JIS Z 2283:1998 金属材料の液体ヘリウム中の低サイクル疲労試験方法

JIS Z 2283:1998 規格概要

この規格 Z2283は、大気圧下にある液体ヘリウム中の金属材料の低サイクル疲労寿命を求めることを目的とした,両振り一定ひずみ範囲制御下の一軸引張-圧縮疲労試験方法について規定。

JISZ2283 規格全文情報

規格番号
JIS Z2283 
規格名称
金属材料の液体ヘリウム中の低サイクル疲労試験方法
規格名称英語訳
Method of low cycle fatigue testing for metallic materials in liquid helium
制定年月日
1998年3月20日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.040.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1998-03-20 制定日, 2004-03-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS Z 2283:1998 PDF [12]
Z 2283 : 1998

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願の実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS Z 2283には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) 極低温低サイクル疲労試験用変位計の校正方法
附属書2(規定) 低サイクル疲労試験用極低温装置の軸心の検査方法

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS Z 2283 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 2283 : 1998

金属材料の液体ヘリウム中の低サイクル疲労試験方法

Method of low cycle fatigue testing for metallic materials in liquid helium

序文 この規格は,金属材料の高温低サイクル疲労試験方法 (JIS Z 2279) ,液体ヘリウム中における金属
材料の引張試験方法 (JIS Z 2277) を参考にしつつ,特に,液体ヘリウム温度のような極低温では塑性変形
仕事が容易に材料温度を大きく上昇させやすいこと,液体ヘリウムが比較的よく使用される冷媒である液
体窒素と比べて取り扱いにくいうえ高価であることに留意して作成したものである。
1. 適用範囲 この規格は,大気圧下にある液体ヘリウム中の金属材料の低サイクル疲労寿命を求めるこ
とを目的とした,両振り一定ひずみ範囲制御下の一軸引張−圧縮疲労試験方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS G 0202 鉄鋼用語(試験)
JIS R 6252 研磨紙
JIS Z 2277 液体ヘリウム中における金属材料の引張試験方法
JIS Z 2279 金属材料の高温低サイクル疲労試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語(記号)は,JIS G 0202,JIS Z 2277,JIS Z 2279によるほか,次に
よる。
a) 応力 ( 片の軸方向試験力Pを試験片の初期断面積A0で除した値(公称応力)とする。Pは
引張を正,圧縮を負にとる。
b) 全ひずみ ( 攀 片の初期の標点距離をl0,変形後の標点距離をlとすると次の式で表す。単位は
m/m(無次元)又は%で表す。
l l0
t (1)
l0
備考 試験片の初期標点距離は,試験片に伸び計を取り付け,試験温度にまで冷却した後の標点距離
をとることとするが,それが正確に測定できない場合には,室温における値を用いてもよい。
c) 弾性ひずみ ( 攀攀 爰 湟 分であって,応力 鉾 数(ヤング率)Eで除し
値とする。

――――― [JIS Z 2283 pdf 2] ―――――

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e (2)
E
d) 塑性ひずみ ( 攀 爰 襟 爰 し引いた値とする。
攀 攀 攀攀 (3)
攀 愀
e) ひずみの最大値及び最小値 各ひずみの最大値及び最小値は, 攀 椀 攀攀 愀 攀攀 椀
f) 引張ピーク応力 ( 愀 力の最大値。
g) 圧縮ピーク応力 ( 椀 力の最小値。
h) 応力範囲 ( 張ピーク応力から圧縮ピーク応力を引いた値。
愀 椀 (4
備考 応力範囲の21を応力振幅という。
i) ヒステリシスループ 疲労試験中の応力とひずみの関係を表すループ。
j) 全ひずみ範囲 ( 攀 爰 湧Y \ いた値。
攀 攀 愀 攀 椀
試験を代表する全ひずみ範囲の値は,破損繰返し数 (Nf) の21又はその近傍での繰返し数での全ひ
ずみ範囲とする。
なお,全ひずみ範囲の21を全ひずみ振幅という。
k) 弾性ひずみ範囲 ( 攀攀 爰 湧Y \ いた値。
攀 攀攀 愀 攀攀 椀
備考 縦弾性係数が不明で弾性ひずみが求められない場合には,全ひずみ範囲から次項で示すヒステ
リシスループから求める塑性ひずみ範囲を引いた値として求めることができる。
攀 攀 攀 (7)
l) 塑性ひずみ範囲 ( 攀 爰 湧Y \ いた値。
備考 縦弾性係数が不明で塑性ひずみが式(3)によって求められない場合には,応力0に対するヒステ
リシスループの幅をもって塑性ひずみ範囲とすることができる。
m) ひずみ範囲制御誤差 ( 稀 湾 し数での全ひずみ範囲を 攀 試験を代表する全ひずみ範囲を
攀 湟
t1 t2

(pdf 一覧ページ番号 )

                                  t2
ひずみ範囲制御誤差の最大値を 稀愀 最小値を 稀椀
n) ひずみ波形 一定の最大値と最小値の間を単純に,かつ,周期的に変動する全ひずみの時間に対する
変化形状をいう。
o) ひずみ速度 ( 攀 爰 囲を21周期の所要時間で除した値をいう。単位はs−1又は%s−1で表す。
p) 繰返し速度(f又はv) 単位時間当たりの繰返し回数。周波数と称する場合もある。単位はHzで表
す。
q) 破損繰返し数 (Nf) 試験片が破損するまでの繰返し数。破損寿命ともいう。
r) 破断繰返し数 (Nrup) 試験片が完全に分離破断するまでの繰返し数。破断寿命と称することもある。
備考 破損繰返し数と破断繰返し数をともに疲労寿命と呼ぶ。
s) セレーション 引張及び圧縮過程で応力−ひずみ曲線がのこ(鋸)歯状になる現象。
t) 極低温装置 液体ヘリウムなどを貯留するデュワー,試験片つかみ具,ロード・フレームなどで構成
する装置。試験片をその内部にセットし疲労試験機に取り付けて用いる。

――――― [JIS Z 2283 pdf 3] ―――――

                                                                                              3
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u) デュワー 液体ヘリウムなどの液体を試験片の周りに保持するための断熱層をもつ極低温恒温槽。
4. 試験の原理 この試験は,液体ヘリウム中に試験片を浸せきし,一定全ひずみ範囲条件下で試験片の
長手方向に引張及び圧縮の繰返し試験力を加え,試験片の破損又は破断までの繰返し数を求めるものであ
る。
5. 試験片
5.1 試験片の形状及び寸法 中実丸棒試験片を用いる。その形状及び寸法は,図1,表1による。
図1 試験片の形状
表1 試験片の寸法
試験片の部位 寸法
L 平行部の長さ l0+d≧L≧l0+0.5d
l0 標点距離 l0≧d
d 平行部の直径 d=6, 8又は10mm
R 肩部の半径 R≧2d
5.2 試験片の加工及び仕上げ 試験片を切削又は研削によって機械加工する場合には,試験片に大きな
加工ひずみを生じないように,また,試験片が加熱されないように注意しなければならない。機械加工後
の試験片は,切削又は研削による条こん(痕)を除去するために,順次細かい粒度の研磨布,又は研磨紙
を使用し,最終的には試験片の長手方向と平行にJIS R 6252に規定するP600より細かいものを使用して
研磨し,試験片の長手方向と直角な方向の条こんが残らないように仕上げる。
5.3 試験片の精度 試験片平行部の直径の仕上げ寸法の呼び寸法に対する誤差は,±0.05mm以内とする。
平行部の仕上げ寸法の偏差(平行部内の最大直径と最小直径の差)は,0.03mm以内とする。また,試験
片には,0.02mm以上の湾曲や偏心がないものとする。
5.4 試験片の直径及び初期断面積 試験片の直径は,互いに直交する2方向について測定し,その平均
値とする。試験片の初期断面積は,直径の最小部における断面積とする。
5.5 試験片の保存 試験片は,製作後及び試験後にさびたり傷ついたりしないように十分注意して取り
扱い,保存しなければならない。
6. 試験機
6.1 負荷装置 試験機負荷装置は,全ひずみの最大値,最小値及び全ひずみ範囲が試験中一定となるよ
うに引張荷重及び圧縮荷重を繰り返し与えることができるものを用いる。引張及び圧縮時にねじのゆるみ
や接続部のがたがないように設計・製作されたものとする。

――――― [JIS Z 2283 pdf 4] ―――――

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軸荷重計測装置は,各レンジのフルスケールの±1%以内の静的精度をもつものでなければならない。ま
た,熱伝導などによって荷重計測装置が冷却されないように保護されたものとする。
備考 停電,その他の理由によって試験機が停止した場合には,試験片に過大な荷重がかからないよ
うに速やかに除荷するための機構を備えていることが望ましい。
6.2 変位計測装置 変位計は附属書1によって,あらかじめ校正し,試験片への取付け前後に標点距離
が変化しない機能をもち,試験片の標点間の変位を制御することができるものを用いる。変位計には試験
片の標点間の変位を制御することができるものを用いる。
6.3 極低温装置 液体ヘリウム中で試験片に負荷するための極低温装置は,次による。
a) 液体ヘリウムを保持するためのデュワーと,その中で試験片を保持して負荷するための荷重軸とつか
み具とを備えた構造とする。
b) 試験中,試験片を試験機の作動中心線上に保持できるものであるとともに,軸方向の引張,圧縮以外
の力が加わらない構造とする。
備考 このため,心合せが容易にできるようにすることが望ましい。
c) 試験時試験片に生じる偏心を,附属書2によって,あらかじめ検査し,その規定に適合しているもの
とする。
d) デュワーは,試験中,液体ヘリウムを保つのに十分な断熱層をもつものとする。
e) 荷重軸及びつかみ具は,十分な強度とじん(靭)性をもつ材料で製作され,十分な軸方向剛性と横方
向剛性をもつものでなければならない。また,つかみ具は試験される試験片に適した構造をもち,か
つ,使用される疲労試験装置の荷重軸との結合に適した構造をもつものとする。
6.4 液面計 極低温装置のデュワーには,試験中,試験片が完全に液体ヘリウム中にあることを確認す
るため,液体ヘリウムの液面を監視する適正な液面計又は液面計に代わるセンサーを備える。
6.5 記録装置 荷重・変位の最大値・最小値及び応力−ひずみヒステリシスループを記録するための記
録装置は,各レンジのフルスケールの±1%以内の精度をもつものでなければならない。
備考 通常は,応答速度の速いペンレコーダを用いるが,突発的なセレーションの発生に備え,光記
録計又は十分なサンプリング速度をもつデジタル記録装置の使用が望ましい。
7. 試験方法
7.1 試験片の取付け方法 試験片は偏心を避け,試験中ゆるむことがないように強固に試験機に取り付
けなければならない。ただし,取付けに際し,試験片平行部に大きな軸荷重,曲げ荷重及びねじり荷重が
作用しないように注意しなければならない。
7.2 変位計の取付け方法 変位計は,試験中に試験片から外れたり,ずれたり,液体ヘリウムの流動の
影響や負荷装置などの振動の影響を受けないように取り付けなければならない。ただし,変位計の取付け
位置からき裂が発生しないように注意する必要がある。
7.3 負荷方法 負荷方法は,次による。
a) 負荷開始前に試験片の冷却を行う。冷却は試験片の標点間軸方向及び断面内に急激な温度こう(勾)
配が生じないようにしなければならない。また,冷却時に収縮に伴う応力が試験片に作用してはなら
ない。
b) 試験中,デュワーに液体ヘリウムを補給する必要が生じた場合には,変位計にノイズが入らないよう
に注意しなければならない。ひずみ制御が安定に行えない場合には,ひずみの繰返しを一時中断する。
液体ヘリウム補給時の極低温装置内の内圧上昇に起因した荷重変動が,荷重検出器の検出精度 (1%)

――――― [JIS Z 2283 pdf 5] ―――――

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JIS Z 2283:1998の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2283:1998の関連規格と引用規格一覧