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Z 2257 : 2021
b) 試験片の切出し方向は,腕の方向を板材の圧延方向及び圧延直角方向と平行とする。ただし,試験片
の切出し方向は,受渡当事者間の協定によって決めてもよい。
c) 試験片の切出し(スリット加工を含む。)は,レーザ加工又はウォータージェット加工による。ただし,
これらの加工と同等の加工精度が得られる加工方法を用いてもよい。
d) 試験片は,試験に影響を及ぼすような変形又は加熱を避けなければならない。
6 試験機及び試験方法
6.1 試験機
二軸引張試験機(以下,試験機という。)は,次による。試験機の例を,附属書Cに示す。
a) 試験中,試験片の全てのつかみ部を,常に±0.1 mmの許容差で同一平面上に保持する機能及び剛性を
もつものでなければならない。
b) 試験片を保持するチャックのうち,対向する二つのチャックは,x軸及びy軸に沿って変位し,かつ,
x軸とy軸とは,90°±0.1°で直交していなければならない(以下,x軸とy軸との交点を試験機の
中心という。)。
c) 試験片をチャックに装着する前に,対向する二つのチャックが,試験機の中心から±0.1 mmの許容差
で等距離に位置するように調節できなければならない。
d) 試験片の中心を試験機の中心に一致させた状態で,試験片を把持できる機能をもたなければならない。
e) 軸及びy軸方向の引張力が増加している試験中は,対向する二つのチャックの変位を等しくする機
能,又は試験片の中心を±0.1 mmの許容差で常に試験機の中心上に維持する機能をもたなければなら
ない(例参照)。
例 図C.1及び図C.2に示す試験機では,対向する二つのチャックの変位を等しくするために,リ
ンク機構を用いている。
f) サーボ制御式二軸引張試験機においては,フィードバック制御によって,試験の目的に応じて,公称
応力比一定試験,真応力比一定試験又はひずみ速度比一定試験が実施できなければならない(C.2参
照)。リンク式二軸引張試験機においては,対向する二つのチャックの変位を等しくする機能をもたな
ければならない(C.3参照)。
g) 四つのアクチュエータを独立して制御できる試験機を用いてもよい(C.4参照)。
h) 試験中の引張力(x軸及びy軸方向の2チャンネル)及び試験片のひずみ(x軸及びy軸方向の2チャ
ンネル)の値が,同時に,かつ,連続的に測定され,保存できる機能をもたなければならない。
6.2 引張力及びひずみの測定方法
6.2.1 一般
x軸及びy軸方向の引張力[以下,(Fx, Fy)という。]及び公称ひずみ[以下,(ex, ey)という。]を測定する。
6.2.2 引張力の測定方法
(Fx, Fy)は,x軸及びy軸方向のロードセルによって測定する。
6.2.3 ひずみの測定方法
(ex, ey)は,ひずみゲージ,又はこれと同等以上の性能をもつ光学系測定装置などの測定装置を用いて測
定する。(ex, ey)の分解能は,0.000 1以下とする。
6.2.4 ひずみの測定位置
(ex, ey)の測定位置は,引張力が大きい方の軸と平行な中心線上の(中心線からの偏差は0.5 mm以内とす
る。),試験片中心から(0.35±0.05) Bの位置とし,図2による。ひずみゲージを用いて(ex, ey)を測定する場
――――― [JIS Z 2257 pdf 6] ―――――
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合は,0.30B0.40Bの範囲にひずみゲージのセンサ部全体が収まるように,ひずみゲージを接着する。
注記 有限要素法による解析によれば,試験片(箇条5参照)を用いて,図2に示す位置で二軸ひず
み成分を測定した場合は,応力の測定誤差esは2 %未満である[2][3]。ここで,esは,式(1)で定
義される。
G L G L G L
ij ij ij ij
es L
(pdf 一覧ページ番号 )
L L
klkl
ここに, σG : 応力測定部の平均応力[局所的なひずみの測定値から推
定される変形後の断面積(応力測定部内のひずみの一様
分布及び体積一定条件を仮定)及び二軸引張力Fx, Fyに
よって算定される。]
σL : 有限要素法によって計算される,ひずみ測定位置におけ
る局所応力
ただし,
G
12
G
23
G
31
G
33
0
L
23
L
31
L
33
0(平面応力要素の場合)
図2に示す測定位置が,esを最小にするための最適ひずみ測定位置を与える。
1) x≧Fy 2) x≦Fy
a) 二軸ひずみゲージを用いてex及びeyを測定する場合
図2−ひずみの測定位置[2][3]
――――― [JIS Z 2257 pdf 7] ―――――
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1) x≧Fy 2) x≦Fy
b) 単軸ひずみゲージを用いてex及びeyを測定する場合
記号説明
B 腕幅
ex x軸方向の公称ひずみ
ey y軸方向の公称ひずみ
Fx x軸方向の引張力
Fy y軸方向の引張力
図2−ひずみの測定位置[2][3](続き)
6.3 試験片の装着
試験片を試験機のチャックに固定する。試験片の中心は,試験機の中心に合わせる。
6.4 試験方法
公称応力比,ひずみ速度比又はチャックの変位速度比を一定に保ちつつ,試験片に二軸引張力を加える。
試験中の(Fx, Fy)及び(ex, ey)を,同時に,かつ,連続的に測定する。応力若しくはひずみが所定の大きさに
到達した時点,又は腕部若しくは応力測定部に破断若しくは局所くびれが発生した時点で,試験を終了す
る。ひずみ速度は,0.1 s−10.000 1 s−1が望ましい。試験温度は,10 ℃35 ℃とする。
注記 後続降伏曲面を測定する実験方法として,ひずみ経路を急変させる方法(ひずみ経路急変法)
も用いられている(A.3参照)。
7 応力-ひずみ曲線の算出方法
7.1 一般
(Fx, Fy)及び(ex, ey)の測定値を用いて,x軸及びy軸方向の応力−ひずみ曲線を求める。求めた応力−ひず
み曲線は,等塑性仕事面の算出に用いる(A.2参照)。
7.2 応力測定部の初期断面積の算出
応力測定部の初期断面積は,式(2)及び式(3)によって0.01 mm2の桁まで算出し,JIS Z 8401の規則Aに
よって0.1 mm2 の桁に丸める。
ASx aBSy (2)
ASy aBSx (3)
ここに, ASx : x軸に直交する応力測定部の初期断面積(mm2)
――――― [JIS Z 2257 pdf 8] ―――――
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ASy : y軸に直交する応力測定部の初期断面積(mm2)
BSx : x軸上のスリット端部間の距離(mm)
BSy : y軸上のスリット端部間の距離(mm)
a : 試験片の板厚(mm)
なお,試験片の板厚aは,0.01 mm以上の精度で測定し,BSx及びBSyは,0.1 mm以上の精度で測定する。
7.3 真応力の算出
x軸及びy軸方向の真応力は,式(4)及び式(5)によって0.1 MPaの桁まで算出し,JIS Z 8401の規則Aに
よって1 MPaの桁に丸める。
Fx
x 1 ex (4)
ASx
Fy
y 1 ey (5)
ASy
ここに, σx : x軸方向の真応力(MPa)
σy : y軸方向の真応力(MPa)
Fx : x軸方向の引張力(N)
Fy : y軸方向の引張力(N)
ex : x軸方向の公称ひずみ
ey : y軸方向の公称ひずみ
7.4 真ひずみの算出
x軸及びy軸方向の真ひずみは,式(6)及び式(7)によって10−5の桁まで算出し,JIS Z 8401の規則Aによ
って10−4の桁に丸める。
ln1
x
xe
(pdf 一覧ページ番号 )
ln1
y ey (7)
ここに, εx : x軸方向の真ひずみ
εy : y軸方向の真ひずみ
二軸引張試験によって測定した,JIS G 3141に規定する冷間圧延鋼板SPCEの真応力−真ひずみ曲線の
測定例を図3に示す。比較のため,圧延方向の単軸引張試験を用いて測定された真応力−真ひずみ曲線も
併記する。
――――― [JIS Z 2257 pdf 9] ―――――
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a) x : Fy=1 : 1の場合 b) x : Fy=2 : 1の場合
記号説明
Ebx : 弾性域におけるx軸方向の真応力−真ひずみ曲線の傾き(MPa)
Eby : 弾性域におけるy軸方向の真応力−真ひずみ曲線の傾き(MPa)
図3−二軸引張試験によって測定した真応力−真ひずみ曲線の例
7.5 塑性ひずみの算出
x軸及びy軸方向の対数塑性ひずみ(以下,塑性ひずみという。)は,式(8)及び式(9)によって10−5の桁
まで算出し,JIS Z 8401の規則Aによって10−4の桁に丸める。
p x
x x (8)
Ebx
p y
y y (9)
Eby
xp x軸方向の塑性ひずみ
ここに,
yp y軸方向の塑性ひずみ
Ebx : 弾性域におけるx軸方向の真応力−真ひずみ曲線の傾き
(MPa)
Eby : 弾性域におけるy軸方向の真応力−真ひずみ曲線の傾き
(MPa)
二軸引張試験によって測定した,JIS G 3141に規定する冷間圧延鋼板SPCEの真応力−塑性ひずみ曲線
の測定例を図4に示す。比較として,圧延方向の単軸引張試験を用いて測定された真応力−塑性ひずみ曲
線も併記する。
――――― [JIS Z 2257 pdf 10] ―――――
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JIS Z 2257:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16842:2014(MOD)
JIS Z 2257:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 2257:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG0202:2013
- 鉄鋼用語(試験)
- JISZ2241:2011
- 金属材料引張試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方