JIS Z 2300:2020 非破壊試験用語 | ページ 2

           4
Z 2300 : 2020
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0012 クレータ割れ crater crack
溶接部終端部のクレータに生じる割れ(JIS Z 3001-4参照)。
注記 溶接線方向に沿ったもの,溶接線に直交方向のもの,
放射状(スタークラック)のものなどがある。
0013 スラグ巻込み 溶接金属に巻き込まれたスラグ(JIS Z 3001-4参照)。 slag inclusion
注記 その形成状況によって線状,孤立状,群れ状などがあ
る。
0014 パイプ pipe
鋼の凝固収縮過程で発生する収縮孔又は熱間加工時に発生し
た割れが,完全に圧着されず,内部にその跡をとどめたもの
(JIS G 0553参照)。
0015 クレータ収縮孔 crater pipe
溶接ビード端部の収縮孔で,後続ビード(パス)の溶接前又
は溶接中には消滅しないもの(JIS Z 3001-4参照)。
注記 クレータパイプともいう。

――――― [JIS Z 2300 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
Z 2300 : 2020
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0016 溶込み不良 lack of penetration,
設計溶込みに比べ実溶込みが不足していること(JIS Z 3001-4
参照)。 incomplete penetration
0017 融合不良 溶接境界面が互いに十分に溶け合っていないこと(JIS Zlack of fusion,
3001-4参照)。 incomplete fusion
0018 コールドラップ, cold lap,
融合不良の一種で,両金属面は接触しているが融合していな
コールドウェルド, い状態。 cold weld
冷接
0019 アンダカット undercut
母材又は既溶接の上に溶接して生じた止端の溝(JIS Z 3001-4
参照)。
0020 オーバラップ overlap
溶接金属が止端で母材に融合しないで重なった部分(JIS Z
3001-4参照)。
0021 酸化物の巻込み oxide inclusion
溶接中に金属酸化物が巻き込まれて溶融せずに溶接金属部に
残ること。

――――― [JIS Z 2300 pdf 7] ―――――

           6
Z 2300 : 2020
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0022 ブローホール 溶接金属中に生じる球状の空洞(JIS Z 3001-4参照)。 gas pore,
blow hole
0023 ウォームホール worm-hole
ガス放出で溶接金属に発生する筒状の空洞(JIS Z 3001-4参
照)。
注記 ウォームホールの形状及び位置は,凝固の形態及びガ
ス源によって決まる。一般に群集し,魚骨状に分布す
る。溶接表面まで達し,開口する場合もある。
0024 異種金属巻込み 溶接部に巻き込まれた異種金属(JIS Z 3001-4参照)。 metallic inclusion
注記 タングステン,銅,その他の金属などがある。
0025 溶接する母材間に設ける溝(JIS Z 3001-1参照)。
開先(かいさき), groove
グルーブ 注記 I形開先,V形開先,X形開先,レ形開先,K形開先,
J形開先,U形開先,H形開先などの名称がある。
0026 裏当て 開先溶接において,片面から溶接施工するため,又は溶落ち, backing
欠陥の発生などを防止するために,開先の底部に裏から当て
る金属板及び粒状フラックス(JIS Z 3001-7参照)。
注記 金属板であって,母材とともに溶接される場合は,裏
当て金ともいう。
0027 裏はつり back chipping,
開先溶接で,開先底部の欠陥部又は第1層目の溶接部分を裏
面からはつり取る操作(JIS Z 3001-7参照)。 back gouging
0028 たれ 片面溶接の場合,開先を突き抜けて,また,両面溶接の場合, excessive penetration
既に肉盛りされた側の溶接金属を突き抜けて飛び出した余分
な溶接金属。
0029 ラメラテア lamellar tear
十字型突合せ継手及びすみ肉多層盛継手のように,母材表面
に直角方向の強い引張拘束応力が生じる継手において,熱影
響部及びその隣接部に母材表面と平行に生じる割れ(JIS Z
3001-4参照)。

――――― [JIS Z 2300 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
Z 2300 : 2020
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0030 burn through
溶落ち(とけおち) 開先の反対側に溶け落ちた溶融金属(JIS Z 3001-4参照)。
0031 内部きず 試験体の内部に存在するきず。 internal flaw
0032 ピット pit,
溶接部の表面まで達し,開口した気孔(JIS Z 3001-4参照)。
pitting,
surface pore,
0033 余盛 weld reinforcement,
開先又はすみ肉溶接で,必要寸法以上に表面から盛り上がっ
た溶接金属。 excess weld metal,
weld cap,
weld crown
0034 スパッタ spatter
アーク溶接,ガス溶接,ろう接などにおいて,溶接中に飛散
し,付着した金属粒(JIS Z 3001-4参照)。
0035 ナゲット nugget
重ね抵抗溶接において,溶接部に生じる溶融凝固した部分
(JIS Z 3001-6参照)。
0036 熱影響部, heat-affected zone,
溶接,切断などの熱で組織,冶金的性質,機械的性質などが
HAZ HAZ
変化を生じた,溶融していない母材の部分(JIS Z 3001-1参
照)。
0037 湯境い cold shut
鋳造条件が不適切なとき,鋳型内で二つの溶融金属(湯)の
流れが合流する所に生じる融合していない境界面。
0038 湯回り不良 misrun
鋳込み温度が低いなどの原因によって,鋳型を完全に満たす
前に溶湯が凝固して,不完全な鋳物を作ってしまう不良現象。
0039 砂かみ 鋳造時に鋳型から落ちた砂の鋳物への混入。 sand inclusion,
sand patches
0040 引け巣 shrinkage cavity
鋳型に注入した溶湯が凝固するとき,先に凝固収縮した部分
に引っ張られて,ロート状に陥入した部分。
0041 ポロシティ ガスを巻き込むことによって生じた空洞(JIS Z 3001-4参照)。 gas cavity,
porosity
0042 インゴットパター ingot pattern
鋼の凝固過程における結晶状態の変化又は成分の偏りのた
ン め,輪郭状に濃度差が現れたもの(JIS G 0553参照)。
0043 スリバー sliver
素材中の異物(ガスを含む。)又はきずのために,材料の表面
が皮をかぶったようになったもの,及びこの皮ががれたも
の。
0044 気孔 gas cavity,
溶融金属中に発生した気泡が,凝固時に離脱できずに溶接部
又はインゴットに残留したもの。 cavity
0045 サルファバンド sulphur band
鋼材において硫黄を多量に含有する部分が帯状に偏析した
層。

――――― [JIS Z 2300 pdf 9] ―――――

           8
Z 2300 : 2020
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0046 サルファ割れ sulphur crack
硫黄の偏析が層状に存在している鋼材を溶接した場合に,低
融点の硫化鉄共晶が原因となって溶接金属内に生じる一次晶
粒界割れ。
0047 (鋼材の)収縮割 shrinkage crack
加熱又は溶湯の凝固過程において冷却速度が各部で異なると
れ, きに起こる割れ。
ひけ割れ
0048 (鋼の)清浄度 index of cleanliness of
鋼中において,非金属介在物が含まれる度合い。顕微鏡視野
内で,非金属介在物が占める面積百分率で表す。 steel
0049 中心部偏析 center segregation
溶融金属の凝固において最後に凝固する中央部に,ある種の
合金元素又は不純物が,濃化して偏在する現象又はその状態。
0050 熱間割れ 材料の半製品及びスラブの熱間加工時に発生する割れ。 hot tears,
注記 長さ,幅及び深さが一定でなく,方向性がない。 hot crack
0051 白点(はくてん) flake,
鋼材の破面に現れる白色の光沢をもった斑点(JIS G 0201参
照)。 white spot
0052 非金属介在物 non-metallic inclusion
鋼の凝固過程において,鋼中に析出又は巻き込まれる非金属
の介在物(JIS G 0202参照)。
0053 研磨割れ grinding crack
熱処理した鋼のグラインダ加工において,研磨中に熱応力に
よって発生する割れ。
0054 しま状組織, 圧延又は鍛伸方向に平行に並んだ偏析組織。 banded structure
層状組織
0055 シームきず 圧延によって,圧延方向に平行に生じる線状きず。 Seam flaw
0056 孔食 pitting corrosion
局部腐食が金属内部に向かって孔状に進行する局部腐食現
象。
0057 延性破壊 ductile fracture
材料が外力によって,塑性変形(永久変形)を生じて破壊す
る現象。
0058 応力亀裂 stress cracking
プラスチックの表面又は内部に破壊強さよりも小さい応力に
よって生じる亀裂。
0059 応力腐食割れ 腐食と引張応力との相乗作用によって生じる割れ。 stress corrosion cracking
0060 置割れ, season cracking
焼入れ又は焼入焼戻しした金属材料が放置中に生じる割れ
自然割れ (JIS G 0201参照)。
0061 遅れ割れ delayed crack
引張応力のかかった状態の材料が,ある程度の時間が経過し
た後に,ほとんど塑性ひずみを生じることなく発生する割れ。
0062 クリープ破壊 creep fracture
材料が長時間にわたって外力を受け,時間とともに塑性変形
が増大して生じる破壊現象。
0063 残留応力 residual stress
外力又は温度勾配がない状態で,物体内部に残っている応力
(JIS B 0190,JIS G 0202及びJIS Z 3001-1参照)。
0064 残留ひずみ residual strain
外力又は温度勾配がない状態で,材料内部に残っているひず
み。
0065 シグマ(σ)ぜい sigma embrittlement
シグマ(σ)相の析出分離によって起こるぜい化現象(JIS G
(脆)性 0201参照)。
注記 シグマ(σ)相とは,クロムを20 %以上含む高クロム鋼,
高クロムニッケル鋼などに現れる金属間化合物であ
る。
0066 照射ぜい(脆)性 irradiation embrittleness
放射線などの照射を受けることによって,その物質がもろく
なる性質。
0067 水素侵食 hydrogen attack
200 ℃以上の温度で水素の圧力が高いときに,鋼中に拡散し
た水素原子が,炭化物と反応して脱炭を生じ,メタンの気泡
が成長して割れを生じる現象。

――――― [JIS Z 2300 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Z 2300:2020の国際規格 ICS 分類一覧