JIS Z 0111:2006 物流用語

JIS Z 0111:2006 規格概要

この規格 Z0111は、物流活動に用いられる主な用語及びその定義について規定。

JISZ0111 規格全文情報

規格番号
JIS Z0111 
規格名称
物流用語
規格名称英語訳
Glossary of terms for physical distribution
制定年月日
1985年11月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.55, 55.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
物流 2019
改訂:履歴
1985-11-01 制定日, 1991-02-01 確認日, 1996-07-01 確認日, 1999-03-20 改正日, 2004-03-20 確認日, 2006-03-25 改正日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS Z 0111:2006 PDF [10]
                                                                                   Z 0111 : 2006

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ロジ
スティクスシステム協会(JILS)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)で
ある。これによって,JIS Z 0111:1999は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 0111 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 0111 : 2006

物流用語

Glossary of terms for physical distribution

序文 物流の体系化及び標準化を進めるに当たり,物流活動に関連して使用される物流用語の定義を明確
化し,また,統一を図る必要から,1985年にJIS Z 0111が制定された。その後,1999年には用語の全般的
な見直しと,新たな分類項目(情報)の追加を行った。その後5年を経過し,その間の環境変化に対応す
るため,各用語の見直し及び新たな分類項目(流通加工)の追加を行った。
1. 適用範囲 この規格は,物流活動に用いられる主な用語及びその定義について規定する。
2. 分類 用語は,次のとおり分類する。
a) 物流一般
b) 包装・貨物
c) 輸送
d) 保管
e) 荷役
f) 流通加工
g) 情報
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次による。
なお,参考として対応英語を示す。

――――― [JIS Z 0111 pdf 2] ―――――

2
Z 0111 : 2006
a) 物流一般
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1001 物流 physical
物資を供給者から需要者へ,時間的及び空間的に移動する過程の
distribution
活動。一般的には,包装,輸送,保管,荷役,流通加工及びそれ
らに関連する情報の諸機能を総合的に管理する活動。
調達物流,生産物流,販売物流,回収物流(静脈物流),消費者
物流など,対象領域を特定して呼ぶこともある。
1002 ロジスティク logistics
物流の諸機能を高度化し,調達,生産,販売,回収などの分野を
ス 統合して,需要と供給との適正化を図るとともに顧客満足を向上
させ,併せて環境保全,安全対策などをはじめとした社会的課題
への対応を目指す戦略的な経営管理。
1003 サードパーテ third party
荷主企業でも物流事業者でもない第三者が荷主のロジスティクス
ィロジステ logistics,
を代行するサービス。倉庫,車両などの施設・設備がなくても事
ィクス 3PL
業化できる運営ノウハウをもとに,情報システム及び業務改革の
提案を中心に長期的な管理目標を定め,達成した改善利益の配分
を受けるものであるが,物流事業者が荷主企業のアウトソーシン
グニーズに広範に対応して一括受注するケースも含まれる。
1004 共同物流 −
複数の企業が,物流業務の効率化,顧客サービスの向上,交通混
雑の緩和,環境負荷の軽減などのために,物流機能を共同化する
こと。
参考 関連用語として,共同受発注,共同輸送,共同保管,共同物
流センター,共同配送,一括納品などが用いられる。
1005 コールドチェ cold chain system
生鮮食料品,冷凍食品などを,品質維持のため品物の温度を必要
ーンシステ 十分に低く保ちながら,生産地から消費地まで流通させる仕組み。

1006 消費者物流 宅配,引越し,トランクルームなど,個人に対する物流サービス。 −
通信販売・ネット販売に対する納品も含まれる。
1007 物流拠点 トラックターミナル,コンテナターミナル,物流センター,倉庫, −
上屋など,物流の各段階に設けられる施設。
1008 物流品質 quality of logistics
物流活動における業務遂行の質的水準。約束した納期の維持,汚
破損,劣化などを防止する貨物品質維持,誤送・ピッキング作業ミ
スなどを防止する正確性,並びに交通事故及び作業事故を防止す
る事故防止の諸水準のほかに,顧客の満足度,環境への貢献度な
どを含めることもある。
1009 ユニットロー unit load
複数の物品又は包装貨物を,機械及び器具による取扱いに適する
ド ように,パレット,コンテナなどを使って一つの単位にまとめた
貨物。この目的に合致する1個の大形の物品に対しても適用する。
貨物をユニットロードにすることによって,荷役を機械化し,
輸送,保管などを一貫して効率化する仕組みをユニットロードシ
ステムという。
1010 ユニットロー ユニットロードの大きさを表す寸法。 unit load size
ドサイズ ユニットロードの最突出部を囲み,互いに直角をなす四つの垂
直面と床面との交わりで決められる平面の長さ及び幅の実測値を
プランビューサイズ(plan view size)という(付図1参照)。
ユニットロードを構成する物品又は包装貨物が,正しく並べら
れた状態における計算上の平面の長さ及び幅をネットユニットロ
ードサイズ(net unit load size)という。
1011 パレット pallet
ユニットロードを推進するために用いられ,物品を荷役,輸送,
及び保管するために単位数量に取りまとめて載せる面をもつも
の。上部構造物をもつものを含む(JIS Z 0106参照)。

――――― [JIS Z 0111 pdf 3] ―――――

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Z 0111 : 2006
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1012 パレチゼーシ palletization
物品又は包装貨物をパレットに積み,パレット単位で物流を行う
ョン こと。パレットによるユニットロードで荷役を機械化し,物流の
効率化を図る手段である。
発地から着地まで一貫して同一のパレットに貨物を積載したま
ま物流を行うことを,一貫パレチゼーションという。
1013 パレット積付 palletizing patterns
パレットに物品を積み付けるときの配列方式。積付け効率及び荷
けパターン 崩れ防止を考慮してパターンを決める。基本的なものとして,ブ
ロック積み(付図2参照 棒積み,列積みともいう。),交互列積み
(付図3参照),れんが積み(付図4参照),ピンホイール積み(付
図5参照)及びスプリット積み(付図6参照)がある。
1014 パレタイズ palletizing
パレットに物品を積み付ける作業。この作業を機械化したものを
パレタイザという。
1015 デパレタイズ depalletizing
パレットに積み付けられた物品を取り卸す作業。この作業を機械
化したものをデパレタイザという。
1016 パレタイズド palletized load
一つ若しくは幾つかの物品又は包装貨物を,発地から着地まで一
貨物 貫して,物流機器を使用して機械荷役し,安全,かつ,能率的に
輸送・保管できるように,パレットを用いて一つの単位にまとめ
た貨物(JIS Z 0650参照)。
1017 パレットプー pallet pool system
構造,寸法,材質などが統一された互換性のあるパレットを,広
ルシステム 範囲の利用者間で共同運用する仕組み。
1018 コンテナ container
物資を収納し,反復使用に適する耐久性のある包装容器。貨物コ
ンテナ,通い容器,フレキシブルコンテナなどをコンテナという
ことがある。
1019 貨物コンテナ freight container
輸送する物品のユニット化を目的とし,異なった輸送機関に適合
性をもち,用途に応じた強度を備え,反復使用に耐えられるもの
で内容積が1m3以上である容器(JIS Z 1613参照)。
1020 通い容器 returnable
一定の企業又は事業所などの間で,繰り返し使用される輸送用容
器。 container,
crate
1021 フレキシブル flexible
折り畳みができる柔軟性のある材料を用いて袋状に作られ,つり
コンテナ intermediate
上げるためのつり部と,注入・排出ができる開口部とを備えたコン
テナ(JIS Z 1651参照)。 bulk container
1022 コンテナリゼ containerization
物資をコンテナに積んでユニット化し,荷役機械によってトラッ
ーション ク,船舶,鉄道車両,航空機などへの積込み,取卸しを行い,物
流の効率化を図る手段。
1023 表面利用率 surface utilization
ユニットロードを構成する媒体として使われるパレットなどの積
載部分の面積に対する貨物の占有面積の比率。 percentage
表面利用率(%)=
包装貨物の水平投影面積 1段の積付け個数
100
パレットなどの積載部分の面積
で表す。

――――― [JIS Z 0111 pdf 4] ―――――

4
Z 0111 : 2006
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1024 床面利用率 floor utilization
輸送機関又は保管装置の積載部分の床面積に対するネットユニッ
トロードサイズの総面積の比率。 percentage
床面利用率(%)=
ネットユニットロードサイズ面積 ユニットロード数
100
積載部分の床面積
で表す。
b) 包装・貨物
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2001 包装 packaging
物品の輸送,保管,取引,使用などに当たって,その価値及び状
態を維持するために,適切な材料,容器などに物品を収納するこ
と及びそれらを施す技術,又は施した状態。これを個装,内装及
び外装の3種類に大別する。パッケージングともいう(JIS Z 0108
参照)。
2002 包装モジュー packaging module
ユニットロードシステムによる流通効率化を目的として,体系化
ル された輸送包装寸法を得るための基準となる数値。包装モジュー
ルの倍数値又は分割値を組み合わせて導き出した,一連の平面寸
法(長さ×幅)を包装モジュール寸法という(JIS Z 0108参照)。
2003 貨物 cargo,
輸送,保管される物資の総称。その形態,性状などによって,一
般貨物と特殊貨物とに分けることがある。 freight
2004 包装貨物 輸送を目的とした包装を施した物品(JIS Z 0108参照)。 packaged cargo
2005 一般貨物 general cargo
特別の荷扱い及び積付けを必要としない貨物の総称。特殊貨物に
対応して用いられる。
2006 特殊貨物 special cargo
液体,粉粒体,動物,植物,冷凍・冷蔵品,貴重品,高価品,易
損品,危険品,汚わい品,特大品,引越貨物などで,特別の荷扱
い及び積付けを必要とする特殊な貨物。
2007 ドライカーゴ dry cargo
液体貨物に対比して使われる用語で,一般貨物及びバルクカーゴ
の総称。生鮮品,冷凍・冷蔵品及び生きている動植物は含まない。
2008 バルクカーゴ bulk cargo
粉粒体,液体,木材など,包装しないで大量に輸送される貨物。
ばら貨物ともいう。
2009 荷姿 type of packing
輸送,保管及び荷役される物資の外形。包装されたものと無包装
のものとがある。
2010 集合包装 assembly
複数の物品又は包装貨物を1個の大形貨物にユニット化し,機械
による取扱いに適するようにした包装(JIS Z 0108参照)。 packaging
2011 荷扱い指示マ pictorial marking
包装貨物の保護と,荷扱者の安全のために適正な荷扱いを指示す
ーク る場合とに用いるマーク(JIS Z 0150参照)。 for handling
c) 輸送
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3001 輸送 transportation
貨物をトラック,船舶,鉄道車両,航空機,その他の輸送機関に
よって,ある地点から他の地点へ移動させること。
3002 複合一貫輸送 intermodal
ある輸送単位の貨物を組み替えることなく,トラック,船舶,鉄
transportation,
道車両,航空機などの異なった輸送機関を組み合わせて行う輸送。
協同一貫輸送ともいう。 multimodal
transportation

――――― [JIS Z 0111 pdf 5] ―――――

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JIS Z 0111:2006の国際規格 ICS 分類一覧