3.2.11)がそのクラウドサービスカスタマデータ(3.2.12)
及びアプリケーションの生成物(artefacts)を回収し,クラウドサービスプロバイダ(3.2.15)が全てのク
ラウドサービスカスタマデータ(3.2.12)及び契約で規定されたクラウドサービス派生データ(3.2.13)を
削除するプロセス。
3.2.36
ソフトウェアアズアサービス,SaaS(Software as a Service,SaaS)
クラウドサービスカスタマ(3.2.11)に提供されるクラウド能力型(3.2.4)がアプリケーション能力型
(3.2.1)のクラウドサービス区分(3.2.10)。
3.2.37
テナント(tenant)
物理的及び仮想的なリソースの単一の組合せに共用アクセスする,一つ以上のクラウドサービスユーザ
(3.2.17)。
4 略語
この規格で用いる主な略語は,次による。
CaaS コミュニケーションアズアサービス Communications as a Service
CompaaS コンピュートアズアサービス Compute as a Service
DSaaS データストレージアズアサービス Data Storage as a Service
IaaS インフラストラクチャアズアサービス Infrastructure as a Service
IAM アイデンティティ及びアクセス管理 Identity and Access Management
NaaS ネットワークアズアサービス Network as a Service
PaaS プラットフォームアズアサービス Platform as a Service
PII 個人を特定できる情報 Personally Identifiable Information
SaaS ソフトウェアアズアサービス Software as a Service
SLA サービスレベル合意書 Service Level Agreement
――――― [JIS X 9401 pdf 9] ―――――
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X 9401 : 2016 (ISO/IEC 17788 : 2014)
5 表記法
箇条3で定義された用語への参照は,太字で示す。
6 クラウドコンピューティングの概要
6.1 はじめに
クラウドコンピューティングとは,セルフサービスのプロビジョニング及びオンデマンド管理を使いス
ケーラブルで弾力性のある共用可能な物理的又は仮想的なリソースへのネットワークアクセスを行うパラ
ダイムである。
クラウドコンピューティングパラダイムは,主な特徴,クラウドコンピューティングのロール及びアク
ティビティ,クラウド能力型,クラウドサービス区分,クラウド配置モデル,並びにクラウドコンピュー
ティング横断的特性から構成されており,これらについてはこの箇条6で簡潔に記述する。
6.2 主な特徴
クラウドコンピューティングは,進化しているパラダイムである。6.2では,クラウドコンピューティ
ングの特徴を取り上げ,解説するが,配置,サービス提供又はビジネス運用について特定の手法を規定す
る又は制限する意図はない。
クラウドコンピューティングの主要な特徴を次に示す。
− 幅広いネットワークアクセス ネットワークを介して物理的又は仮想的リソースが利用可能であり,
標準的な手段でアクセス可能である。これによって,異種のクライアントプラットフォームによる利
用が促進される。クラウドコンピューティングが提供するこの特徴は,利用可能なネットワークがあ
りさえすれば,携帯電話,タブレットPC,ノートブックPC,ワークステーションなど多様な電子機
器を用いて,ユーザがどこからでも物理的又は仮想的リソースにアクセスできる,という利便性の向
上を表している。
− 計測されたサービス クラウドサービスの計測結果を配信することで,使用量の監視,制御,報告,
及び課金が可能となる。これは,クラウドサービスの提供を最適化し,承認する上で,非常に重要で
ある。この特徴は,カスタマは,自らが使用したリソースについてだけ対価を支払うことを表してい
る。カスタマの観点から言えば,低効率及び資産利用ビジネスモデルを高効率なものに転換すること
で,クラウドコンピューティングはユーザに価値を与える。
− マルチテナンシ 複数のテナントに割り当てられたそれぞれのコンピュータリソース及びデータが分
離され,互いにアクセスできないように,物理的又は仮想的なリソースが配置されること。マルチテ
ナンシの文脈内では,一般に,一つのテナントを構成するクラウドサービスユーザのグループは,同
じクラウドサービスカスタマの組織に属す。ただし,パブリッククラウド及びコミュニティクラウド
の配置においては,クラウドサービスユーザのグループが,複数の異なるクラウドサービスカスタマ
に属すユーザを含む場合もあり得る。しかしながら,組織内の複数のグループを表すために,一つの
クラウドサービスカスタマの組織が,単一のクラウドサービスプロバイダに異なる複数のテナントを
もつこともある。
− オンデマンドセルフサービス クラウドサービスカスタマが,必要に応じて,自動的,又はクラウド
サービスプロバイダとの最小限の対話型操作でコンピューティング能力を用意できること。この特徴
は,他者とのやりとり及びオーバーヘッドを必要とすることなく,ユーザが,必要なときに必要なこ
とを実行することを許容されることで,クラウドコンピューティングが,コスト,時間及び努力を相
対的に削減することを表している。
――――― [JIS X 9401 pdf 10] ―――――
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- ISO/IEC 17788:2014(IDT)
JIS X 9401:2016の国際規格 ICS 分類一覧
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