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Y 5101 : 2022
5.6 運用管理の成熟度
発電所運用者は,測定からリスク対応までのプロセスマネジメントサイクルを維持するシステムを構築
し,実施し,維持し,かつ,継続的にプロセスを改善しなければならない。
発電所運用者は,JIS Y 37160:2022の5.6に規定された運用管理を行うに当たって,表5の基準によって
評価する。
表5−運用管理の成熟度レベル(1/2)
要求事項 a) 運用管理のプロセス
5段階の成熟度レベル
レベル 基準
5 1) レベル3及びレベル4の要求事項を継続的に実施している場合。
4 1) レベル3における要求事項を実施し,さらに,運用管理のプロセスについて,火力発電インフ
ラの質のパフォーマンスの維持·向上に向けた,実効性を高める次のような取組みを実施して
いる場合。
1.1) 測定からリスク対応までのプロセスの再現性を高めるために,マニュアル,ノウハウ,図面
などを含む知識データベースを運用していること。
1.2) IoT,所内専用監視設備などの基盤を整備し,異常が認められた際に対応する手順を確立して
いること。なお,IoTなどの外部システムを利用する場合においては,開発事業者などとの
協力体制を確保し,機能保証に関する確認を完了していること。
3 1) 運用管理を行う際に,次の事項を定めて実行している場合。
1.1) 測定からリスク対応までのプロセスの再現性の向上のための,知識データベースの開発を含
む,効果的な運転·保守プログラムの実施及び維持
2 1) レベル3における要求事項を実施しているが,実施内容が不十分である場合。
1 1) レベル3における要求事項を実施していない場合。
表5−運用管理の成熟度レベル(2/2)
要求事項 b) 運転·保守活動を行う人材への教育
5段階の成熟度レベル
レベル 基準
5 1) レベル3及びレベル4の要求事項を継続的に実施している場合。
4 1) レベル3における要求事項を実施し,さらに,運転·保守活動を行う人材への教育について,
火力発電インフラの質のパフォーマンスの維持·向上に向けた,実効性を高める次のような取
組みを実施している場合。
1.1) 運転·保守活動を行う人材が習得した技術,技能及び知識の適正な評価·認定の方法の規定
及び実行
1.2) 火力発電インフラの質のパフォーマンスの維持·向上に寄与する改善教育などの訓練·開発
プログラムの定期的な実施及び維持
3 1) 運転·保守活動を行う人材への教育を行う際に,次の事項を定めて実行している場合。
1.1) 必要な運転·保守技術を習得できる訓練及び開発プログラムの体系的な評価が行われるよう
な効果的な訓練·開発プログラムの定期的な実施及び維持
2 1) レベル3における要求事項を実施しているが,実施内容が不十分である場合。
1 1) レベル3における要求事項を実施していない場合。
5.7 総合マネジメントの成熟度
発電所運用者は,火力発電インフラの質を維持し,継続的に高めていくために,測定,データ管理,分
析,リスク対応及び運用管理を組織構造の中に組み込まなければならない。
――――― [JIS Y 5101 pdf 11] ―――――
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発電所運用者は,JIS Y 37160:2022の5.7に規定された総合マネジメントを行うに当たって,表6の基準
によって評価する。
表6−総合マネジメントの成熟度レベル(1/5)
要求事項 a) マネジメント側の責任の確保
5段階の成熟度レベル
レベル 基準
5 1) レベル3の要求事項を継続的に実施している場合。
4 −
3 1) 火力発電インフラの質の向上に対してマネジメント側の責任が確保されている場合。
2 1) レベル3における要求事項を実施しているが,実施内容が不十分である場合。
1 1) レベル3における要求事項を実施していない場合。
表6−総合マネジメントの成熟度レベル(2/5)
要求事項 b) 定期的なレビュー及び改善の仕組み
5段階の成熟度レベル
レベル 基準
5 1) レベル3及びレベル4の要求事項を継続的に実施している場合。
4 1) レベル3における要求事項を実施し,さらに,定期的なレビュー及び改善の仕組みについて,
火力発電インフラの質のパフォーマンスの維持·向上に向けた,実効性を高める次のような取
組みを実施している場合。
1.1) 定期的なレビュー及び改善計画の策定を,年1回以上実施
3 1) 次の事項について,定期的なレビューを行い,かつ,改善計画を定めて実施している場合。
1.1) 前回までのレビュー結果及び実施した措置の有効性
1.2) 4.3の評価指標の結果
1.3) 効果的な運用を維持するための運用管理の適切性
1.4) ステークホルダーとの関連するコミュニケーション
1.5) 事業環境(例えば,燃料調達リスク管理の妥当性)
1.6) 最新の技術及び機器の採用(例えば,IoT)
1.7) 社会環境の変化に対応する能力
1.8) ステークホルダーのニーズ(例えば,再生可能エネルギーの増加による需給調整)への対応
力
2 1) レベル3における要求事項を実施しているが,実施内容が不十分である場合。
1 1) レベル3における要求事項を実施していない場合。
――――― [JIS Y 5101 pdf 12] ―――――
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表6−総合マネジメントの成熟度レベル(3/5)
要求事項 c) 社会的責任
5段階の成熟度レベル
レベル 基準
5 1) レベル3及びレベル4の要求事項を継続的に実施している場合。
4 1) レベル3における要求事項を実施し,さらに,社会的責任について,火力発電インフラの質の
パフォーマンスの維持·向上に向けた,実効性を高める次のような取組みを実施している場合。
1.1) 社会的責任に関する方針についての,社外への公開·発信
3 1) 社会的責任を認識し,次の事項を考慮した上で社会的責任に関する方針及び計画を策定してい
る場合。
1.1) 人権保護
1.2) 労働衛生及び福祉(ウェルビーイング)を含む労働者の権利
1.3) 環境保護(例えば,地域及び地球の環境の保護及び改善)
1.4) 防災計画(例えば,火災,労働災害防止などの安全活動)
2 1) レベル3における要求事項を実施しているが,実施内容が不十分である場合。
1 1) レベル3における要求事項を実施していない場合。
表6−総合マネジメントの成熟度レベル(4/5)
要求事項 d) 地域社会を含むステークホルダーへの環境汚染に関する情報の提供
5段階の成熟度レベル
レベル 基準
5 1) レベル3及びレベル4の要求事項を継続的に実施している場合。
4 1) レベル3における要求事項を実施し,さらに,ステークホルダーとのコミュニケーションにつ
いて,火力発電インフラの質のパフォーマンスの維持·向上に向けた,実効性を高める次のよ
うな取組みを実施している場合。
1.1) ステークホルダーとのコミュニケーションを改善するための地域活動などの取組みの実施
3 1) 地域社会を含む関連するステークホルダーに,環境汚染に関する情報を適切に提供している場
合(例えば,CO2,SOx,NOx及びPMの排出量などの環境データをステークホルダーに提供す
る。)。
2 1) レベル3における要求事項を実施しているが,実施内容が不十分である場合。
1 1) レベル3における要求事項を実施していない場合。
表6−総合マネジメントの成熟度レベル(5/5)
要求事項 e) 運転·保守活動を行う人材の力量認定
5段階の成熟度レベル
レベル 基準
5 1) レベル3及びレベル4の要求事項を継続的に実施している場合。
4 1) レベル3における要求事項を実施し,さらに,運転·保守活動を行う人材の力量認定について,
火力発電インフラの質のパフォーマンスの維持·向上に向けた,実効性を高める次のような取
組みを実施している場合。
1.1) 運転·保守活動を行う人材の力量を維持·向上させる取組み(例えば,技能認定,技能競技
会)の実施
3 1) 運転·保守活動を行う人材が力量をもっていることを確実にしている場合。
2 1) レベル3における要求事項を実施しているが,実施内容が不十分である場合。
1 1) レベル3における要求事項を実施していない場合。
――――― [JIS Y 5101 pdf 13] ―――――
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参考文献
[1] JIS Z 26000 社会的責任に関する手引
[2] ISO 37101,Sustainable development in communities−Management system for sustainable development−
Requirements with guidance for use
[3] ISO 37153,Smart community infrastructures−Maturity model for assessment and improvement
JIS Y 5101:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.100 : 発電所一般
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.020 : 環境保護 > 13.020.20 : 環境経済
JIS Y 5101:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称