JIS Z 2256:2010 金属材料の穴広げ試験方法 | ページ 2

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Z 2256 : 2010

6.2 試験機

  試験機は,穴広げ試験中に試験片を保持し,穴の縁に割れが発生したときに,直ちに穴広げ用の試験工
具の動きを停止することができるものでなければならない。
さらに,試験機は,穴広げ用の試験工具の変位速度を制御できるものでなければならない。
試験機は,穴広げ専用試験機だけでなく,深絞り試験機,又はその他のプレス試験機も使用可能である。

6.3 試験工具

6.3.1 穴広げ試験に用いるダイス及びパンチの寸法及び形状を,6.3.26.3.5に示す(図2参照)。
6.3.2 パンチは,先端の角度が60°±1°の円すい(錐)状の押し広げ用の工具とする。工具の円柱状の
部分の径Dpは,試験片の穴の縁に割れが発生する程度に穴を広げるのに十分な大きさをもたなければなら
ない。
6.3.3 試験片をクランプするダイスの内径Ddは,測定する穴広げ率を考慮して決める。
内径Ddは,40 mm以上が望ましい。
6.3.4 クランプするダイスの角部の丸みの半径Rは,2 mmから20 mmまでの間でなければならない。
推奨半径は,5 mmである。
6.3.5 円すい(錐)状の押し広げ用の工具の硬さは,55 HRC以上でなければならない。

7 試験片

7.1 供試材から少なくとも3個の試験を行うように試験片を採取しなければならない(図3及び8.2参照)。
7.2 試験片は,平らで穴の中心が,試験片の縁から45 mm以上であり,穴と穴との間隔は,90 mm以上
でなければならない。
単位 mm
a) 試験片ごとに1個の試験を行う場合 b) 1枚の試験片で,3個の試験を行う場合
図3−試験片の寸法
7.3 試験片の中心に10 mmの径のパンチを用いて穴を打ち抜く(図1参照)。
7.4 試験片に穴を打ち抜くときのダイスは,表2のクリアランスを満足するように選ぶ。このためには,
ダイスの内径の選択は,0.1 mmごとに行えるようにする必要がある。
表2−ダイス及びパンチ間のクリアランスの許容値
試験片の厚さ(t) クリアランス(c)
mm %
2.0 > t 12 ± 2
2.0 ≦ t 12 ± 1

――――― [JIS Z 2256 pdf 6] ―――――

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注記 表3に,上記の要求に従う打抜き用のダイスの径の例を示す。
表3−打抜き用ダイスの内径の例
単位 mm
試験片の厚さ(t) ダイスの内径(dd)
1.2≦ t< 1.5 10.30
1.5≦ t< 1.9 10.40
1.9≦ t< 2.3 10.50
2.3≦ t< 2.7 10.60
2.7≦ t< 3.1 10.70
3.1≦ t< 3.6 10.80
3.6≦ t< 4.0 10.90
4.0≦ t< 4.4 11.00
4.4≦ t< 4.8 11.10
4.8≦ t< 5.2 11.20
5.2≦ t< 5.7 11.30
5.7≦ t< 6.0 11.40
7.5 試験片の調製で用いられる打抜き用の工具の所定の寸法に対する許容差を,表4に示す。打抜き用の
工具は,磨耗を考慮して定期的に検査することが望ましい。
表4−打抜き用工具の所定の寸法に対する許容差
許容差
寸法
mm
打抜き用パンチの径 dp(10 mm) +0.02
−0.03
打抜き用ダイスの内径 dd(表3参照) +0.03
−0.02
クリアランスは,次の式で求める。
dd dp
c 100 (1)
2t
ここに, c : クリアランス(%)
dd : 試験片の穴を打ち抜くのに用いるダイスの内径(mm)
dp : 試験片の穴を打ち抜くのに用いるパンチの径(dp=10 mm)
t : 試験片の厚さ(mm)

8 試験

8.1 通常,試験温度は,10 ℃から35 ℃までの範囲内とする。管理条件下で試験を行う場合には,23±5 ℃
で行う。
8.2 3個の試験を行う。受渡当事者間の協定によって,試験数を増やしてもよい。
8.3 試験片の打抜き穴の中心と円すい(錐)状の穴広げ工具の軸とが一致するように,また,試験片の平
面が,円すい(錐)状のパンチの動作方向に垂直になるように試験片を設置する(図2参照)。さらに,
試験片の打抜き穴の出側面(ばりのある側)は,ダイスの側にする。これは,穴の打抜き及び穴広げが同
じ方向で行うことを意味している。

――――― [JIS Z 2256 pdf 7] ―――――

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8.4 試験中にクランプ部分から材料の流入がないように十分高い押し付け力をかける。
例 150 mm×150 mmの試験片では,50 kN以上の押し付け力が適切である。
材料の流入がある場合には,試験は無効とし再試験をしなければならない。
8.5 円すい(錐)状の穴広げ工具を,試験片に最初の割れが発生したときに,試験者が,試験を停止でき
る程度の速度で,試験片の打抜き穴に押し込む(図2参照)。円すい(錐)状のパンチの速度は,1 mm/s
を超えないことが望ましい。
8.6 試験中,試験片の穴の縁を,常に観察し最初に割れが発生したときに,円すい(錐)状の穴広げ工具
の押し込む速度を下げ,以降の穴の拡大を最小限にするのがよい。
8.7 割れが,試験片の厚さ方向に貫通した瞬間にパンチの動きを止め,ノギス又はその他の適切な装置(例
えば,校正された投影機)を用いて,0.05 mmの単位で試験後の試験片の穴の径を測定する。測定は,割
れの部分をはずして,直交する2方向で行う。
8.8 ある種の鋼材では,試験片の穴の縁の割れが発生しないまま,穴広げ工具の円柱部が通り貫けること
がある。このような場合には,試験片を廃棄し,円柱部分が十分に大きい径の穴広げ工具を使用して再試
験を行わなければならない。
大きな径の工具の適用ができない場合には,受渡当事者間の協定によって打抜き穴の径を小さくしても
よい。

9 試験値の算出

9.1 穴広げ率λは,9.2,9.3及び9.4に従って計算しなければならない。
9.2 8.7によって測定した値から穴の平均径を求める。
9.3 小数点1けたで示された穴の平均径を用いて,3個1) の試験それぞれの穴広げ率を,次の式で定義さ
れるように試験前の穴の径に対する試験後の穴の径の増大率として求める。
注1) 8.2によって,3個を超える試験片を試験した場合は,その個数を適用する。
Dh Do
100 (2)
Do
ここに, λ : 穴広げ率(%)
Do : 試験前の穴の径(Do=10 mm)
Dh : 試験後(破断後)の穴の平均径(mm)
9.4 9.3で求めた3個1) の試験の値から,平均穴広げ率( を求める。JIS Z 8401の規則Aに従って,
整数値に丸める。

10 試験報告書

  試験報告書が必要な場合には,報告する事項は,次のうちから,受渡当事者間の協定によって選択する。
a) この規格によって試験した旨の表示
b) 試験片の識別
c) 試験片の厚さ
d) 平均穴広げ率及び3個以上の試験を行った場合は,その数
e) 穴広げ率の範囲(要求がある場合に報告する。)
f) この規格に従っていない事項(受渡当事者間の協定によるもの)

――――― [JIS Z 2256 pdf 8] ―――――

                                                                 附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS Z 2256:2010 金属材料の穴広げ試験方法 ISO 16630:2009,Metallic materials−Sheet and strip−Hole expanding test
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差異
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条
国際規格 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 厚さが主に1.2 mm 1 厚さ1.2 mmから6.0 mm 追加 国内では,1.2 mmより薄い材技術的差異は,軽微であるが,次回
囲 から6.0 mmまで, まで,及び幅は90 mm以 ISO規格改正時に提案する。
料への適用もあるため,厚さは
及び幅が90 mm以 上の薄板金属材料に適用 “主に”とし,他の厚さにも適
上の板状金属材料 用可能とした。
に適用
8.6 穴広げ工具の押し 8.6 穴広げ工具の押込み速度 変更 技術的差異は,軽微である。
JISでは,穴広げ工具の押込み
込む速度の低減を の低減は,必す(須) 速度が遅い場合には,特に割れ
推奨 発生後に低減をしない場合も
許容した表現に修正した。
9.4 平均穴広げ率の値 9.4 平均穴広げ率の数値の丸 追加 平均穴広げ率(%)の整数値に
技術的差異は,軽微であるが,次回
の丸め め 丸めることを明記した。 ISO規格改正時に提案する。
10 試験報 受渡当事者間の協 10 必す(須)報告事項の項 変更 技術的差異は,軽微である。
JISでは,報告項目は,受渡当
告書 定で項目を選択 目を規定 事者間の協定で,選択可能とし
ている。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 16630:2009,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
Z2
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
256
− MOD··············· 国際規格を修正している。
: 2
010
2

JIS Z 2256:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 16630:2009(MOD)

JIS Z 2256:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2256:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ8401:2019
数値の丸め方