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性評価の仕組みを構築する。
c) 計画外停止を最小化するための予防保全及び予知保全のプログラムを開発する。
d) 計画外停止からの迅速な復旧に必要とされる予備部品を決定する。
e) 排出ガスの最小化及びパフォーマンス向上のためのシステム管理を最適化する。
f) 運用の柔軟性を向上させるために,最新の技術及び手法を合理的に実施する。
g) ライフサイクルコストを削減するために,ユニットの検査周期及び検査期間を最適化する。
注記1 サイバー攻撃の詳細については,IEC 62443規格群を参照する。
注記2 自然災害の詳細については,IEC 63152を参照する。
注記3 テロのリスクは,発電所運用者による計画及び適切な政府機関による計画の両方によって最小
限に抑えることが可能である。
5.6 運用管理
発電所運用者は,次の事項を確実にするため,“持続的な運用及び管理のための自己向上メカニズム”の
中で特定した,測定,データ管理,分析及びリスク対応プロセスのためのマネジメントシステムを実施し,
維持し,かつ,継続的に改善しなければならない。
a) 測定からリスク対応までのプロセスの再現性を向上させるために,知識データベースの開発を含む,
効果的な運転·保守プログラムを実施し,維持する。
b) 運転·保守活動を行う人材が必要な運転·保守技術の習得ができる訓練及び開発プログラムの体系的
な評価が行われるように,効果的な訓練及び開発プログラムを定期的に実施し,維持する。
5.7 総合マネジメント
発電所運用者は,火力発電インフラの質を維持し,更に高めていくために,次の事項を実行し,プロセ
スを確立しなければならない。
a) 火力発電インフラの質の向上に対するマネジメント側の責任を確保する。
b) 次の事項について,定期的に見直しを行い,改善計画を策定する。
1) 前回までのレビュー結果及び実施した措置の有効性
2) 4.3の評価指標の結果
3) 効果的な運用を維持するための運用管理の適切性
4) ステークホルダーとの関連するコミュニケーション
5) 事業環境(例えば,燃料調達リスク管理の妥当性)
6) 最新の技術及び機器の採用(例えば,IoT)
7) 社会環境の変化に対応する能力
8) ステークホルダーのニーズ(例えば,再生可能エネルギーの増加による需給調整)への対応力
c) 社会的責任を認識し,次の事項を考慮した上で社会的責任に関する方針及び計画を策定する。
1) 人権保護
2) 労働衛生及び福祉(ウェルビーイング)を含む労働者の権利
3) 環境保護(例えば,地域及び地球の環境の保護及び改善)
4) 防災計画(例えば,火災及び/又は労働災害を防止する安全活動)
d) 環境汚染に関する情報を,地域社会を含む関連するステークホルダーに,リアルタイムに提供する(例
――――― [JIS Y 37160 pdf 16] ―――――
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えば,CO2,SOx,NOx及びPMの排出量などの環境データをステークホルダーに提供する。)。
e) 運転·保守活動を行う人材が力量をもっていることを確実にする。
火力発電インフラの質の構成要素と,質を向上させるための運用の要求事項と,質の構成要素の評価指
標との間の関係を図3に示す。
火力発電インフラの 火力発電インフラの質の構成要素
持続的な運用のための
初期運転 環境及び社会 ライフサイクル
“自己向上メカニズム” 持続性 信頼性 への配慮 安全性
性能 コスト
総合 火力発電インフラの質に関わる重要事項の決定へのマネジメント側の責任を確保すること
全ての階層で
マネジ 定期的なレビューを実施し、必要な改善措置をタイムリーに決定すること
組織·人材·マネジメント
メント 社会的責任を認識し、明確な責任を明示した方針を定めること
体制を整備する
地域住民を含むステークホルダーとのコミュニケーションを図ること
運用 測定からリスク対応まで
知識データベースの体系的な整備に基づく運用·保守プロセスの再現性向上
火 管理 プロセスを再現可能とす
運用·保守活動を行う要員の人材育成プログラム 火
力 る
力
発 発
電 リスク
及び
データに基づいて、起こり得るリスクへの予防措置を行うこと
分析結果に基づき、起 電
イ 改善の インシデントの根本原因究明及び再発防止策
こり得るリスクを予測
ン 機会への イ
する LCCの低減のためのユニット検査間隔及び検査時間の最適化 ン
フ 対応
ラ フ
運 測定結果を総合的に分析し問題を特定すること ラ
用 分析 測定結果を総合的に解 の
データの分析に必要なスキルをもった人材を適切な職務に配置していること
の 釈し、問題を特定する
データの分析に必要な情報ツールのフォーマットが決定されていること質
要 の
求 向
事 汎用のフォーマットを採用し、自動的に記録·蓄積されていること 上
データ測定結果を記録·管理·
項 管理
データの分析を迅速に行うため、蓄積されたデータが容易に利用できること
蓄積する
データが十分に保護されていること
測定パラメータ及び頻度の決定
評価指標の値を監視
監視及び測定のための装置及びシステム
測定 及び測定する
測定における責任者の設置
·SOX、NOX、CO2
·他の五つの構成
·稼働率 排出原単位
火力発電インフラの質
·計画どおりに
·水質
·計画外停止率
要素を加味した
·労働安全災害
·熱消費率の増分
構成要素の評価指標 運転を開始する ·廃棄物の ライフサイクル
による死傷者数
·需給調整能力
リサイクル率 コスト
図3−火力発電インフラの質の構成要素,質を向上させるための運用の要求事項,
及び質の構成要素の評価指標
――――― [JIS Y 37160 pdf 17] ―――――
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附属書A
(参考)
火力発電インフラの質の他の五つの構成要素を考慮した
ライフサイクルコスト算定式の例
火力発電インフラにおけるライフサイクルコストは,式(A.1)を使って計算することが可能である。
Clcc CpastCfuture PpastPfuture
(A.1)
ここで, Clcc : 火力発電インフラにおけるライフサイクルコスト
Cpast : 実績費用であり,実際のEPCコスト,燃料コスト,運
転·保守コスト,及び社会的コストの総和
Cfuture : 将来費用であり,将来の燃料コスト,運転·保守コス
ト,社会的コスト,及び廃棄費用を含む解体コストの
総和
Ppast : 実績発電電力量であり,運転開始から現在までの発電
電力量の総和
Pfuture : 現在以降の発電電力量の総和
Cfutureについては,正味現在価値を用いるものとする。
社会的コストは,適切な単価及び係数を設定して計算することが望ましい。
注記 Cpast及びPpastは,実績値の累積値であり,調整は必要ない。
Cfutureの計算例を式(A.2)に示す(現在からy年後までの総和を正味現在価値に換算したもの)。
y
i y
Cfuture Cf,iCO&M,i Cs,i 1 r Cdisp1 r (A.2)
i 1
ここで, Cf,i : i年後における燃料コスト
CO&M,i : i年後における運転·保守コスト
Cs,i : i年後における社会的コスト
Cdisp : 廃棄費用を含む解体コスト
r : 割引率(国債金利などの為替変動リスクを加味して決
定)
Cf,iの計算例を式(A.3)に示す。
Cf,i FP
i fuel (A.3)
ここで, Fi : i年後における燃料消費量(kJ/kWh)
Pfuel : 燃料単価(キロジュール当たりの現地通貨)
CO&M,iの計算例を式(A.4)に示す。
CO&M,i Pg,iCO&M/P (A.4)
ここで, Pg,i : i年後における発電電力量(kWh)
CO&M/P : 単位発電量当たりの運転·保守コスト(キロワット時
当たりの現地通貨)
Cs,iの計算例を式(A.5)に示す。
Cs,i FC
i CO2 (A.5)
――――― [JIS Y 37160 pdf 18] ―――――
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ここで, CCO2 : 単位燃料消費量当たりのCO2排出コスト(キロジュー
ル当たりの現地通貨)
Fiの計算例を式(A.6)に示す。
iF
P 8760 Aav taFOH RHCR DHCRY i (A.6)
ここで, P : 定格出力(kW)
Aav : 実績上の年間平均稼働率(%)
RHCR : 現在の熱消費率(kJ/kWh)
DHCRY : 実績上の年間平均熱消費率増加[kJ/(kWh·y)]
taFOH : 実績上の年間平均計画外停止時間(h/y)
参考文献
[1] JIS Z 26000 社会的責任に関する手引
[2] JIS Q 27001 情報技術−セキュリティ技術−情報セキュリティマネジメントシステム−要求事項
[3] JIS Q 31000 リスクマネジメント−指針
[4] ISO 37156,Smart community infrastructures−Guidelines on data exchange and sharing for smart community
infrastructures
[5] JIS Q 45001 労働安全衛生マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引
[6] JIS Q 45100 労働安全衛生マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引−安全衛生活動など
に対する追加要求事項
[7] IEC 62443 (all parts),Industrial communication networks−Network and system security
[8] IEC 63152,Smart cities−City service continuity against disasters−The role of the electrical supply
[9] IEEE Std 762TM-2006,IEEE Standard Definitions for Use in Reporting Electric Generating Unit Reliability,
Availability, and Productivity
[10] EN 45510,Guide for procurement of power station equipment
[11] 質の高い電力インフラに関するAPECガイドライン(APEC#216-RE-03.2)
JIS Y 37160:2022の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 37160:2020(IDT)
JIS Y 37160:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.100 : 発電所一般
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.20 : 環境経済