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Z 2300 : 2020
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0068 低温ぜい(脆)性 cold shortness
室温付近又はそれ以下の低温で,鉄鋼の衝撃値が急激に低下
してもろくなる性質。
0069 水素ぜい(脆)性 hydrogen embrittlement
鋼中に吸収された水素によって鋼材に生じる延性又はじん
(靭)性が低下する性質。
注記 酸素を含む銅が水素などの還元雰囲気の中で高温加熱
されたとき,酸化銅の還元によって生じるボイドによ
って,延性又はじん性が低下する。
0070 水素誘起割れ hydrogen induced crack
おおよそ70 ℃以下の温度で,硫化水素と水とが存在すると
きに生じる水素原子が,鋼中に拡散して水素の気泡となって
発生する割れ。
0071 スケールきず scale mark
圧着してかみ込んだもの又は脱落してあばた状になった表面
のきず。
0072 スピルきず 不規則で離状の微細な不連続表面きず。 spills
注記 圧延方向に延ばされ,圧下率に影響されるが,母材に
つながっている。
0073 スポーリング spalling
圧延ロールなどの外表面に生じるがれ。陽極酸化皮膜の密
着性が局部的に失われて,離を伴う現象をいう。
0074 すりきず 取扱い中に表面にできた連続又は断続した線状のきず。 scratch
0075 ぜい(脆)性破壊 brittle fracture
材料が外力によって,ほとんど塑性変形を生じることなく破
壊すること。
0076 青熱ぜい(脆)性 blue shortness
200 ℃300 ℃付近で鋼の引張強さ又は硬さが常温の場合よ
りも増加し,伸び及び絞りが減少してもろくなる性質。
0077 赤熱ぜい(脆)性 熱間加工の温度範囲で鋼がもろくなる性質。 red shortness
0078 全硬化層深さ depth of hardening
硬化層の表面から硬化層と生地との物理的又は化学的性質の
差異が,区別できない位置までの距離。
0079 層割れ, 積層品の層間が離すること。 delamination
層間離
0080 ダイマーク die mark
押出(引抜)材表面の押出(引抜)方向に現れる線状の細か
い凹凸。
0081 脱炭層 decarburized layer
熱間加工又は熱処理によって,表層部の炭素濃度が減少した
部分(JIS G 0202参照)。
0082 地きず streak fissure,
鋼の仕上面における,そのまま肉眼によって認められるピン
macro-streak-flaw
ホール,ブローホールなどが連なった線状のきず,非金属介
在物による線状のきず,及び砂などの異物の介在による線状
のきず。
0083 軟点 焼入れで局部的に生じる完全には硬化しない部分。 soft spot
0084 離 delamination,
皮覆,めっき層の素地若しくはアンダコートからのがれ,
peeling,
又はコンクリート相互間,コンクリートと鋼材との間,コン
flaking
クリートと仕上げ材との間若しくは仕上げ材相互間に生じる
がれ若しくは空隙。
0085 ハードスポット hard spot
局所的な焼入れなどによって周囲の硬さよりもかなり高い硬
さをもった部分。
0086 ピックアップ, pick up
重ね抵抗溶接において,電極と母材との接触部が過熱され,
汚れ その結果,電極材と母材とが相互に付着したり,合金層を作
ったりして生じる電極先端面又は母材表面の汚損。
0087 ひび割れ, crazing
材料·製品の表面又は内部に,外力又は内部応力によって生
ひび じたごく細かい亀裂。
0088 疲労破壊 fatigue fracture
材料が繰返し負荷を受けて発生した割れが進展して破壊に至
る現象。
――――― [JIS Z 2300 pdf 11] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
0089 ピンホール pinhole
製品にできた微細な孔。溶射皮膜を貫いて素地までに達する
微細孔をいう。
0090 膨れ, blister
金属内部に紡すい(錘)状に膨れ,皮膜が素地若しくはアン
ブリスタ ダコートから又は皮膜内で局部的に浮いている状態。
0091 フッククラック hook crack
電気抵抗溶接管において,鋼帯中の表面に平行な非金属介在
物,偏析などが溶接部に生じて,きずとなったもの。
0092 ヘアークラック, 表面に現れる微細な割れ。 hair crack
毛割れ
0093 ペネトレータ, penetrator,
フラッシュ溶接及び電縫管の溶接において,不適切な溶接条
フラットスポット flat spot
件のため,接合端面が酸化した状態で圧接されることで生じ
る内部きず(JIS Z 3001-4参照)。
0094 ミクロ割れ micro crack
光学顕微鏡(約50倍以上)で拡大して初めて検出されるよう
な微小な割れ。
0095 溝きず grooves
表面にできた種々の幅,深さ及び長さをもった機械的なきず。
注記 圧延方向に平行か直角で,介在物を含むことがある。
0096 もみ割れ forging crack
不適切な鍛造又は圧延作業によって,中心部に生じた割れ。
0097 焼戻ぜい(脆)化 temper brittleness
焼入れした鉄鋼を,ある焼戻温度に保持した場合又は焼戻温
度から徐冷した場合,ぜい性破壊が生じやすくなる現象。
0098 焼戻割れ tempering crack
焼入れした組織を焼戻しするとき,急熱,急冷又は組織変化
のために生じる割れ(JIS G 0201参照)。
0099 焼割れ 焼入応力によって生じる割れ。 quenching crack
00100 焼け burn,
皮膜の表面の色調が熱によって著しく変化している状態。
burned
00101 ラミネーション lamination
圧延鋼材において,内部きず,非金属介在物,気泡,不純物
などが圧延方向に沿って平行に伸ばされ,層状になったもの。
00102 粒界割れ 結晶粒界に発生又は結晶粒界を通過した割れ。 intercrystalline crack,
注記 いわゆる高温割れは,このタイプが多い。 intergranular crack
00103 アルカリ骨材反応 alkali silica reaction
アルカリとの反応性をもつ骨材が,セメント,その他のアル
カリ分と長期にわたって反応し,コンクリートに膨張ひび割
れ,ポップアウトを生じさせる現象(JIS A 0203参照)。
00104 damage by salt attack,
(コンクリートの) 塩化物イオンによるコンクリート中の鋼材の腐食によって,
塩害 コンクリートにひび割れ,離,落などの損傷が生じる現 damage by chloride attack
象(JIS A 0203参照)。
00105 (鋼材の)かぶり cover (reinforcement)
鋼材,シースなどの表面とそれらを覆うコンクリートの外側
厚さ 表面までの最短距離(JIS A 0203参照)。
00106 (コンクリートの) 乾燥収縮によって生じるコンクリートのひび割れ。 drying shrinkage crack
乾燥収縮ひび割
れ
00107 グラウト grout
空隙,目地,ひび割れなど細かい隙間を充するために,注
入用材料として用いるセメントペースト又はモルタル。
注記1 グラウトには,セメント系材料,セメント以外の無
機系材料,有機系材料などが用いられる。
注記2 充する作業は“グラウティング”という(JIS A 0203
参照)。
00108 neutralization,
(コンクリートの) 硬化したコンクリートが空気中の炭酸ガスの作用を受けて次
中性化, 第にアルカリ性を失っていく現象(JIS A 0203参照)。 carbonation
炭素化
00109 (コンクリートの) 硬化コンクリート表面に残った気泡の跡。 crater
表面気泡
――――― [JIS Z 2300 pdf 12] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
00110 pop-out
(コンクリートの) コンクリート表層の小部分が円すい形のくぼみ状に破壊され
ポップアウト た状態。
00111 豆板(まめいた) honeycomb,
モルタル又はセメントペーストの不足した粗骨材が蜂の巣状
に集積し,充不十分な部分。 rock pocket
00112 損傷 deterioration,
使用環境によって,物理的性質に永久変化が起こって性能が
変化すること。 damage,
radiation damage,
注記 放射線の照射を受けることによって,その物質の諸特
irradiation damage
性に好ましくない変化が起こることを,放射線損傷又
は照射損傷という。
00113 劣化 deterioration,
材料又は製品が,応力,熱,光などの使用環境によって,次
第に本来の機能に有害な変化を起こすこと。 degradation
00114 SN比 信号に対するノイズ(雑音)の量を対数で表した比。 signal-to-noise ratio
00115 表皮効果 skin effect
試験体に加えた磁界又は電流が時間的に変動した場合,磁束
密度,電流及び渦電流の強さが表面に集中し,内部に向かっ
て指数関数的に減少する現象。
00116 表皮深さ, skin depth,
磁束密度,電流及び渦電流の強さが,表面の値の約37 %にな
浸透深さ standard depth of
る表面からの深さ。表面深さδは,次の式によって計算され
る。 penetration
1
f
ここに, f : 試験周波数
σ : 導電率
μ : 透磁率
注記 プローブの形状による実効的な表皮深さを“実効表皮
深さ”という。
00117 磁気飽和 magnetic saturation
強磁性体において,磁界が増加しても,磁束密度が顕著に増
加しない現象。
注記 この現象を用いて試験体の磁性の不均一による雑音を
抑制することができる。
b) 試験方法
番号 用語 定義 対応英語(参考)
0301 非破壊評価, nondestructive evaluation,
非破壊試験で得られた情報を,試験体の性質又は使用性能の
NDE 面から総合的に解析·評価すること。 NDE
0302 非破壊検査, nondestructive inspection,
非破壊試験の結果から,規格などによる基準に従って合否を
NDI 判定する方法。 NDI
0303 非破壊試験, nondestructive testing,
素材又は製品を破壊せずに,品質又はきず,埋設物などの有
NDT NDT,nondestructive
無及びその存在位置,大きさ,形状,分布状態などを調べる
試験。 examination
注記 材質試験などに応用されることもある。放射線透過試
験,超音波探傷試験,磁気探傷試験,浸透探傷試験,
渦電流試験などがある(将来の有用さ及び役割を損な
うことなく,きずを検出し,位置の推定,寸法測定及
び評価を行うために,材料又は部品を試験する技術的
方法の開発及び適用,本来の状態,特性及び組成を評
価すること,並びに幾何学的形状を測定することも含
まれる。)。
0304 放射線透過試験, 放射線を試験体に照射し,透過した放射線の強さの変化から, radiography,
RT 試験体内部のきず及び/又は状態を調べる非破壊試験。 radiographic testing,
RT
――――― [JIS Z 2300 pdf 13] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
0305 超音波探傷試験, ultrasonic testing,
超音波を試験体中に伝搬させたときに試験体の示す音響的性
UT UT
質を利用して試験体内部のきず又は材質を調べる非破壊試
験。
0306 アコースティッ AE信号波を利用する非破壊試験方法及び材料評価方法。 acoustic emission testing,
ク·エミッショ AE testing
ン試験,
AE
0307 磁気探傷試験, magnetic testing,
磁性粉末を含む適切な試験媒体を利用し,漏えい(洩)磁界
MT magnetic particle testing,
によって表面及び表面近傍のきずを検出する非破壊試験。
MT
0308 浸透探傷試験, penetrant testing,
一般に浸透処理,余剰浸透液の除去処理,及び現像処理で構
PT PT
成される表面に開口したきずを指示模様として検出する非破
壊試験。
0309 渦電流試験, eddy current testing,
対象物を検査するために誘導渦電流の電磁効果を用いる非破
渦電流探傷試験, 壊試験。 ET
ET
0310 漏れ試験, 漏れの有無,漏れ箇所の検出,漏れ量の測定などを行う試験。 leak testing,
リーク試験, LT
LT
0311 ひずみ試験, strain gauge testing,
負荷を与えた試験体に生じるひずみゲージの状態を調べる試
ひずみゲージ試験, 験。 ST
ST 注記 JIS Z 2305:2013ではひずみゲージ試験が規定されてい
るが,ISO 9712:2012では“Strain gauge Testing”(略語
ST)が規定されている。
0312 赤外線サーモグラ infrared thermographic
赤外線放射エネルギーを検出し,その分布を画像表示する方
フィ試験, 法を応用した試験。 testing,
TT TT
0313 (技術者の)資格 qualification of personnel
非破壊試験業務を適切に遂行するために要求される身体的特
性,知識,技能,訓練及び経験に関する実証(JIS Z 2305参
照)。
0314 (技術者の)認証 certification of personnel
非破壊試験方法,資格レベル及び分野に関する資格要件を満
たしたことを確認するために,認証機関が用いる資格証明書
の発行を前提とする手順(JIS Z 2305参照)。
0315 技術検定 performance qualification
技術者の試験技術が規定された水準に達しているかどうかを
確認すること。
0316 標準試験片 standard test block
装置の校正及び評価に用いる,規定された材質,形状及び寸
法の試験片。一つ以上の人工きずを付与してもよい。
0317 試験体 試験の対象物又は試験中の対象物。 test object,
test block,
test piece,
specimen,
test specimen
0318 試験片 test piece,
欠陥検出性をチェックするために用いられる人工きず又は自
然きずのある試料。 specimen,
test specimen
0319 対比試験片 reference test piece,
装置の感度調整及び検査実施のプロセスの調整に使用する規
定された不連続部を含む試験片。 reference block
0320 ボス供試体, Broken Off Specimens by
ボス型枠を用いて,構造体コンクリートと一体で成型される
BOSS 直方体の供試体。 Splitting,
BOSS
――――― [JIS Z 2300 pdf 14] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
0321 きず検出能, detectability
どれだけ小さいきずまで検出できるかを表す能力の尺度。
きず検出限界
0322 外観試験 appearance test,
目視及び寸法検査によって外観の良否を検査する試験(JIS Z
3001-1参照)。 appearance testing,
visual testing
注記 目視試験は,試験体の表面性状(形状,色,粗さ,き
ずの有無など)を,直接又は拡大鏡を用いて肉眼で調
べる試験をいう。
0323 回送試験, round robin test
標準試験法又は標準試験片の決定などの場合,あらかじめ試
ラウンドロビンテ 験方案を決めて特定の試験片をワーキング·グループのメン
スト バーの間で,順次,回送して行う試験。
0324 材質試験 identification of materials,
“材料の種類”,“不純物又は合金成分”,“熱処理”などによ
material test
って物理的特性が変化するのを利用して材料の性質を調べる
試験。
0325 サルファプリント sulphur print examination
硫酸を含有する腐食液の中に前もって浸せきした黒白写真印
試験 画紙に材料を密着させることによって,様々な化学的形態で
材料の中に存在する硫化物の位置及び面積を検出する試験
(JIS G 0560参照)。
注記 ISO 4968では,写真印画紙に代えて,フラット·フィ
ルムの適用を認めている。
0326 スンプ試験 Suzukis Universal Micro
レプリカ法の一種で鋼の表面を仕上げ研磨して,その上に酢
Printing examination
酸メチルを滴下し,アセチルセルローズ膜をはって乾燥した
後これをがし取り,その膜を透過形光学顕微鏡で観察して,
鋼の性状を判定する試験。
0327 耐圧試験 pressure test
ボンベ,ボイラなどの圧力容器及び配管が,使用中の圧力に
十分耐えるかどうかを検証することを目的に行われる試験。
0328 断面試験 section testing
試験体を切断し,断面について内部きず,金属組織などを調
べる試験。
0329 破面試験 fractography,
試験体を外力によって破断し,破面を観察して内部のきずな
どを調べる試験。 fracture testing
0330 膜厚試験 coating thickness testing
めっき,塗装,酸化皮膜などの皮膜厚さを測定する試験。
注記 膜厚試験には,化学的方法のほか,次の方法がある。
a) 直接,マイクロメータ,顕微鏡などを利用するもの。
b) 電気磁気的方法,放射線などを利用するもの。
0331 マクロ組織試験 macroscopic test,
断面又は表面のきず,性状及び組織を検査する目的で,研磨
macro structure
された断面又は表面を,塩酸,塩化銅アンモニウム,王水な
どを用いて腐食し,肉眼で判定する試験。 examination
0332 レプリカ法 replica method
追従性のよい有機材料皮膜を試験部の表面に貼付し,表面の
凹凸を忠実に皮膜上に再現し,この皮膜をがして観察する
方法。
0333 異材判別, 異材混入のおそれがある試験体を試験して,異材を判別する, sorting of materials,
異材の鑑別 又は異材の混入を確認すること。 discrimination of foreign
materials
0334 (鋼の)火花試験 spark test (for steel)
鋼塊,鋼片,鋼材及びその他の鋼製品をグラインダを使用し
て研削し,発生する火花の特徴を観察することによって,鋼
種の推定又は異材の鑑別を行う試験。
0335 打音試験 impact acoustics test
試験体を打撃体で打撃することによって発生する放射音を利
用した非破壊試験。
注記 打音による変状の検出,材質試験,厚さ測定などの試
験が含まれる。
――――― [JIS Z 2300 pdf 15] ―――――
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JIS Z 2300:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.19 : 試験(用語集)