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(d) 非常停止スイッチは,電動機の停止電流などを考慮し,関連回路の全負荷電流を遮断できる容量を
もつこと。
(e) 非常停止スイッチは,一つの操作で作動できること。
(4) 動力駆動部と周囲の機器との接触 動力駆動部が周囲にある他の機器に接触して生じる危害を防止す
る手段を講じるか,又は使用上の注意を取扱説明書に記載すること。
(5) 速度制限及び制動 危害を与えるおそれがある状態で移動部が患者に接触するような場合,移動部又
は患者を位置決めする動きの速さは,操作者が患者を危険にさらすことなく適切な位置決めを行える
ように制限すること。そのような動きを停止させるために操作スイッチを作動した後に生じるオーバ
ランは,10mmを超えないことが望ましく,20mmを超えないこと。
一般的な指針として,動力駆動部の患者方向への動きは,患者支持用テーブルの上面から300mm
以内,又はテーブル側面から100mm以内では,その速度を最大速度の2分の1に制限することが望
ましい。
備考1. 患者に接触する部分に緩衝材(例えば,ゴムクッション)を備えているよう場合には,患者
に緩衝材が接触してから緩衝効果がなくなるまでの距離に20mmを加えた範囲内で移動部が
停止すればよい。
2. X線透視撮影台の圧迫筒のように,患者に加える力が安全な範囲に制限されている動きに関
しては,この規定を適用しない。
(6) 不慮の動き 正常な使用時及び単一故障状態で,患者に危害を与えるおそれがある不慮の動きを最小
限にするために,次のような手段を講じること。
(6.1) 操作スイッチが思いがけずに入って患者に危害を与えることがないように,操作スイッチを適切な
位置に配置するか,奥まった場所に置くか,又は保護手段を設けること。
(6.2) 患者に直接重大な危害を与えるおそれがあり,かつ,操作者が非常停止スイッチを作動させても間
に合わないおそれがある電動駆動の動きについては,次のような手段を講じること。
(a) 操作者が二つのスイッチを作動し続けなければ動かないこと。二つのスイッチのどちらかを開放
しても,この動きが止まること。
備考 この二つのスイッチは,一つの制御回路に配置してもよい。
また,一つのスイッチはすべての動きに共通した回路に配置してもよい。
(b) これらのスイッチは,患者に危害を引き起こすおそれのある動きを操作者が観察できるような位
置に配置すること。少なくとも一つのスイッチは,動く部分の動きを観察できるように,操作者
が患者のそばで操作できる位置に配置すること。
(c) 自動的に位置決めをするような装置では,操作スイッチは,デッドマンスイッチとし,その動き
を監視できる位置に配置すること。
(6.3) リレー接点の溶着などの故障が制御不能な動きを生じる場合には,何らかの冗長的保護手段を講じ
ること。
また,その保護手段の一つが故障した場合,その故障は,警報又は取扱説明書に記載された試験
によって操作者が識別できること。
(6.4) 電動駆動用のスイッチは,駆動制御回路の接地側に接続しないこと。
備考 この規定は,電動駆動制御回路のケーブルなどが予期しない破損で地絡しても,電動機が動く
ことがないようにすることを目的としている。ただし,論理回路については,この規定に添う
ことができない場合も考えられるため,短絡に対して十分に保護された論理回路に対しては,
――――― [JIS Z 4703 pdf 6] ―――――
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この規定の適用を除外する。
6.3.6 電気的ロック 電気的に行うロックは,停電又は電源電圧の降下時にロックが外れても,患者又は
操作者に危害を生じてはならない。
6.3.7 停電 停電又は電源の遮断時の安全は,次による。
(1) 装置には,電源が切れたり復帰したりしても,患者又は操作者に危害を及ぼすおそれがないような手
段を講じること。
(2) 装置には,停電時及び故障時に患者に加えられる機械的圧力(例えば,透視撮影台の圧迫など)又は
不安定な状態を速やかに除去する手段を備えること。
6.3.8 エンドストッパ 患者に危害を与えるおそれがある動きのエンドストッパには,動きを止めるのに
十分な強度の機械的手段を講じなければならない。
6.4 外装及び保護カバー 外装及び保護カバーは,JIS T 1001の8.1.1(外装及び保護カバー)による。
6.5 手で保持する部分 正常な使用時に手で保持する機器は,JIS T 1001の8.1.4(手で保持する部分)
による。
6.6 表面,角及び縁 表面,角及び縁は,JIS T 1001の8.3(表面,角及び縁)による。
6.7 移動形装置 移動形装置は,次による。
(1) 質量が45kgを超える移動形装置の車輪は,直径70mm以上であること。ただし,移動時に二つの車
輪で装置の質量の70%以上を支える場合には,その二つの車輪の直径が70mm以上であればよい。
(2) 動力によって走行する移動形装置には,デッドマン形のブレーキを備えること。
(3) 5°以下の傾斜で不用意に動くことのないように,車輪固定機構又はブレーキを備えること。
(4) 移動形装置のX線管支持部の固定は,移動中に容易に外れることがない構造とすること。
6.8 携帯形装置 携帯形装置の構造は,JIS T 1001の8.1.3(取っ手)及び8.5(グリップ及び取っ手)に
よる。
6.9 飛散物 飛散物に対する保護は,JIS T 1001の8.6(飛散物)による。
6.10 圧力容器及び圧力を受ける部分 圧力に対する保護は,JIS T 1001の11.4(圧力容器及び圧力を受け
る部分)による。
7. 安全
7.1 電気的安全 電気的安全については,JIS Z 4701の5.(電撃に対する保護)及びJIS T 1001の13.
(異常作動及び故障状態)による。
7.2 機械的安全
7.2.1 機械的強度 機械的強度は,次による。
(1) 成人を対象とする装置は,少なくとも135kgの体重を安全に支持する機械的強度をもつこと。
また,取扱説明書に最大許容負荷質量を明記すること。
なお,小児用に限定する場合には,最大許容負荷質量を取扱説明書に明記し,かつ,装置にその値
を表示すること。
(2) 安全を維持するために必要な場合には,装置を構成する部品の交換時期を取扱説明書に明記すること。
7.2.2 安全率 ある部品の破損が直接又は間接的に危険を招く場合には,金属部品の静的な荷重に対する
安全率は,表2の値以上にしなければならない。ただし,材料の特性と予測されるすべての外力が分かっ
ている場合にはa欄の値を適用し,それ以外の場合にはb欄の値を適用する。
――――― [JIS Z 4703 pdf 7] ―――――
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表2 安全率
安全率
a b
破断強度 2.5 4.0
7.3 懸垂保持機構
7.3.1 安全装置を備えない懸垂保持機構 安全装置を備えない懸垂保持機構は,表面の欠陥,材料の損傷
などによる事故の危険をできる限り少なくするために,高い破断伸びをもつ金属を使用しなければならな
い。安全率は,次による。
(1) 摩耗,腐食・材料疲労及び経時変化によって支持機能が劣化するおそれがない場合には,すべての懸
垂支持部品の静安全率を4以上とする。
(2) 摩耗,腐食,材料疲労及び経時変化による損傷があると考えられる場合には,初期の静安全率を8以
上とする。
(3) 破断伸び5%未満の金属を使用する場合の静安全率は,(1)及び(2)に規定した静安全率の1.5倍とする。
7.3.2 安全装置を備えた懸垂保持機構 安全装置を備えた懸垂保持機構では,安全装置の静安全率は,
7.3.1 (1)で規定した値以上でなければならない。
7.3.3 安全装置 安全装置として落下防止機構を備えている場合には,落下開始後30mm以内で停止しな
ければならない。
備考 懸垂保持機構には,ワイヤロープ,チェーンなど,それらの端末金具,及びそれらを支持する
構造部品を含む。
8. 試験
8.1 負荷質量試験 指定の最大負荷質量の人体模型,砂袋又はこれに相当する物(ただし,砂袋又はこ
れに相当する物を用いる場合は,人体と類似する荷重分布になるように配慮すること。)を載せ,正常な使
用状態で動作の異常の有無を調べる。
8.2 騒音試験 装置の連続的に発生する騒音は,正常な使用状態で装置の表面から1mの距離において,
JIS C 1502又はJIS C 1505の規定に適合する騒音計を用いてA特性で測定し,その値が5.2の規定を満足
しているかどうかを調べる。測定方法は,JIS Z 8731の規定による。
8.3 衝撃試験 衝撃試験は,次による。
(1) 携帯形装置の衝撃試験 コンクリート床上に,厚さ50mm以上,面積が装置の底面の縦横ともに1.5
倍以上の堅い板(例えば,密度700kg/m3以上の堅木)を置き,その上に装置を正常な使用時に置かれ
る各姿勢で表3に示す高さから自然落下させる。
この試験を3回繰り返した後,異常の有無を調べる。
表3 落下距離
装置の質量 (M) g 落下距離 mm
M≦10 50
1050 (2) 移動形装置の衝撃試験 移動形装置の場合には,取扱説明書に記載された方法で操作を行い,幅80mm,
高さ20mmの段差を,1.5m/s (5.4km/h) の速度(ただし,動力駆動の場合は,その装置の最大速度)で
10回乗り越えさせた後,異常の有無を調べる。
――――― [JIS Z 4703 pdf 8] ―――――
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室内での移動を主用途とする装置(例えば,外科用Cアーム形X線装置など)では,高さ20 mm
の下降段差で同様の試験を20回行い,異常の有無を調べる。
備考 この試験は,X線管,X線イメージインテンシファイア管などのガラス部品を直接の対象とし
ない。
8.4 最終停止位置試験 各移動部をそれぞれ10回ずつ最大量移動させ,その移動量を測定し,その値が
5.4(1)の規定を満足しているかどうかを調べる。
8.5 質量試験 各種ケーブル,コード類,附属品なども含めて測定し,その値が5.4(2)の規定を満足して
いるかどうかを調べる。
8.6 移動速度試験 定格負荷において,最大移動量の移動を10回繰り返し,所要時間を測定して移動速
度を求め,その値が5.4(3)の規定を満足しているかどうかを調べる。
8.7 角度目盛試験 角度計を用いて測定し,その値が5.4(4)の規定を満足しているかどうかを調べる。
8.8 長さ目盛試験 計量法第12条第1号の規定に適合し,かつ,適切な精密さをもつ長さ計で測定し,
その値が5.4(5)の規定を満足しているかどうかを調べる。
8.9 安定性試験 安定性は,次の(1)(6)の試験によって調べる。
(1) 装置に指定の接続導線(電源コード及び接続されるあらゆる導線)をすべて接続し,かつ,着脱され
る可能性がある部品や附属品を最も好ましくない組合せで取り付ける。接続導線は,安定性が最も好
ましくない状態になるように置く。
(2) キャスタをもつ装置は,臨時に最も不利な状態にキャスタを固定する。扉や引出しなどは,最も不利
な状態にして置く。
(3) 液体容器をもつ装置は,容器を完全に満たすか,若干満たすか,又は空にするかの最も好ましくない
状態にする。
備考 正常な使用時において液体が増減する装置にだけ適用する。
(4) 装置を正常な使用時に設置される可能性があるあらゆる姿勢で,5.5(1)に規定した力を加えて転倒しな
いかどうかを調べる。
力は,装置の最も高い位置,又は床面から150cmの位置のどちらか低いほうの位置に,装置が最も
平衡を失うおそれがある方向に加える。
また,最も不利な姿勢で装置を水平面から10°傾けた平面上に置く。
(5) 安定性を増すために特定の姿勢が指定されている場合には,装置を指定の姿勢にして10°傾けた平面
上に置き,転倒しないかどうかを調べる。
なお,このような装置については,正常な使用時に置かれる可能性があるあらゆる姿勢で,装置を
水平面から5°傾けた平面上にも置いて転倒しないかどうかを調べる。
(6) 装置を5°の傾斜に置いて,自重で動かないかどうかを調べる。安定性を増すために特定の姿勢が指
定されている場合には,装置を指定の姿勢にして試験を行う。
8.10 X線透視撮影台の圧迫筒の試験 人体に相当する弾性をもつ模型を圧迫し,圧迫が自動的に停止し
たときの力が80N以下であるかどうかを調べる。
8.11 電気的安全試験 電気的安全試験は,JIS Z 4701の10.1(一般),10.2(湿度処理),10.3(保護接地
抵抗の測定),10.4(連続漏れ電流の測定),10.5(耐電圧試験)及び10.6(巻線の温度測定)による。
8.12 患者支持機構 患者支持機構は,次の(1)(3)の試験を行い,チェーン,クランプ,ワイヤ,ワイヤ
の端末部及び接続部,ベルト,軸,プーリなどのような支持機構の部品に危険を招くおそれのある損傷が
生じるかどうかを調べる。
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(1) 患者支持機構を,水平に,かつ,取扱説明書に従う範囲で最も不利な位置に置き,サイドレールを含
め支持面の全体に一様に分布する(3)に規定する荷重を1min負荷する。荷重は,規定の荷重に達する
まで漸次増加させてその支持機構に加える。
(2) 試験する機構の一部とは考えられない機構部分には,試験中,追加支持を設けてもよい。
(3) 荷重は,指定の正常負荷に7.2.2に規定する破断強度に対する安全率を乗じた値とする。正常負荷が指
定されていない場合には,1.35kNの力を与える荷重を試験のための正常負荷と考える。
8.13 踏み台及びいす 踏み台及びいすは,8.12と同様の手順で試験を行い,踏み台及びいすに危険を招
くおそれのある損傷が生じないかどうかを調べる。ただし,試験力は指定の正常負荷の2倍とし,この負
荷の指定がない場合には,2.7kNとする。試験力は,表面の0.1m2の面積全体に一様に分布するように加え,
1min維持する。
8.14 肩当て 肩当ては,透視撮影台の逆傾斜位の最大角度で正常負荷を1min支持し,危険を招くおそれ
のある損傷が生じるかどうかを調べる。正常負荷の指定がない場合には1.35kNとする。
8.15 懸垂保持機構の試験 安全装置を備えない懸垂保持機構では,指定の最大負荷質量に7.3.1に規定す
る安全率を乗じた質量を負荷して異常の有無を調べる。規定の安全率があるかどうかを設計データによっ
て確認してもよい。
安全装置を備えた懸垂保持機構では,指定の最大負荷質量に7.3.2に規定する静安全率を乗じた質量を安
全装置に負荷して異常の有無を調べる。規定の安全率があるかどうかを設計データによって確認してもよ
い。
8.16 安全装置の試験 安全装置として落下防止機構を備えている場合には,負荷質量を落下させ(例え
ば,ワイヤロープを切断する。),30mm以内で落下が停止するかどうかを調べる。
9. 検査
9.1 検査一般 ここに規定する検査は,すべて形式検査とする。
9.2 性能に関する検査 性能に関する検査は,次の項目の該当するものについて,8.18.9によって試験
したとき,5.の規定に適合したものを合格とする。
(1) 負荷質量
(2) 騒音
(3) 衝撃
(4) 最終停止位置
(5) 質量
(6) 移動速度
(7) 角度目盛
(8) 長さ目盛
(9) 安定性
9.3 構造に関する検査 構造に関する検査は,次の項目の該当するものについて,6.の規定に適合したも
のを合格とする。ただし,動く部分の中のX線透視撮影台の圧迫筒については,8.10によって試験したと
き,6.3.5(2)(a)の規定に適合したものを合格とする。
(1) 患者の支持及び固定
(2) 懸垂保持機構
(3) 動く部分
――――― [JIS Z 4703 pdf 10] ―――――
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JIS Z 4703:1995の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-1:1988(MOD)
- IEC 60601-1:1988/AMENDMENT1:1991(MOD)
- IEC 60601-2-32:1994(MOD)
JIS Z 4703:1995の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 4703:1995の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB1801:2020
- 伝動用ローラチェーン及びブシュチェーン
- JISB1802:1989
- ローラチェーン用スプロケット歯形
- JISC1502:1990
- 普通騒音計
- JISC1505:1988
- 精密騒音計
- JISG3525:2013
- ワイヤロープ
- JISG3535:2012
- 航空機用ワイヤロープ
- JIST1001:1992
- 医用電気機器の安全通則
- JIST1005:1983
- 医用電気機器取扱説明書の様式
- JISZ4005:2012
- 医用放射線機器―定義した用語
- JISZ4701:1951
- 医療用薄ゴムシート
- JISZ4701:1997
- 医用X線装置通則
- JISZ8731:2019
- 環境騒音の表示・測定方法